日本経済

2024年9月1日

【三橋貴明】「人口増=経済成長」論者の認知的不協和

【近況】

財政破綻論同様に、
「間違いを認めない」人が
多い傾向が強いのが、
「人口増=経済成長」論です。

「日本は人口が減っているのだから、
経済成長しない!」
というやつです。

そもそも、
経済成長とはGDPが増えることです。
GDPは「生産=需要=所得」になります。

生産年齢人口が
毎年1%減っていたとしても、
生産性が毎年5%増えていけば、
GDPは確実に増えます。

生産性とは
「生産者一人当たりの生産量」
という定義であるため、
「人口が減っていたとしても、
生産性が上昇すれば
GDPは増える」
は、四則演算を知っていれば
理解できるはずです。

【人口減少国の経済成長率】

http://mtdata.jp/data_92.html#population

実際、二十一世紀に入って以降、
人口が減っているにもかかわらず
日本よりも経済成長率が高い国が
十五カ国あります。

ちなみに、
十五カ国については
故意に国名を付けていません。

恐らく
「人口増=経済成長」論者は、
上図を見せられたとして、
「いや、経済成長している国々は
○○の事情があるはずだ。
なぜ、国名を出さない!」
と、三橋を否定にかかるでしょう。
別に、ソースは明示しているのですから、
自分で国名を調べればいいだけの
話だと思うのですが。

それ以前に、
上図で「人口増=経済成長」を
否定された際に、
「そんなはずがない。
自分は間違っていない。
人口が減っているにもかかわらず、
経済成長している国は、
何らかの事情があるはずだ!」
と、認知的不協和に陥る。

いや、
そもそも「人口増=経済成長」論を
「そちら」が言い出したから、
データで反論したに過ぎないのですが。

「人口が減っていたとしても、
事情によっては経済成長する」
と言い出すならば、
「日本は人口が減っているから
経済成長しない」論が
崩壊してしまいますよね。

◆メルマガのFoomii配信を始めました。
「人口と経済成長率の無関係」
https://foomii.com/00305/20240831090000128571

◆経営科学出版から
「歴史教科書が教えてくれない 
聖徳太子の英雄物語」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nike3_980

◆経営科学出版から
「経済大国ニッポンの不自然な没落 
なぜ、「信じられない衰退」は
現実化したのか」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38botu_teika

◆メルマガ週刊三橋貴明 Vol800 
人口と経済成長率の無関係
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
経済成長率と人口には
相関関係はありません。
理由は、経済成長とは
そもそも「労働者増」ではなく
「生産性向上」で起きるためです。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

移民政策で本当に怖いのはこれ
~日本人同士が争う最悪な未来とは?
[三橋TV第904回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/u_kt-xA5oZk

高市潰し?
次期首相候補 小林鷹之議員の正体
~財務省が密かに計画する
自民党総裁選のシナリオ
[三橋TV第905回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/pgXDlTn01Zo

「人口減少=経済成長しない」という大嘘
~経済学者の間でなぜか議論されない
経済成長に必要な3つの要素
[三橋TV第906回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/nNX7gMtWyEE

特別コンテンツ配信中。

河野太郎氏の経済政策が
最悪だったので解説します。
https://youtu.be/Ba-hUNmIFVQ

【緊急対談】
次期総理は小泉進次郎?/利上げ..増税…
「失われた50年」への最悪のシナリオとは?
(国民民主党 玉木雄一郎代表×三橋貴明)
https://youtu.be/y3gdCkn6Raw

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、
日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に本当に必要な指標、
考え方、そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス 
第二巻」です。
さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが三橋先生に
ひたすら聞いてみた第一回」の全編も
ご視聴いただけます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾

9月21日、
三橋経済塾第十三期第九回対面講義の
お申込受付を開始致しました。
https://members13.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2194
ゲスト講師は佐藤健志先生です。

◆チャンネルAJER 
「国策金利が世界最低の日本国(前半)」
三橋貴明 AJER2024.8.27
https://www.youtube.com/watch?v=FDkAJB96bYc

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【三橋貴明】「人口増=経済成長」論者の認知的不協和への2件のコメント

  1. 利根川 より

    <昔の主要国の人口(千人)>

    1750年

    米国 2057
    英国 9372(九百三十万人)
    仏国 24699
    蘭国 1992
    独国 19127
    露国 19456
    日本 28668

    人口が多ければ経済成長して人口が少なければ経済成長しないということであれば、日本は他国に比べてさぞかし経済成長したことだろうと思われますが、結果はコチラ⇓

    <1700年 1820年 主要国GDP(GKドル) GKドルとはアンガス・マディスン教授が国際比較のために使用している通貨単位>

    1700年

    米国 527
    英国 10709
    仏国 19539
    蘭国 4047
    独国 13650
    露国 16196
    日本 15390(一万五千三百九十ドル)

    1850年

    米国 12548
    英国 36232
    仏国 35468
    蘭国 4288
    独国 26819
    露国 37678
    日本 20739

    日本よりもはるかに人口が少なかった米国・英国の方が圧倒的に経済成長しているという…(苦笑い
     三橋さんの解説によると、英国は少ない人手で大量生産する”必要”に迫られて機械技術を発展させ、産業革命を起こしたとのこと。機械技術の発展と簡単に言いますが、技術開発というのは金をかければ必ず成功するというものではないわけです。それでも英国の人達はやった。すごいですね。そりゃあ、覇権国にもなるわ。

    資本主義とは、社会に資本(工場・道路・港など)を設置し、それを使って人々が必要とする商品・サービスを生産し、豊かになろうというもの

    元財務官僚の神田内閣官房参与が自らの提言書である「国際収支から見た日本経済の課題と処方箋」の中で次のような指摘をしています。

    ”日本の民間設備投資のストックは年平均ではわずか0.8%しか伸びていない”

    資本を投じずに経済成長しようというのは、もはや資本主義でも何でもないという。どうして日本が経済成長しなくなったのかというと、

    ”資本主義やめちゃってるから(人口の問題ではない)”

    というわけですね。
     ちなみに、経済が発展したことで、後に米国・英国の人口は増加しています。

    <1850年 主要国の人口 (千人)>

    米国 23424
    英国 22331
    仏国 36398
    蘭国 3080
    独国 33746
    露国 38615
    日本 32000

    食えるようになると(経済成長すると)人口は増えるってことですね。そんなに人口が気になるのであれば、国民がひもじい思いをしないで済むように経済成長を目指して資本を投じればいいんじゃないでしょうか。無論、需要が足りない状況で営利団体に投資をせよというのは無茶ぶりですので(営利団体じゃなくなっちゃう)まずは政府から投資してどうぞ。
     ちなみに、岩尾俊兵准教授によると、日本が人口減少に悩まされる局面というのは今に始まったことではなく、歴史上、今回で4度目だそうで…きちんと経済成長させれば(食えるようにすれば)日本は復活できるはず、とのことでした。

    追伸:
    森永康平さんが、元キックボクサーの小比類巻さんが主宰する格闘技イベントでタイトルを取得したそうです。

    森永康平さん「親父が生きてるうちにベルトが巻けてよかった」

    二足のわらじでどちらも結果を出すというのは本当にすごいと思います。おめでとうございます。

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  2. 利根川 より

     24時間TVで能登半島の支援をしているのをみました。

    立憲民主・某議員「人口の少ない能登半島など復興させる必要なし」

    こんなことを言っている人に比べれば、とても素晴らしいことだと思うわけですが、能登を応援したいということであれば、TVでしっかり

    「政府は出すものだせ」

    と言ってやってもらいたかったですね。
     能登に限らず、全壊で300万しか出ないということでは生活再建は難しいと思います。特に、能登の場合は去年にも大きな地震があり、リフォームした直後にまた壊れて心折られるといった事例もあるようなので、政府による支援は十分とは言えないように思います。巨大災害の際に毎回思いますが、正直、

    何にもしないと「政府は何もやってない」と言われてしまうので、アリバイ工作のために「少額だしてやってるフリ」をしているだけ

    に見えます。
     最近の日本人は、何かというと「棄民政策」に走りがちであるように思える。慶応大学の経済学部教授が「痛みを分かち合うのが国民」なんて綺麗ごとを言っていましたが、実際は痛みを押し付けあっているという(苦笑い
     経済成長をせず、限られたパイを奪い合わねばならないということは、分かち合うのではなく奪い合いになるのは必定。誰もがライバル、万人の万人に対する闘争。そりゃあ、ギスギスしますよね~
     
    脱成長とか言っていたアンポンタンはマリアナ海溝より深く反省してくだしあ

    そんな中、徹頭徹尾、いつだって「全員助けるんだよ!」と言い続けてきた三橋さんは本当に稀有な存在だったんだなあと。

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