From 三橋貴明
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●韓国大崩壊 ただ1つの理由
https://www.youtube.com/watch?v=ZK5RY5rIGs8
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【今週のNewsピックアップ】
●日米安保条約第五条とウクライナ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11832106735.html
●日米安全保障条約第五条とアメリカの軍事介入
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11833042288.html
●グレーゾーン
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11839097884.html
オバマ大統領が来日し、尖閣諸島について「日米安保条約第五条の適用範囲」と発言したわけですが、大統領の発言を受けた日本国内メディアの報道が、まさに「十年一日の如し」でございまして、呆れかえってしまいました。と言いますか、日本の大手紙などで大統領の発言について記事を書いている記者さんたちは、「日米安全保障条約」の条文を一度でも読んだことがあるのでしょうか。特に、第五条の、
「いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくする」
「自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処する」
といった文言は、日本施政下において「有事」が発生した際に、アメリカ軍が自動的に参戦するわけではないことを明確に示しているわけです。中国の「漁船団」が大挙して尖閣諸島に上陸した場合、「武力攻撃」が発生したわけではないため、日米安保条約は発動しないでしょう。さらに、明確な武力攻撃があったとしても、アメリカ国内の「憲法上の規定及び手続」をクリアしなければ、日本の領土防衛のためにアメリカ軍が動くことはありません。
安倍総理の著作「新しい国へ」から引用します。
『わたしは、祖父に「アンポって、なあに」と聞いた。すると祖父が、 「安保条約というのは、日本をアメリカに守ってもらうための条約だ。なんでみんな反対するのかわからないよ」そう答えたのをかすかに覚えている。』
上記が事実だとすると、日米安全保障条約は、そもそも日本がアメリカに「守って頂く」ために締結された条約ということになります。何しろ、条約を締結した岸元総理自身が、
「日本をアメリカに守ってもらう」
と表現しているのです。これでは、自主防衛も独立も何もあったものではありません。結局のところ、日米安全保障条約は、我が国の戦後の「お花畑思考」の一翼を担っているのだと思います。「日米安保があるから、日本の安全保障は大丈夫さ」という思い込みが日本国民に浸透し、結果的に、アメリカ大統領が、
「尖閣諸島は日米安保条約第五条の適用範囲だ」
と発言しただけで、「やったあっ!」と大喜びするような情けない状態に至ってしまったのでしょう。
現実には、オバマ大統領は日米安保に基づく防衛義務の範囲に尖閣諸島を含むという米国の立場について、
「新しいものではない」
と、説明しています。それはそうです。日米安全保障条約第五条には、「日本国の施政の下にある領域」という文言が入っているのです。尖閣諸島を日本が実効支配している以上、当然の話として日米安全保障条約の適用範囲になります。
逆に言えば、日本の実効支配が揺らぐと、尖閣諸島は日米安保条約の「適用外」ということになってしまいます。そして、我が国の尖閣諸島における実効支配を揺るがすには、中国側は千人、万人単位の「漁民」を「避難寄港」させればいいわけです。
上記の類の話は、本来は国内マスコミが率先して報道しなければならないはずです。とはいえ、現実には国内マスコミから「日米安全保障条約第五条」について、詳しく解説されることはありません。結果、国民は、
「日米安保の適用範囲と、オバマ大統領が言ってくれたから、もう尖閣諸島は大丈夫」
といった、属国的というか、ナイーブというか、いずれにせよ現実を無視した「安心感」を抱くことになってしまうのです。
実のところ、日米安全保障条約は我が国の安全保障を強化するというよりは、自主防衛への道を遠ざけるという意味で「弱体化」する条約のように思えてならないのです。
PS
三橋貴明の無料Video「雇用破壊」
日本人を貧民化させるのは国益なのか?
http://youtu.be/IsJZZaD-rPQ
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