(啓文社より)
これからの日本を牽引する「指導者の条件」とは何か--
劣化、腐敗の度を増す日本の政界、財界の復活を期すための最重要論点として本誌(表現者クライテリオン)9月号にて徹底的に論じたこの問いを、
次期首相候補の一人である高市早苗経済安全保障担当相に投げかけた。
後編では、奇しくも本特集と同じタイトルの『指導者の条件』を著した松下幸之助を塾主とする松下政経塾で薫陶を受けた高市氏に、「日本のリーダーたる条件」について率直にお話しいただいた。
(聞き手:藤井聡)
「政治家は主権者の代表である」という矜持を持つべし
藤井 続いて前号の特集テーマであった「指導者の条件」についてお伺いしたいと思います。今まさに、自民党では党の指導者たる「総裁」を決定するための総裁選挙が予定されています。それは同時に日本国家のリーダーたる「総理」を決定するための選挙でもあるわけですが、高市さんもその有力候補者のお一人として名乗りを上げ、そして国民から大きな期待を受けておられる立場になっていらっしゃいます。ついては恐らくは多くの国民は高市さんご本人が「指導者の条件」として、とりわけ政治的リーダーのあるべき姿について,どのように考えておられるのかについては、大変大きな関心があるところではないかと思います。とりわけ高市さんといえば、松下政経塾にてまさに『指導者の条件』というタイトルの書籍を著した松下幸之助さんの薫陶を直接受けておられる方でもあります。ついてはそのあたりも含めて是非、高市さんがお考えになる、あるべき指導者の姿について、多面的にお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
高市 私は受け売りでしかありませんが、松下幸之助塾主のところで学んだのでもちろん影響を受けています。第一に、政治家は「主権者の代表」です。「私は主権者の代表として働いている」という矜持を持つことが大事です。私はその矜持をもってたくさんの仕事をしてきたと思っているので、そこは譲れない線ですね。ですから、自分のことを「公僕」とは決して言いません。
もう一つ、松下幸之助塾主がおっしゃっていたのは「国家経営理念」というものの大事さです。塾主は『実践経営哲学』という本の中でこう言っています。
「国家に“この国をどのような方向に進めていくか”という経営理念があれば、各界各層の国民も、それにもとづいて個人として、また組織、団体としての進み方を適切に定めやすく、そこから力強い活動も生まれてくれる。また他国との関係にしても、しっかりした方針のもとに主張すべきところは主張しつつ、適正な協調を生み出していきやすい。
ところがそういう経営理念がないと、国民の活動もよりどころは見出せず、バラバラになりがちになり、また他国との関係も場当たり的になって、相手の動きによって右往左往するといった姿になってしまう。
したがって、一国の安定発展のためには、国家経営の理念をもつということが何にもまして大切なわけである」
こうやって国の形を作っていくんだという「国家経営理念」を明示して、国民の皆様がそれを共有し、一丸となって取り組んでいくことが大事です。そこで求められるのが国の総合力であり、塾主は自衛力、政治力、経済的な生産力や金融力、教育の程度、民度の高さ、学術、科学技術、文化の発達度合いなどを挙げられています。さらに、国民のあり方についてはこう語っておられます。
「一部の支配階級が政治を行っていた封建制や絶対主義の時代とは違い、現代の政治の最終責任は国民に有る」
「株主たる国民は、高い政治的見識と良識を伴った『主権者意識』を持つべきであり、自ら主権を放棄して投票を怠ったり、国民全体の代表である政治家に自分勝手な陳情をしたりすべきではない」
君子は豹変しても構わない
高市 それと、意外なことに松下幸之助塾主は「君子は豹変す」とおっしゃっています。松下正治さん(パナソニック二代目社長、松下幸之助の娘婿)の『経営の心』という本に書いてあるのですが、社内でいろいろ検討を重ねて、塾主も納得して決定した方針なのに、翌朝になって撤回されることが度々あったと。それに反発して松下正治さんが文句を言ったら、塾主は「君子は豹変するんや」と言ったそうです(笑)。でも、これには一理あります。塾主は皆と議論したり取締役会で考え抜いたりして結論を出したあとも、実行に移す直前まで「本当にこれでいいのか。もっと良い結論がないのか」と考え続けていて、当時は夜中に急に呼び出される方も多かったようです。だから、塾主の言う「君子は豹変す」というのは、熟慮・熟考の結果ということです。
政治のリーダーでも、本来は一度発信したあとに「やっぱり間違っていた」と思ったら、早急に方針転換すべきなのですが、引っ込みがつかずにそのまま突き進んでしまう可能性が高いんですよね。
藤井 そうですね。今日本が疲弊している原因の大部分はそこにあるのではないかとすら思います。
高市 そこに私が頷くわけにはいかないのですが(笑)。ただ、一般論として、一度決断して公表したものであっても、途中で間違いに気がついた場合にはすぐに修正すべきです。間違ったことを一日でも長く続けてはいけないわけですから。会社の経営なら、一日、二日間違ったことを続けていたら会社自体が潰れる可能性もあるわけですよね。
そう考えると、すぐに国民の皆様に素直に謝罪して、「よくよく考えたらこの方針の方が国益にかなうと気がつきました。だからこのようにいたします」と方針転換できる勇気と胆力は絶対に必要だと思います。
藤井 筋さえ通っていれば、表面的なものがいくら変わっても説明すれば伝わるはずですよね。
高市 伝わると思いますし、説得する力が極めて重要です。
藤井 筋がない人間が表面上の言葉にこだわり続けていく中で失敗してしまうというのは、戦前から何度も繰り返されてきたのでしょうね。戦争にしても経営にしても、勝利したり成果を出したりするためにはそういう意味での「君子は豹変す」が絶対に必要です。それができるかどうかがリーダーの重要な条件であるというのはおっしゃる通りですね。
高市 私もそう思います。若い頃に考えていた政策と今の環境の中で考える政策は変わっていきますよね。そのときに「昔はこういうことを言っていたじゃないか」と言われても、「今の環境ではここをこう変える必要がある」と言い切る責任がありますし、トップが大変なのはそういうところだと思います。企業の経営者であれ、国家経営者であれ、地方公共団体の長であれ、一度出した方針を引っ込めて変更する勇気、説得して理解を求める力が必要だと思います。
また、自分がトップを務める組織内で問題が起きたときには、地位の高い人ができるだけ早く謝罪をすることも大切です。「謝罪の効果は時間の長さに反比例し、地位の高さに比例する」というわけです。これは松下幸之助塾主とは関係ない言葉ですが、私自身が心がけてきたことです。他の役所の大臣をしていた頃ですが、所管している独立行政法人、特殊法人などで問題が起きたとき、その法人のトップに対してできるだけ早く記者発表してくださいと言っていました。皆さん「原因究明してから」とか「改善策をまとめてから」とおっしゃるのですが、まずは起きてしまったことについて早く公表すべきだと思います。
すべての責任はトップにある
藤井 リーダーのリーダーたる所以や資質はそういうときに試されますよね。松下幸之助さんも総理大臣に求められる資質の三番目に「責任感のあつい人であること」とおっしゃっていましたよね。
高市 松下幸之助塾主がおっしゃっていたのは「すべての責任はトップにある」ということです。何か間違いがあれば、国の政治であれば内閣総理大臣に責任があるし、企業経営であれば、すべての責任は企業のトップにある。つまり、誰かのせいにした時点でそこに発展はないということを教えてくださったのだと思います。
企業でも、社内の会議で何かを決めて実行して失敗したとするでしょう。そこで「あのときあいつがあんなこと言わなければ良かったのに」と言っているようなトップでは駄目ですよね。だって、そこには反省がないわけですから。そうではなく、失敗したらその原因をよく分析して、トップの責任で改善していかなければなりません。そうすれば同じ失敗はしないけれど、誰かのせいにした時点で思考が停止すると思います。
藤井 本当にそうですね。前号の特集ではサブタイトルを「“徳”と“品格”の思想」としたのですが、まさに今の世の中では、リーダーの徳と品格、あるいは道徳性や倫理感が重要であるということがどんどん忘れられてしまっています。高市先生がおっしゃったように、松下幸之助さんの言葉を心に留めてトップが責任を取るとか、有権者の代表であると同時に有権者に対する愛を忘れないようにするとか、そういった心構えの重要性が最近は軽んじられているのではないかという問題意識からこの特集を組み、高市先生からお話を是非お聞きしたいと思った次第です。
今日は経済安全保障にかかわる長期的な戦略についてお伺いしましたが、まさに福沢諭吉が言うところの「公徳」に溢れたお話をしていただいたものと存じます。そういう意味で、今日お話しされたことはすべて「徳」と「品格」についてのお話であると改めて感じました。
高市 私に徳や品格が備わっているかどうかはさておきまして、とりあえず私が気をつけていることの中で優先順位の高いものをお話しました。
藤井先生も防災に経済、さらに徳と品格まで論じておられていて大変お忙しいですね。今後もぜひご活躍ください。
藤井 雑誌は文字通り「雑多な事柄を書き記したジャーナル」という意味ですから(笑)。高市先生にはぜひ、国家の経営をお願いしたいという気持ちをさらに強くしました。今日は本当にありがとうございました。
=======================
本記事は『表現者クライテリオン2024年11月号』(2024年10月16日発売)に掲載予定の記事を一部省略して構成したものです。
全文は是非本誌(表現者クライテリオン)を手に取り、ご一読ください。
※こちらの記事に関するお問い合わせは、啓文社まで
【藤井聡】【自民党総裁候補・高市早苗氏に聞く】 指導者の条件とは? ~安全保障と国家経営のあるべき姿~ (後編) 【特別公開】への5件のコメント
2024年9月12日 7:53 PM
たとえば、大統領選に関して
スティーブン・ウォルト教授がこんな
あからさまな肩の入れ方をしますかねえ。
候補者全員と会談したのでないのなら
あきらかに肩入れですよね。
画像からして進次郎と扱いが全然違うし。
先日のメルマガ、笑っちゃいけないけど
コバホークなんか顔自体がなかった。
あとで進次郎よりアレなのがバレたから
先見の明があったともいえますが。
江口克彦 2020.4.15 産経インタビュー
「(政経塾は松下幸之助の)失敗の中の1つ」
ところで幸之助翁、生前より周恩来と親しく、
鄧小平からの要請を受けて松下電器産業を
シナに進出させた経緯がある。
むろん、いまシナは我が国最大の貿易相手国。
支持者の方々は、目に見える形での反中行動を
高市氏に熱烈期待しているようですけど、
親中の師の薫陶を受けた氏にそれは酷では。
留学先であのオルブライトの薫陶を受けた河野に
新自由主義をやめよと進言するようなもの。
自民党が好転して見えたのはいつだったかなと
思い返すと、それは総裁が変わった時ではなく
下野したときだったかと。
ゆえに、誰が総裁になっても同じ。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
2024年9月13日 12:31 AM
三橋さん「~ というわけで、消費税減税を議論に持ち込まなければならない。何しろ、実質賃金の下落を「解決」する最もフェアで効果が大きい政策が消費税減税なのですから」
ということでしたが、三橋さんの願いもむなしく今回のインタビュー記事にも消費税減税のお話は載っておりませんで、大変残念に思っております。国民の59%が「生活が苦しい」と答えている今、減税の話が一切出てこないあたり安藤裕前衆議院議員の指摘するように、政治家も報道も国民生活には全く興味がないのだなあと実感する次第であります。
立憲の方は少なくとも、吉田議員は消費税減税をやるとおっしゃっていますし、泉代表も食料品に関して消費税0と言っておられます。自民党の候補者は徹底して消費税の議論から逃げ回ってらっしゃるようで…
自民党候補者の消費税減税に関する考えが今一つ見えてこない中、消費税の話ではないものの、防衛増税に関する考えが「報道ステーション」で示されましたので、そちらの方を少々ご紹介。
河野太郎議員「日銀が利上げをしたことで、今後は国債の利払い費も増えてくるはず。利払い費が増える分、何かの支出を削るか増税が必要」
※日銀は「政策金利(日銀当座預金の金利)」を引き上げましたが、現在、国債金利は下がっているので利払い費は減っています
高市早苗議員「”今は”増税はしない」
小泉進次郎議員「岸田総理の方針を引き継ぐ(増税する)」
河野太郎議員は財務省のご説明そのままを言っておられますので、完全に財務省の影響下にあるとみてもよさそうです。
私は小泉進次郎議員の政策には全く共感が持てませんが、少なくとも彼は「自分が総裁になったら増税をやる」ときちんと支持者に示している分フェアではあると思います。
選挙戦の時は増税の話はせず、選挙戦が終わると「もはや支持者に用はない」とばかりにモリモリ増税を推し進める、私はそういった者こそ徳も品格もない人間だと思います。
さて、各候補者が
「あれをやる」
「これをやる」
と、さかんに政策をアピールしていますが、それらに一切意味はありません。なぜなら、何をやるにしても
財務省「財源はどうするんだ!?」
の問題が立ちはだかるからです。財源を明らかにせずに「あれをやる」「これをやる」などと吹聴して回る人間を詐欺師と呼びます。
本物の積極財政派、そして、安倍総理のように財務省に弱みを握られていない政治家であれば、
「財源は『国債』です」
とこたえられるはずです。今回の総裁選・代表選では一人もこれを言える候補者はいませんでしたので、皆さん何かしら財務省に弱みを握られていそうな感じではあります。そんな人間がトップに就いたところで、相変わらず財務省の操り人形
「第二の増税眼鏡」
で終わるのがオチでしょう。
ちなみに、「財源は国債」と言うと、
財務省「将来世代に借金(国債の償還)を押し付ける気か!?」
と言われてしまうわけですが、お宅の所のボスが国債の償還は将来世代の負担になってないって言ってるぜ?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
参議院予算委員会 令和6年5月27日 西田昌司議員質疑
鈴木大臣「現状におきましては『国債の償還財源は借換債である』という点について、これにつきましては西田先生がこれまでもいろいろなところで指摘をされている通りでありまして、」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
反論があるならここに来て書いてみたらどうだ?
追伸:
小泉進次郎議員をフェアと言いましたが、あくまでだまし討ちする気満々の連中(選挙が終わったら糞ほど増税する気満々の連中)よりはフェアだって話でして、彼の政策に同意するものではありません。
小泉進次郞氏の政策に疑問、島根県の丸山知事 解雇規制緩和「正規の人を非正規に」/ライドシェア「東京に住んでいる感覚で地方のことをやられたら地方がつぶれる」
以前、泉房穂市長の実績を大いに称賛しましたが、それは彼が「地元に合ったやり方」で少子化対策・地域活性化に成功したからです。
施光恒教授「己に合うものかどうか吟味もせずに何でもかんでも海外のものを導入しようとする者たちを『悪質な輸入業者』と呼びます」
丸山知事、なかなかやりますね。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
2024年9月15日 2:11 AM
「解雇規制の緩和」が話題だということで…(ニュース7デイズで見ました)
メリット・デメリットを語る前に偉大なる先人の知恵を借りてみましょう。社会問題の解決法や予防法などは大体、過去の本物の天才が見出してくれているものです。
経済人類学者カール・ポランニー
「人類というのは元々共同体全体で生きていた。具体的には土地、人間(労働)、貨幣(購買力)これを共同体全体で管理していて、この時代は飢える者はいなかった」
※どこの縄文時代なのでしょうか
ポランニー
「その後産業革命が起きた」
ポランニー
「人々を労働市場に放り込むために『飢餓』が使われて、最後には貨幣のグローバル化ということで金本位制になった」
ポランニー
「必要な時に労働者を工場に投入して働かせようとしたとき」
労働者
「ウチには年老いた母が居るので都市部には行けないんです」
ポランニー
「といった『しがらみ』があると工場が動かないので産業資本主義が成り立たないわけです」
市場原理主義者
「じゃあ、田舎ぶっ壊すか(笑)」
ポランニー
「こうして、田舎をぶっ壊して労働者として工場に連れてきて働かせるわけです」
ポランニー
「市場は、本来人間関係の中に埋め込まれている者達をぶっ壊して個人にして人間を商品化して工場に投入します」
ポランニー
「まさに人間を商品のように売買するわけです」
ポランニー
「市場が社会や共同体を破壊していくと人々は孤独になっていきます」
ポランニー
「資本家は人間を労働力として商品のように扱い儲けを出していくわけですが、人間は共同体がないと生きていけない生き物なので」
ポランニー
「必ず反動が起きます」←ココ重要
ポランニー
「バラバラにされた個人が群衆のように一斉に集まって群れて資本家や市場メカニズムに一斉に反発するようになります」
ポランニー
「これを『対抗運動』といいます」
ポランニー
「1930年代のファシズム・ナチズムの正体は、市場によって社会や共同体を破壊され、バラバラに放り出された個人が対抗運動でもう一度固まった全体主義なのです」
ポランニー
「市場に任せて新自由主義的にやると、やがてはファシズムにつながる」
ポランニーの言っていることをよく示しているのが今のアメリカ(大分断社会)なのではないでしょうか。個人的なメリット・デメリットという「小さい話」ではなく、先々、全体主義からのファシズム・ナチズムを生みたくないのであれば、「解雇規制の緩和」という新自由主義的な政策は避けた方がいいと思います。
ちなみに、
【ニュースの争点 公式チャンネル】
なぜ日本企業は世界から出遅れたのか?/日本人の足を引っ張るエリートの罪(中野剛志・施光恒・古川雄嗣・岩尾俊兵)【特別座談会Part1】
こちらでも話題になっていますが、松下幸之助がなぜ優秀な経営者として今でも称賛されているかというと、
”人を育てるのがうまかったから”
なんですよ。ポランニーが指摘するように、市場というものは社会を、共同体を破壊する働きがあるものなのですが、日本の場合は
”共同体的経営”
でうまくそのデメリットを回避してきたわけです。その松下の教えを受けてきた者達が、
「人なんて育てる必要ない。最初からデキル奴を金で買ってくりゃあいい」
とやっているわけですが、松下さんは今の彼らを見てどう思うのでしょうか。人手不足なんて今に始まった話じゃなく、高度経済成長期だって深刻な人手不足だったんですけどね。あの頃は外国人労働者とかも入れていませんでしたし…
まあ、日本は共同体的経営でうまくやってきたんですが、バブル崩壊以降、TVメディアにろくでもない有識者(自称)が出演しては
自称有識者「日本的な経営のせいでバブル崩壊した」
とかやりだして、アメリカを見習って「派遣労働拡大」や「コーポレートガバナンス改革(いわゆる株主資本主義)」を導入していったわけです。令和四年度「少子化白書」をみても分かるように、派遣労働の拡大(若者の雇用不安定化)が今の少子化につながっていますし、コーポレートガバナンス改革の結果はというと、、、
<資本金10億円以上の法人企業(1997年=100とする>
1997年に比べて2018年の配当金は6倍
1997年に比べて2018年の経常利益319
1997年に比べて2018年の売上高107.1
1997年に比べて2018年の従業員給与78.0
1997年に比べて2018年の設備投資97.3
はい、そうですね。従業員給与や設備投資費を削ってすべてを株主様に献上して差し上げる社会が完成したわけです。
ニュース7デイズのインタビューに答えていた酔っ払い
「頑張ってない奴は首すべき!日本は労働者が守られすぎ」
こうしたセリフが口をつくということは「自分は頑張っているのに頑張ってない奴より報われてない」という不満が潜在的にあるのだと思います。上でもデータを挙げていますが、たとえ全員が頑張ったとしても株主配当金として外国人投資家様の肥やしになるだけなんですけどね。今のままでは頑張るかどうかは関係なく、永久に吸い取られるだけです(苦笑い
そもそも、人手不足だから「解雇規制の緩和」をしたいというお話ですが、どうして人手不足なのかというと少子化だから。どうして少子化になったのかというと「派遣の拡大」や「コーポレートガバナンス改革」といった一連の構造改革を推し進めたから。構造改革とやらを激しく推し進めて30年、すでに構造改革がまずかったという結果が出ているのにまだやるのでしょうか。自民党の候補者で過去30年の改革を反省する言は誰も口にしていませんので、まあもうそういう党なんでしょうね。
それから、
ニュース7デイズ
「アメリカでは解雇規制が緩くても問題なくやっている」
インタビューを受けたアメリカの経営者
「子供の送り迎えを理由に入社して7日も遅刻したからクビにしたよ。でも、問題ないよ。そもそも、うちの会社はキャリアアップの踏み台にすぎないから、解雇されてももっといい条件の会社に行ってるよ」
ということでしたが、当たり前ですがアメリカと日本では環境が違います。出題されている問題が違うので回答も違ってきます。
日本以外の国は第二次大戦以降、長期デフレ(失われた30年)に陥ったことはありません。今をもってしても日本は需要不足(デフレ)の状況が継続しています。コチラ⇓をごらんください。
~~~~~~~~~~~~~~~~
日本銀行が、19日の金融政策決定会合でマイナス金利を解除し、17年ぶりの利上げを決めたことを受けて鈴木俊一財務相は同日、報道陣の取材に応じ、
鈴木氏は「今回の政策変更をもってデフレ脱却ということにはならない。色々な指標を総合的に判断して決めなければならない」と語った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
岸田首相としては「デフレ脱却宣言」を行って自身のレガシーにしたかったようですが、需要不足が継続中なのにデフレ脱却宣言はいくら何でも無理がありますからね。
ネットの意見
「ふざけんな!物価高なんだからインフレだろ!」
「需要不足なのに物価高って…それ、インフレじゃなくてスタグフレーションじゃね?」
※経済が停滞して失業率が高止まりしている中での物価上昇状態を意味します。
さて、日本は需要不足なわけです。椅子取りゲームで言えば、参加者は10人居るのに椅子は5つしか用意されていない状況。
「座れない奴は努力してないだけ、リスキリングせよ!」
たとえ参加者10人が全員リスキリングして努力したとしても椅子が5つしかない以上、座れない奴は5人は出るわけです。そして、椅子は運営にしか増やせないわけでしてね…
アメリカの場合は雇用統計にのっとってしっかり経済政策が取られるので、参加者10人椅子11脚と例え目当ての椅子に座れなくても別の椅子には座れるわけだ。なので、アメリカはそれでいいとしても、日本で同じことをやると椅子に座れない者が出てきてしまうので、どうしてもアメリカと同じことをやりたいのであれば、最低限、需要不足の解消(椅子を増やすこと)をやる必要があるってことです。まあ、財政出動せよってことですね。
財務省に弱みを握られている政治家たちにそれができるのでしょうか。
追伸:
バブル崩壊後、日本の政治家官僚はどうしたらいいのかわからなかったので、1980年代初頭のアメリカやイギリスの真似をしました。まあ、隣の奴のテストの答えを丸写ししたわけだ。
1980年代のアメリカやイギリスが何をやっていたのかというと、解雇や賃下げの脅しを労働者に対する鞭として人件費を抑制、さらには規制緩和で価格競争を促進させることで物価の引き下げを行っていました。つまり、
意図的にデフレにする政策をやっていたわけです
それもそのはず、1980年代初頭のアメリカ・イギリスはインフレに悩まされていたから。
日本の場合、バブル崩壊で皆が一斉に「節約」をする状況、つまりデフレに悩まされていたわけで、本来やるべき政策は、
意図的にインフレ(需要増加)をする政策
だったわけですが、なんとイギリスやアメリカの真似をしてデフレなのに更にデフレにする政策をやってしまったわけだ、そりゃあ失われた30年にもなります(苦笑)
出題されている問題が隣の奴と自分とでは違うのに、隣の奴の回答を丸写しして爆死する。世界よ、これが日本のエリートだ!
TVメディアに出演する方々はくれぐれも「悪質な輸入業者」にならないようご注意下さい。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
2024年9月13日 7:51 AM
誰が君子だ?
ヒトラ一か?
日本の主権者は日米合同会議だから
ワシは責任取らん、知らんわな。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
2024年9月15日 11:04 AM
日本初の女性総理が憲法破壊、
平和主義を破壊する
戦前回帰を煽動するファシスト
だったら教授、
貴殿も最前線の塹壕で豊和、住金製の欠陥銃で先陣きって肉弾戦闘して頂きますよね、
それとも工兵指揮官として地雷除去しますか?
現代の地雷はレーダ一付で人が近づくと爆発しますよ。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
コメントを残す
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です