政治

2018年4月30日

【三橋貴明】安全保障的な思考

【今週のNewsピックアップ】

「帝国」と「民主主義国」
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12371285831.html

「朝鮮半島の非核化」が意味するところ
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12371807133.html

 

国境線の向こう側、
近隣に日本国の仮想敵国A国とB国が存在したとします。

その場合、日本国にとって
最も都合が良い状況とは何でしょうか。

もちろん、仮想敵国のA国とB国が、
血で血を洗う争いを繰り返してくれることです。

何しろ、A国とB国が戦っている限り、
我が国に戦禍が向くことはありません。

逆に、最も不味いのが、
A国とB国が和解してしまうことです。

和解が成立すると、A国とB国が共に
我が国に軍事的脅威を与える可能性が出てきます。
かように、安全保障とはシビアなものです。

「敵の敵は味方」などと、
地政学や安全保障をかじった人が言いますが、
現実には「敵と敵が争う」ことが
最も望ましいのでございます。

 

冷戦時代でいえば、
ソ連と中国が国境紛争を繰り返したことは、
西側諸国の安全保障を強化しました。

何しろ、ソ連と中国が角突き合わせている以上、
彼らの軍事力が「こちら」に向かうことはないのです。

さらに、安全保障を考える際に重要なのは、
「安全保障の脅威が消える」
などという日は、未来永劫、
訪れないという現実を理解することです。

 

日本人は、比較的、温厚で理知的な人々ばかりが
住んでいる「日本列島」で暮らしているため、
問題を「解決できる」と思ってしまいます。

現実には、国家間の紛争で
「ケリがつく」などということは、
ほぼあり得ません。

国家間で紛争を抱えている国々は、
百年後も二百年後も、
同じネタで争い続けるのです。

これが、現実の世界です。

 

梅棹忠夫の「文明の生態史観」では、
日本と西欧を除くユーラシアの「第二地域」の国々が
「封建制」を経験せず、皇帝制(専制君主制)の下で
領土拡張、衝突、崩壊を繰り返してきた歴史が明示されています。

すなわち、第二地域の国々にとって、
衝突が「平時」なのです。

無論、封建制を経験した第一地域にしても、
国家間衝突は日常でした。

日本だけが、違います。

日本の場合、何しろ「島国」であり、
海というフィルターがユーラシアの衝突、
殺し合いの歴史を排除してくれました。

結果的に、
「(仮想敵国であるにも関わらず)隣国同士が仲良くなってくれると嬉しい」
「争いは話し合いで解決しよう」
といった、お花畑的平和主義が醸成され、
安全保障について実にナイーブ(幼稚、という意味)な考え方を
する国民が増えてしまいました。

今回の南北首脳会談で、
真の意味で北朝鮮と韓国が和解し、
平和(あくまで両国間の平和)に向かったとしたら、
日本にとって大変都合が悪い状況が
待ち受けていることになります。

国民の多くが、この手のシビアな、
そしてリアルな「安全保障的な思考」をしない限り、
我が国の将来の繁栄は、まずありえないでしょう。

 

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