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2017年5月8日

【三橋貴明】ルサンチマンの悪循環

From 三橋貴明

 

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カール・マルクスは、資本主義、自由主義が既存の秩序を破砕するがゆえに、
「ただこの意味でのみ、諸君、私は自由貿易に賛成するものなのである。」
と語ったと、レーニンが書き残していますが、現代の我々は、フランスや韓国などの国々において、グローバリズムが既存の秩序を破壊しつつある光景を目の当たりにしているのです。

先週、フランス大統領選挙の第一回目投票で、マクロン候補とルペン候補のいずれが勝ったのか、「地域別」ではっきりと色分けができていることをご紹介しました。

また、Odoxaが調査した決選投票の投票予定を見ると、月収1500ユーロ(約18万6千円)未満の有権者は、51%がルペンに投票するとのことで、マクロンを上回っていました。月収が増えるに従い、マクロン支持が伸び、ルペンが落ち、3500ユーロ(約43万4千円)以上になると、ルペンが26%であるのに対し、マクロンは何と74%。

地域、所得階層により、国民が分断されてしまったのです。

大雑把に書くと、若い世代、低所得者層、地方が、相対的にルペン支持が多く、年金世代、高所得者層、都市部がマクロン支持(しかも、圧倒的)になっているわけです。

自由貿易、規制緩和、緊縮財政というグローバリズムのトリニティ(三位一体)は、主に若い低所得者層及び地方に「痛み」を与えます。結果、反EUのルペンやメランションの支持を伸ばす。分かりやすいと言えば、分かりやすい構図です。

グローバリズムは国民を分断し、国民統合を壊し、既存の秩序を毀損していきます。最終的には、マルクスの言葉通り「革命」の土壌を形成してしまう可能性が、極めて濃厚です。

すでに、グローバリズムが「革命」への背中を押している国が、我が国のお隣にあります。韓国です。

明日、投票が予定されている韓国大統領選挙は、20代から40代が、文在寅支持が50%を上回っています。50代以降は、文在寅支持が一気に落ち、50%を下回っています。

アジア通貨危機、IMF管理以降の韓国のグローバリズムは、若い世代が「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の7つを諦めざるを得ないという、深刻な社会問題を引き起こしました。いわゆる「七放世代」ですが、韓国の若者が、あそこまで「革命」的な発言を繰り返す文在寅を支持しているというのは、韓国というよりはグローバリズムの「闇」の象徴であるように思えてなりません。

ルサンチマンに溢れた七放世代が、文在寅大統領を誕生させると、国内は経済を含めて混乱状況になるでしょう。結果、若い世代の雇用や所得が生まれることはなく、さらに国民がルサンチマンを心の内に溜め込んでいくことになります。すると、さらなる「革命」的な政治が求められるという、悪夢の循環が回っていくように思えてなりません。

さて、我が国では、デフレとグローバリズム(グローバリズム自体が「インフレ対策」ですが)により、国民の多くにルサンチマンが蓄積されていっています。不幸なことに、我が国ではデフレやグローバリズムにより貧困化し、ルサンチマンを貯めこんだ人々が、「既得権益をぶち壊せ!」と、既存の秩序を破壊すると叫ぶ政治家を支持し、グローバリズム的な政策が推進され、状況が悪化する「ルサンチマンの悪循環」が進行していっています。

日本を含む、グローバリズムにより痛めつけられた各国は、ルサンチマンの悪循環から逃れることができるのでしょうか。

各国がルサンチマンの悪循環を、振り払えるか否か。今後の人類の歴史は、全てそこにかかっているのです。

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  1. 反孫・フォード より

    >グローバリズムは国民を分断し、国民統合を壊し、既存の秩序を毀損し、最終的にマルクスの言葉通り「革命」の土壌を形成してしまう

     安倍内閣が口では底上げだと言いながらグローバリズム(インフレ対策)的な道に爆進してることは、
    国民を分断に追いやり、小泉元総理の言葉通り自ら党をぶっ壊す行為に等しいと言うことですね。

    そうなった時には既に、知らぬ存ぜぬ、閣僚の位置には居られないのでしょうね。

    がちょぉ~~んっ!

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  2. 赤城 より

    日本のルサンチマンにはずっと反日極左に抑圧されてきた愛国心や実質占領属国状態にある国状などが根幹にあって複雑になっています。それでグローバリズムの嵐を吹き上げる改革者はどんなにひどい破壊的極左的悪政を行っても壊せば壊すほど保守に喜ばれるという異常と狂気に満ちた状況を作り上げてきました。この極左的破壊者を自称保守が支持し、自称保守でない人も支持する、もともとゆるい左翼リベラルの考えの人も誰も彼もが支持するので日本では本質的に保守思想の政治家がいなくなってしまった。ルサンチマンによって破壊者を支持すればするほど逆により格差が悪化することにさえ気づければ変わるかもしれませんがもともと感覚感情だけで煽動されてきた大衆ではその頭が働かないのでしょう。

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