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2012年8月8日

【東田剛】大リストラの根本原因

FROM 東田剛

日経ビジネス(2012年7月9日号)によれば、
日本の産業技術が韓国・中国・台湾のメーカーに流出し、
相当まずい状況になっているそうです。

その大きな要因は、
日本のメーカーをリストラされた技術者が、
アジアの競合企業に採用されているからだということです。

最近の日本のメーカーは、
目を覆いたくなるような危機的状況です。

その理由の一つに、アジア勢の追い上げがあるわけです。
ところが、ソニーやパナソニックは3000〜4000人、
シャープも5000人のリストラを発表しました。
ルネサスに至っては1万4000人です。

ということは、また技術者がアジアの競合企業に流出して、
日本企業はさらに厳しい状況に追い込まれるのでしょう。

日経ビジネスは、日本のメーカーが現場の技術を生かすような
投資判断や技術選択のミスを続けてきたからだと批判してします。
相変わらず日経ビジネスらしい、木を見て森を見ない評論です。

もちろん、経営の問題もあるのかもしれません。
でも、そもそもの問題は、メーカーがリストラや
技術開発の軽視を余儀なくされた経済環境にあります。

リーマン・ショック以降の世界大不況、円高、
そして国内の長期にわたるデフレ不況です。

日経ビジネスは、人材流出を嘆くばかりでなく、
海外の有能な人材を引き抜けなどと言っていますが、
有能な外人がいたところで、肝心の需要がないのです。

欧州があの状態では、外需は当分、期待できません。
欧州市場への輸出や欧州からの投資で成長してきた
アジアなどの新興国市場もおしまいです。
米国も、家計の過剰債務という根本問題を解消しない限り、
本格的な復活はないでしょう。

食料価格も高騰しています。
世界的に政情が不安定化し、暴動も頻発しています。
「このままでは海外に出て行かざるを得ない」と言ったところで、
海外はどこも修羅場なのです。

したがって、財政金融政策によって内需を拡大し、
デフレを脱しなければなりません。
そうすれば、円高も緩和の方向に向かいます。

格差を是正して中間層を増やし、
耐久消費財の購買力を高めることも必要です。

しかし、公共事業の削減、規制緩和、労働市場の流動化、
外資の導入促進、TPPそして消費税増税など、
デフレを悪化させ、内需を縮小させ、格差を拡大し、
円高を招くような政策に賛成してきたのは、誰ですか?

そういう政策をやらないと、
「日本は滅びる」って煽っていたのは、誰ですか?

財界の幹部たちでしょう。

自分で自分の首を絞めるような政策に賛成して、
自分で苦しくなってリストラし、
技術者の海外流出を招いてさらに苦しくなる。

それが、日本の財界幹部です。
彼らこそ、国外に流出してほしいと心から願います。
最低でも県外!

PS
もしあなたが、「もう一度、日本を再構築しないと・・・」
とお考えなら、『レジーム・チェンジ』が参考になるはずです。
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【東田剛】大リストラの根本原因への6件のコメント

  1. 社内も日経信者が繁殖中 より

    会社にもバブル世代の似たような人間が多数おります。彼らは今だにグローバルスタンダード(=アメリカンスタンダード)=現在の韓国財閥礼賛なんですね。円高のハンディキャップがあることも知らず、日本が本当に負けていると思い込んでいるようなんです。それで、グローバルスタンダードにあわせれば復活できるというのが彼らの持論になっています。そのために日本独自のものを捨てろと言うんです。偶然かもしれませんが、そういう主張する人間は総じて能力に欠けています。あおりを食うのは若い世代。社内にメールをばら撒いたりして攻撃してはいますが、古ぼけた堅い頭にどれだけ効果があるのやら。実際韓国財閥の製品など中身は大したことありません。

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  3. 隈田原 盛淳 より

    1.法人税を払いたくないから。2.下請け苛めの名分が立つから。  『消費税分の負担を消費者に回せないから、仕入れ下げさせてよ♪』ってな感じ? そこに大義はない。

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