日本経済

2023年7月31日

【三橋貴明】サプライロス型インフレ

【今週のNewsピックアップ】
原発停止の真なる危機 失われていく技術
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12813475804.html
供給能力ではなく「カネ」を
重視し続けたツケを払うときがきた
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12814011220.html

十年以上前から、三橋は、
「このままデフレを放置すると、
日本の虎の子の供給能力が失われていき、
悪い形でインフレギャップになる」
と、繰り返し警鐘を鳴らしてきました。

需要が無ければ、供給能力は毀損していく。
やがて、人材が去っていき、
新規人材は入らず、技能継承が行われず、
技術が「消える」。

分かりやすく表現すると、
江戸末期から明治初期にかけた日本ですね。
当時の日本には、
産業革命により培われた
欧米の技術はなかった。
そのため、外国人技術者を招き、
「教えてもらう」ことで
経済大国への道を歩み始めたわけです。

当時と同じ状況になりかねない。
(今度は中国企業や中国人技術者に
教えを乞うことになりますね)

個人的に、最もまずいのは
「原子力発電」関連の
技術だと思っています。
このまま原発再稼働が
遅々として進まない場合、
原発関連の技術者がいなくなり、
使用済み核燃料の最終処分や廃炉を含めて、
「どうにもならない」状況に追い込まれる。

また、運送サービスや土木サービスなどは、
デフレ下でサービス価格が下がり、
働き手の給与までもが下がっていった。
業界から人が離れ、
働き手は残業時間を増やすことで、
何とか必要な所得を稼ぐ状況になった。

そこに、2024年問題。
2024年は、物流の「2024年問題」に、
土木・建設の「2024年問題」により、
元々「大変な年」になるのは
明らかだったわけですが、
そこに大阪万博の問題が加わる。

日本はいよいよ、
需要拡大ではなく供給能力の毀損による
「インフレギャップ」に苦しむ時代に
入ったようです。

コストプッシュ型インフレでも、
デマンドプル型インフレでもなく、
サプライロス型インフレというわけですね。

◆一般参加可能な講演会のお知らせ
第100回AT-1 / 大経連お披露目祭り
9月23日(土) 13:30(開場12:45)
※懇親会18:30〜20:30
会場:東京プリンスホテル / 2階 鳳凰の間
https://ampersand-basic.shop-pro.jp/?tid=2&mode=f5

◆小学館から「日本経済 失敗の本質:
誤った貨幣観が国を滅ぼす」
が刊行になりました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4093888973

◆経営科学出版から
「歴史教科書が教えてくれない
古代日本「帝国」の誕生」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nike2_980_teika

◆メルマガ 週刊三橋貴明
Vol743 政府の債務超過増は「望ましい」
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
政府が債務超過(負債<資産)を増やすと、
反対側で「必ず」別の誰かの
純資産(資産>負債)が増えます。
誰の純資産が増えるのかといえば・・・。

◆メディア出演

少子化問題を切っ掛けに
正常化し始めた財政議論
[三橋TV第733回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/3PPoPsI1m2M

経済と財政の二兎は追えない
財政赤字こそが経済成長をもたらす
[三橋TV第734回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/gjZfB_gcRuw

始まりから嘘だった!
史上最悪のバカげた学問 その名は「経済学」
[三橋TV第735回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/aoRa-nKxMc0

特別コンテンツ配信中!

シンガーsayaの3分間エコノミクス
【第68回 所得収支】
https://youtu.be/XmpbmPmGY6U

もし今、南海トラフ地震が起こるとどうなる?
死者は原爆越え?!東日本大震災の14倍?!
【7月31日(月)までの限定公開】
https://youtu.be/FQ1l4cS10XU

三橋貴明からの緊急メッセージ
【7月31日(月)までの限定公開】
https://youtu.be/W4V91MGa0Nk

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
「シンガーsayaの3分間エコノミクス
第二巻」です。
さあ、私と共に経済成長について
「ゼロ」から学んで下さい。
特別コンテンツとして、
三橋貴明&saya
「シンガーsayaが三橋先生に
ひたすら聞いてみた 第一回」
の全編もご視聴いただけます。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/economics/

◆三橋経済塾
7月15日に開催された、
三橋経済塾第十二期
第七回対面講義が配信されました
https://members12.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2179
ゲスト講師は森永康平先生でした。
インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER
今週の更新はありません。

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【三橋貴明】サプライロス型インフレへの5件のコメント

  1. デフレ放置型インフレ より

    ザイムシンリ凶はこの日を待っていたんですね、
    この局面でウエタは金利上げて
    「ほら見ろ、ハイパ-インフレだ—————-」
    て、ワザと仕向けたのでしょう。

    返信

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  2. 素人目にも解ってましたよ より

    故アホ君との3人記念写真、御記憶ですか?
    テキナ ナカノ氏なら利用拒否したでしょうね。

    返信

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  3. 利根川 より

    >> 未だに「預かり金」「益税」といったレトリックでインボイス制度を擁護している「バカ」たちがいた際には、是非とも三橋TV738回「雑魚ビジネス呼ばわりされたので医療機関の「損税」について解説してみた」を観てもらってくださいませ。

     藤吉とかいう弁護士をはじめ、「預かり金」勢は、医療機関が誰から消費税を「預かって」納税しているのか、是非とも教えてくれ。まあ、どうせ沈黙して、嵐が過ぎ去るのを待つんだろうけど。(あるいは「あらさがし」「レッテル貼り」「ストローマンプロパガンダ」「話題そらし」「捏造」「誹謗中傷」等々で逃げる)

     益税ならぬ「損税」が存在する業界がある以上、「預かり金」説は崩壊です。何しろ、消費税を消費者から「預かっていない(=値上げしていない)」にも関わらず、消費税を支払っている業界があるのですから(医療業界だけではないです)。>>

     「レッテル張り」なのか「ストローマンプロパガンダ」なのか知りませんが、以前にも

    「MMT(現代貨幣論)は無税国家ができると言っているトンデモ理論」

    なんて言っていたのが居ましたね~。ご存じのように、MMTがどうして世間の注目を集めたのかというと、ただの紙切れ(あるいは銀行に記録されている数字)にすぎない貨幣にどうして価値があるのかということをしっかり説明したからです。

    MMT「その国の政府はその国の貨幣でしか納税を認めていない。となると、納税するためにはその国が発行した貨幣を手に入れる必要がでてくる。だから、その国が発行する貨幣に価値が生じる」

    はい、そうですね。MMTは無税国家ができるなんて言っていません。政府に徴税権があるからその国が発行する貨幣に価値が生じると言っているわけです。
     ここら辺の話は中野剛志さんや三橋さん、森永康平さんやムギタローさんが「MMTの解説本」でさんざん説明しているので読んだ人は知っていると思いますが、

    「MMT(現代貨幣論)は無税国家ができると言っているトンデモ理論」

    なんて言っている日本の有識者は本一冊まともに読み解けないご様子。英語がどうたら言う前に日本語を覚えた方がいいんじゃないんでしょうか。
     さて、TV朝日を7月31日に定年退職した玉川徹さんがTV朝日の香取真一モーニングショーに生出演し、次のようなことを言っていたそうです。

    玉川徹氏「総理はサラリーマン増税はしないと言っている」

    玉川徹氏「選挙に関わるから増税の話はできない。これは自民党も野党もみんなそう」

    玉川徹氏「本当にそれでいいんですか?」

    玉川徹氏「今、税金足りないのは誰が見ても明らかでしょ」

    玉川徹氏「毎年借金してるんだから」

    玉川徹氏「なかには『いくら借金しても大丈夫』みたいなトンデモ理論がでてきていましたけど」

    玉川徹氏「もしそれが正しいんだったら日本以外の国を見たらおかしくないですか?」

    玉川徹氏「アメリカだってこの前デフォルト寸前までいったのに、あれでも借金の上限を作るために必死でやってるわけでしょ」

    玉川徹氏「アメリカほどの経済大国が」

    どうやら玉川徹さんも本一冊まともに読めない人物だったようで大変残念に思います。現在、積極財政をやるべきだと訴えている人達は三橋さんらの活動のおかげで以前に比べれば増えましたが、

    三橋さん「『需要不足が安定的に解消されるまで』政府が需要不足を埋めるべく積極財政をすべき」

    中野剛志さん「高度経済成長期ですらハイパーインフレになどなっていない。成長期のインフレ率を参考にコアコアで2%程度の物価目標を目指せば需要不足は解消に向かうのではないか」

    ノーベル経済学者ジョセフ・スティグリッツ教授
    「日本にはデフレの歴史があり、インフレ率を2%にすることが常に目標でした。世界の国々はインフレを心配し、2%に下げることを目標にしてきました。その2%という数字がどこから出てきたのか質問されましたね。科学的な根拠に基ずかない数字だったのです。もしみんなが、じゃあ3%のインフレにしよう、といったら世界は大きく変わるでしょうか。世界が爆発しない限りは大した違いはないでしょう。実際、2%より3%の方がいいという研究結果もたくさんあります」

    クレディ・アグリコル証券チーフエコノミスト会田卓司さん
    「企業は借り入れや株式で資金を調達して事業を行う主体なので、企業の貯蓄率は必ずマイナスになります。貯蓄率がプラスの家計から、マイナスの企業に資金が融資や投資され、経済が回っていき、マネーが増えていくのが普通の姿。普通は貯蓄をしない企業が貯蓄をして、支出を減らしていて、需要が弱い状態だ。この過剰貯蓄が、企業の支出の弱さとして、総需要を破壊する力となり、デフレ構造不況の原因になっている。デフレ構造不況を脱却するためには、企業の支出が拡大して、企業の貯蓄率が正常なマイナスに戻らなければいけない。企業の支出が弱いのであれば、政府が支出を増やせば、総需要は回復し、デフレを緩和することができるはずだ。まずは積極財政の力で、ネットの資金需要(企業貯蓄率+財政収支)を新しい目標とし、-5%に拡大して、その水準を維持し、家計に所得を回すことだ」

    お分かりいただけるでしょうか。誰も『いくら借金しても大丈夫』なんて言っていないんですよ。供給能力よりも需要がちょっと多くなる程度に借金(貨幣の発行)を増やしていきましょうと言っているわけですよ。
     森永康平さん曰く

    森永康平さん「これ、上級信者がよく使う言葉なんですよね。積極財政派の人は『いくら借金しても大丈夫』なんて一言も言ってないんですけど、言ったということにして藁人形にして叩く」

    森永康平さん「かなり模範的な(ザイム真理教)信者ですね」

    ということですけれども、言ってもいないことをわざと言ったということにして叩いているのなら誹謗中傷ですし、相手の主張を読み解く能力がないということであればコメンテーターを務める有識者としては不適格ということになるでしょうし、どっちなんですかね?

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  4. 利根川 より

    読売新聞の記事でこんなものが載っていました。

    国立癌研究センター
    「癌経済負担 年2.8兆円 内1兆円は予防できる可能性のある癌によるものだった」

    ということでして、災害対策に限らず健康についても

    「なっちゃってから対応するより、なる前に予防する方が楽」

    なのは確かなのですが、PFASに限らず世界のゴミ捨て場と化している日本で言うことかと、「何をいまさら」という感じも受けました。
     ビッグモーターの件で「除草剤」が話題になっていますが、除草剤ラウンドアップにみるようにグリホサートを主成分とした薬剤は発癌性があるということで欧州各国をはじめ、アメリカ、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリア、インドなど多くに国で規制が強化されています。アメリカでは2023年から消費者向け販売を停止しましたが、日本では逆に規制を緩和しています。
     タイでは農薬のパラコート(除草剤)、クロルピリホス(殺虫剤)とグリホサートについて健康への悪影響が懸念されるとしてタイ保健省が2020年6月からパラコート、クロルピリホスの使用、製造、輸入、所持を禁止する決定を下した。グリホサートについてはアメリカ政府がアメリカ産の大豆や小麦の輸入を妨げるとして反対したため使用継続となったそうですが、日本ではパラコートもクロルピリホスも普通に使用されています。
     
    死なず半兵衛「さらに参るぞ」

     牛や豚の餌に混ぜる成長促進剤ラクトパミンは発癌性があるだけでなく、人間に中毒症状も起こすとしてEUだけでなく、中国やロシアでも国内使用と輸入が禁じられている。日本でも国内使用は認可されていないが、輸入は素通りになっている。オーストラリアは成長ホルモンが使用された肉の輸入を禁じているEUに対しては成長ホルモンを投与せず、ザルになっている日本向けにはしっかり投与しているとのこと。今、日本は牛肉消費量の70%近くを輸入牛肉が占めている。
     世界で健康被害が懸念されて消費者から避けられている「遺伝子組み換え食品」についても日本は受け入れを促進してきました。
     世界的には「健康寿命」や「食の安全の確保」が叫ばれ、規制が強化されている流れなわけですが、日本は逆に緩めているという。世界で使用が禁止された「あぶない薬剤・食品」の在庫が日本で売りさばかれている現状で

    「予防できる可能性のある癌がうんぬん」

    などと言われても困ってしまうな?(苦笑い
     保守ではない三橋さんに言っても仕方がないことですが、正直、日本の保守はいったい何を保守しているのだろうかと…

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  5. 利根川 より

     三橋TV第735回を視聴しました。(735回ってすごいな…

    三橋貴明「世界で唯一、嘘を言いまくって成長してきた学問。これが経済学なんですよ」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ここが変だよ経済学(笑)

    三橋さん「経済学における人間は『経済人』といって、自分の利益”だけ”を追求する者しかいないことが前提になっている」

    三橋さん「しかも、この経済人、なぜか全員が”同じ情報を共有している”(笑)」

    三橋さん「この『経済人』が市場で競争することで自分たちが欲する財やサービスを入手でき、社会の効用が最大化すると主流派経済学の教義は言っている」

    三橋さん「まず、現実には経済合理性しか考えない人間など居ない」

    ※フリードリヒ・リスト「豚を育てる人間は生産的であるが、子供を育てる人間は非生産的である」

    三橋さん「情報を均等に持っているというのもありえないでしょう」

    三橋さん「世の中には自分の利益しか考えない人間しかいなくて、かつ、皆が情報を均等に持っている状態で市場でフェアにプレイすれば効用が最大化するというのが主流派経済学の出だしなので、しょっぱなから間違ってる」

    三橋さん「さらに、現実世界では効用が最大化すると困る財やサービスが存在する」

    三橋さん「例えば、防波堤。防波堤の効用が最大化される時がいつなのかというと津波が来たとき」

    三橋さん「警察サービスの効用が最大化する時がいつなのかというと犯罪が激化した時」

    三橋さん「消防署の効用が最大化するときって何時なのかというと、火事になった時」

    三橋さん「現実世界では効用が最大化すると困る財やサービスが存在するわけだが、彼ら経済学者は『効用が最大化することが善』という教義を崩さないように非常事態は初めから想定していない」

    三橋さん「それから、経済学の世界では『常にインフレギャップ状態で雇用不足はない』ということになっている」

    三橋さん「もしも失業者が居るのだとしたら、その人は自発的失業者だということになっている」

    三橋さん「なんでそんなことになっているのかというと、経済学の世界ではセイの法則といって、『モノやサービスは生産すれば必ず売れる』ということになっているから。これは一般均衡理論につながっています」

    三橋さん「経済学の世界では『需要が無限大』ということになっているから、どんな物でも作れば売れるということになる」

    三橋さん「需要は無限にあるんだから何かしら作れば売れるんだから失業なんてない」

    三橋さん「失業者が居るのは需要サイドと供給サイドにミスマッチがあるせいだから、失業者を再教育すればいい(雇用の流動性強化)」

    アメリカの映画俳優たち「チャットGTPのせいで我々は仕事を奪われそうになっている!規制を強化すべき!」

    主流派経済学者「映画俳優なんて辞めて別の職につけば?雇用流動性の強化ですよ」

    三橋さん「次、収穫逓減の前提」

    三橋さん「経済学の世界ではモノ不足の解消が主目的なので、モノやサービスが余る(デフレ)というのが前提にない」

    三橋さん「主流派経済学の世界ではモノ不足の解消が主目的なので、モノやサービスの生産量が総需要を上回るデフレーションは悪ではないとしている」

    三橋さん「需要が足りないと人が失業する」

    三橋さん「大恐慌の際に失業した人は収入がなくなるのでお金を使えなくなる。失業者がお金を使えなくなるので益々需要がなくなり物が売れなくなる。物が売れないから失業者がでる」

    三橋さん「でも、主流派経済学者は『失業者なんて居ない!もしいたとしてもそれは自発的失業者だ!』なんて言い出した」

    ジョン・メイナード・ケインズ「ちょっと待て、実際、仕事ないじゃん!アメリカはこの大恐慌でGDP4割減ったからね。どんどん失業者が増えてる。彼らは本当に自発的失業者なのか?」

    三橋さん「ケインズからそのように問われるわけですよ」

    主流派経済学者「いや、アレだ、今はちょっと非自発的失業があるように見えるかもしんないけど、”長期的には”完全雇用に収斂すンだよ」

    ケインズ「”長期的には”なんて言っていたら我々は全員死んでしまうだろ、いい加減にしろ!」

    三橋さん「経済学は言い訳するために嘘にうそを重ねてきた。なにせ出だしから間違っているからね」

    三橋さん「現実世界ではデフレはあるし、経済人なんていないし、非自発的失業者だっているんですよ」

    三橋さん「さらに経済学は市場取引において厄介なものを取り入れないようにして発展してきたんです」

    三橋さん「それが何かというと『貨幣』」

    三橋さん「『貨幣』って『貸借関係』だから0から生まれちゃうじゃないですか」

    三橋さん「例えば、私が銀行に行きました。100億円借りられますか?わかりません」

    三橋さん「高家さんが銀行に行きました。1000万円借りられますか?貸してくれちゃうかもしれない」

    三橋さん「つまり、世の中の貨幣の量というのは、銀行や我々の貸借関係が成立するかどうかで変わってしまうから事前に把握ができないのです」

    三橋さん「だから、世の中の貨幣は皆がお金を借りたら増えていく、皆が返済を始めたら減っていく。これの予測が誰にもできない」

    三橋さん「だから、予測のできない『貨幣の考え方』を経済学に取り入れると彼らが好きな数式のモデルが作れなくなっちゃう。お金を借りられるか借りられないかで前提が変わっちゃうから」

    三橋さん「ということで、経済学は『貨幣のヴェール論』ということを言い始めた」

    三橋さん「経済学の世界ではお金の発行(預金創出)を合理的に説明できないため、貨幣を実体経済から切り離して、お金のプールを仮想的に作った」

    経済学者「インフレなんだ、じゃあ、プールにたまってる貨幣の量が多すぎるんだな。じゃあ、貨幣消しとけ」

    経済学者「デフレなんだ。じゃあ、プールの中の貨幣が少ないんだな。貨幣足しとけ」

    三橋さん「経済学者は預金創出を説明できないため、こういった単純な理論しか言えなかった」

    三橋さん「コロナ禍の際、特別定額給付金をやりましたが、一人当たり10万円分、世の中にお金が増えました」

    三橋さん「でも、この特別定額給付金も事前には予測が不可能だったんですよ。最初は一人30万とか言ってましたが、最終的には10万になりました」

    三橋さん「やるかやらないか、いくらにするか、全て政治判断なので数式に出来ないんです」

    三橋さん「だから、経済学者は財政政策を嫌悪するんです」

    三橋さん「経済学は有権者や国会議員は『性悪』であり、自制的な財政運営は不可能だとしている」

    三橋さん「経済学者からみると、我々国民はどれだけ需要が過熱しても『もっと金引っ張ってこい』とやるから、国民や国会議員の意思が政治に反映されないようにシステム的に均衡財政で食い止めねばならないと思っている」

    三橋さん「100歩譲って、我々国民が本当に馬鹿で、需要過多にもかかわらず日本中で大規模プロジェクト走らせて超デマンドプルインフレになったとする」

    三橋さん「それの責任を取るのは国民だから我々は何を言ってもいいんです。それが主権というもの。日本は経済学者専制国家ではない」

    三橋さん「それから『生産性』」

    三橋さん「この生産性も事前になんで上がるのかわからないんですよ」

    三橋さん「技術の問題があるから」

    三橋さん「GDPを成長させる要素は3つあって、一つは労働の投入量を増やす、2つ目は設備投資、3つ目が前の2つだけでは説明できない成長である全要素生産性」

    三橋さん「全要素生産性は事前に把握することはできないから経済学者は生産性についてはほぼ語らない」

    三橋さん「でも、労働力と資本(設備)は説明できるから、それで生産性を説明しようとする」

    三橋さん「だから全要素生産性については全く無視する」

    三橋さん「それから『比較優位論』。自由貿易を擁護する人は必ずこれを持ち出す」

    三橋さん「『比較優位論』て何かというと、例えば高家さんは私の秘書ですが、秘書業務は私もできます」

    三橋さん「私は事務手続きとか超早いから、たぶん秘書能力で戦っても高家さんよりも私の方が勝るかもしれない」

    三橋さん「それと同時に私は三橋TVのような動画コンテンツも作るわけです」

    三橋さん「動画作成能力で高家さんと戦ったとする。高家さんパワーポイント使える?」

    高家さん「あやしいです」

    三橋さん「秘書能力でも動画作成能力でも私が勝っているけれど、そうであっても秘書業務よりも動画作成をやった方が私の場合はお金が稼げるわけですよ」

    三橋さん「だから、わたしは動画コンテンツを作ることに特化して、高家さんは秘書業務に特化した方が全体の生産量は上がる」

    三橋さん「これが『比較優位』というもので”ミクロ”では成り立っています」

    三橋さん「私と高家さんの間では成り立っています」

    三橋さん「国家では成り立たないんです」

    三橋さん「例えば、イギリスがポルトガルと交易した際に、イギリスは自動車の生産においてもワインの生産においてもポルトガルより生産性が高いとする」

    三橋さん「ポルトガルは自動車は作れない、でも、ワインは作れるとする。作れるけど、生産性はイギリスにかなわない」

    三橋さん「イギリスは自動車の生産に特化して、ポルトガルはワインの生産に特化して、お互いに生産物を交換すれば全体としては生産量が増えて皆ハッピーでしょ」

    三橋さん「これが『比較優位論』で自由貿易のバックボーンなんです」

    三橋さん「比較優位論ってA国もB国も完全雇用が成立していて、かつ、資本移動が起きないという前提がないと成立しないんです」

    三橋さん「イギリスの自動車会社が『イギリスは人件費高いから工場をポルトガルに移そう』なんてやってしまうと比較優位論は成り立たなくなる」

    三橋さん「さらに、比較優位論が成立するためにはセイの法則が成立していなければならない」

    三橋さん「つまり、生産すれば必ず購入されるということ」

    三橋さん「くわえて、運送コストは0(笑)」

    三橋さん「こんな現実ではありえない前提がないと成立しないリカードの『比較優位論』を持ち出して自由貿易は素晴らしいとか言っているのだから日本の経済学者や評論家たちは現実を見ていない」

    三橋さん「こんなだからTPPの時なんかTPPに反対したらボコボコに叩かれましたからね」

    竹中平蔵さん「三橋さん、TPPは自由貿易なんです。自由だからやるんです!」

    三橋さん「理屈も減ったくれもない(苦笑い」

    三橋さん「さすがに『自由だからやるんです』は通らないから、経済学者はリカードの比較優位論を持ち出すわけですね」

    経済学者「君は比較優位論も知らないのかね?」

    三橋さん「知っとるわ、知ったうえでバカにしとるんじゃ」

    三橋さん「本当に『比較優位論』なんてやってたらポルトガルはワインしか作れなくなりますよ(笑)」

    三橋さん「ポルトガルは製造業が壊滅しました。兵器の生産が不可能になってしまう」

    高家さん「リスキーですね」

    三橋さん「安全保障のことを全く考えてないんですよ」

    三橋さん「史上最悪の学問、それが経済学」

    三橋さん「これによって我々は苦しめられている」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    これ、勉強している人達はおかしいと思わなかったんですかね?

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