日本経済

2023年12月24日

【三橋貴明】柏崎刈羽原子力発電所が稼働する意味と意義

【近況】

新潟県の柏崎刈羽原子力発電所に対する
運転停止命令が、12月27日に
ようやく解除される見通しになりました。

なにしろ、柏崎の総電気出力は
821.2万kWと、世界最大です。
柏崎が動いていれば、
2022年3月22日の
「首都圏ブラックアウト寸前」の危機
(322と呼ばれています)は起きなかった。

柏崎が稼働することは、
日本のエネルギー安全保障の面で、
極めて重要、かつ象徴的なのです。

まずは、もちろん
「東京電力」の原子力発電所であること。
さらには、BWRであること。

原子力発電は、
格納容器の水に燃料棒を突っ込み、
発生した蒸気をタービンに送り、
磁石を回転させて発電します。
当然ですが、
タービンに送られる水は
放射性物質を帯びています。
それに対し、
PWRは熱せられた水が
蒸気発生器で熱交換され、
放射性物質を帯びない水が
タービンに送られます。

現在の日本で動いている原子力発電所は
PWRだけです。
というわけで、東京電力のBWRである
柏崎が動くことは、
極めて象徴的なのです。
柏崎が動けば、
他の原子力発電所の再稼働も進むでしょう。

この手のエネルギー安全保障の話も、
当然「経世済民」
つまりは経済の一部をなします。

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「日銀破綻論」への日本銀行の反論
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日銀が「日銀破綻論」に対して
公式に反論しました。
「面倒くせえなあ・・・・」という
感じだったんでしょうね。

◆メディア出演

カーボンニュートラルと政府の失策がもたらす
ブラックアウトの危機
[三橋TV第796回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/JdRQuq8QrZg

パーティキックバック「裏金」問題と
「政治とカネ」
[三橋TV第797回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/60bywaZubGU

日本国民を殺すインボイス制度
政治家よ、この現実から目をそらすな!
[三橋TV第798回] 阿部伸・三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/M_Ms4iIXsEc

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「カーボンニュートラルがもたらす
日本の危機(前編ー1)」(前半)
三橋貴明AJER2023.12.19
https://youtu.be/9nbpGvQe-lQ

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【三橋貴明】柏崎刈羽原子力発電所が稼働する意味と意義への2件のコメント

  1. 利根川 より

    ジョナサン・グレーン「クリスマスプレゼントだろ!!」(TVアニメ「ブレンパワード」より)

     まあ、時期なので一応やっておくということで。
     本題ですが、貨幣発行の上限について。

    金本位制:その国が保有している貴金属の量

    管理通貨制:その国の生産能力(生産能力の裏付けとなる需要の量)

    で、現代は管理通貨制なので、その国の生産能力を上限として自国通貨を発行できるわけですが、商品やサービスを生産するためには「エネルギー」が必要なわけです。そして、そのエネルギー自給がおそろしく脆いのが日本だということでして…。

    >>
    この手のエネルギー安全保障の話も、
    当然「経世済民」
    つまりは経済の一部をなします。
    >>

    話は全て繋がっているのですね…
     多くの方がお気ずきだと思いますが、すでにグローバル化の時代は終わりました。ホルムズ海峡もいつまで通れるかわからなくなってきましたし、新自由主義的なグローバル化を牽引してきたアメリカも正気に戻ってきています。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    [東京 22日 ロイター] – 日本製鉄(5401.T)のUSスチール(X.N)買収計画を巡り、米国内で安全保障上の懸念が強まっている。共和党、民主党ともに議員の間から反対の声が上がり、ホワイトハウスのブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は「真剣な精査」に値するとの声明を発表した。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    以前にも言ったと思いますが、日本は余裕をかましている場合でもなくなってきてしまったので、今更ですが「石炭火力」を含め使えるものは何でも使っていくべきだと思っています。こんなことを言うと「CO2がっ」という声が上がりそうですが、石炭・アンモニア混焼技術や次世代発電技術(石炭ガス化複合発電)でCO2排出量を抑えた発電を目指すということではダメなのでしょうか。
     それから、これも前々から思っていたことですが、

    「CO2さえ出さなければエコ!」

    というのは「なんか違うな~」と。これも今更ですが、PCB(カネミ油症の原因物質)やPFAS(発がん線物質)でガンガンに土壌汚染・水質汚染がされているわけですが、こちらはCO2にくらべてあまり気にされていないようで。
     そもそも、EV車の普及で本当に持続可能社会とやらが実現できるのか、そろそろ検証をすべきなんじゃないでしょうか。ご存知のようにEV車に必須なのが「電池」の存在です。その「電池」の作成に必要な金属(コバルト)の7割がコンゴ産なのだそう。

    コバルトなんて石油よりもよっぽど早く掘りつくしそうですけど
     
    くわえて、鉱山開発で深刻な自然破壊が起きているという話も聞きますし、現地では児童労働も…全然、持続可能でもエコでもないですね。
     それから、EV車は「走るスマホ」などと言われるくらい電子機器の塊なわけですが、それら電子機器をどのように処分しているのかというと…途上国に捨てに行って、現地では廃棄された電子機器を燃やして金属部品だけを取り出しているのだそう。当然、CO2は出ますし、発がん性物質も土壌や水を汚染します。現地ではそうした作業に従事する者たちの発癌率が高まっているそうです。
     人類は未だに「クリーンエネルギー」を手にしていないので、「今すぐ持続可能社会!」というのは無理なんじゃないでしょうか。
     CO2が地球温暖化をもたらしているとのことで、人類による影響を調べるために南極観測隊が調査をしています。そうした専門家の発表を待たずしてこんなことを言うのは気が引けますが…私のような素人から見ると「どのくらいが人類による影響なのか」疑わしくなってきました。
     昔は、地球は「全球凍結」をしたことはないはずだと言われていたそうです。しかし、最近では地球誕生以来3回は赤道付近までパリパリに凍り付いたことがあるのではないかと言われています。いわゆる「スノーボールアース」というやつですね。で、「全球凍結」後は平均気温40度になって無事に解凍されて今に至っているそうですが、全球凍結した時期が以下の時期になります。

    約23億年前、約7億年前、約6億年前

    これまでの地球の歩みを見るに、人類が居ても居なくても、CO2を排出してもしていなくても、これからも地球は「全球凍結」したり「温暖化」したりを繰り返していくのではないでしょうか。
     縄文人に習うのなら

    「自然環境を人間の手でコントロールする」

    という不遜なことを目指すより

    「寒くなっても暑くなっても環境に人間が適応できるように技術を磨くべき」

    だと思います。まあ、どこを目指すにせよ「緊縮」が続くかぎり何一つできはしないんですけどね(苦笑い
     

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      1. 利根川 より

         最近、TVをつけると安倍派の裏金問題ばかりでうんざりします。TVって見たくなくても不意に目に入ってきちゃうんですよね。オールドメディアなどと言われるようになってきたTVですが、その拡散力はまだまだ侮れないということなんでしょうか。
         「日本列島改造論」で知られる田中角栄総理はロッキード事件に見るように「良い人」か「悪い人」かで言えば「悪い人」なわけですが、彼は地元や多くの日本国民を豊かにした人物でもあるわけです。私からすれば

        政治家も儲かる、国民もジモティーも儲かる、何が悪いのか

        という話なわけです。そう思っていたのは私だけではなかったようです。ロッキード事件でスキャンダル報道がTV新聞をにぎわす中で行われた選挙で、田中角栄は以前にも増して地元から熱い支持を受けて当選を果たしたそうで…安倍派の何が悪いのかというと「裏金が云々」とか「不記載が云々」といったことではなく、20年以上も日本国民を貧乏にし続けてきたことでしょう。
         ちなみに、泉房穂市長が若かりし頃、「汚職けしからんっ」という正義感で、田中角栄の地元に乗り込んで抗議をしに行ったことがあるのだそう。そこで、地元の人から話を聞く中で

        「良い人とか悪い人とかじゃなくて、市民(有権者)と真剣に向き合うことこそが大事なんだな」

        ということに開眼し、それを実践することで実際に明石市を豊かにして見せたわけだ。泉市長に革命にかぶれていた時期があったとは驚きですが、最初から完成された政治家なんていませんしね。

        誰もが皆クソガキだった

        私もクソガキでした。
         今では泉房穂市長と言えば明石市の中興の祖ともいえる政治家になったわけで、意固地になって国民を苦しめる政策を「強行」していくどこぞの政党とは大違いです。
         三橋さんのブログに面白い記事が載っていたので、興味があれば皆さん読んでみてください。以下参照

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        佐藤健志先生の講義は、現在の日本の政治の「心理的な構造」を明らかにして下さいました。

         特にインボイス問題について顕著だったのですが、政府はどれだけ反対運動が盛り上がり、反対のオンライン署名が史上最大の54万筆集まったにも関わらず、
        「丁寧に説明していく」
         と、繰り返すだけで、強行した。

         佐藤先生が指摘されていましたが、「丁寧に説明していく」とは一見、相手に寄り添っているように思えますが、何のことはない。

        「お前ら反対派の主張は無視する」
         と言っているのも同じなのですよ。

         つまりは、最近の日本政府は政策に対する反対が高まった場合、本来やるべき「合意形成の努力」を放棄し、意地になって強行し、収拾のつかない自滅的な崩壊に至るというパターンを繰り返しているのです。(あ、大阪維新の会も同じ)

         不支持率が史上最高。支持率は16%。自民党の支持率は7ポイント下落の17%。

         まさに、自滅、ですが、本当に危ないと思うのは、ここまで「政治」が壊れてしまうとなると、
        「国民のための政治をやろう」
         ではなく、
        「もう知ったことか! 支持率が低い現実の方が間違っている」
         と、ますます意固地になって国民を苦しめる政策を「強行」していく可能性が濃厚であることです。
        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        ますます意固地になって国民を苦しめる政策を「強行」していく可能性が濃厚とのことですが…「嘘だと言ってよ、バーニー!」

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