【今週のNewsピックアップ】
非常事態発生時に国民を救う供給能力
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12835331063.html
限られた供給能力を震災復興と大阪万博で奪い合うのか?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12835471121.html
元々、道路インフラが脆弱で、
バックアップルートもほとんどない能登半島で
震災が発生。
道路が各所で寸断され、
人員や物資を運ぶことが
困難な状況に陥っています。
もちろん、船があれば
海路で運ぶことは可能ですが、
それにしても港が機能している必要があります。
今回は、港湾も津波被害を受けています。
揚陸艦で砂浜から
人員や機材を運び込むとなると、
まさしく戦争と同じ機能が
求められることになりますが、
どこにでも上陸できるわけではありません。
となると、最も有効な輸送手段は
ヘリコプターということになります。
ヘリコプターは実際に
現地で活躍していますが、
能登半島全域をカバーできるほどの
供給能力はありません。
となると、いずれかの拠点に
物資や人員を降ろし、
そこから陸路で運び込む必要がありますが、
道路が各所で途絶している。
要するに、非常事態発生時には
様々な制約条件が発生し、
「需要」を埋めることが
困難になるという話です。
となれば、平時から
非常事態という需要を考え、
交通インフラや供給手段を
準備しておく必要がある。
そして、救援が終わると、
復旧、復興と進む。
97年の橋本緊縮財政により
デフレ化以降、
何しろ総需要が不足しているわけで、
供給能力がひたすら毀損していきました。
防災部門でいえば、
土木・建設業の業者数自体が
(もちろん生産者数も)減り続けていった。
例えば、石川県の
建設業許可業者数の推移はこちら。
【石川県の建設業許可業者数の推移(社)】
http://mtdata.jp/data_87.html#ishikawa
石川県の建設業許可業者数は
2000年以降、
25.5%も減少してしまいました。
日本に財政問題という
「カネ」の問題はありません。
問題があるのは供給能力、
特に土木・建設サービス分野の
生産能力です。
2024年は、
1.2024年問題
(土木・建設分野の残業規制強化)
2.大阪万博
に、
3.能登半島地震の
復旧、復興の需要が加わった。
政府の政策で供給能力を
削減しようとしているところ(※1)に、
需要の拡大が重なる事態になった。
繰り返しますが、
問題はカネではなく、供給能力です。
1によりこれまで以上に制限された
土木・建設能力で、
大阪万博・能登半島地震復興の需要を
満たすことは、不可能です
(そもそも、大阪万博だけでも
不可能事だった)。
となると、需要の優先順位付けを
行なわなければならない。
当然、優先度が高いのは
能登半島地震の復旧、復興です。
これは、大阪の吉村知事らにとっても
チャンスです。
能登半島地震に土木・建設の供給能力を
振り向けざるを得ない以上、
大阪万博の延期・中止は
真っ当な判断であり、
国民の理解や納得を得ることもできる。
それにもかかわらず、
そもそも実現不可能な大阪万博の
25年度開催に邁進するとなると、
「能登半島地震の被災者や
被害者などどうでもいい」
と言っているのも同然なのですよ。
◆経営科学出版から
「経済大国ニッポンの不自然な没落
なぜ、「信じられない衰退」は現実化したのか」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38botu_teika
◆経営科学出版から
「年金倍増で日本経済は大復活する!
デフレの終わり、
第二の「高度成長」の始まり」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nenk_blog
◆メルマガ週刊三橋貴明Vol766
自然災害大国にとっての土木・建設事業者
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
97年以降の緊縮財政、デフレにより、
国民経済の供給能力は
ひたすら毀損していきました。
いま、我々はその「ツケ」を
支払わなければならないのです。
◆メディア出演
元旦早々申し訳ないが
「スエズ運河・紅海」と
「世界最大の原油生産国」の話
[三橋TV第802回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/Ddi9WO9mLo8
嘘だろ!消された「少子化対策白書」
異次元の少子化対策の狂気
[三橋TV第803回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/zVR52sJVSFw
ユニバーサル・サービスについて考えようよ
郵政民営化と国鉄民営化
[三橋TV第804回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/xIWDZ6OcD30
特別コンテンツ配信中
【年末特番】
緊縮財政と闘い続ける男
「三橋貴明」の素顔に迫りました。
https://youtu.be/T5Wuf3tZzi8
日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、
そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
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さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
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三橋貴明&saya
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ゲスト講師は泉房穂先生です。
◆チャンネルAJER
今週の更新はありません。
【三橋貴明】今こそ大阪万博を延期せよ!への1件のコメント
2024年1月8日 5:50 PM
現地に居る人ですら被害状況を把握できていない状況が続いていたようですが、一週間が経過して徐々に被害の大きさがわかってきました。非常の多くの方が亡くなっているとのことで、お悔やみ申し上げます。
本日の話題ですが、私は「無駄のない社会」よりは「無駄を許容できる社会」を目指すべきだと思っています。大阪万博については、絶対にやらねばならないのかと言われればそうではないわけで、そういう意味で言えば「無駄」な催しにカテゴライズされると思います。しかし、万博を楽しみにしている方もいるでしょうし、開催されれば楽しい催しになるとも思っています。
豊かな国とは無駄を許容できる国
だと思っているので、供給能力に問題がないのであれば私は万博開催に賛成でした。ただ、結党以来ずっと「無駄削減」を訴えてきた維新の会が「無駄」である大阪万博開催に賛成なのは理解に苦しみますが…
さて、その供給能力ですが、国土交通省によると、
”日本の建設業社数は、ピークの60万社から47万社に激減。建設業の就業者は、700万人近かったのが、すでに500万人を切っている”
とのことでした。どうしてこんなに減ってしまったのかというと、「財政健全化」ということで、「無駄な公共事業を許さない」というキャンペーンが盛んだった時期がありまして…
「人口がまばらな能登半島に余分な交通インフラを整備するなんて・・・」
仕事が減ったので廃業する事業者が多かったということです。被害が大きかった石川県で言えば、次のような状況です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<石川県建設許可業者数(社):出典:国土交通省>
2000年 7237
2023年 5391
石川県の建設業許可業者数は2000年以降、25.5%も減少
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このような状況だそうで、一週間がたった今でも地割れ倒木などで不通の道路が多く、現地に人や物が送れない状況が続いているのだそうです。しかも、驚くべきことに今回の地震の影響で海底が隆起して「港が陸地になってしまった」そうで、船による輸送もできなかったとのこと。(ホバークラフトで上陸したそうです)
能登半島の道路ネットワークが強化され、バックアップルートが存在していれば…国土強靭化計画になかなか予算がつかなかったことが悔やまれます。
必要に応じて即座に発行できる貨幣を惜しんで、一度減らすとなかなか元には戻らない供給能力を削る。これは明らかに失政だったと思います。(与野党共にね)
建築技術者自体が足りていない状況なので(供給能力不足)大阪万博はあきらめて災害復旧に全力を尽くすべきだと思います。東日本大震災以降、日本は大規模災害に立て続けに見舞われてきましたが、復旧に時間がかかり過ぎると人が流出し、住みにくい場所になってしまうことを過去の災害で学んだはずです。
さすがに、ここまで被害が大きい状況下で「財源はどうするんだ」とは言わないと信じたいところですが、泉房穂市長によるとたとえ財務省が出し渋りをしても、
泉房穂市長「間に人を挟むから予算が下りない。わたしが直接出向いて『これ、出すよな?』と言ったらすぐにでた」
とのことで、現地の政治家の皆さんの真剣さが問われる場面かと思います。
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