From 藤井聡@京都大学大学院教授
昨日の10月11日は、
『グローバリズム植民地ニッポン』https://www.amazon.co.jp/dp/4847066804
『消費減税ニッポン復活論』https://www.amazon.co.jp/dp/459117509X/
というニッポンについての二冊の本の発売日(書影はコチラ↓)。
9月に引き続いて(偶然にも)二ヶ月連続で二冊同時発売、となりました。
9月の二冊(『神無き時代の日本蘇生プラン』と『人を動かす”正論”の伝え方』)は、抽象的理論的な問題を取り扱う二冊でしたが、この10月の二冊はいずれも、今、そしてこれからの日本の現実問題を具体的に取り扱う書籍です。
書籍タイトルとしては、出版者との相談で最終的にはそれぞれ『グローバリズム植民地ニッポン』と『消費減税ニッポン復活論』となりましたが、当方としては、前者については
『こうして日本は滅び去る。』
後者については、
『消費税減税で日本の未来はバラ色になる』
というタイトルの本を書くつもりでまとめたものです。
で、前者の『グローバリズム植民地ニッポン』の方では、日本がこのまま行けば、地獄に落ちる……という暗い未来を論じましたが、もう一冊の『消費減税ニッポン復活論』の方では、日本は消費減税さえすれば地獄とは正反対の”バラ色”の未来が待っているという明るい話を書きました。
すなわち、この二冊は、たまたま発売日が重なったものの、もともと別々の企画、だったのですが、書いていた時期が重ねっていたということもあり、奇しくも「上下・二部作」の風情となったという次第。前者(上巻)がこのまま行った場合の日本の地獄絵、後者(下巻)がそこから救われるための救済の道、をそれぞれ描いたというものです。
とりわけ後者については、
「日本の未来がバラ色になる」
なんて話は、この暗いご時世、全く目にしたことが無い、斬新なイメージですから、是非、それが想起されるような内容にしよう、と思って書き上げたものです。
ついてはここでは、この「バラ色」になるという『消費減税ニッポン復活論』について、解説したいと思います。
まず申し上げたいのは、消費税のことは様々な書籍で取り上げて参りましたが、今回の本は、これまで全く論じてこなかった消費税問題の新たな側面に切り込むものだ、という点。
そもそもこの本は、税理士であり公認会計士の森井じゅんさんとの共著。
森井さんは一貫して、
1)「消費税」は、消費者が支払っているものだと政府は説明し続けているが、そんなのウソだ!
2)「消費税」を、支払っているのは法人だ!それは事実上、(純利にかかる法人税とは異なる)粗利(=純利+人件費)にかかる法人税だ!
3)だから、消費税が上がれば、経営者は、粗利を減らそう、と考える。だけど、純利を減らすと自分損する事になるから、人件費を極力減らそうとしている!
4)だから、消費税があがれば、賃金が全然上がらなくなるし、正規雇用は減って非正規雇用ばかりになっていく!
と主張されてこられました。
このお話は、一般の方にはなかなか理解されていないものなのですが、消費増税問題を考える上で、何よりも重要な問題の一つ。
ちなみに、この森井さんの主張は、必ずしも森井さんオリジナルの御主張、というわけではなく、一部の税の専門家のみならず、税についての行政を進める、あの、財務省の役人達にとってみてもまさに常識の話なのです(ちなみに、財務省は3)4)についての理解は怪しいですが、仮に理解していたとしても絶対に口にはしないとは思います)。
しかし、これを3)4)も含めてメディア上で主張する方は、森井さん以外、殆どおられません。
ついては、この話を一人でも多くの国民に理解してもらわなければならない……ということで、今回、森井さんとご相談いたし、この森井さんのご主張を分かり易く、幅広く多くの国民にお伝えする事を企図して、共著を出版する事となった次第です。
この本では冒頭で、これまで当方が様々に主張してきた、消費増税が経済を疲弊させ、貧困と格差を拡大させ、日本の衰退をもたらし、そして、財政を悪化させるのだ、というお話を簡潔に改めて解説しています。
その上で、森井さんの上記の1)~4)のお話、つまり、消費増税によって経営者が賃金を引き下げ、正規雇用を減らしていく、というメカニズムを分かり易く、丁寧にご解説いただきます。
つまり、当方が消費増税のマクロな問題を語る一方で、森井さんはミクロな問題を語る、というスタイルになっているわけです。
で、その上で、消費税減税さえ実現できれば、消費は増えるわ、賃金を引き上げようとする経営者は増えるわ、非正規職員を正規化する経営者は増えるわ、会社の儲けは増えるわ、国民一人一人の所得は増えるわ、GDPは拡大していくわ、外交力はつくわ……とメチャクチャ明るい、まさにバラ色の未来が訪れるんです!というお話を展開しています。
森井さんとよくよく相談しながら、そんなお話を、読み易い「対談」形式でとりまとめています。
消費税についてあまり考えてこられてなかった方は勿論のこと、消費税の事についても様々な本を通して理解してこられた方も含めて、また新しい側面を含めて、消費増税の問題を包括的、総合的に理解頂くためにも、是非、一人でも多くの皆様にご一読頂きたい一冊です。
中国のグローバリズム植民地として滅び去るのか、それとも、消費税減税を行ってバラ色の未来を手に入れるのか……我々の未来は、まさに天国と地獄のそれぞれに繋がっています。
地獄を避け、天国への道を歩み出すためにも是非、
『グローバリズム植民地ニッポン』
https://www.amazon.co.jp/dp/4847066804
に加えて森井さんとの新著、
『消費減税ニッポン復活論』
https://www.amazon.co.jp/dp/459117509X/
をご一読いただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します!
追伸1:
今日のメルマガは、『表現者クライテリオン編集長日記』(https://foomii.com/00178)の(最新のものの)一部を抜粋・再編集したものです。公開メルマガでは諸般の事情で書ききれない事を、基本的に毎日一本、様々に書いております。この機会に是非、ご一読ください!
消費税減税で日本の未来はバラ色になる ~消費税減税ニッポン復活論~
https://foomii.com/00178/20221011185708100530
日本はこのままなら、確実に、事実上の「中国の植民地」になる。
https://foomii.com/00178/20221010110000100442
ロシアは本当に核を使うのか?
https://foomii.com/00178/20221009110000100434
「国葬を打算だけで取り決める俗物」と「国葬への反対デモに参加する俗物」について
https://foomii.com/00178/20221008110000100409
誠に残念な話しですが、『日本はこうして滅び去る』、のです。
https://foomii.com/00178/20221007152759100396
(※ ↑この記事は、本日紹介した2冊のもう一冊の方を紹介したものです)
追悼・アントニオ猪木 ~「猪木」とは一体何だったのか?~
https://foomii.com/00178/20221006121411100346
追伸2:
地方シンポジウムは毎回100~200人程度の皆様にお越し頂けるのですが、先日ご紹介した「大分シンポジウム」は、いろいろな方から遠い所なのかまだ参加者数が8人しか集まっていないとのこと……折角の機会ですから、大分、九州、中国地方の方、ならびに全国の地方の方々は是非、ご参加下さい。シンポの後には是非、大分の美味い焼酎でも飲みながらご一緒致しましょう(笑)。よろしくお願いします!
https://the-criterion.jp/mail-magazine/20220901/
【藤井聡】消費税減税で日本の未来はバラ色になる ~『グローバリズム植民地ニッポン』&『消費税減税ニッポン復活論』同時発売に寄せて~への2件のコメント
2022年10月17日 10:35 PM
消費税の仕組みがどうなっているか。事実上は付加価値税である。そういった理解もいいが、シンプルに景気が悪けりゃ減税するべきだと誰もが分かっている。
賃金が上がらない中、インフレとなり、国民が困っている。本当に困っている。それでも減税しない。できない。
石油高騰でガソリンが高い。半分は税金。ならば減税しよう。ここに難しい経済学もへったくれもない。それでも減税しない。できない。
国民が賢くなり声を上げれば減税できるのか?本当にできるのか?マクロ経済を理解していたであろう安倍元総理の在任期間でも減税できなかった。むしろ増税となった。
国民は困っている。
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