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FROM 東田剛
基礎ルー語の時間です。
まずは、先週のスキットのおさらいをしましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=mprvQXJ9Yao
<Lesson 1>
「日本の農産物、海産物を積極的に海外に売っていくべきだと、マーケットが大きいんだという人もかなり多くいる。TPP参加はもうマストである」
産業競争力会議のメンバーである楽天の三木谷社長は、このように述べた上で、「農業だけを守っても、エネルギーは海外に依存しているわけであり、(TPP参加は)国益全体でマクロ的に考えるべき」だと主張しました。
また、規制改革会議のメンバーであるヒューチャーアーキテクトの金丸社長は、「農業を輸出できるくらいの産業に発展していく形でTPPに参画できればいい」と指摘。 今後、規制改革会議でも農業を主要テーマに扱うべきだと述べています。
皆さん、スキットの意味は分かりましたか?
日本の農産物・海産物を積極的に海外に売りたければ売ればいいと思いますが、そのために、何でTPPに参加しなければならないのでしょうか。
エネルギーは海外に依存しているから、農業を守っても仕方がないって、どういう意味でしょう?
中東から石油が滞りなく来ていても、アメリカが干ばつで穀物を輸入できなくなることはあるんじゃないですか?
予想通り、規制改革会議でも、TPP参加のための地ならしが行われるようです。もちろん、食糧安全保障なんて考えは毛頭ありません。
安倍総理の信認の厚い塩崎恭久先生が仕切る自民党の経済再生本部では、四回目の講師ヒアリングには、自他ともに認める新自由主義者、八代尚宏・国際基督教大学教授を招き、「農業・教育・医療・介護・保育など、社会的規制分野における規制改革を大胆に進め、企業の新規参入を促進すべし」と言ってもらったそうです。
http://www.y-shiozaki.or.jp/livereport/detail.php?id=2762
八代氏と言えば、労働市場の流動化の旗振り役としても有名ですが、前回のヒアリングの講師の外資系コンサルタント会社の社長は、「日本的経営の打破」とか「企業の新陳代謝」とか言っていました。要は、非効率な企業はどんどん潰せってことです。
http://www.y-shiozaki.or.jp/livereport/detail.php?id=2755
ル─三木谷も、産業競争力会議に提出した資料で、「企業の新陳代謝」と、フールのワン・メモリーのように言っています。「ローコスト国家」というル─語も出てきますが、それって、「デフレでトゥギャザーしようぜ!」ってことです。
http://corp.rakuten.co.jp/news/update/2013/0129_01.html
構造改革でこれだけ失敗しても、まだこんな意見しか言えないほど、日本の経営者は腐っているのでしょうか。
そんなことはありません。
経営学者の伊丹敬之先生によると、気仙沼で昆布などの加工食品の卸をしている「かわむら」の川村賢壽社長は、震災から一カ月もたたない四月に工場を再建して雇用を守ろうと努めたそうです。川村社長いわく、「企業は生き物だ。動いていないと死んでしまう」からだそうです。
同じ気仙沼の阿部長商店の阿部康浩社長も震災直後、全社員の雇用を守ることを決意し、こう言ったそうです。「雇用を切るということは、長年かかって築いてきた人のつながりとノウハウの蓄積をバラバラにしてしまうことだ。」
安倍総理、塩崎先生、耳を傾けるべき声をお間違えではないですか?
日本がこれだけ落ち込んでも、構造改革が間違いだったと、まだ分からないのですか?
もう、いい加減、目を覚ましてもらえませんかね。
みんな、もっと真面目に生きているんですよ。
P.S.
雇用を守ることの重要性については、『レジーム・チェンジ』や『反官反民』が参考になります。
『レジーム・チェンジ』
http://amzn.to/OTfVek
『反官反民』
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PPS
国益全体をマクロ的に考えるなら、『国力とは何か』や『日本防衛論』が参考になります。
『国力とは何か』
amzn.to/Wg3Q5R
『日本防衛論』
http://amzn.to/XT713a
PPPS
中野剛志ホサ官が、朝日カルチャーセンターで講座をやります。
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=191787&userflg=0
【東田剛】デフレでトゥギャザー?への5件のコメント
2013年2月13日 1:14 AM
あらためて読み返してみましたが、特にこの記事はすばらしいと思います。気仙沼の経営者や三陸沖で漁師の学校をつくるべく励んでいる方々こそ、内閣の諮問機関にお越しいただきたいものです。
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2013年2月14日 11:10 PM
行き過ぎた競争は中小企業を淘汰し、大企業による寡占を生むだけです。地方分権を推進したいのであれば、規制を強化し中小企業を保護すべきでしょう。これ以上競争を強いれば、ますます地方のシャッター街が広がることは間違いないです。1970年代、私が子供のころは、住宅街にある商店街もとても繁盛していたことを記憶しています。大型店舗の進出に規制があったことで、中小の店舗が安心して商売ができたのではないでしょうか?産業競争力会議や経済再生本部の人々は、競争至上主義というイデオロギーにとらわれすぎているのではないでしょうか?弱者を潰していくことが競争力を強め、日本経済を復活させる、強い日本を作る、という考えは間違っています。市場経済がすべての価値を決定するというイデオロギーに基づいた会議であるならば、そのような会議はやめるべきです。
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2013年2月16日 7:18 AM
九州、アジア観光特区に 政府、独自の通訳制度創設へ【西日本新聞】http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/348455特区と言えばシンガポールや香港のように免税と緩い規制で外需を呼び込む、言わば「出島」のようなものと理解していますが、九州広域にわたる特区とはいかがなものでしょう。およそ特区の意味を理解していないか、特区の名を借りた社会実験そのものでは無いでしょうか。本当に日本の構造改革(中国化)が始動したのだなと確信した次第です。
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2013年2月17日 5:41 AM
デフレでトゥギャザー?‥‥トゥギャザーの意味を知らない私はかじっただけの知識でつまらないバクリフレーズばかり考える‥‥ルー太田‥‥ぶちのめされるコメント。'70年代から要求呑みまくりの日本、景観も変わり果ててきた気がします、悪いわけではないでしょうけど、一旦停止してもいいくらいなんではないのか。推進派と言うのは、'70〜'80年代にアメリカの大学に行かれた方っておおいのでしょうか?年代時差的に教典が変わり繰り返すのですかね。TPP、テクノポリスプロジェクト(勝手にあてはめた)…だったら、産官学一体構想だったかな、新しい都市開発みたいな、80年代にポシャった国家的構想‥‥言葉は流行ったけど死語になった。浮かんだだけの一コメントでした。新聞を読まない読者のために、これからも様々な方の様々な視点頑張ってください。
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2013年2月18日 12:13 AM
もう意味がわかりませんね。こんな連中が代表取締役につとまる世の中なら、自分は日本を支配できるのではないかと錯覚してしまいます。余談ですが、講座楽しみにしています。
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