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2013年4月16日

【藤井聡】オールジャパンで「構造強靭化」を!

FROM 藤井聡@京都大学

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今政府では、来たるべく巨大地震をはじめとした、様々な国家レベルの「危機」を乗り越える力を身につけるための「国土強靱化」の取り組みを進めています。

この取り組みを行うにあたって、政府では、「ナショナル・レジリエンス(防災・減災)懇談会」を設置し、また、僭越ながら、当方にて座長を務めさせて頂きながら、議論を進めています。

この懇談会では、実に様々な分野の先生方にご参加いただき、幅広く、ご意見を頂戴いたしております。(高齢化、農林水産業、地域コミュニティ、地方行政、エネルギー、コミュニケーション、産業構造、環境、防災、財政、金融、情報、国土等など。。。)
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/resilience/dai1/siryou1.pdf

….で、第一回、第二回と幅広く、「ナショナル・レジリエンス」を身につけるために、つまり、我が国を強靭化していくためには、何が必要なのか。。。。というご意見を、実に様々に頂戴いたしました。

それらのご意見を、僭越ながら座長とりまとめという形で、次のようにとりまとめさせていただきました。

『強靭化には、以下の5つが必要である事が示された。
1.短期的ではない「長期的な視野」
2.個別的視点でない「システム的な視点」
3.過剰な市場原理の回避と「適切な規制」
4.「社会(=人の繋がり・コミュニティ)の力」
5.「自律・分散」の上での「協調・連携」  』

詳細は、
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/resilience/dai3/siryou7.pdf
をご覧頂ければと思いますが、
これら5点を簡単に解説申し上げますと、
日本が「脆弱化」してきたのは…..

1.長期的にものを考えず、過剰に「短期的」にしかものを考えなくなったからであり、
2.システム的な視点を持たず、過剰に「個別化」を歓迎してきたからであり、
3.適切な規制の水準を考えず、過剰に市場原理の導入を図ったからであり、
4.人のつながりやコミュニティなどの「社会の力」を軽視しすぎたからであり、
5.自律や分散を考えず、短期的な視点で一極集中を是認してきたからだ。。。
ということが、委員の皆様のご意見から浮かび上がってきた、という訳であります。

で、そうやって脆弱化してきた時間の流れを逆に戻すためには、それとは逆の取り組み、すなわち、

『長期的に、システム的に考えながら、そして、適切な規制や社会の力の活性化を大切にしながら様々なシステムの構造を適切な形に変換していく事』、

が必要なのであり、それによって、はじめて我が国は「強靭化」されるのだという事が示唆されたわけです。

さらに、上記資料では、これらの5点をさらに次のように解釈差し上げました。

『これらはいずれも、日本の経済・社会システムや国土の
「構造的な強靭化」の必要性を示唆している。』

・・・・

つまり、脆弱化したこのニッポンを強靭化していくためには、
建物を強くしたり、堤防を創ったりことは極めて重要ですが、決してそれ「だけ」に
留まる事なく、「構造的な強靭化」短く言うなら

「構造強靭化」

を、それこそオールジャパンで、様々な分野において強力に推進していくことが必要なのだ。。。。ということが、示唆された訳であります。

折りしも、第一回懇談会にて、事務局から提案された資料にありますように…..
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/resilience/dai1/siryou4.pdf
….国土強靱化の取り組みは、様々な行政上の取り組みのさらに「上位」に位置づけられ、強靭化で議論した内容を、様々な行政の取り組みに反映させていく、という見通しが紹介されています。
(事務局からは、こういう考え方は、全ての計画/取り組みを、傘の様に上から覆うという趣旨で「アンブレラ計画」と説明されています)

・・・・ということは(!)、結局、これまでの懇談会では、

「アンブレラ計画」として「構造強靭化」を進めていく

ということの必要性が議論されてきた、という事を意味している訳であります。

・・・・

かつて、「構造改革」と言われた政府の取り組みは、どちらかと言えば(笑)自由主義マーケットの効率化、拡大を企図したものと解釈できるものと思われますが、以上に論じた、国土強靱化を巡る議論の中で浮かび上がって参りました「構造強靭化」の議論は、それとは少々(再笑)異なる形で、「構造」の見直しの必要性が議論されている、という風に解釈できるものと思われます。

つまり、

「スクラップ&ビルド的な(=壊して再度設計する的な)
イメージを色濃く持っている」
構造改革

というよりむしろ、

「既存の構造を前提に、
それを改善しつつさらに強化していく、
というイメージを明確に包摂している」
構造強靭化

といった方向を見据える事が、「強い国ニッポン」を作り上げる鍵となる、ということが、幅広い有識者の皆様方の議論から、浮かび上がってきた。。。という次第であります。

もちろん、現実の政策判断では、多面的に検討を重ねる事が必要ではりますが、国が亡びるような事があっては、元も子もありません。だから大災害にも負けない、強く、たくましく、しなやかな国、日本を創るるためのレジリエンス/強靭化の議論を可能な限り現実の政策に反映頂く事を祈念し、これからも様々な先生方の声に耳を傾けつつ、議論を重ねて参りたいと思います。

以上、ご紹介まで!

PS
「強い国ニッポン」の作り方については
こちらの本が参考になります。

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【藤井聡】オールジャパンで「構造強靭化」を!への4件のコメント

  1. Tansar より

    藤井先生がお読み下さるとよいのですが…..歴史的な売国・亡国・潰瘍性糞内閣のカモフラージュとしてダブルバインド効果を狙って国民を騙す為に利用されているこの国土強靭化策ですが、西部スクールの授業を理解できずに下駄屋(つまり平蔵)の弟子となった下痢象(象サン同士)の加担するTPPの邪なる企みが水泡に帰した際に一挙に挽回に出る備えをして置かれているのは見上げたものです。中国の毒への宣戦布告を国土強靭化の概念に含めて下さるとよいです。中国人の住む場所を回復してあげるということは尖閣列島の防衛と繋がっている。今すぐにこの「平和な戦争」はできるので、軍備が間に合わなくても一向にさしつかえない。それは振り返って国内の原発の安全対策(単純な停止・廃炉はない)とも一体なのです。原発問題つまり放射性廃棄物の再処理技術開発と加速器を利用した安全性の高い原発の開発と核融合研究といったものも視野に入れておられたら幸いです。これは対米従属すなわちTPPによって捉えられたら絶対に不可能となることはお判りですね。

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  2. momo より

    まったくもって賛成なんですがその肝心な政府が逆の方向に向かってるような・・・・

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  3. ken より

    強靭化には賛成ですが、その際景観の事も考えてほしいです今や日本中どこへ行っても同じような建物が立っていて、とてもじゃないが国内観光なんてする気になれません

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  4. Yuriya Kaito より

    素晴らしーい!藤井先生! 私は、日本は、皇紀2673年のうちの2550年は、ペルシャ、インド、中国の文物や人、そして明治以降は、脱亜入欧で欧米の文物や人物に学び消化し結果を出してきたのですが、今後は、もうすでに学ぶべきことは学び尽くしているとして、独自な、内向きの探究と外交や発信の時代に入っている、と考えます。藤井先生のレジリエンスは、この独自な探究の匂いがぷんぷんして、わくわくします。強靭化には隣り合わせに安全保障がありますよね。どうぞこれも視野に入れて思考を巡らせ、日本を取り戻してください。

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