From 藤井聡@京都大学大学院教授
この度、表現者クライテリオンの最新号で、
特集:「新・空気の研究~TV・知事・専門家たちのコロナ脳」
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08D4SJWR3/
を出版しました!
この特集では、今日本を覆う「コロナ怖い、自粛しろ!」な「空気」が如何に不条理なものか、そして、その不条理によって今の日本はまさに自滅の道をひた走っているじゃないか――ということを様々に論じました。
そもそも我が国日本は、「KY」という言葉が随分と使われてきた様に、とかく「空気」に支配されがちです。
「あいつKYだよな」というのはつまり、「あいつは、いつも空気を読めないダメなバカ」という意味ですから、要するに空気に従うのが正しい事で、従わないのが悪い事だ、というのが前提になっているわけです。
いわば空気というのは、その場の「倫理的な規範・ルール」になっているわけです。
ただし、空気という言葉が指ししめすとおり、その規範・ルールは、聖書や経典や法律の様なハッキリとしたものではなく、あくまでも「ふわっと」したもので、あっという間にできあがったり無くなったりする、移ろいやすいもの。
だから、そんないい加減なものが合理的である保証などどこにもありません。
そんな、日本における空気の恐ろしさや不条理さを徹底的に論じたのが、戦後の代表的評論家である山本七平氏の『空気の研究』。今回の特集「新・空気の研究」は、この山本氏の議論をモチーフにしつつ、今日の「コロナ怖い空気」の恐ろしさ、不条理さを徹底的に論じています。
まず、現代の空気を考えるにあたって忘れてならないのは、TV。
なぜなら、現代はTVメディアが空気を決定する重要な役割を担っているからです。で、そのTVは別に合理性に基づいているのではなく、視聴率という完全なる商業主義に重大な影響を受けいてるわけですから、現代の空気はもう、十中八九、ろくでもないものなのです。
で、現在、TVでは朝から晩までコロナコロナ・・・その内容も判で押したように「コロナは怖い」「自粛が必要」「マスクしましょう」「2mあけましょう」となってます。
なんでそんなことばっかりやってるのかというと、次のような理由からです。
第一に、今のTV番組は、「視聴者からクレームが来ないもの」を作る、というのが大前提になっているからです。だから必然的に全て、「コロナ危ない」側のものになるのです。そういっておかないと、ちょっとでも楽観的な事を言ったらメチャクチャ抗議の電話あったりするからです。
第二に、コロナはこんなに危ないぞ、と煽っておけば、人々が注目して視聴率が高くなるからです。「安全だ」といっても退屈な番組にしかなりませんが、「危ないぞ!」と煽っておけば皆覚醒してTVを見ようとするのです。
で、この二つは相乗効果で高まっていきます。なぜなら、コロナが怖いぞを煽れば煽るほど、楽観的な情報に対してクレームを付ける人が増えるからで、そうやって楽観的な情報が流せなくなると、ますますTVでは、危ないぞ、と煽るばかりになっていく。
こういう相乗効果を通して、コロナはますます「怖いもの」になっていき、「コロナ怖い、自粛しろ」空気が濃密になっていくのです。
そうなってくると、大衆人気を得る事ばかり考えている、いわゆる「ポピュリスト」政治家達は皆、「コロナ怖い空気」に便乗して目立とうとします。そうやって、小池や吉村といった「スター知事」が産み出されていったわけです。
一方で、そんなTVに出て喜んでいるのが、感染症の専門家達。彼等は、「危ないぞ」という側面を過度に強調し、さながらタレントのように世間の注目を浴びたり、政治家のように世間を動かしている自覚に恍惚とし、喜々としていくわけです。
こうやって、専門家とTVが産み出すコロナを怯える大衆と、その大衆の空気を活用した人気を得ようとする政治家/知事、という構図が浮かび上がるわけです。
表現者クライテリオンでは、こうした「空気」の構造を、様々な論説を通して明らかにすると同時に、戦前から繰り返されてきたものであることを指摘します。
そして、そこから脱却するには、「人と人との交流」つまり「社交」や「リアルな体験」が不可欠なのだという議論を、様々に展開します。
「コロナ脳」の影響に幾ばくかでも影響されてしまいかねない危惧をお持ちの読者の皆様におかれましては、本誌、
特集:「新・空気の研究~TV・知事・専門家たちのコロナ脳」
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B08D4SJWR3/
をお目通しいただけますと大変有り難く存じます。本誌をお読みいただければ、本誌が「コロナ脳の解毒剤」として大いに機能し、「正気」を取り戻す大きな効能があることをご理解いただけるものと思います。
是非ともご一読の程、お願い申し上げます!
追申1:
「空気」の支配が進行すると、ほとんど意味も無い事が横行。当人は大真面目だと思いますが・・・この悪質な空気の問題を改めて論究しています。こちらも併せてご一読下さい!
「ラッパ吹き用マスク・新発売!」という笑うに笑えないギャグを学術的に考える
https://foomii.com/00178/2020081522522969755
追申2:
「表現者クライテリオン」は隔月で、文字通り空気におもねらない、徹底手金「KY」を貫き通した議論を展開しております。是非、この機会に10%オフの定期購読にてご購読くださいますよう、お願いいたします!
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【藤井聡】「新・空気の研究~TV・知事・専門家たちのコロナ脳」を是非、ご一読下さい!への5件のコメント
2020年8月20日 12:52 PM
いや…昨今の「空気」はホントに恐ろしいです。先頃、レジ袋有料化の無意味さを母親に説明しようとしたところ、「こうゆう人がいるから環境破壊が進行するんや!」と罵られました。宗教怖い…(笑)
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2020年8月20日 8:56 PM
連日うだる暑さの中での災害ボランティアの様子は、実にかなり気合を入れてないと死にかけますね。そしてボランティアのメンバーも殆どが顔見知りの同じ方々で割合的には六、七割以上のほとんどが決まっております。ちなみに連日炎天下の中で泥と格闘するものだからかなりの体力は消耗し、多分コロナ禍の重症患者と遜色ない状態での活動風景です。ところで球磨川ほとりの現風景は鉄道の鉄橋などが流されておりそれを支える橋桁も行方不明の状況ですし車道もしかりで、球磨川に架けられた五、六本の橋が流されている状態です。また未だに山間部の集落は手つかずの地域が存在しており道路も寸断されている状況で復旧されていない状態です。それからコロナ感染防止の観点からマスクを着用しながらの災害ボランティア活動なので大変な状況で連日死にかけております。そんな大変な中で与党は与党でだらしないし、野党はイソジンだの新党だのクソ過ぎて何考えてんだか保身と思いつきの行動には頭にきてますからメディアと同じく碌でなしの金融屋の下請けである連合も日本社会から追放するべきですね。
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2020年8月21日 12:20 PM
藤井先生の仰る通り 今のTVとかメディア(ネットメディアも含めて)の空気はコロナが大変だ自粛しろとコロナで大変な経済的にダメージがあるが日本の財政は大変なので消費税減税はもってのほかだという大まかに言ってこの2つに支配されてしまっている
と思います。しかしどっちも間違いなのは証明済みだし、認識として間違っているし、メディアの空気の支配というものにそれを利用している人たちにも注意しないといけないと思います。
メディアが作る空気という物はほとんどが間違ってます、それは単なるアンチメディアで言ってるんじゃなくて、メディアというのはネタが欲しい訳で、重箱の隅をつついてでも何かをて)の空気はコロナが大変だ自粛しろとコロナで大変な経済的にダメージがあるが日本の財政は大変なので消費税減税はもってのほかだという大まかに言ってこの2つに支配されてしまっている
と思います。しかしどっちも間違いなのは証明済みだし、認識として間違っているし、メディアの空気の支配というものにそれを利用している人たちにも注意しないといけないと思います。
メディアが作る空気という物はほとんどが間違ってます、それは単なるアンチメディアで言ってるんじゃなくて、メディアというのはネタが欲しい訳で、重箱の隅をつついてでも何かを大袈裟に問題視するのがメディアの習性であって、そうなると間違った空気に支配されてしまいやすい、間違った事を発信しやすいのもまたメディアであると一般国民側が認識すべきだなとおもいます。
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2020年8月21日 12:34 PM
すいません(__)上の文章3重複してしまって
PCの誤操作でたまにリピート機能が勝手に動いてしまうのです失礼しました。
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