日本経済

2022年12月26日

【三橋貴明】日本銀行のイールドカーブ・コントロール修正の件

【今週のNewsピックアップ】
日銀の国債保有50%を突破!
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12780156736.html
日本銀行のイールドカーブ・コントロール修正の件
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12780314442.html

2月20日、日本銀行が金融政策決定会合で
「長期金利の変動幅拡大
 ±0.25%程度⇒±0.5%程度」
というYCC(イールドカーブコントロール」
見直しを決定し、
「すわっ! 利上げだっ!」
と、大騒ぎになりました。

多くの報道機関が「日銀、実質利上げ」
というニュアンスで報じたため、
無理もありません。
とはいえ、日本銀行は、
「日銀当座預金の政策金利残高の金利を
マイナス0.1%、長期金利の誘導目標を
0%程度とするYCC付き量的・質的金融緩和」
については現状を維持するとし、その上、
「国債買入れ額の大幅増額
 月間7.3兆円⇒9兆円程度」
も併せて決定しているのです。

報道機関が報じたように、
「国内の消費者物価指数上昇率が
日銀が目標に掲げる2%を7カ月連続で
上回っている状況などを踏まえ、
政策修正によるインフレ抑制を
優先する必要があると判断したとみられる。
(毎日新聞)」

と、インフレ抑制のために
金融政策を変更したならば、
国債買入れ額を増やすはずがありません。

というか「国債買い入れ額を増やす利上げ」
って、何ぞそれ?
日銀の今回の決定は、
ファンドとの戦いで十年物国債を買いまくり
(おかげで、日銀の国債保有割合が
50%を超えた。別にいいのですが)、
YCCの十年の部分が
凹んでしまったことへの対応です。

十年物国債の金利の凹みを直し、
その上でYC全体を押し下げていく
(だからこそ、国債買い入れ額の増額が必要だった)
というのが、日銀の政策決定だったのです。

とはいえ、多くの人は、
そもそもYCCさえも理解しておらず、
さらには日銀がご丁寧に
掲載してくれた資料↓すら読まず、
【イールドカーブ・コントロール
(YCC)の運用の見直し】
https://www.boj.or.jp/announcements/release_2022/rel221220h.pdf

金融(だけではないですが)に
無知な記者が思い込みで書いた
「日銀がインフレ抑制のために利上げ」
という記事に反応し、
大騒動になってしまったわけですね。

興味深いことに、
「日銀、利上げ」という誤解は
金融市場の思惑にも影響し、
一日で五円以上も円高が進みました。

何度も解説していますが、
為替レートは市場の思惑により変動します。
思惑には様々な要因が影響を与えますが、
今回は何と「誤解」により
五円以上も為替レートが動いてしまったのです。

この辺りの細かい話は、
「メルマガ 週刊三橋貴明」で解説しております。
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◆週刊実話
 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
 第496 国債の60年償還ルール

◆メルマガ
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 「利上げ誤解」による円高
http://www.mag2.com/m/P0007991.html

為替レートは
「金融市場の思惑」で動くと解説してきましたが、
12月22日は「日銀の利上げ」
という誤解に基づく思惑により、
五円以上も円高が進みました。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

「立法措置が必要でハードルが高い」
というレトリックに騙されるな!
[三橋TV第640回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/vYJ_vvL-xQ8

ガチガチやれよ!
政争が繰り返される政治こそが真っ当だ
[三橋TV第641回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/JfXwT4Ue8EU

年末だからぶっちゃけて議論してみた 
財務省、立憲民主党、そして核武装
[三橋TV第642回] 原口一博・三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/e9VZJg2ImXM

特別コンテンツ配信。

【12/26(月)までの限定公開】
唯一の天皇暗殺事件から読み解く
~聖徳太子が教科書から消されかけた謎
https://youtu.be/2ypm8Gl6eME

【緊急配信】事実上の利上げは嘘?
日銀のYCC見直しを徹底解説
https://youtu.be/BxfWHb7xm0k

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。

日本経済の成長に本当に必要な指標、
考え方、そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に学んで頂くのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
 第二巻」です。

さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya「シンガーsayaが
三橋先生にひたすら聞いてみた 第一回」
の全編もご視聴頂けます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾

12月17日、
三橋経済塾第十一期第十二回
対面講義を開催いたしました。
https://members11.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師は佐藤健志先生でした。
インターネット受講の皆様、
しばらくお待ちください。

23年1月21日、
第十二期第一回講義が開催されます。
ゲスト講師は藤井聡先生です。

◆チャンネルAJER 
「防衛費をめぐり日本の財政議論が始まった」
(前半)三橋貴明 AJER2022.12.21
https://youtu.be/D7OLQAGL6Ik

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【三橋貴明】日本銀行のイールドカーブ・コントロール修正の件への3件のコメント

  1. 利根川 より

     三橋TV第642回 643回視聴しました。核保有の議論にまで踏み込んだのは凄いですね。
     以前、原口議員が指摘していたように、現在の日本は

    アメリカから兵器を買っているものの、お金だけ払わされて肝心の品物(兵器)はいつまで経っても届かない状況にある。

    日本「あの…商品の代金は既にお支払いしたんですけど、いつになったら商品届きますか?」

    アメリカ「そのうち作るから、出来たら送るよ」

    だから防衛省も装備品の国産開発をどうにかして進めようとしてきたのだと思いますが、なかなか難儀しているようで。まあ、ウクライナの場合は「地続き」なので、国土の西側の国を経由して兵器を輸送してくるといったことが可能なんでしょうけれど、日本は海に囲まれてしまっているので、台湾有事が始まってしまったら輸入が難しくなる可能性もある。原口議員のおっしゃる通り装備品の自主開発は重要だと思います。
     加えていえば、

    「腹が減っては戦はできぬ」

    という言葉もありますが、鈴木宣弘教授の「農業消滅 平凡社」でも紹介されているように日本の食料自給率は

    <日本の食料自給率>

    1962年76%→2019年38%

    と恐ろしく低下してきました。現在のコストプッシュインフレの主たる原因もコレで

    未来投資会議「食料?わざわざ自国で作らなくても海外から買ってくればいいじゃん。これからはグローバルの時代だぜ」

    とやっていたところで戦争やパンデミックが起こって海外から食品が入ってこなくなってしまったからですね。自衛官がどれだけ「美味しいミリタリー飯のレシピ」を考案したところで、材料がなければ作れないわけですよ。(野菜の種は9割が海外産、鶏のヒナは100%海外産)
     アメリカ…というか、アメリカの政治家を支援している多国籍企業が何をしてきたのかというと、アメリカ傘下のIMFや世界銀行に「国連食糧農業機関」から「援助の主導権」を奪って

    多国籍企業「IMFや世界銀行からお金を借りたいのであれば食料を自分で作るのをやめなさい」

    多国籍企業「農業技術を普及するような組織は解体、農業組織も廃止」

    多国籍企業「あなた達は我々が必要とする商品作物(ゴムの木)を作ればいい。それを我々が買ってあげるから」

    途上国「それだと我々が食べるものが無くなってしまいます」

    多国籍企業「穀物なら我々が売ってあげるから、我々から穀物を買いなさい」

    こういったことをやってきたわけです。で、ご存知のようにウクライナ戦争が始まって多国籍企業が扱っていた穀物の輸出ができなくなり、途上国で飢餓が発生して世界中で食料の囲い込みが起こったわけですね。日本も似たようなことを年次要望改革書やTPP、日米FTAでやられてきたので食料自給率が38%まで下がってしまったわけだ。
     このままだと日本はまともに国防なんてできないわけですが、アメリカ政府はそれでいいんでしょうか。
     因みにね、食料自給率下げたから食品が不足して物価が上がってるって言ってる時に
     
    ~~~~~~~~~~~~~~~~

    政府は経産牛を4万頭減らすことを決定

    一頭減らした場合15万~20万補助金

    酪農家の廃業を進める方針 (農業国防研究所

    ~~~~~~~~~~~~~~~

    これだぜ?頭がおかしい。政治とカネの問題とかど~でもいいんですよ。野党にはもっとこういった所をつついてもらいたい。
     あとね、これは動画とは関係ありませんが、

    SDGs「食品ロスをなくそう」

    これです。道徳的なことを言えば「丁度ピッタリ自分達が食べる分だけ作って廃棄される食品をなくす」というのは素晴らしい事だと思いますが、

    平時に「丁度ピッタリ」ということは、有事には確実に足りなくなる

    わけでね…そういったところ考えているんでしょうか。
     三橋さんは

    三橋さん「私は専門家じゃないからもっといい方法があると思うけど、有事に飢えるくらいなら、平時は食品ロスがあってもいい」

    三橋さん「食材を多めに買って、それで食品ロスが起こったとしても、食材が売れれば生産者はまた食材を生産できる。食品の生産能力は維持されるわけです」

    と言っています。食品ロスをなくすのだとしても、それは一次生産者を痛めつけない方法でやるべきだと思います。

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  2. 利根川 より

     それから、動画では核保有についてのお話もありました。原口議員は

    原口議員「核保有の議論はすべきだと思うが、多国間での連携も強化していくべき」

    といった方針だそうで。
     ウクライナ戦争の直接の発端はウクライナがユーロに加盟するという話が出たことにあるとおもいます。ロシアとしては歴史的背景もさることながら、モスクワから目と鼻の先の距離にあるウクライナが西側に組み込まれるのを国防上の理由から阻止したいという思いと、ウクライナがユーロに加盟する前に何とかしておきたいという事情があったものと思われます。
     ユーロはユーロ加盟国が攻撃された場合、全加盟国が参戦しこれにあたるというものだそうで、ウクライナがまだ一国である今ならイケると思ったんじゃないでしょうか。
     こういったこともあるので、「簡単に食える」と思われないためにも多国間連携は必要なことと思います。
     核保有については、私は進めた方がいいと思っていますが、核を保有したとしてもそれで何がどうなるという話ではないと思います。
     大石久和さんの「国土が日本人の謎を解く 産経セレクト」でも紹介されていますが、日本は標高500メートル以下で傾斜がなく沼沢地でない「可住地」が国土面積の27%しかありません。イギリス85%、ドイツ67%、フランス73%にくらべると人が住める場所がとても少ないのが分かります。なので、もっと地方を開拓して人が住める場所を広げていかなければならないはずなのですが、なぜか政府は関東にばかり投資をするので関東ばかりが便利になり、そして便利なところに日本中から人が集まって密集してしまうという問題が起きています。
     さて、ただですら狭い可住地を更に狭くして密集して住んでいるのが日本なわけですが、中国やロシアは広大な土地に分散して人が住んでいるわけです。で、核ミサイルの打ち合いになった場合、密集して住んでいる人達と分散して住んでいる人達とどっちが不利かというと…
     とはいえ、いざという時に使える手札は多いに越したことはないと思うので、多国間連携を図ると同時に核保有の議論も進めていけばいいと思います。それに、

    原口議員「自国の上空すら自由に飛行させてもらえない日本にアメリカが核持たすとでも?」

    この問題もありますしね。自由民主党は保守だそうですが、保守だというのなら保守らしいところを見せていただきたいところです。あなたたちは何を保守しているのか。

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  3. 利根川 より

     あ、忘れてました

    「税は財源じゃない」

    来年の流行語大賞にノミネートさせなくては(笑
     三橋TV第643回、原口議員の解説によると

    「財務省は基金化を進めている」

    とのことです。どういうことなのかというと、コロナ禍で68兆円を超える予算を組んだわけですが、その予算の内30兆円以上がコロナ対策に使われなかったわけです。つまり、

    コロナ対策のために日本円を新たに発行はしたけど、使わずに財布に(基金に)しまっちゃった(←悪いしまっちゃうおじさん

    ということだそう。で、

    防衛省「防衛力強化のために〇〇にどうしても予算が必要なんです」

    財務省「仕方ないですね~、基金から予算を出してあげてもいいですよ。貸しにしておきますからね」

    こうして財務省は政治力を高めて「省庁の中の省庁」として君臨しているのだそう。どのくらい基金を新設しているのかは原口議員がグラフをつかって解説してくれていますので動画をご視聴ください。
     それから、最近の立憲は維新と接近しているとのことで

    「新自由主義の維新と接近しているということは、立憲もそっちの方に舵を切るのだろうか」

    と思われている節があるが

    原口議員「元々、民主党は増税に反対して政権交代をしたが、政権を取った後は増税に賛成してしまった。その時に民主党から離脱して維新に流れた議員が『需要が縮小する中での緊縮政策に反対』と言うことで接近している」

    とのこと。
     派閥争いこそが民主制の真骨頂、頑張って積極財政派を増やしていただきたいところです。立憲の中でも最近は緊縮派の枝野さんとかがブイブイ言わせているみたいですし、しっかりしてもらわないと…
     いろいろ動画や書籍で勉強させてもらっていますが、私がいくら勉強したところで

    「しょせんは一票」

    にしかすぎないわけです。政治家がもっと勉強してくれた方が話は早いと思うわけですよ。国会でも西田昌司参議院議員がお勉強会を開催して「貨幣」についてレクチャーしていて、それを多くの議員が聞いているはずなんですよね。なのに未だに

    緊縮派「国債が誰にも買われなくなってしまったら、それ以上は国債を発行できなくなる。国債の発行は抑えなければならない」

    コレですよ。
     西田議員と日銀の清水企画局長が解説してくださっていますが、国債は通常「日銀当座預金」で購入されています。その日銀当座預金を発行して市中銀行に供給しているのは中央銀行である日銀です。銀行預金は長く預金しておくと利息が付いて極わずかとはいえ増えていきますが、日銀当座預金は決済用の通貨であるため基本は利息がつきません。どれだけ長く持っていようと増えたりはしない。ところが、国債は利息が付くし元本保証なわけです。なので、市中銀行は中央銀行から利息の付かない日銀当座預金を貰ったら、それを利息の付く国債に換えた方がお得なわけです。だから、

    変動為替相場制の自国通貨建て国債が誰にも買われなくなるという事態は起こらない
     
    わけですよ。
     人間は間違える生き物であるし、知らないことは分からないわけで、それをいちいち責めたりはしません。ミスったことを理解していても「同じ失敗はしない」なんて普通の人には無理なので、何度もミスをしながら修正していってもらえばいいと思います。

    「あ、ヤベッ」

    と思っていて修正しようとしてもがいている人にそれ以上追い打ちはかけませんが、緊縮派の議員達は西田議員や原口議員から話を聞いて既に自分達が間違った政策をやってきたことを理解しているはずなのにまだ緊縮を続けようとしている。これって、国民よりも自分のプライドを優先しているということなんじゃないでしょうか。

    安藤裕前衆議院議員「このままだと日本の経済は大変なことになります。すぐに粗利保障の用意をするべきです。それから、消費税も廃止か減税を…」

    A議員「俺がどれだけ消費税増税のために苦労してきたのか分かってんのか!増税したために落選してしまった議員だってたくさんいるんだぞ」

    どこぞのCMが「自分がやってきたことを正解にするしかない」とか言ってますが、今の日本の状況を見るとクズの戯言にしか聞こえないですね。
     国民に対しては

    「雇用流動性を高める(クビを切りやすくして転職を増やす」

    とやってきたくせに自分達は雇用流動したくないそうですよ(苦笑い
     こういった手合いはどうしたらいいのでしょうか、原口議員には何か策はあるのでしょうか。
     とりあえず、党派を問わず話をしてくださる度量をお持ちの原口議員が貴重な存在であることが分かったのは良かったと思います、応援してます。

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