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2013年9月21日

【三橋貴明】安倍首相への直言

FROM 三橋貴明@三橋ブログ

9月21日(土) 13時からテレビ大阪「たかじんnoマネー」に出演します。
http://www.tv-osaka.co.jp/ip4/takajin/

同じく9月21日(土) 18時からBS11「リベラルタイムLIBERAL TIME」に出演します。

http://www.bs11.jp/news/sp/1409/

さて、マガジンハウス社から「「TPP参加」を即刻やめて「エネルギー安全保障」を強化せよ! 安倍総理「瑞穂の国の資本主義」への直言 _」が発売になりました(長いタイトル・・・)。本書はサブタイトルの方が本当に正しいタイトルで、ずばり、
「安倍総理「瑞穂の国の資本主義」への直言」
でございます。

『「TPP参加」を即刻やめて「エネルギー安全保障」を強化せよ!
安倍総理「瑞穂の国の資本主義」への直言』(マガジンハウス)
⇒ http://amzn.to/1aYxXt5

瑞穂の国の資本主義とは、安倍総理ご本人が2012年総選挙を前に月刊文藝春秋に寄稿された「新しい国へ」における一節で、
「ウォール街から世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義ではなく、道義を重んじ、真の豊かさを知る、瑞穂の国に相応しい資本主義」
を意味しています。

すなわち、
「ウォール街の資本主義(要するに新自由主義)ではなく、中間層を中心に国民が家族のように成長していく瑞穂の国の資本主義を目指す安倍晋三という政治家を支持したにも関わらず、何かおかしくないですか、総理?」
という本の第一弾なのでございます。(まだまだ次々に出ます)

第一章では「ウォール街の資本主義(=資本主義的民主主義)」に席巻されたアメリカがどうなっているか、第二章では、デフレ脱却を妨げる狂った羅針盤(指標)、第三章では「瑞穂の国の資本主義」について、そして第四章では中野剛志氏との対談という幅広い構成になっています。中野氏との対談をお読み頂ければ、「エネルギー安全保障」がほぼ完ぺきに分かると思います。
よろしくお願いいたします。

さて、第二章「デフレ脱却を妨げる狂った羅針盤」の代表は、もちろん「国の借金」云々でございます。

「国の借金が増え過ぎ、破綻するぅぅぅぅぅぅうううううっっぅ!!!」
という言説が、1996年以降、我が国では延々と続いています。とはいえ、日本政府の国債は100%日本円建てであり、「子会社」の日銀に国債を買い取ってもらうと、借金の返済負担や利払い負担が消滅する日本政府が、国債のデフォルト(財政破綻)になることはできません。なることは「ありません」ではなく、なることは「できません」。

『家計の金融資産が1590兆円に拡大、日銀と国内行の国債保有が逆転
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYE98I01G20130919

日銀が19日に公表した2013年4─6月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は6月末時点で前年比5.0%増の1590兆円となり、過去2番目の水準に拡大した。
株高などを背景に、保有資産の時価評価額が膨らんだことが要因。家計・企業ともに現金や預金という手元資金を積み増す動きも続いている
国債の保有状況では、大規模な国債買い入れで異次元緩和を推進している日銀の残高が前年比55.5%増の150兆円となり、国内銀行の137兆円を上回って保険、中小企業金融機関等に次ぐ3番目の保有主体となった。(中略)
国庫短期証券や財融債を含む6月末の国債発行残高は同3.0%増の969兆円で過去2番目の規模。保有者の内訳をみると、異次元緩和で大規模な国債買い入れを続けている日銀が同55.5%増の150兆円と過去最高を更新し、同14.2%減と残高を大きく落とした国内銀行の137兆円を抜いた。日銀の国債保有が国内銀行を上回るのは2007年12月末以来。保険の189兆円、中小企業金融機関等の169兆円に次ぐ、3番目に大きな国債の保有主体となった。(後略)』

現在、日本政府の「国の借金(国債・財融債・国庫短期証券)」が恐るべき勢いで減っていっています。もちろん、子会社の日本銀行が金融政策として買い取っていっているためです

本来、子会社の日銀が保有する国債は「国の借金!」とやらからは除かなければならないはず(何しろ、返済不要、利払い不要)ですが、財務省は「子会社」保有分の国債も含めて、
「国の借金が1000兆円を超えた! 破綻するぅぅっ!」
と叫び続けています。

というわけで、わたくしが「財務省が最も見たくないグラフ」を作成して差し上げました。
国債、財融債、国庫短期証券について、「日銀が保有する分」と「日銀以外が保有する分」を分けてグラフ化したわけでございます。政府の返済や利払いが必要なのは「日銀以外が保有する分」のみでございます。(一応、政府は日銀保有分の国債について利払いをしていますが、日銀の決算の後に「国庫納付金」として戻ってきています)

【日本銀行保有「国債・財融債・国庫短期証券」と日銀以外保有分(単位:億円)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_43.html#Kuninosyakkin

ほらね。「日銀以外(国債・財融債・国庫短期証券)」が一年前に頭打ちになり、それ以降、減り続けているのが確認できるでしょう。細かい数字を出しておくと、日銀以外が保有する国債、財融債、国庫短期証券の残高は、12年9月が731.3兆円、13年6月が707.2兆円。すでに24兆円も「国の借金」が実質的に減ってしまっているのです。

それにも関わらず、誰も「国の借金が減っている」と発言しない。気持ち悪いです、不気味です。まるで「王様は裸!」でございます。
現実のデータを見る限り、王様は裸なのです。すなわち、我が国に国の借金問題などありません。

それにもかかわらず、「消費税増税」を実施し、法人税引き下げなど経団連の意向に沿った政策を推進し、国民を困窮に陥らせるとなると、これは総理ご自身で書いていた「瑞穂の国の資本主義」に明らかに反すると思うわけです。というわけで「「TPP参加」を即刻やめて「エネルギー安全保障」を強化せよ! 安倍総理「瑞穂の国の資本主義」への直言 _」が本日発売になりました。

『「TPP参加」を即刻やめて「エネルギー安全保障」を強化せよ!
安倍総理「瑞穂の国の資本主義」への直言』(マガジンハウス)
⇒ http://amzn.to/1aYxXt5

長いタイトルですが、よろしくお願いいたします。

PS
こちらもとても参考になるはずです
http://www.keieikagakupub.com/sp/38NEWS_SAMPLE_SENKAKU/index_mag_sl.php

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  1. 増税延期の可能性は より

    消費増税延期の可能性、まだありそうですね。とりまとめ中の経済パッケージが不十分と言う理由で。17日の官邸でのテレ朝のインタビューで安倍さんは「経済成長を成長させることによって税収は増える」「まずは経済成長」「デフレ脱却のチャンスを掴んだのだから手放したくない」「増税の場合において経済が腰折れしないように経済パッケージの取りまとめを指示しました」と言いました。決断したとは読み取れません。ちなみに20日夜、安倍さんは中原伸之氏と会食してます。中原氏って増税をストップさせようとしてるうちの一人です。法律通りの日程と税率で増税をやってしまった場合、マクロ計量モデルDEMIOSによると2020年には名目GDPがマイナス56兆だそうです(日経NEEDS、電力経済研究所モデルでも大幅なマイナス)。こんなの5兆円規模の単発の補正予算では対抗できません。経済パッケージの内容は、恒久減税だけでつくらないとほんとに今の政権は短期で終わるでしょう。補正予算なんか、毎年大規模で行われますって保証がないんだから。しかし仮に1年延期に成功しても、保守層が信頼してた自民党議員も増税派に転向してしまってますし先が思いやられますね。典型が西田昌司さん。菅直人が言ってた「増税して集めた税金を使えば景気がよくなる」と同じようなこと言い出しました。「税率下げてもGDPが伸びなかった」のがその理由みたいですが、その程度の減税では足りなかった、財政政策が足りなかった、金融緩和が足りなかったとは考えられなかったんでしょうね。「下げた税金が海外投資にまわってしまった」とか言ってます。国内がデフレで円高が進んだからそうなっただけでしょ。もう自民の税調なんて、経済学部の院生と入れ替えればいいのに。財務大臣と経済再生担当大臣も「計量モデルってよくわからん」っていう状態らしいですし、発言内容変わってきてますね。もうわざとポジショントークしていると見るのは難しいでしょう。日銀法改正だってすぐ取り下げましたし。こういう増税論者が唱える「発行した国債が借金だ」みたいな珍説って、流通する国債がなくなったら買いオペや売りオペはどうやってやるんですか、貨幣供給できなくなりませんか?って反論したらどうこたえるんですかね?金融機関の方がいらっしゃったら教えていただきたいのですが。

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  2. 柿本健太郎 より

    いつもこのサイトやblogを読ませていただいています。本当に論理に基づき今の日本という国を見つめているのだなと痛感するあまりです。僕はまだ大学生なのですが、このような情報はどのようにして処理をし、的確に分析しているのでしょうか?もしお答えいただけるようでしたら光栄です。社会を良くしていくためには国民一人一人が考え、情報を集め共有していくことでよりよい日本を創りあげていけるのではないのかと考えるようになりました。その中で僕自身も三橋貴明先生のように自身で情報を集め、いかにその情報を処理していけるような人でありたいと思っています。

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  4. ひろ より

    三橋先生が大推薦していた赤池先生は、選挙時に党からの支援がすくなかった故に、今は当中枢へのしがらみが少ない筈なのだから、みんなに見えるように大きな声で党中枢や政府中枢に直言してもらいたいものです。

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