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2014年1月22日

【東田剛】世界が分かる一分間の深イイ話

From 東田剛

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●無料動画・韓国経済の悲惨すぎる現実とは
http://keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_video.php

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安倍総理の靖国参拝から約一カ月が経ち、色んな報道が出ているお陰で、だんだん状況が見えてきました。

例えば、参拝前日に「参拝見送り」の大誤報をやらかした毎日新聞、今回は頑張って取材してきました。
http://mainichi.jp/select/news/m20140117k0000m010163000c.html

関連記事
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38124

米国の立場や戦略が非常によく分かる秀逸の論説は、この三つ。
特にダニエル・スナイダーのインタビューは、興味深い。
http://toyokeizai.net/articles/-/28287
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/01/post-3150.php
http://toyokeizai.net/articles/-/28402

こうした情報や客観情勢から、私は、次のように推測しました。

おそらく、安倍総理は、櫻井よし子先生とは違って、米国の反発をある程度予想しつつ、靖国参拝を敢行したようです。
ただし、総理は「米国の反応なんか知るか。これは俺個人の心の問題だ!」とかいう心情倫理に走ったのではなく、「戦没者の冥福を祈り、不戦を誓うためと説明すれば、米国の理解は得られるだろう」という戦略的判断をしていたものと思われます。

<参考>
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/01/01/korekiyo-77/

だとすると、これは、極めて残念な戦略ミスでした。

中国や韓国に対して「靖国参拝は不戦の誓いです」と説明したって、連中が納得することは100%あり得ません。
靖国参拝が中韓を刺激することは必至です。
それは総理もご承知だったはず。
でも、米国が靖国参拝に反対した主な理由は、「中韓を刺激するから」というものだったのです。
ならば、「靖国参拝は不戦の誓いですから」と説明したって、米国が了解するはずがないじゃないですか。

ライスは、おかわり。
http://www.asahi.com/articles/ASG1L2RR9G1LUHBI009.html

オバマは、夕飯なし。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2107297.html

<「え、米国は理解してくれたんじゃないの?」と思った方は、こちらまで>
http://chokumaga.com/magazine/free/124/18/

なぜ米国は日本が中韓を刺激するのを恐れているのか、もしかしたら、総理はそれを分かっていなかったのではないでしょうか。
つまり、東アジア情勢の変化も米国の戦略も、見えていなかった。

総裁ホサに至っては、まだ分かっていない。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140118-OYT1T00196.htm

だとすると、これは、相当に危うい。
TPPなど、他の外交でも失敗する可能性があります。

ちなみに、スナイダーは、安倍政権の安全保障戦略をこう評しています。
「これらには、戦略的思考の真の深さと呼べるようなものをまったく見いだせなかった。主なアイデアは、中国をソ連に見立てた「新冷戦」のようなものだ。主な政策は、米国の後ろ盾を維持し、東南アジアにおける日本の役割を高め、インドとの関係を強化することで中国の周辺に封じ込めのためのソフトベルトを維持すること。それ以上のものは何一つない。問題なのは、われわれが生きているのは「新しい冷戦」などと呼べる時代ではないということだ。」
「日本の戦略方針が中国の「封じ込め」であれば、それはうまくいかないだろう。日本にとって最も重要なことは、米国がその道を進もうとしていないということだ。」

<米国がどの道を進もうとしているかは、この本に書いてありました>
http://amzn.to/XT713a

さらに痛イイ話は、靖国参拝の意味が「冥福の祈り」「恒久平和・不戦への誓い」になってしまったこと。

<参考>
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/01/08/korekiyo-78/

大事だから繰り返しますが、本来、靖国神社は、日本のために戦った方々の事績を後世に伝える場所。
そこに参拝することは、連合国(特に米国)が主導した戦後の国際秩序に対する挑戦や異議申し立ての意味を帯びるという、偉大な行為なのです。

<参考>
http://chokumaga.com/magazine/free/124/17/

ちなみに、スナイダーは、「(安倍総理は)日本の過去の戦争について自分の意見を述べたいと思っている。もちろん、彼にはその権利がある。しかし、安全保障同盟の行使を期待するなら、それはやってはいけない。なぜなら、日本の戦後の安全と外交政策は米国との安全保障同盟の上に成り立っているのだから」と指摘しています。
要するに、親米と保守は両立しないということを、このアメリカ人は分かっている。

総理の靖国参拝は、本来であれば、「戦後レジームからの脱却」を象徴する行為の「はず」でした。

しかし、安倍総理は、靖国参拝の意味を単なる「恒久平和・不戦への誓い」にしてしまい、しかも米国に理解を求めてしまった。
要するに、靖国参拝で戦後レジームから脱却するどころか、反対に、靖国神社を戦後レジームの中に押し込めたのです!

まして、「冥福をお祈りする」に至っては、仏教と神道の区別すらついていないという・・・。
神社に祭られている御霊は「神様」なんでしょ?神様の冥福をお祈りするって、どういうことよ。
神道関係者や保守派が抗議しないのが不思議なくらいです。

でも、不幸中の幸いなのは、米中韓は「すわっ、日本が、戦後レジームに挑戦してきた!」と受け取ってくれたようだということです。
ならば、安倍総理の真意にかかわらず、結果として、総理の靖国参拝は、戦後レジームを破壊するきっかけとなってくれるかもしれません。

さて、今日のお話は、いかがでしたでしょうか?
心のレバーをどうぞ。
深イイ?
それとも不快イ?

PS
月刊三橋1月号のテーマは「日本経済激震」です。無料お試し音声を公開中
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index.php

 

<東田剛からのお知らせ>

●深イイ対談はこちら
http://www.nicovideo.jp/watch/sm22685933

●深イイ論考はこちら。
http://asread.info/archives/364

●今週は、久しぶりに経済がテーマのようです。
http://chokumaga.com/author/124/

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【東田剛】世界が分かる一分間の深イイ話への11件のコメント

  1. はいらんだー より

    30日の産経新聞が、昨年12月12日夜、安倍首相がバイデン副大統領からの驚くべき内容の電話を受けた旨を、1面トップで報じています。(「韓国の朴槿恵大統領には『安倍氏は靖国神社に参拝しないと思う』と言っておいた。あなたが不参拝を表明すれば、朴氏は会談に応じるのではないか」)これが事実であれば、バイデンという男はまさしくあなたが言われた通りの人物のようですね。日本をナメているし、韓国をナメきっています。(「在日大使館がdisappointedを『失望』と訳したのは表現が強すぎた。せめて『落胆』か『残念』とすべきだった」 声明が中韓の反日を勢いづかせただけで、「米国の世界戦略として全く意味がなかった」(政府高官)ことに、米側もようやく気付いたからだ。)これも、あなたがご指摘になられた通りです。

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  2. 亀夫 より

    親米と保守は両立しないことがまた証明されたかもしれません。米政府、日本に「靖国に再参拝しない保証を」要求 米紙報道 中韓関係悪化を懸念http://sankei.jp.msn.com/world/news/140124/amr14012411430007-n1.htm

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  3. ぱなとりん より

    この記事のままですと、痛イイ話という感じですね・・。アメリカが怒るのを承知の上で、「戦後レジーム脱却」のジャブを入れたという可能性は無いでしょうか。アメリカに理解を求めているわけではなく、表面的に「恒久平和・不戦への誓いなので理解して欲しい」とか言いながらのらりくらりという戦略だったとしたら・・。尖閣問題すら利用した、という可能性は無さそうでしょうか。今までの外交ミスを考えるとその可能性も低そうにも思いますが、だとしてもTPPなんかと違って戦後レジーム脱却については7年くらい温めてきたのでしょうから・・。

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  4. 匿各希望 より

    上のような記事を読むと、やっぱり官僚脳(官僚の思考のクセ)の限界を感じずにはおれません。たぶん筆者本人は気づいていないと思いますが・・

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  5. 上田悦子 より

    ちなみに、どこかの新聞にあの「失望した」云々はバイデン副大統領が書いたという解説が載っていましたが、一つ重要な論点が抜けていました。アメリカに住んでいる人ならたいてい知っていることですが、バイデンは暴言失言で有名な人です。かなり前になりますが、バイデンがその種の発言をしたとき、横に立っていたオバマがバイデンをにらみつけているシーンがそのままテレビに出ていたことがあります。誰が書いたのか、真実のほどはわかりませんが、「米政府の過剰反応が、この地域の不安定感と疑念を高めてきた」という NewsWeek のJ・バークシャー・ミラーの分析がもっとも当たっていると思います。つまり、あれは安部さんの誤算ではなくアメリカの失策だと思います。

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  6. はいらんだー より

    言うまでもなく靖国神社は単なる神社とは違い招魂社ですから、いわゆる「ご冥福をお祈りする」という目的の参拝があっても何ら不自然ではありません。ただ、靖国神社では「ご神霊をお慰めする」という見事な表現で仏事と区別しているので、首相はじめ公人各位も、ことばの持ち合わせがないのなら、これに倣われた方がよいように思います。むしろこれだけをたえず言っておけばいいので、東田さんの言う通り、恒久平和だの、不戦の誓いだの、何をやってみせても信じようとしない連中にまで余計なサービスを聞かせ、言質を与えて、国家国民を守るための大事な選択肢を狭める(戦後レジームに添い遂げる)必要はない。まったくないです。考えてみると、一般に歳事というのは、自ら詳細を述べずとも、出席するという行為が本義を代弁してくれますし、参列者のひとりに加わることで、個人を薄めることができますから、不適切な表現かもしれませんが、便利ですよね。それが、例大祭でも終戦の日でもない日に参拝されるから、尚のこと目立ってしまうし、必要以上の説明を面白くない、ストーカーみたいな連中から執拗に迫られ、詮索されてしまう。首相の逡巡はお察しします。ご参拝くださったことにも感謝します。が、やはり秋季例大祭にお参り戴きたかったです。一国の総理の一挙手一投足に意味がないと見る人はいません。東田さん、いつもありがとうございます。

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  7. 亀夫 より

    どんなに戦後日本が経済的に繁栄してるからと言われても、そのような日本のために戦ってたのではないと小野田さんが言ってました。いつか前の日本が反撃してくれると考えて、ジャングルで任務遂行していたそうです。親米と保守は両立しないということにつきる。

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  8. 名無し より

    >ただし、総理は「米国の反応なんか知るか。これは俺個人の心の問題だ!」とかいう心情倫理に走ったのではなく それはそれで困りますけどね。個人の心情とかでやられても。総理大臣の任期が終わってからやればいいじゃんということになります。やはり総理大臣には総理大臣として靖国神社を参拝していただかなければあまり意味がありません。それらは外から見れば同じように見えますし、その意味で靖国神社参拝というのはそれ単独で評価できるものではありません。その後の政治を見なければ分からないと言えるでしょう。そもそも本来評価するとかそういうものでもなく当たり前の行いではありますが。

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  9. めぐみ より

    靖国に関する東田さんのメルマガ、中野先生のちょくマガを読んで、友人と議論したり、戦争を描いた作品に触れたりして、この1ヶ月靖国について考えてみました。靖国神社で誓うなら、年初に東田さんが書かれてたように「自分も戦う覚悟」だと思いました。でも、今の自分が靖国に参拝して覚悟を誓えるか?と自問したら、その覚悟を怖がる自分に気付いてしまいました。今の自分は「覚悟出来る自分を作る事」で精一杯です。また、当時戦われた方の覚悟に思いを馳せると、彼らが護ろうとしたもの、次の世代に何をどう受け継いでいくか、真剣に考えねば顔向け出来ません。これからも先生方の言論に学ばせていただきたいと、改めて感じました。

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  10. ヌコ より

    何か事があれば同盟国であっても攻撃できる余地を残しておくのが、「対等にモノが言える」軍事同盟なのでせうか?(笑)エシュロンにしろ、自衛隊の兵器システムにしろ、野放しにしている癖に、解釈変更だけで集団的自衛権行使に走る自民党のアホぶり。自衛隊は最早、米軍の中東アフリカ強奪用のPMC(ぐりーど株主は米国さま、優良債権者は日本国民血税)なのでせうか?兵器や情報等のシステム面においても米軍から独立してから徐々に法改正等をすればいいのに、何でここまで早急に進めようとしているのでしょうか?今の腐りきった日本の為に戦うと思い志願する若者が果たしてどれだけ居る事やら。

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  11. 上田悦子 より

    東田剛氏はアメリカが確固とした中国戦略を持っているとお考えのようですが、その根拠は?アメリカは日本をなめているだけだと思います。

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