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2013年3月6日

【東田剛】鈴木会長へ

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FROM 東田剛

報道によると、2月26日、スズキの鈴木修会長が、TPPの交渉で軽自動車の税制が問題となっている点について「TPPと軽の関係は全然ない」と述べ、軽自動車の税制を参入障壁と指摘する米国メーカーの主張は「こじつけであり、何が何だかさっぱり分からない」と批判したそうです。

今更、何を言っているのでしょうね。

「TPPと軽の関係は全然ない」って、鈴木会長はTPPを何だと思っていたのでしょうか?
どうせ、農業の問題だと高をくくっていたのでしょう。

しかし、この二年間、数多くのTPP反対論者が、米国の要求はこじつけが多いこと、TPPは農業だけの問題ではないこと、米国のTPPの目的は輸出拡大であり、非関税障壁もターゲットであることを何度も指摘してきました。

また、米国通商代表部の外国貿易障壁報告書は、毎年、日本の自動車市場の閉鎖性を問題視しています。TPPと軽の関係が全然ないはずがありません。

まさか、鈴木会長、「交渉に参加もしないのは、おかしい」とか「交渉に参加して有利なルールを作る」いう議論を真に受けてませんでしたか?

自動車税制に対する米国の要求は、TPP交渉参加のための条件なんです。これをクリアしないと交渉参加を許されません。交渉に参加したときには、もう自動車税制は変えられてしまっているのです。
でも、産業競争力会議のメンバーたちは、交渉参加を「マスト」だと言っていますので、軽自動車の税制を変えるのも「マスト」だということです。

というわけで鈴木会長、TPP交渉に参加しなくても、交渉はすでに始まっているのですよ。日本は、すでに対米交渉に参加しているのに、「交渉に参加もしないのは、おかしい」って言ってたわけです。

ついでに、経済財政諮問会議の伊藤元重東大教授は、「TPP抜きに成長戦略は成り立たない」「非関税分野でも踏み込んだTPPがまとまれば、今後の経済連携のひな型になる可能性がある」と言っています。

鈴木会長が非関税分野である自動車税制をあきらめないと、成長戦略も今後の経済連携も成り立たないということになっているのです。自動車業界を所管する経済産業省も、先頭に立ってTPPを推進しています。

鈴木会長、自動車税制という既得権益にこだわってはいけません。保護なしで競争した方が、軽自動車の競争力は強くなりますよ。あるいはもっと海外展開すればいいじゃないですか。産業界は農業に対してそう言ってきたのですよ。軽自動車にできないはずがないでしょう。

だいたい、自動車税制が米国有利にさせられることなど、米韓FTAを見れば一目瞭然だったはずでしょう。
え、「二国間交渉と違って、TPPは多国間交渉だから一方的には不利にならないと聞いた」って?

だから〜、交渉に参加する前の事前協議は、米国との二国間交渉なんですよ。
そこで米国は、自動車とか保険とか、獲りたいものを色々獲ってから、日本をTPP交渉に参加させるのです。
今年中に交渉を終わらせたい米国としては、その方が手っ取り早いわけです。

というわけで、鈴木会長、「何が何だかさっぱり分からない」なんてことは、全くないのです。

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【東田剛】鈴木会長へへの4件のコメント

  1. すずき より

    鈴木会長はわかっていると思いますよ。わかっているうえで「関係ない」と言っているのです(いや、たぶん、きっと)。これは日本が「尖閣は日本固有の領土で、領土問題は存在しない」と主張しているのと同じす。交渉や協議の対象になると、譲歩や妥協の可能性が生まれますから、それさえ認めない「問題は存在しない」「関係ない」と突っぱねているのです。ちなみに御存じの事とは思いますが、スズキは軽自動車のイメージが強いですが海外での製造率が高いメーカーでもあります(2012年国内生産106万台、海外生産183万台、輸出は19万台)。一方アメリカ市場から4輪車撤退しているので、TPP参加で大きなメリットがあるメーカーとも思えないような気がします。まぁ、一番メリットが無いのは海外市場から完全撤退しているダイハツですね。ところで東田さんは安倍総理が道州制を進めはじめても「安倍内閣しかない」と言い続けるのでしょうか? 道州制はどうするの? 私は安倍晋三という人に会ったことありません。東田さんは何度も会って話したりしているのですよね。その中で本当に「この人は信頼できる人だ」という感触を得ているのですか? 私は東田さんは信頼できる人だと思っていますが、安倍総理を信頼できる人だとは思えません。

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  2. 西尾 幸治 より

    心中お察し致します。昨年まで、中野先生をはじめ多くの識者の方々がTPPの問題点を解りやすく指摘され、まともな思考の持ち主なら理解出来るはずなんですけどね・・・そもそもTPP賛成派の思考は、人見知りを直したいからキャバクラで働こうと思ってる女子大生と同じだと思います。まずは学校で価値観の会う友達を見つけ、少しずつ打ち解けて行く方が望ましいのではないでしょうか?そもそも企業経営者の中には、博打打ちの様な思考回路の持ち主が多く一国の命運を判断させる能力があるとは到底思えません。やはりこの危険な流れを打開し、日本国を内外の敵から防衛するには、中野先生の様な戦略的ドSな人物を必要としているのではないでしょうか。

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  3. 西尾 幸治 より

    心中お察し致します。昨年まで、中野先生をはじめ多くの識者の方々がTPPの問題点を解りやすく指摘され、まともな思考の持ち主なら理解出来るはずなんですけどね・・・そもそもTPP賛成派の思考は、人見知りを直したいからキャバクラで働こうと思ってる女子大生と同じだと思います。まずは学校で価値観の会う友達を見つけ、少しずつ打ち解けて行く方が望ましいのではないでしょうか?そもそも企業経営者の中には、博打打ちの様な思考回路の持ち主が多く一国の命運を判断させる能力があるとは到底思えません。やはりこの現状を打開し、日本国は民のこの流れを徹底的に

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  4. Yuriya Kaito より

    東田様 お疲れ様です。米国の市民団体に【リークされたTPP文書】が、米国社会の問題としてもっと波紋が大きく広がればいいですね。【アメリカ市民団体がTPPについて報道した驚異の内容】http://www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48

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