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2014年6月2日

【三橋貴明】欧州激震と竹中氏らの主張

From 三橋貴明

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【今週のNewsピックアップ】
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●続 欧州議会選挙2014
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欧州に激震が走りました。とはいえ、あくまで「予想されていた激震」になります。

欧州議会選挙が行われ、反EU派が各国で躍進。フランスやデンマークに至っては、右派(極右じゃないです)と言われる国民新党やデンマーク国民党がトップになってしまいました。ギリシャも、左派の急進左派連合(SYRIZA)が最多票を集め、ツィプラス党首が勝利宣言。イギリスまで、EU離脱を訴えるUKIP(独立党)が第一党に躍進。労働党や保守党というイギリスの二大政党は、共に「敗北」しました。

イギリスは元々、キャメロン首相が17年にEUからの離脱の是非をはかる国民投票を実施すると表明しています。同時に、キャメロン首相は、EUの持つ権限を可能な限り加盟国に「戻すべき」とするEU改革案を提言しています。EUの権限を可能な限り加盟国に戻したら、その時点でEUではなくなってしまうような気が致しますが。

要するに、問題の本質は右派だの左派だの極右だの、反緊縮財政だの緊縮推進だの、社会民主主義だの構造改革主義だの、これまで争われてきた政策やイデオロギー的な対立とは異なる次元にあるのです。すなわち、EUでは各国の国民に主権がないという問題です。

UKIPがイギリスの政権を握ると、間違いなく構造改革路線を突っ走るでしょう。

AdF(ドイツのための選択肢)がドイツの政権の座につけば、更なる緊縮路線を追求することになります。

国民戦線やデ国民党、其れにスウェーデンの民主党が与党となれば、外国移民の「制限」が確実に行われます。

SYRIZAがギリシャの政権を握れば、財政拡大策路線に舵を切るでしょう。

信じがたい話かも知れませんが、上記に挙げた政党は「全て」反EUなのでございます。国内政策はバラバラもいいところですが、反EUについては共通しています。

要するに、EUに対して、
「主権を国民に返せ。まず話はそこからだ」
という話なのでございます。確かに、
「投票により、国民の意志を政治に反映できる」
ことは、民主主義国家にとって基盤中の基盤です。これが成立しないのであれば、右派も左派も、社会民主主義も新自由主義もあったものではありません。EUの国民は、「国際協定」により民主主義を奪われたも同然で、国政選挙でいかなる投票行動に出ようとも、EUという縛りにより自分たちのための政治はできません。というわけで、今回は「国内法」「国内政策」の上に立つ欧州議会において、民主主義により「EU解体」を求める人が激増したという話なのでございます。

翻って我が国を見ますと、産業競争力会議や規制改革会議、経済財政諮問会議の「民間議員という名を持つ民間人」により、国政が壟断される状況になっています。労働「時間」規制の緩和問題では、産業競争力会議が仰け反るような案(年収要件ゼロ)をだし、それを厚生労働省が押し返そうとしているわけですが、国民は、
「厚生労働省の官僚は既得権益! 改革への抵抗勢力!」
と、批判するのでしょうか。国民が自分たち(今回は正規社員)の権利を守ろうとしている勢力ではなく、壊そうとする勢力に喝采の声を上げ続けた結果、日本は現在の体たらくに至ってしまいました。

しかも、労働時間規制の緩和を推進している竹中氏らは、「正規社員こそ既得権益」と、非正規雇用の日本国民のルサンチマンを煽ろうとしているかに見え、極めて不快に思います。そもそも、日本で非正規雇用が増えたのは、彼らの労働規制の緩和のせいなのです。

まずは、労働規制の緩和(派遣の解禁、拡大等)により、非正規社員を増やす。次は、非正規社員のルサンチマンに訴えかけ、残った正規社員の「既得権」を潰す。この種のスキームが、裏に透けて見えるわけでございます。

正規社員だろうが、非正規社員だろうが、国民が自らの権利を守ろうとするのは、主権国家の国民として当然のことです。この種の行動について「既得権益者がっ!」などとレッテル貼りをして攻撃してくる連中と、戦わなければなりません。自分たちの権利を守るために。

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【三橋貴明】欧州激震と竹中氏らの主張への1件のコメント

  1. 匿各希望 より

    最近の一部言論界隈はレッテルのチキンレースと化してますな。例えば、「アベ信者」「土建屋」「レントシーカー」「コミンテルン」「リフレ信者」「似非保守」「既得権益」「ポリアンナ症候群」「亡国」「ネオリベ」「妄想崛起」「大崩壊」「ドリル!ドリル!」「ワクワク」・・・。挙句の果てには「それはレッテルだ」のレッテル認定のレッテル応酬。こういった即物的反応の言葉が「用語」「表現」「印象操作」「レッテル」なのかよく分からんが、レッテルがインフレ気味だな。

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