政治

日本経済

2021年2月25日

【藤井聡】『コロナが導く社会崩壊』 ~緊急事態宣言の即刻解除を~

From 藤井聡@京都大学大学院教授

緊急事態宣言が年始早々発令され、おおよそ2ヶ月が経過しました。

新規感染者数は、どんどん減少してきており、欧米ならばとっくの昔に解除されていて然るべき状況なわけですが、日本では、

「ここで気を緩めるとまた再拡大するかもしれない。徹底的に減らす必要があるんだから、緊急事態宣言解除は、まだまだ早い」

という声が根強くあり、その結果、なかなか宣言解除がなされていないのが現状です。

ですが、こういう声は、根本的に間違っている疑義が超濃厚です。詳しくはこちらの記事をご参照頂ければと思いますが…

『コロナ対策についての実証研究から、日本政府が「相当な馬鹿」である事が学術的に示されました。』
https://foomii.com/00178/2021022018542676891

そもそも上記の意見は「自粛させていると感染者は減る」という事を前提にしていますが、その認識がそもそも間違えている疑義濃厚、なのです。

おおよそ第一波も第三波も緊急事態宣言の1週間から2週間「前」から、感染者数は減少に転じています。つまり、緊急事態宣言に「よって」感染拡大が抑止できた、と考えることは一切できないのです。

しかも、新規感染者数の推移は、国民の活動レベルよりもむしろ、気温に強く依存していることが統計的に示されているのです。つまり、寒くなれば風邪を引く、という理由でこの1月2月の感染者数が増えていただけで、別に「気が緩んだから、人が出歩くようになった」というわけでも何でも無い、というのがデータで示されているのです。

すなわち、感染が拡大していった11月から12月にかけて、人々の移動量が増えてはいなかったのです。それよりもむしろ、Googleの移動データによれば、その時期人々の移動は、微妙に減少していたくらいだったのです。

こうしたデータが存在している以上、いつまでも宣言をダラダラと出し続けることには、感染拡大抑止の視点から殆ど意味がない可能性が濃密にあるわけです。

その一方で、こうした自粛を強要する宣言を出し続けていれば、確実に経済は冷え込んでいきます。

そして、経済が崩壊すれば、その上に乗っかって展開されている「社会」もまた、崩壊することは確実なのです。

こうした認識から、表現者クライテリオンの最新号では、

『コロナが導く社会崩壊』

https://www.amazon.co.jp/dp/B08T77KDZC
https://bit.ly/3b7VXME

特集を企画することとしたのです。

この特集が明らかに描写したのは、テレビや専門家達がコロナがコワイコワイと喧伝し続け、効果があるのか無いのか分からない自粛を強制し続けている間に、私達の社会は、確実に根底から崩壊し続けてきた、という現実です。

例えば、作家の雨宮処凛氏が描写したのは、政府による「コロナ自粛」政策によって、『貧困』『うつ病』、さらには『自殺』、そして『犯罪』が拡大している現状。

雨宮さんは、「新型コロナ災害緊急アクション」(2020年3月設立)という、コロナで苦しむ人々をケアするために立ち上げた取り組みに協力し、コロナ禍で様々な窮地に陥った方々の支援を行っておられます。その中で届けられたのが、次の様な数々の声。

「家賃を払えずアパートを追い出され、所持金が100円を切りました」

「一週間以上、何も食べていません。水だけで生き延びています」

という激しい貧困にあえぐ方々の声や

『自殺するつもりで荷物も身分証もすべて捨てたが死ねませんでした』

という自殺の危機に直面した人々の声、さらには、

「死ぬか罪を犯すかしかないとまで追い詰められています」

という、自殺するか、それとも犯罪に走るかしか、しょうが無いという状況に陥った方々の声が、リアルに届けられているのです。

こうした苦境の背後にあるのが、日本にはコロナ前から、「ギリギリ」の生活を余儀なくされている貧困層が、この97年消費増税以降のデフレ不況で激増してきたという実態があります。

今回の特集の鈴木傾城氏が紹介しているように、今、非正規雇用「だけ」で暮らしている人々が、全就業者の実に15%、約1000万人にも上っています。そして、そんな非正規雇用者の中で、年収が200万円にも満たず、最低限の暮らしすら不可能な状況下にある方々が、男性において56.7%、女性においては82.6%にも上っているのです。

今回のコロナ自粛によって、国内の失業者は昨年4月から激増しており、実に50万人も増えてしまったのですが、その失業の多くが、こうした「非正規雇用だけ」で暮らしていた貧困層の方々だったのです。

つまり、『非正規で働き、ギリギリ生活を維持してきたものの、コロナが「トドメの一撃」となってしまった』(引用)のであり、そうした方々が、うつ病を患い、最悪のケースにおいて自殺に追い込まれたり、生きていくために犯罪に手を染めてしまったりしているわけです。

「コロナで死ぬ人を救え」と正義面して叫ぶ方々の多くは、こういう人達の苦しみを理解しようとはしていない(あるいは理解する能力がない)のです。

もちろん「いやいや、だから補償しろといってるのだ!」という人も中には居るでしょうし、当方も是非ともそうしてもらいたいと各方面で訴えてはいますが、あの菅義偉がそんな人間味あふれる人情味あふれるまっとうな政策を展開するとは思えないのが実情です。

それよりはまずは今は、一日も早い緊急事態宣言の解除を訴える方が、圧倒的に現実的であり、圧倒的に一人一人の命を救う上で効果的であると考えます。

だからといって補償や消費減税を訴える手を緩めてはいけませんが、だからといって不条理な緊急事態宣言のダラダラとした延長を看過していいわけではないのです。

少しでも社会の崩壊を食い止め、貧困にあえぐ人々を救い出すためにも、まずは、正しく現実を認識していただきたいと思います。

是非、表現者クライテリオン最新号の特集『コロナが導く社会崩壊』をご一読いただきたいと思います。


https://www.amazon.co.jp/dp/B08T77KDZC
https://bit.ly/3b7VXME

どうぞ、よろしくお願い致します。

追伸
それと同時に、客観的データをしっかり踏まえて論じた記事、『コロナ対策についての実証研究から、日本政府が「相当な馬鹿」である事が学術的に示されました。』もご一読願えると幸いです。
https://foomii.com/00178/2021022018542676891

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【藤井聡】『コロナが導く社会崩壊』 ~緊急事態宣言の即刻解除を~への12件のコメント

  1. はっちゃん より

    この問題は自粛社会でも「自分は大丈夫」な人々(ほんの一部を除く)の「考え方」に行きつくのかもしれないと思いました。
    去年のあの3人の変な座談会で「真、善、美」を重視することを愚弄する言葉が出てきて、本当に、めちゃクチャびっくりしました。まるで自分で「俺、実は終ってる奴なんだ」って言っているみたいでした。逆におかげで哲学の大切さがわかりましたよ。今回のコロナについても、少しでも真実を知ろうとし、他者への思いやりがあり、美しい愛の心があれば日本はこのような体たらくにはなっていないと思います。藤井教授の発信されることは話の因果関係が疑いようのないところまでたどれると思いますし、分かりやすいので、知識人が「わからなかった」なんていう言い訳は通用しないと思います。
    今の政府やテレビで恐怖をあおっている人たちは「真、善、美」の代わりに「面子、嫉妬、保身」があるんじゃないですか?(苦笑)

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  2. とすくん より

    もう確実に中共及びアトキンソンらの術中に填まっているとしか。不景気になり存続出来ない企業は外資系に買い叩かれる、という。

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  3. 日本晴れ より

    藤井先生の言うことも分かるんですけど全てはやっぱり緊縮財政を払拭しないと駄目だと思います。
    緊急事態宣言をしようがしなかろうが緊縮財政がある限り
    お店や国民は救われないと思います

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      1. F-NAK より

        昔は、MMTほど精緻な貨幣論はなかったはずですが、必要とあらば財政出動をして国民を救う政治家はいたわけです。

        現在でも、海外の政治家たちの多くはそうしています。
        全員が財政の仕組みを正しく理解しているとは思えません。
        ですが、財政出動をやっています。

        緊縮財政を払拭するには、知識よりもまず哲学が必要なわけです。

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  4. たかゆき より

    気温が下がれば コロナが流行る

    これは 当たり前

    犬が西向きゃ 尾は東

    人が動けば コロナが流行る

    と 思い込む前に どうして

    その他の 要因も比較見当しようと 

    西浦某さまが思い至らなかったのか

    不思議

    某氏の反論を 2021/01/29 m3.comの記事で 拝見

    小生の印象は で??

    武漢肺炎 流行初期のマスコミが流した 映像

    武漢肺炎で亡くなっても 窓越しでしか

    親族とも別れが 出来ない、、

    こんな目に遭いたくなかったら

    俺たちの言う通りにしろ。。。

    やることが アクドイ

    それに乗せられた 政府や国民は

    ただのアホ(自戒を込めて)

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  5. 日本晴れ より

    それに自分が恐れてるのはコロナ禍前の事では日常に出来たことが
    贅沢だとか思っちゃうことです。そうやってどんどん貧困化が定着化するのが怖いです

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  6. 大和魂 より

    改めて繰り返しに述べますが、コロナ禍の背景にあるものも、端的には第一次第二次世界大戦や大東亜戦争に至った経緯と同じく人々の営みを利用して貶める【極めて残忍な人権侵害】略奪の浅ましい最低の卑劣行為なのです。

    だから、特に常時から法律をひけらかし社会を著しく歪め貶める、腐敗の根源に位置している寝ぼけた偏向の行動を起こす弁護士とメディア関係者は、社会のゴミであるため追放してしかるべき存在なのです。

    ちなみに特に東京都や大阪府や愛知県などの都市部においては、浅ましいスタンドプレーが横行する始末で、だらしない大人の貧困化は目に余りますから橋下徹に近しい政府関係者や高橋洋一とか三浦大先生などに苦言しているのです。

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  7. うたか より

    12月の実効生産数がどう見ても人の移動じゃ説明できないと思ってました
    実効生産数から考えると5日間気を抜いて5日間気をつけるのを繰り返したみたいなグラフですから
    実際には12月は多少減っていたのか
    気温の急激な低下のあった日と実行生産の上昇がそこそこ一致しているグラフは見たことあります
    今日は急激に冷え込むので風邪を引かないように気をつけましょうなんて天気予報じゃよく言いますね

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  8. うたか より

    緊縮財政と同じくコロナも実際のデータを無視して妄想で行動してるんだな
    緊縮財政だっていくら財政出動したら財政破綻やらハイパーインフレになるか知らないが、可能性はゼロではないのは確かだから緊縮財政をやりますだからひどい

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  9. F-NAK より

    今の日本政府が粗利補償をしてくれる、という前提でコロナ対策を考えるのと
    今のアメリカがいざとなったら助けてくれる、という前提で防衛安全保障を考えるのと
    この二つは同じくらいお花畑思考だったんだなぁ、とつくづく思いました。

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      1. つくづく より

        MMTによる政策実現を唱えて頑張っていた藤井をバカにしてるのか。まったく信じられねえな。

        クライテリオン常連の大石久和が放った箴言、continuityを軽視するなかれを引用した平松禎史のツメの垢でも煎じて飲んだらいい。

        おまえ、ほんとつくづくアタマ悪すぎ。

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  10. W. Kempff没後30年 より

    適菜収。人のレトリックの意図の那辺をある程度想定して、暫し判断を保留するくらいの余裕を持て。それができないなら所詮思い上がりの中途半端な賢人に過ぎない。

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