政治

日本経済

2022年12月21日

【藤井聡】【解説・防衛費増】 岸田政権の決定は一体「どれ程、最悪な決定」なのか? それは今後「回避」可能なのか?

From 藤井聡@京都大学大学院教授

みなさん、こんにちは、表現者クライテリオン編集長、京都大学の藤井聡です。

与党の税制調査会が、1兆円の防衛費を増額する「与党税制改正大綱」を「決定」しました。これで増税確定……と認識している国民も多かろうと思いますが、それは誤解です。まだ回避可能だからです。また、今メディアでは防衛増税だけが注目されていますが、それと同時に同水準の(防衛費以外の)「歳出カット」も岸田内閣は事実上決定しています(もちろんそれは岸田内閣の決定であって、最終的な「確定」ではありませんが)。これもまた防衛増税と同程度の経済被害を日本国民にもたらす最悪の決定です。ホントに岸田内閣は、日本国民に酷い〝経済制裁〟を加えようとしているのですが……この件について、

『クライテリオン編集長日記https://foomii.com/00178  の

『【解説・防衛費増】 岸田政権の決定は一体「どれ程、最悪な決定」なのか? それは今後「回避」可能なのか?』 https://foomii.com/00178/20221218152147103308

にて解説いたしましたが、以下、上記記事から追加的に入手した情報も交えて、以下にその内容を改めて解説したいと思います。

【1兆円の増税以外に、1兆円の歳出削減も決められた】
 今回の1兆円増税の前提は、以下の二つです。

 一つ目の前提は、来年からの5カ年で防衛費を43兆円に増額し、毎年の防衛予算を5.2兆円から8.9兆円へと、3.7兆円増額する、という計画です(これは閣議決定されています)。

 そして二つ目の前提は、この3.7兆円を、

税収の上振れ等(決算剰余金)0.7兆円
外為特会からの繰り入れ等(防衛力強化資金)0.9兆円
厚労省/国交省/文科省/農水省などの予算カット(歳出改革)1兆円

で賄うが、それだけでは1.1兆円の予算が足らないので、それを増税で賄うことにする、というものです。

これらの内、税収の上振れや外為特会からの繰り入れ(要するに米国債等を売ったことで得られる資金)は、それはそれで結構ですが、

「・厚労省/国交省/文科省/農水省などの予算カット(歳出改革)1兆円」

は大問題です。

ただでさえ、各省庁の予算はカツカツで、十分な行政が出来ていないのに、それがさらに1兆円もカットされれば、行政サービスが低下し、それが多かれ少なかれ経済を疲弊させる効果を持つことは確実です。

しかも、行政サービスの下落とは別に、何らかの形で国民経済に注入されていた公的資金が1兆円減れば、それだけでGDPは確実に1兆円下落します。乗数効果も考えれば2兆円以上の経済縮小効果がある、ということになります。

【防衛増税枠、予算カット枠は、年々拡大していく】
 このように、今回の岸田内閣の決定通りに財政が運営されば、1兆円増税による経済被害(その被害は年間最低でも2兆円程度となります)と、1兆円の歳出カットによる経済被害(その被害も年間約2兆円程度となります)がもたらされ、最低でも合計4兆円程度の経済被害が発生することになります。

しかし、そんな4兆円の経済被害は、「下限値」に過ぎません。なぜなら、彼らの計画で予算カットと増税がそれぞれ1兆円程度となっているのは、

税収の上振れ等(決算剰余金)0.7兆円
外為特会からの繰り入れ等(防衛力強化資金)0.9兆円

が毎年得られることが前提となっているからです。これらの内、税収上振れ分がゼロとなる可能性は十分あるのです。何と言っても、岸田内閣は増税と予算カットを繰り返す訳ですから、景気が悪くなり、税収が早晩減少していくことは確実なのです。しかも、外為特会からの繰り入れが毎年行えるとも限りません(円高になれば、それが困難となります)。

そうなった場合、普通ならば

「じゃあ、国債発行しましょう」

となるのですが、岸田内閣(あるいは、岸田内閣の方針)が続く限り、そう「しない」という判断されることになります。

そうなれば、彼らはさらなる「増税&予算カット」を主張することは確実です。

そうなると経済はますます疲弊し、税収は縮小し、ますますさらなる「増税&予算カット」を言い出す羽目となってしまいます。

こうして、今回の「大綱」の方針が採用される限り、増税&予算カット枠が年々拡大し、経済はどんどん疲弊していく事になるのです。

まさに、今回の大綱は日本を地獄に叩き落とす最悪の決定となっているのです。

【今回の決定が「法律化」されるまで確定ではない】
 ただし、今回岸田政権の決定が、最終的に「確定」されるには、「国会」での関連法案が通ることが必要です。言うまでも無く、国会での関連法案を決定する、という段階となると、自民党で再度の議論が必要となります。そしてもちろん(少数派ではありますが)野党も議論に参加することになります。

したがって、今回の防衛増税が「すんなり」と法制化されるとは限らないのであり、そこに一縷の望みが残されています。

つまり、自民党内の「増税反対派」にはまだ、実質的な法案策定プロセスが始められる法制化を阻止できる可能性が残されているのです。

ついては、今回の「大綱」の「立法手続き」を巡る、年末から始まる与党内の具体的なプロセスを如何にして阻止できるのかに、日本の命運はかかっているのです。

国というものは、外国や災害によって滅び去るというよりもむしろ、政治における「愚かしさ」によって滅び去ることが往々にしてあるのです。

まさに今の日本は、政府の愚かしさによって滅び去る瀬戸際に立たされています。

日本を憂う与党議員の皆様方、そして国会を構成する各党の議員各位による、「救国」のためのご活躍を、心から応援申し上げたいと思います。

追伸1:防衛増税を回避する、最もまっとうな手立ては「国債」を発行すること。その具体的戦略を考えてみました。是非、下記ご一読下さい。
『防衛「施設」投資を全額、「建設国債」で充当せよ。さすればそれだけで防衛のための所得増税&たばこ増税は全額〝不要〟となる!』
https://foomii.com/publisher/delivery/00178/toarticle/id/103414

追伸2:この度、表現者クライテリオンの最新号が発売となりました!今回は、クライテリオン史上初となる、「年末に一年(2022)を振り返り、新年(2023)をお迎えする、と言う季節感満載の大特集。題して、
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【藤井聡】【解説・防衛費増】 岸田政権の決定は一体「どれ程、最悪な決定」なのか? それは今後「回避」可能なのか?への3件のコメント

  1. 利根川 より

     クリスマスイブということで…

    政府「増税に賛成しなさい。そうすれば悪いようにはしない(社会保障費を増やしてあげよう)」

    国民「嘘をつけ!悪いようにしない(社会保障を充実させる)なんてず~っと言ってきたじゃないか!だけど、いつも裏切ってきたのが政府だ!」

    政府「そんなことありません!」

    国民「東日本大震災と集中豪雨被害と豪雪被害の時、コロナ禍とウクライナ戦争の時も、僕はずっと!待ってた!」

    政府「な、なにを…」

    国民「クリスマスプレゼント(減税)だろ!」

    政府「ああっ…!?」

    国民「10万円給付もだ!あんたはクリスマスプレゼント(減税)の替りにそのピストルの弾丸(増税)を国民にくれるのか!?」

    政府「そんなに忘れてる…っ」

    忘れてるだけならまだいいんですが、彼等わざと国民を苦しめるようなことやってますからね。どうして今、モノの値段が上がっているのかというと

    「景気が良いから…ではなくて」

    「ウクライナ戦争で海外から(肥料含め)食料やガス・石油といったエネルギーが入ってこなくなったから」

    なんですよ。相変わらず国民の財布の紐は固いままです。そんな時に増税なんてやったら余計に財布の紐はカッチカチになっちゃうでしょ。
     因みに、財務官僚やTVメディアがどれだけ国民に嘘をついているのか室伏謙一さんが

    霞が関リークス 中国政府の手先と化した財務省|イギリス経済の嘘で日本国民を洗脳した手口

    で詳しく解説してくださっています。13分くらいの短い動画で無料ですのでので是非とも一度ご視聴ください。
     私も毒舌だとは言われますが、逃げ場がなくなるほどは言っていないつもりなんですよ。さっさと

    「知ってましたよ」

    って手のひら返してくれればそれでいいわけでね。
    中野剛志さんの

    目から鱗が落ちる奇跡の経済教室 大論争編

    とか

    池戸万作さんの動画

    を見た方は分かると思いますが、彼らの場合、名指しで、かつグラフやデータを駆使した上で徹底的にダメだししているので相手はメンツは丸つぶれになりますからね(笑
     金本位制が廃止されて管理通貨制度に代わってからずいぶん経ちますが、日本の経済学者の頭の中身は300年前の金貨銀貨の時代からアップデートされていないご様子。しかし、ここにきて「貨幣」について理解を深めてきた国民が増えてきて、まさに今が

    「過渡期」

    なのだと思います。このまま「もっと緊縮増税しないと財政破綻する」と嘘を言い続けてもバレた時に酷いことになるだけだと思うので、さっさと鞍替えした方がいいと思いますけどね。

    人間はミスをする生き物である。優秀な人間とはミスをしない人間ではなくてミスをしても軌道修正できる人間のことだ。

    そんなことを言っていた人もいますが、この定義で言うとオリックスの宮内義彦オリックスシニア・チェアマンはまさに優秀な人物だと言えるのではないでしょうか。

    宮内義彦オリックスシニア・チェアマン
    『構造改革、規制改革は
      掛け声のみで頓挫しました』

     『日銀は市中銀行から国債を購入し、
      お金を流します。
      銀行に低金利で流せば、企業や個人は
      積極的に借り入れると期待するからです。
      しかし現実は、資金需要はなく、
      借り入れを増やす動きは限定的でした。』

     『財務省や官庁エコノミストは
      長年にわたり財政健全化を主張し、
      政府の借金が増えれば国債価格が
      急落して財政が破綻し、
      日本経済が大混乱するとの見方を示しています。

      しかし20年余りこうしたことが起きる兆候は
      全くなく、国債の信用力は維持されています。
      しかもどのようなメカニズムでこうなるのか、
      しっかり説明された記憶もありません。

      イソップ物語の「オオカミ少年」のように、
      「今に国債価格が暴落するぞ」と脅し続け、
      もう何十年もたってしまいました。
      そんな「少年」ももはや白髪です。』

     『私は主要通貨を発行する国は
      インフレにならない限り財政を拡張しても
      問題ないとするMMT(現代貨幣理論)の考えが
      正しいと考えます。』

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  2. 利根川 より

     民主制の良い所は「話し合い(派閥争い)」をすることで軌道修正が可能(政権交代が可能)なところです。何をするにも「話し合い」が必要になるため、玉虫色の回答にしかならないし、決定も遅い(決められない政治)になるわけですが、上でも言ったように

    人間はミスをする生き物である

    専制国家のようにトップが素早く、かつ明確な方向性を示して動いた方が緊急事態に対しては強いのかもしれないが、そのトップがミスをしてしまったら軌道修正も効かずに一気に転落していってしまう危険性もはらんでいるわけです。
     
    エドモンド・バーク
    「政治体制を新しく構築するにあたり、物事を単純明快にすることを目指したと自慢する連中は、政治の何たるかを少しも分かっていないか、でなければおよそ怠慢なのだ。単純な政府とは、控えめに言っても、機能不全を運命つけられた代物に過ぎない」

    「社会を特定の角度からしか眺めようとしない者にとっては、そんな政府の方がずっと魅力的に映るだろう。達成すべき目標がただ一つしかないのであれば、たしかに政治体制は単純な方が良い」

    「複雑な体制は、いくつもの込み入った目標を満たすように構築されているため、個々の目標を達成する度合いにおいては劣る。だが、社会が複雑なものである以上、『多くの目標が不完全に、かつ途切れ途切れに達成される』ほうが『いくつかの目標は完璧の達成されたが、そのせいで残りの目標は放りっぱなしになったか、むしろ前より後退した』というよりはマシなのである」

    エドマンド・バークさん、並びに佐藤健志さん、中野剛志さん、ありがとうございました。
     で、「話し合い」なんですが、言うほど簡単じゃないんだな、これが。
     以前も言いましたが、旧民主党の政治家にも「貨幣」についてしっかり理解されている方が増えています。落合貴之議員や原口議員などがそれですね。元はといえば

    「左翼と話をする奴は売国奴!」

    などと自称保守がブイブイ言わせていた時代に裏切り者と言われるのを恐れずに藤井教授が

    藤井教授「話を聞いてくださるのであれば、どこの党にでも講義に行きます」

    とやった成果だとおもいます。もちろん、聞く側の度量も問われたこととは思いますが。三橋さんも党派を問わず色々な人と話をされていますね。
     山本太郎議員なんかも「レイシストと話をするなんて…」などと言われながらも方針の合致しない部分もある三橋さんと極めて冷静に話をされていて驚きました。こういう人が「政治家」というのだろうなと。
     極まっているのが

    森永康平のビズアップチャンネル

    なんと緊縮・増税の鬼である竹中平蔵さんとも話をしているのだから恐れ入ります。
     
    竹中さん「もっと歳出削減をして経済を活性化させる必要がある!」

    いやいや、経済は商品が売買されないと活性化されないし、歳出削減したら商品の売れ行きは悪くなるんだから逆効果でしょ(苦笑い
     ツッコミ体質なせいか「話し合い」が苦手なんですよね。相手は自分の知らない情報を持っている可能性があるし、その情報ひとつで最適解が変わってしまうこともある。時間経過によって最適解がいつの間にか変わっているケースだってある。民主制でなくても「話をする」ことは重要な要素なんですが、これができる人って意外と少ないのではないでしょうか。

    自称保守「左翼と話をする奴は売国奴」

    市民団体「レイシストとつるむ奴は差別主義者」

    私も似たようなものです。これはもう感情の問題なのでどうにもならんですね。まだ「全体主義」に感染していないまともな人達に頑張って頂くしかないわけですが…小泉政権期に「中間組織(職業組合)」を弱体化させてしまったのが痛かったですね。

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  3. 利根川 より

     おっと忘れていた。

    「税は財源ではない」

    来年はこのワードを流行語大賞にノミネートさせなくては(笑
     ところで、日銀の黒田総裁が「YCCの見直し」を表明したことに対してTV新聞では

    「利上げだ」

    と報道しているそうですが、この時同時に

    黒田総裁「国債買い入れ額を大幅に増額することも決めています」

    とのことで、利上げではないんですけどね。なぜかこちらはあまり報道されないという。
     ただ、どうしてこの時期にYCCの見直しをしたのかというと

    10年物国債の利回りが9年物より低くなったから

    というよりも、政府の方から頼まれた(押し付けられた)のではないかという森永康平さんの見方の方がありそうな感じはします。
     先ほども言いましたが、どうして”総合物価”が上がっているのかというと

    「ウクライナ戦争でモノ不足」

    になったからですね。景気がよくて物価が上がっているわけではないんですよ。実際、「総合物価「と「エネルギー、食料品を除く物価」がワニが口を開くように乖離しています。相変わらず景気はよくない状況が続いている今この時に

    政府「防衛増税です」

    政府「自動車走行税を新設します」

    政府「後期高齢者の窓口負担を増やします」

    増税ラッシュですよ(苦笑い
     緊縮派からみても今この時に増税ラッシュなど「頭がおかしい」としか思えなかったようで、党内のほとんどの議員が大反発していたわけですね。
     物価高騰の原因は

    「輸入品が入って来にくくなっているから」

    なので、対策としては

    短期的には「消費税廃止、ないし減税」と「特別定額給付金」、長期的には農業国防研究所の方が指摘するように輸入品の国産化、そのための政府支出による支援、ということになります。
     で、どれもこれも財政出動しなければならないわけですが、財務省の忠実なしもべである所の岸田総理はそんなことは絶対に出来ない。かといって何もやらないと物価高騰に悩む国民からそっぽを向かれてしまう。だから、

    「日銀さん、何かやって」

    と尻拭いを頼んだのかもしれない、と。
     因みに、この物価高騰の原因を「円安」だと勘違いしている方が多いようですが、先ほども言ったように主たる原因はウクライナ戦争による「モノ不足」にあります。
     ガソリンが足りないのでガソリンを扱っている商人であるアメリカの貨幣(ドル)を皆が欲しがっている。肥料や食料が足りないので数少ない肥料や食料の奪い合いで値段が上がっている。
     かりに主たる原因が円安だったとしても為替の変動に対する対処は財務省の管轄である。

    財務省設置法第三条

    「(任務)第三条 財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び”外国為替の安定の確保を図ること”を任務とする。」

    日銀は仕事をしない財務省の尻拭いを押し付けられたんじゃないかと言うことですね。
     日銀も大変ですね、為替の担当は日銀ではなく財務省なのにネットでは

    「日銀が悪い!」

    とか言われてしまって…黒田総裁に届くかどうかわかりませんが安藤裕前衆議院議員や三橋さん、池戸万作さんなど

    「いま日本で一番まともな組織は日銀」

    と言っているくらい良い仕事していると思うので、最後までよろしくお願いします。ありがとうございます。
     因みに、あまりにもTV新聞が「利上げだ」と宣伝したもんで

    「住宅ローンの新規固定ローンが上がるんじゃないか」

    ということで株価が一時下がったりしていたそうですが、この先どうなってしまうのでしょうか。
     まあ、日本も「失われた30年」から脱出して”他の国と同じように”経済成長しないかぎり諸外国に合わせて利上げなんてできないんですけどね。
     経済成長するためには商品やサービスが売買されないといけないけど、

    1世帯当たりの所得の中央値推移

    出典:内閣府・令和四年度 年次経済財政報告書 2-1-9図 全世帯の所得分布 れいわ新選組 12月1日参議院予算委員会 質疑より

    1994年 505万円

    2019年 374万円

    これですからね。とてもじゃないけど民間個人は買い物の量も額も増やせる状況にない。
     個人が商品を買ってくれないと企業は売り上げが上がらない。売り上げが上がらない状況で銀行から借り入れを行ってまで新規に投資をする必要性がないし、給料だって上げられない。
     個人や企業にはどうにもできない。できるのは貨幣を発行することができる政府だけ。

    「国債は借金なんだから将来世代が返済しないといけないだろ」

    そんなことありません。森永康平のビズアップチャンネル第103回を見てもらえば分かるように

    「日本以外の国は自国通貨建ての国債の返済はやっていません」

    そもそも、貨幣とは

    「負債(借用書)の特殊な一形式」

    です。貨幣とは特殊な「借用証書」なのだから、返済されてしまうと貨幣は消滅してしまうのですよ。もし、全ての人が借金を返済したなら、この世から貨幣はすべて消えてなくなります。族長による分配社会に逆戻りですね(苦笑い
     60年償還ルールなど日本以外どこの国もやっていないのです。たしか、「60年償還ルール」は岡三証券チーフエコノミスト 会田 卓司さんと岡三証券エコノミスト 田 未来さんが最初に指摘してくださったんでしたっけ。どうもありがとうございます。「話をする」って大事ですね。

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