政治

2017年5月14日

[三橋実況中継]なぜ「教育無償化」?

From 三橋貴明

【近況】
三橋はゴールデンウィーク中に採図社『生産性向上だけを考えれば日本経済は大復活する シンギュラリティの時代へ』及び徳間書店『今や世界5位 「移民受け入れ大国」日本の末路 「移民政策のトリレンマ」が自由と安全を破壊する』の二冊の本の校正を仕上げ、ようやく終わったところです。

もちろん、三橋が二冊同時に書いていたわけではなく、出版社の事情でゲラチェックの時期がかぶってしまったのです。いやあ、きつかった・・・。

さて、GWが明け、またもや講演の日々が始まったわけですが、政界では俄かに「憲法改正」の話が盛り上がってきており、違和感を覚えています。

百歩譲って、九条の改正というならば分からないでもないですが、なぜ「教育無償化」がセットになっているのでしょう。別に、教育無償化は内容によっては反対はしませんが、法律を作れば済む話です。なぜ、憲法改正なのでしょう?
憲法改正の際に高等教育の無償化と九条改正をセットとし、国民投票にかける。もっとも、「投票用紙」は別々とする。

それぞれの中身は置いておいて、例えば、

●憲法九条の改正に賛成しますか? 〇×で記入してください
●教育無償化に賛成しますか? 〇×で記入してください

と、二枚の投票用紙を渡されたとき、日本国民はどうするでしょうか。

憲法九条改正には反対しても、教育無償化には賛成する人が多いのではないでしょうか。というわけで、肝心の憲法九条の改正は賛成多数を得られなかったものの、教育無償化は賛成多数で成立。

安倍総理は、大東亜戦争敗北後、初めて憲法を改正した総理大臣として名を遺す。などといった理由で、憲法改正論議が進んではいるわけではないですよね?

一度、憲法九条の改正が国民投票で否決されてしまうと、改正時期は一気に遠ざかることになります。安倍総理の「個人的名声」を求める姿勢が、憲法九条の改正を(事実上)不可能にするのではないかと懸念しているのです。

◆今月の三橋経済塾は5月20日、今週末の土曜日です。第五回のゲスト講師は、満を持して登場! 中野剛志先生!
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1970
※三橋経済塾の講義参加には、事前に入塾が必要です。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

◆ソーシャルレンディング最大手maneo代表の瀧本憲治様との対談シリーズ、第六回がリリースされました。
【お金とは何か?失業率と戦争、基軸通貨】 三橋貴明氏に教わる 第6回
https://youtu.be/6-HCaOWRRi8

◆一般参加可能な講演会のお知らせ。
平成29年5月21日 第4回日台親善シンポジウムにて、三橋貴明と田村秀男先生が共演!
http://kokucheese.com/event/index/460716/

◆採図社「生産性向上だけを考えれば日本経済は大復活する  シンギュラリティの時代へ」が予約開始になりました。
http://amzn.to/2qf0rck

◆時局 2017年6月号 に連載「三橋貴明の経世論  第3回 デフレ社会が招いた「国民の貧困化」問題」が掲載されました。
http://amzn.to/2ramMHm

◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書 第116回「「認知的不協和」と「恐怖プロパガンダ」が歴史を狂わせる」
http://www.asagei.com/

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第221回「デフレと過剰サービス」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 Vol416 グローバリズムと革命(後編)
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
グローバリズムにより、国民のための経済が壊され、ビジネス主体の政治により所得格差が拡大し、ルサンチマン溢れる若い世代が、革命家の大統領を誕生させた。
韓国の話です、もちろん。

◆メディア出演

5月14日(日) 12時からテレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」に出演します。
http://www.tv-asahi.co.jp/tvtackle/

5月17日(水) 6時から「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/

5月20日(土) チャンネル桜「日本よ、今…闘論!倒論!討論!2017」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1655
今回のテーマは「種子法廃止」。

◆三橋経済塾
5月20日(土) 三橋経済塾第六期 第五回対面講義の詳細と申込方法をご案内致します。
※対面講義にお越し頂く際は、お申込みが必要です。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1970
第五回のゲスト講師は中野剛志先生!

◆チャンネルAJER
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[三橋実況中継]なぜ「教育無償化」?への5件のコメント

  1. 安倍さんが「個人的名声」を欲しているのかどうかはわからんけど、
    「9条は残します」で護憲の民、共を、
    「教育無償化」で維新を、
    「自衛隊を書き込む」で公明の「加憲」と保守としての自民を、
    という「ウルトラ全部取り込み」なんとちゃうんかな?と思いました(笑)
    せやけど一体どんな条文になるんや?それ、無理なんちゃう?とも思いますね。
    ただ、半島情勢がヤバいので、まずは早く普通に攻撃できる自衛隊にすることが第一やと思いました。

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  2. 通りすがり より

    上の方の言う通り、教育無償化は維新を抱き込む為です。

    三橋さんの言う「安倍総理の個人的名声によって憲法9条の改正が不可能になる」というのはいささか疑問です。
    正しくは、「安倍総理の個人的無教養や非常識によって憲法9条の改正が不可能になる」です。
    自分は「安倍にだけは憲法を変えさせてはいけない」というのに結構近いのですが、その理由は、どんなことになるのかまるで信頼が置けないからです。

    ところで…
    もし憲法を改正できなかった(発議できなかったり国民投票で否決された)場合、それでも北朝鮮有事は消えることはないので、現行憲法の下での国防体制を調える必要があるでしょう。
    したがって、A改正できたとき Bできなかったとき の2通りの行政手続きをあらかじめ考える必要があります。
    こうなると、わざわざ改正を初めから考えない方が手間が省けることになります。
    優先順位から言えば、憲法改正より国防体制の方が先です。
    よって、安倍総理はかなり回り道をしているような感じを受けます。

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  3. robin より

    子供の頃から優秀な消費者になるべく訓練されてきた消費者に選挙で投票する能力は育っているのか、消費は好き嫌いで行うもので選挙まで政治家の顔の好き嫌いで投票して良いものか。消費者労働者としての義務を果たしているのだから国民として公共的な面の強い義務を果たすのは二重搾取ではないのか、と考えるのか。消費者の論理が身に染みて習慣化されているので選挙活動を行う際にも投票の論理は働かない、そもそもそんなやり方知らないで好き嫌い、一零で決めてしまうのか。憲法~条~項のどの~と無数のヴァリエーションがあるのだが。消費者に価値判断をする能力は育つのだろうか、世界市民的には善悪は明確に分離しているので考える必要は無いのか、善悪は時と場所や時機によって入れ替わるものと思うが消費活動は即時的瞬間的なのであるのは今だけ、過去現在未来への繋がりや連帯感は無い、現在「悪」をしても将来世代への「善」であるなら国民として受け入れる、何故なら自分達も前世代からの贈り物を受けって生活しているのだから。状況に応じた細やかな価値観の使い分け、が大事ではないか、消費の論理や物差しを他の全ての活動に当て嵌めるのは単純過ぎないか。

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  4. 網走のじいちゃん より

    安倍首相の「改憲の機運が高まっている」という認識はかなりの疑問ですね。世間では改憲の議論すらされていないのに、自民党の議員も「えっ?」と思ったはず。
    改憲をするには長い議論があって、国民の同意を得る必要がありますよね。毎日一年間ぐらい、全放送局で改憲の是非や憲法の歴史など、国民を改憲問題漬けにするくらいでないと。いまのままでは必ず悪い方向に行くでしょう。
    もちろん半島情勢の問題や自主独立がどうという事もありますが、せっかくアメリカ様が守ってくれているのだから、今のうちに真剣に、迅速に議論をつめましょう。というのが私の意見です。
    結局、安倍首相には「保守派いいものだ」という価値観があり、「改憲は保守である」という短絡的な思考から来ているのでしょう。左翼の言う軍国化が誇大妄想としても、そうなる可能性を完全には否定できないでしょう。軍国化するか、国防に留まれるか、自主独立を維持できるか、属国化するか。かなり難しく長い議論になるはずです。時期尚早にならないといいのですが。

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