政治

2020年12月3日

【藤井聡】『感染列島強靱化論』を、社会的な感染症対策の「決定版」として出版しました。是非、ご一読ください。

From 藤井聡@京都大学大学院教授

 

こんにちは、京都大学の藤井聡です。

この度、京都大学の医学博士で現在、都市環境衛生学教授の高野裕久教授と共著で、医学、衛生学をベースにしながら「社会政策」として一体どの様な対策を進めていくべきかをとりまとめた書籍、

「感染列島強靱化論」
https://www.amazon.co.jp/dp/479497244X/

本日、出版いたしました。

筆者はこれまで、コロナ感染症については、

「自粛と緊縮で日本は自滅する」
https://www.amazon.co.jp/dp/4828422269/
「公衆免疫強靱化論」
https://www.amazon.co.jp/dp/4899920741/

を先月上旬に出版して参りましたが、前者は経済対策と感染症対策の「基本的な考え方/思想」をとりまとめたもので、後者は本庶佑先生や宮沢孝幸先生、高野裕久先生などの医学博士、獣医学博士の皆様方との議論や各々のご主張を編纂した書籍でした。

ついては、本年、2月頃から、様々な医学者、獣医学者の皆様方と重ねて参りました議論を踏まえた研究・言論活動に基づく「コロナ三部作」がこれにて完結することとなりますが、今回の「感染列島強靱化論」は、その三部作を完結させる書籍として、あるべきコロナ感染症対策を「体系的」に論じた決定版となります。

本書の特徴は、医学・衛生学に基づいて、人体の免疫の強靱化と、医療システムの強靱化について高野先生にしっかりとご執筆頂いた上で、当方から、

「感染症に対する『社会政策』の強靱化」

「社会工学者」の立場からとりまとめている点にあります。

これはちょうど、西部先生が、「効果的な経済政策論」を語る上では、「経済学」だけでは不十分であり、そこに「社会」の視点を入れることが不可欠だという立場から、

「ソシオ・エコノミクス」
https://www.amazon.co.jp/dp/4903145034

を出版されたものと、同様の構図と言えるものと思います。

本書の共著者の高野教授は、医師として医学博士を取得されてから、「国立環境研究所」での研究活動を経て京都大学都市環境工学の教授に着任された研究者です。医学および都市環境工学の専門家として、単なる医学的視点に留まらずに都市全体を視野に収めつつ、都市における社会政策のあり方の研究を重ねてこられました。そんな高野教授との共同作業だからこそ、この度改めて「社会」(ソシオ)の視点を明確に導入した包括的な感染症対策を体系化できたものと考えております。

本書の最大のポイントは、「基本再生産数」を社会化した概念として、
「社会的・基本再生産数」
を理論的&数理的に定義したところにあります。

これは要するに、「一人の感染者が何人に移すのか?」という値(再生産数)は、様々な自然的な要因のみならず、文化や風習、医療システム状況や感染症対策の内容、さらには状態や都市、地域、国土のあり方に依存して変わる、という「当たり前」の話を、感染症の議論の中に(理論的かつ数理的に)定義した、というお話しです。

こうすることで、例えば、「目鼻口を触らない人が増えたら、再生産数がどれくらい減って、重症者や死亡者がどれくらい減るのか?」という話がはじめて、理論的に論ずることが可能となったわけです。

(なお、数理的・理論的なぞと書きますと少々ややこしく感じるかもしれませんが、本書はあくまでも「一般書」として、「数式」を使わずとも容易にご理解頂くことが可能な様に平易にその考え方を論じておりますので、是非、ご安心下さい(^_^))。

そして最後には、地震や水害とパンデミックがかけ合わさることで、その被害が圧倒的に拡大してしまう、という問題をとりあげ、そうした事態が生ずるリスクは現実的に極めて高いということ、そしてその被害を最小化するためには、コロナ対策といわゆる国土強靱化対策を合理的に組み合わせていくべきである、という点を論じました。

詳しくは本書をご参照いただければと思いますが、筆者は、この本に書かれた内容にそって、日本の感染症対策、そして、強靱化政策が展開されれば、コロナで亡くなる方も、そして、コロナ禍による経済被害で(自殺等の形で)亡くなる方も、大幅に削減できるものと、確信しています。

この半年以上にわたって医学者・獣医学者・衛生学者の皆さんと議論し、思索し、研究して参りましたコロナ対策論の決定版、菅総理等の政府関係者や与野党関係者をはじめとした国民の皆様方に、是非とも一人でも多く、本書

『感染列島強靱化論』
https://www.amazon.co.jp/dp/479497244X/

にお触れ頂きたいと願っております。
何卒よろしく御願い申し上げます。

追申1:なお、本書では、下記のような社会全体に対する諸対策の「副作用」も明確に踏まえた「強靱化」を論じている点にも重大な特徴があります。是非とも、こうした視点についてもご配慮下さい。  
『小池・鈴木・吉村知事や安倍内閣の「過剰」自粛要請に対する損害賠償請求「訴訟」を考える』

https://foomii.com/00178/2020112912070873633

追申2「藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~」を、本メルマガと同じメルマガサイト『まぐまぐ!』にて今週より配信することとなりました(foomiiでの配信内容と同内容を配信予定です)。ご登録頂いていない方は是非、この機会に下記よりご登録下さい。
https://www.mag2.com/m/0001693837

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【藤井聡】『感染列島強靱化論』を、社会的な感染症対策の「決定版」として出版しました。是非、ご一読ください。への9件のコメント

  1. たかゆき より

    ドレスコード

    小生の場合

    帽子 眼鏡 マスク 手袋

    それらは 外出時必ず装着

    その理由は推して知るべし、、

    手荒いは ブラシを用いるのが有効かと、、、

    パンデミックと大災害も そう なれど

    パンデミック下の 戦争勃発は

    もっと 怖い。。。

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      1. 小河原忠彦 より

        多摩で総合病院の総合診療科医をしています。当院も御多分に洩れずクラスターが発生しました。7病棟の内、1病棟、看護師10名、入院患者10名が感染しました。今週に入って新たな陽性者は出ておりません。

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  2. 大和魂 より

    藤井先生は、どちらかと言うとミクロ的な観点からですので、わたくしはマクロからの視点でコメントします。

    現在、我々が直面しているコロナの問題も、端的には歴史の継続性やら連続性の中で推移しているのであり、具体的にはブレトン・ウッズ体制下での出来事にある訳です。

    ならば起源は英国のピューリタン革命以降、フランス革命と続く訳で、米国建国やら産業革命やアヘン戦争や米西戦争など覇権主義を踏襲しているわけですね。

    そして歴史が進み東西冷戦が終わり湾岸戦争 やEU連合が出来、9、11テロの後にアフガン紛争や新疆ウイグル自治区の弾圧やアラブの春からイラク戦争にたどり、リーマンショックやオバマケアを経過しシリアやウクライナ騒動により表向きの戦争の代わりこそが、英国のブレグジットであり香港弾圧を装い現在の国際社会全体のコロナ騒動に意図的に起こしているわけで、その背景の経済活動だから国際社会は必然的に多様性が必要不可欠なのです。

    だからわたくしは藤井先生を全力で支持して賛同して協力している訳です。

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  3. 麦粒 より

    確実で十分な効果が見込める、リモート、自動運転車等、非接触、隔離系を主力にした経済システムの構築。それによって出来た活動空間を、高齢、低年齢の人たちに優先的に配分する。

    事業者の、パンデミック保険創設と加入の義務化。ウィルス拡散の可能性が高い事業者が、今のような事態になった時に、直ちにその事業を休止または縮小し、公的業務に従事できるようにしておく。

    医療系以外で、感染症対策として新たに構築すべきものは、基本的にこれで十分なんじゃないかと、私は思うんですけどね~。

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  4. 麦粒 より

    動画見ましたけど。事実上の高齢者無期限隔離政策と、目鼻口を触らない作戦で、特に活動抑制しなくても基本的に大丈夫、ってことっすか?

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