政治

2016年9月16日

【三橋貴明】グローバリズムとの戦い(前編)

From 三橋貴明@ブログ

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 何と言いますか、「満を持してご紹介」させて頂きますが、堤未果氏の「政府はもう嘘をつけない 」でございます。

 わたくしの書籍、ブログを読みつつ、堤氏の本を読むと、現在の世界で起きていることが「多面的」に理解できます。

 いきなり話は変わりますが、わたくしは「他の言論人」を批判することはありません。「言論」は批判しますが、言論「人」は批判しません。

 考え方、は批判しますが、人間そのものは批判しません。

「お前は竹中平蔵や伊藤元重を批判しているじゃないか!」
 と、言われるでしょうが、わたくしが批判しているのは彼らの「考え方」であって、個人という人間を批判しているわけではありません。竹中氏が構造改革路線の過ちを認め、伊藤元重氏が財政拡大派に転じれば、称賛のエントリーを書くつもりです。

 要は、問題は人間個人ではなく「考え方」なのです。間違った考え方を批判する以上、それを率先して広めている「人間」を否定する言論になるのは、これは仕方がない話でしょ。

 わたくしと堤未果氏は、実のところ言っていることはほとんど変わりがありません。

 違いといえば、堤氏が「市民」「民主主義」という色が濃いのに対し、わたくしは「国民」「安全保障」を重視するというだけの話です。少し違う立ち位置から「同じ現象=グローバリズム=コーポラティズム」を見ているため、語り方が異なるだけで、言っていることは同じです。

 「政府はもう嘘をつけない 」のP198に典型的な図があるのですが、グローバリズム、堤未果氏的に言えば「コーポラティズム」を推進するグローバリストたちの得意技は、「国民を分断」することです。分断することで、人々が一斉に自分たちに反発することを防ぐわけです。

 これは、かつてインドネシアを支配したオランダ、インドを支配したイギリス、ベトナムを支配したフランスなどが得意とした「分断統治」の一環です。オランダは、インドネシアを支配するに際し、言語を統一させず、教育も与えず、インドネシア住民が「まとまって、自分たちに逆らうこと」を防ごうとしました。オランダのやり方が、その他の帝国主義諸国に引き継がれました。

 現在の世界では、各国においてスティグリッツ教授が言う1%=グローバリストと、その他のマジョリティの国民とに国民が分断されていっています。イギリスではじまった、ツーネーション化(二つの国家)化が進行しています。

 当たり前ですが、本ブログや堤氏の著作で書かれているような情報が国民に行き渡れば、少なくとも民主主義国においては多数派の国民側が勝ちます。何しろ、数の桁が違いますので。

 そんなことは分かっているからこそ、アメリカでは政治献金が事実上、無制限化し(スーパーPAC)、ロビイストが横行し、我が国では○○会議といった首相の諮問機関に入った民間人(民間議員ではありません)が専横的に政策を決定し、グローバリストの利益を最大化する政策が推進されているわけでございます。

 そして、グローバリストが民主主義の脅威を潰す最適な手段が、国民を分断することなのです。

 堤氏は、「政府はもう嘘をつけない 」のP198において「保守 vs リベラル」に<分断>された日本国民の姿を図示しています。身に覚えがありませんか?

 ちなみに、わたくしは「自分は保守です」などと名乗ったことは一度もありませんし、名乗る気もありませんが、この種のカテゴライズまでもが、グローバリストによる国民分断に利用されているという現実を、是非とも理解して欲しいのです。

 わたくしが堤未果氏の本を紹介したことで、確実に、
「お前は原発推進派で、堤未果は原発否定派じゃないか!」
 といった、勝手なカテゴライズに基づく批判が来ると思います。

 あのね。そもそも、わたくしは原発推進派ではなく、「日本国のエネルギー安全保障重視派」です。日本のエネルギー安全保障が維持、改善されるのであれば、別に脱原発をしても構いませんよ。堤氏も、同じだと思います。

 さすがに、
「日本のエネルギー安全保障はどうでもいい」
 と、主張する人は少数派だと思うのです。

 何を言いたいか、分かりますか。要するに、目的を「経世済民=国民が豊かに、安全に暮らせる国」の実現に絞ろうよ、という話です。経世済民が実現されるのであれば、手段はどうでもいいです。

 現実の世界では、経世済民が置き去りにされ、「特定のグローバリストの利益を最大化する政策」ばかりが推進され、レント・シーカーが横行し、反対側で国民が保守だ、リベラルだ、親中だ、反中だ、親韓だ、反韓だ、親米だ、反米だ、などといった単純なレトリックで分断されていっているのが問題だ、と話しているわけです。

 無論、問題はいわゆる「保守側」だけではなく、「リベラル側」にもあります。どっちでもいいですが、いい加減にくだらない「イデオロギー」で分断されるのは止めましょうよ。グローバリズム=コーポラティズムを推進している連中の、思うつぼですよ。

 というのが、今回と明日のテーマになります。

 きちんと、考えよう。

 目的は、何なのですか。イデオロギー的に対立する相手を、潰すことですか。

 くだらない。

 そんな、国内で国民同士で争うのは止めて、みんなが豊かになる日本を目指しましょうよ。

ーーー発行者よりーーー

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【三橋貴明】グローバリズムとの戦い(前編)への2件のコメント

  1. たけちゃん より

    三橋先生 人間を非難する必要はあります。安倍晋三はマトモではありません。統一教会及び岸信介安倍晋太郎の亡霊怨念のみで政治を志向するキチガイです。コイツが国民目線に向いている政策があったでしょうか? 金持ち資本家優遇グローバリストに同情等あり得ません。コイツは人民裁判でチャウシェスクの様な末路が相応しいと思います。

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  2. たかゆき より

    分断して統治せよ♪支配者側の 常用手段ですね、、、グローバリズムは資本主義の ガン細胞さて どのように 処置すべきか、、ぼくは コンサーヴァティブは 苦手なのでラディカルに 切除したくなるタイプ なのだ ♪

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