From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表
最近ワイン関係の仕事をする方と話をする機会があったのですが、衝撃的な話を聞いたので紹介したいと思います。
シャンパーニュ、vin de Champagneですが、その有名どころが日本に入って来なくなって、やがて買えなくなるだろうというのです。今年は欧州を熱波が襲いましたから、原料となる葡萄の出来が悪いからなのかと思ったらそうではなく、やはり世界的なエネルギー高や円安の影響なのかと思ったらそうでもなく、なんと、中国が「爆買い」をしているからとのこと。鈍化しているとは言え、急速かつ着実に成長し、益々豊かになった中国。食の欧米化も進み、その一環としてワインの消費量も増え2013年の段階で赤ワインの消費量が世界一となりました。その後消費量・順位の変化はあったようですが、依然として消費量は高止まりしているようです。シャンパーニュの「爆買い」もその延長線上ということでしょう。
今入手できる有名どころのシャンパーニュは日本国内の在庫分なのでどんどん減ってきていて、既に入手困難になっているとのこと。そんな状態になるとは誰が想像したでしょう。
ではなぜそのようなことになったのかと言えば、この20年以上の緊縮財政と構造改革によって日本が成長しなくなり、実質賃金も上がらず貧しくなったから。それでもまだ緊縮・増税を岸田政権・財務省は進めようとしているわけですから、あなた達は一体どこの国の誰のための政権・政府ですか?と聞きたくなります。
ご承知のとおり、他の食品でも同じような現象が起きています。そちらも中国政府が徹底的に投資をしてインフラを整備し、成長を続けて豊かになる一方で、日本政府は緊縮脳にとらわれて投資をケチ離、港湾や交通インフラへの投資を「もう十分整備された」と意味不明なことを財政制度等審議会に言わせてインフラを貧弱なまま放置してきたため、例えば食料原料を輸送する大型船舶が日本の港、それもいわゆる国際戦略港湾と呼ばれる港に入港・接岸できないため、中国や韓国の港に一度行って、そこで小さな船に積み替えてから日本に来るということになってしまっています。そうなれば、ただでさえ上昇している価格が、中国・韓国に買い負けるかより高い値段を払わざるをえなくなり、さらに輸送コストもかさんで、さらに上昇することになってしまいます。
今回のシャンパーニュの件は完全に日本が買い負けてしまったという話ですが、今後この緊縮と構造改革を放置しておいたら、更に買い負けるものが多くなってきて、日本にものがどんどん入って来なくなるということにもなりかねないでしょう。
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