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日本経済

2021年10月29日

【藤井聡】【衆院選挙候補者・緊急アンケート調査】自民候補の大多数が「緊縮・改革」を支持、立民は緊縮・改革からの「転換」を支持

京都大学のレジリエンスユニットでは今、「経済・財政政策に関する国会議員対象アンケート調査」を実施しています。

もともと選挙を想定せずに調査を企画していたのですが、調査期間が選挙期間と一致したことから、まだアンケート調査票の回収中ですが、既に70名(回答率15%)の回答が得られているとのことで、中間レポートが報告されました。

国会議員(前衆議院議員)の経済・財政政策に関する考え方についてのアンケート調査(途中経過)
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/resilience/documents/policysurvey_2021.pdf

この調査では、各政党からの候補者から回答が得られており、2~3名の回答しか未だ集まっていない政党もありますが、自由民主党(以下、自民)、立憲民主党(以下、立民)の与野党それぞれの第一党の2党からは、一定数以上の回答が得られていますので、この2つの党の特徴についてご報告さし上げます。

詳細は上記をご覧頂ければと思いますが、

  

岸田総理は「新自由主義からの転換」を標榜していましたが、自民議員の大多数の7割以上が、未だに、新自由主義のシンボル政策と言うべき「規制改革」や「緊縮=国債発行禁止」の二大政策を主張しているという結果となりました。

特に、改革の具体的な中身として、「中小企業の再編」や「フリーランス・副業の促進」「銀行の出資規制の緩和」といった新自由主義的な政策について、自民は立民よりも圧倒的に賛成していることが示されました。

これらの政策はいずれも「弱肉強食」を加速する規制改革で、働く人や中小企業、資本を持たない人々、いわゆる「弱者」が、「強者」に駆逐されていく傾向を加速するものです。

いわば、岸田総理が主張する「新自由主義からの転換」という言葉とは、完全に正反対の思想を、自民党議員達が持っていることが分かります。

次に、「緊縮」の具体的な中身についての項目に着目すると、次の様な結果となりました。

今、コロナ不況から脱却するにあたって最も効果的であるとも頻繁に指摘される消費減税については、なんと自民党候補者の100%が反対していることが分かりました。

しかも、コロナ禍中でもPB黒字化が必要だと考えている候補者、つまり、コロナ禍中でも、国債発行に基づく積極財政はまかり成らぬと主張している候補者は、自民党の候補者の実に18%に上ることも示されました。

さらには、コロナ対策費を捻出するためのコロナ増税が必要だと主張する自民党候補者は、12%もいるという結果となりました。

ちなみに、立民の候補者は、自民党候補者が支持するような激しい緊縮路線を支持するような方も一部にはおられるようですが、自民党のそれに比べれば圧倒的に低い水準です。

・・・

以上より、自民党の候補者は大半が改革・緊縮すべしと考える典型的な新自由主義者達であることが示されました。これでは、彼等のリーダーの岸田総裁がどれだけ新自由主義からの転換だ、なんて言っても、その意味が分からず、ちんぷんかんぷんで、結局誰も言うことを聞かないリスクが高そうです。

その結果、なんだかんだ言いながら、「新しい資本主義」というキーワードで、単なる「ちょっとだけ新しい、新自由主義的政策」が展開されるリスクが極めて高いと言わざるを得ないでしょう。

そうなれば言うまでも無く、デフレ脱却など不可能となり、岸田さんが言う所得倍増も絶対に実現できない、という事になるでしょう。

その点、立憲民主党は、そういう新自由主義的傾向が随分と低く、弱肉強食を進める改革からの「転換」を支持しているのであり、PB規律を撤廃して国債を発行し、消費税を減税していくべきだと考える傾向が随分と強いようです。

それ以外の政党については、サンプル数が少なく、統計的に解釈することは難しいですが、特徴的だったのが日本維新の会。日本維新の会は「改革」への賛成率が全政党の中で唯一の100%であり、コロナ禍後のPB堅持への賛成率も同じく全政党の中で唯一の100%でした。

つまり、維新は、自民党よりもより過激な新自由主義政党だと言うことができそうです。

一方で、その正反対であったのが、日本共産党で、彼等は、改革への賛成率が0%、中小企業の再編・フリーランス促進・銀行の出資規制緩和への賛成率も0%、コロナ禍中でも後でもPB堅持やコロナ増税への賛成率も0%、そして、消費税の減税・廃止への賛成率は100%でした。

こう考えますと、「新自由主義」的傾向=「政府の仕事を民間に自由にやらせていく」傾向は、

という状況になっているようです。

繰り返しますが、今日本がデフレ不況なのは、政府がやるべき事をやらないからで、その根源は、新自由主義にあるのです。

この選挙では、自民が単独過半数を取る可能性があるとも言われており、かつ、維新が大きく躍進すると言われています。そうなれば日本の新自由主義は、岸田総理の意図とは裏腹に、激しく加速する事になるでしょう。

岸田さんが新自由主義からの転換を実現させ、デフレ不況からの脱却を実現するには、自民の中の「改革・緊縮」主義者達ができるだけ多く落選し、そこからの転換の主張者達が当選することが必要でしょう。

そして国民は、極端な共産党を支持する必要はないとしても、自民に入れたくないと考えている方々は、せめて維新じゃ無くて、立憲民主党を支持するくらいのバランス感覚がなければ、岸田さんが新自由主義から決別することも、ましてや、日本がデフレ不況から脱却することも不可能となるでしょう。

もちろん、最終的には一人一人の判断が必要です。

ですが、この調査で露わになった「自民党の候補者達の大半が緊縮・改革支持者だ」という事実だけは、しっかりとご認識頂きたいと思います。

追伸1:このアンケートで示された、自民党の深刻な緊縮・改革病の問題を、選挙後に、水道橋博士の司会の下、田原さんと徹底的に議論いたします。是非皆様、ご参加下さい!
激論!田原総一朗×藤井聡×水道橋博士 
岸田版“新しい資本主義”で日本再生できるのか?

https://in.38news.jp/24p2111_no_menber

追伸2:自民党議員達が大好きな「緊縮主義」の総本山、財務省のトップの「経典」とも言い得る矢野論文が、如何に間違いだらけなのかを徹底的に解説しています。上記経典が掲載された雑誌始め、各方面に本記事を掲載頂く様、交渉しているのですが、財務省に気を遣ってか……なかなか色よい返事がありません……ついてはご関心の方は是非、下記よりご一読下さい。
『矢野・財務省事務次官の『国家財政は破綻する』論文が間違いだらけであることを丁寧に解説いたします。』
https://foomii.com/00178/2021101101220285930

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【藤井聡】【衆院選挙候補者・緊急アンケート調査】自民候補の大多数が「緊縮・改革」を支持、立民は緊縮・改革からの「転換」を支持への9件のコメント

  1. ぶらっくあだー より

    神津の御代より消費税減税されると困る奴隷貴族クラブ・之車合。

    白票で意思表示をと呼びかける忠米媚自機関・言売売グループ。

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  2. 拓三 より

    100%… 怖い数値ですねw
    それが、共産党と維新。オモロ過ぎるやないか~い。

    シナ共産党と日本共産党の戦いはさておき、そもそも日本に新自由主義は無いよ。新自由主義は主権国家(独立国)での国家の方向性であり、日本のような植民地で安全保障を無視した国?では、ただの売国主義と言った方がいいですよ。
    つまりハゲ鷹ファンドと同じハゲ鷹政党で御座います。

    日本人なら思い起こしてほしいよね。
    三種の神器。1つでも欠ければ意味が無い事を。

    ま、戦後の天皇は米国様ですけどね…

    新たな三種の神器でも作るかw

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  3. とすくん より

    いやはや、自民がここまでとは…もうちょっと反緊縮も拡がってきていると思いきや…いやだって高市早苗さんが台頭したり岸田総理自ら新自由主義からの転換、と言明したのにね…?どうなってんでしょ、自民先生方の頭ん中は。

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  4. この世は既にあの世 より

    デフレではありません、スタグフです。

    タバコ増税、ガソリン高、カルビー、吉野家、食料品の値上げ。

    他には医療費負担増もあります。

    しかしこれからもしばらく自民党政権が続くと思います。

    日本は既に良識が蒸発した社会。基準は低下。

    新自由主義にはベーシックインカムがセットですから、既存の社会保障制度を残したままベーシックインカムが必要です。

    生活保護制度は定員制ですから、困っている人の誰もが受けれません。

    与野党共に偽善や綺麗事を言うのをやめたらいいのに、どうせ建前でしかないとバレてるのだから。

    貧乏に堪えても何ら意味は無い。政府は領土や主権を取り戻そうとするわけでなく、ただ自己保身への邁進するのみ。大義も無い。「アメリカさん、日米同盟は強固ですよねぇ?アメリカさん、尖閣問題で助けてくれますよね?」ばっかり。

    水島の親米保守の馬鹿は「我こそは真の保守だ」と自己アピール。こういう馬鹿が日本を叩き壊し、まだ日本を壊そうとしている。早く水島をはじめとする糞年寄りを殺さなければならない。

    水島、お前の何処が保守なんだ?教えてくれよ、早よ。

    小泉安倍を応援し日本を叩き壊しただけでしょ?日本を叩き壊すのが保守であります。

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      1. 拓三 より

        今回のスタグフレーションは減税で対処できるよ。

        それと、BIを唱える人達って、BIがあれば新自由主義(売国)を認めるって言っているように聞こえるんよ。

        フリードマンのBlは嫌だけどヘリマネだったらOKって…

        見方によれば今後世界は供給能力の飛躍により慢性的なデフレ経済が予測されてるけど、そうなるか?
        資源は増えらんぞ。
        今回のスタグフレーションは資源高やろ。

        今後、資源国が圧倒的に有利な世界の再来かな? また奪い合いが起きるんとちゃう?

        歴史は繰り返される運命かもね。

        追伸 
        お前、ここで書くより違う所に行ったら? 全然、噛み合ってないで。

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        1. うたか より

          わざとずれた噛み合わない話ししてるだけでしょ
          相手にしないほうが良いよ

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      1. この世は既にこの世 より

        かつて竹中平蔵は「若者は貧乏になる自由がある」と述べました。保守派は負けたのです。

        保守派は竹中平蔵に同意し「美徳」「働け」「根性」を押し付けるだけでありました。

        生活保護に人々をなるべくしてはいけない。一旦受給者にさせると社会復帰は難しい。かと言って餓死やホームレス、犯罪者にさせてはいけない。

        だからベーシックインカムである。もう保守のフリをして、くだらぬ慣習だの道徳だのを叫ぶのはやめましょう。

        何故、他人がベーシックインカムや給付金を貰うのがそれほどまでに気に入らないのか?よほど嫌な性格をしているか、根性が曲がっているか、現実を直視したくないか、自己保身のいずれかでしょうが、そんな輩は蹴散らすか無視でOK。

        そんな輩には「政府が払わないならお前が払えと恐喝に行けばよい」

        人は拷問すれば「はい、解りました」と必ず言うので無感情にそうすればよい。

        日本人なんて属国根性の奴隷根性、弱虫小虫の臆病者なんで気にするこっちゃない。

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        1. 拓三 より

          現状の給付金とBIは違うぞ。

          お前らが同じ意味合いで論じてるけど、これこそ改革派が大好きなショックドクトリンとちゃうの?

          どうせBIありきで、フリードマン式かヘリマネ式かの2つに絞って後の意見は聞く耳無し! って事にするパヨク(売国)のいつものやり方やろw

          BI導入すれば、確実にお前みたいなポン中増えるわな。
          治安が悪なって、そこでバリバリの監視社会を作る。

          パヨク(強者)が喜びそうな社会ですなw

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