日本経済

2022年1月10日

【三橋貴明】デラシネの貧困と「ジョーカー」

【今週のNewsピックアップ】

デラシネ(根無し草)の貧困
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12719522106.html

日本の少子化の主因は「デフレ」である
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12719904223.html

中世欧州の「都市化」は、
農村で「食えなくなった」貧困層が
都市部に流入することで起きました
(※唯一、イングランドの
ロンドンだけ例外なのですが)。

都市部に集まった貧困層の多くは、
安定的な職には就けず、
男は犯罪者に、女は娼婦となり、
アンダーグラウンドな共同体で
「今だけ、カネだけ、自分だけ」
の生き方を強いられます。

当然ながら、結婚し、家庭を持ち、
子供を育てるなど不可能です。

彼ら、彼女らを表現するフランス語は、
「根無し草」を意味する「デラシネ」です。

デラシネとは、故郷や祖国から離れた
もしくは切り離された人を意味しています。

デラシネの貧困がいかに悲惨か、
最も分かりやすいコンテンツは、
個人的にはヴィクトル・ユーゴーの
「レ・ミゼラブル」だと思います
(特に、映画版)。

さて、2020年の国勢調査を受け、
日本の単身世帯数と全体に占める割合の
グラフをアップデートしたのですが、
驚愕しました。

【日本の単身世帯数(左軸、数)と
全体に占める割合(右軸、%)】

http://mtdata.jp/data_78.html#tansin

2020年時点で、何と単身世帯数は
全体の四割近くに及んでいるのです。
さらには、雇用の四割が非正規雇用。

日本では(特に都市部)、
家族と暮らさず(あるいは家族を「持てず」)、
職場という共同体にすら不安定な形でしか
属せない「デラシネ」が激増している。

しかも、97年の橋本政権による
緊縮財政以降、日本経済はデフレ化し、
実質賃金は下がり続けています。

共同体に属さず、都市部で高い家賃を払い、
来年の所得が増える見込みがない状況の
「デラシネの貧困」が、
現在の日本の貧困問題の本質なのです。

今、困窮していても、何らかの共同体に属し、
「来年は確実に給与が上がる」という
見込みが立てば、人間は意外に
陽気に生きていけるものです。

大東亜戦争敗北から、
高度成長期にかけた「貧困」は、
まさにその種の貧困だったのでしょう。

無論、貧困の度合いを見れば、
当時の方が酷かったのは確実です。
それでも、「先の見込みが立つ」形の
貧困だった。

何しろ、高度成長期の実質賃金上昇率は、
平均で毎年7%に達していました。
十年経つと、所得が実質で二倍になったのです。

それに対し、現在は実質賃金が下がり続け、
同時に共同体が破壊されていく
「デラシネの貧困」なのです。

「デラシネの貧困」に陥った人々が増えると、
どうなるのか。

確実に「ジョーカー」が
増えていくことになります。
(※ジョーカーとは、映画バットマンに
登場する悪役のことです。
映画「ジョーカー」では主役を務めました)

そして、凶悪な無差別テロ事件が
頻発することになる。

さらには、デラシネの貧困者は、
ジョーカーを賛美し、憧れる。

ジョーカーが激増すると、
富裕層ですら「安全」という需要が
満たされない状況になります。

「デラシネの貧困」の解消が必要です。
具体的には、実質賃金が安定的に
増加する環境を取り戻さなければなりません。

雇用環境の改善と、
東京一極集中の解消により、
結婚を増やす。

まずは、第一歩として「家族」という
共同体を再構築するのです。

そして、単身世帯数の割合を引き下げる。
そのためには「デフレ脱却」が
どうしても必要なのです。

逆に言えば、このままデフレが継続し、
デラシネの貧困が増大していくと、
我々は確実に「映画「ジョーカー」の世界」で
生きる羽目になるのですよ。

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~こんなに危ない!?消費増税~」の
クラウドファンディングにご協力ください。
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第448回 「日銀は日本政府の子会社である」

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コストプッシュ型インフレの解消法
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
コストプッシュ型インフレを
解消するためには? 
国民の所得を高めつつ、
インフレ率を抑制する方法がある。
もちろん「積極財政」です。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

2021年のMVP、
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[三橋TV第490回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/gsWYbvakoBU

飲食産業の魂の叫びを聴け! 
戦うシェフ、山下春幸氏登場!
[三橋TV第491回] 山下春幸・三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/ydYoM4QSr2w

食団連(日本飲食団体連合会)誕生 
「赤い資本」から日本の食を護れ!
[三橋TV第492回] 山下春幸・三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/nFaujqT0Oh8

特別コンテンツ配信中。

シンガーsayaの3分間エコノミクス
【第17回 バランスシート】
https://youtu.be/eDXDZStW66k

小泉内閣が仕掛けた
悪名高きB層マーケティングの闇
[1月9日(日)23:59までの期間限定公開] https://youtu.be/eSnyHqqWqd4

1月4日 チャンネル桜 
Front Japan 桜・新春生放送スペシャル 
キャスター討論に出演しました。

【Front Japan 桜】新春キャスター討論
「激変した世界と漂流日本」
[桜R4/1/4] https://youtu.be/yeLIvGr5lHs

1月7日 チャンネル桜 
「Front Japan 桜 - 令和4年1月7日号」
に出演しました。

【Front Japan 桜】
今春の流行を徹底解説!
春の緊縮祭り / 現代日本の病
デラシネの貧困
[桜R4/1/7] https://youtu.be/goa9L6XBfQA

【ch桜・別館】大人の男性の体の鍛え方
【桜R4/1/7] https://youtu.be/_CJ4VwTNi5Y

◆三橋経済塾

1月15日 三橋経済塾
第十一期対面講義が開催されます。
https://members11.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
ゲスト講師は会田卓司先生です。

◆チャンネルAJER 
「財政破綻のプロセス」(前半)
三橋貴明 AJER2022.1.4
https://youtu.be/uVloSd9KRsU

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【三橋貴明】デラシネの貧困と「ジョーカー」への7件のコメント

  1. この世は既にあの世 より

    宮台氏の既得権益の打破ですね。経団連や自民、立憲など既得権益を壊さない限り解決しないでしょう。

    日本はシバキ体質ですからそれを捨てることですね。

    コストプッシュも貧困も賃上げ減税あるいは金を配っていれば問題なかったわけで、馬鹿がシバキで土建仕事だの伝統だの美徳だの投資だの分配を先送りしたがるじゃないですか。だから今なんですよ。

    リーダーだけ既得権益を排除した場所で小さなコミュニティを作り新たな共同体、愛と友情を作り直し、それが全体に波及していけばいいし、国全体でやろうとするからダメなんですよ。

    たしか宮台氏によると民主主義は3万人くらいの人口でしか機能しないみたいですよ。

    大衆には一先ずベーシックインカムを与えとけばいいんですよ。官僚とか政治家は馬鹿なんでプロデュースなんか出来ないんで。古臭いものは捨てて行く、既得権益にしがみついているだけじゃどんどん置いて行かれます。

    高齢者、田原、水島、安倍、ウイル、ハナダ、ネトウヨ、saya、藤井など置き去りにして行かないとアカンですわな。

    また水島もアホで「一緒に死んであげます」ですから。

    あのね、水島、お前は単独で早よ死ぬ言うとるんよ。何で便所論のゴミみたいなお前と一緒に死なないとアカンのか?分からない輩やのう。

    水産庁がー、海上保安庁がー、しか言いきらんヘタレが今更なんば言いようとかって、クズが。

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  2. ご心配なく より

    敗戦後 ずっと
    タマを 抜かれ続けている
    japsが ジョーカーなんぞに

    なれる 道理が ございません、、

    タマを 抜かれたjapsがなれるのは

    アメ公の 男妾だけ で ございます ♪ 

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  3. 大和魂 より

    だから当たり前に考えても国際社会の価値観なんて各地バラバラが自然体で自明なんですよね。

    それで、それが大前提としているから自然界と同じく社会が成り立つ真理である訳で、それを無理矢理わけの解らん国際機関と称して理不尽に誤魔化す三権を大の大人たちが見て見ぬふりしてるから個人主義が方々で横行し貧困を誘発し、しかも合理的にも分断されているのに、その分析すらも出来ない低次元の愛国者面した奴等に社会の講釈はコントであり無用なんだわ。

    つまり端的には、先ずはグレーな法律関係者やつまらん芸能関係者や浅ましいメディア関係者や低次元のスポーツ関係者と同等に、下劣で保身ありきの大差ない政治家たちや学者たちや行政関係者たちをも社会の表舞台から追放せんと、庶民が割を喰い衰退するだけなんだよ。

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  4. この世は既にあの世 より

    戦後レジームからの脱却とは既得権益を壊すこと、よって壊さないとアカンでしょうね。日米同盟もそうですが。

    官僚、政治家、大企業連中は同じ世界に生きてはないでしょう。そういう民と同じ世界に生きていない連中は、民側からは信じれないのですよ。ルサンチマンではないのです。

    もはや既得権益ってそういう連中にしか残っていないと思いますね。

    はやり雇用の流動性を図り、産業構造改革を進めて既得権益を排除すべき時ですね。そうやっても困らない様に所得保障などセーフティネットの構築です。もはや正社員の意味がないですし、リストラのニュースもよく流れています。

    「働くことがどうとか、人の為がどうとか、仕事で繋がっている」とか何か現実を無視した綺麗事の気持ち悪い事の様に聞こえるんですよ。他人が働いているかどうか気になって仕方がない病人の戯言に聞こえるわけです。

    マネーの虎にいたある社長は「僕は24時間を3分割して8時間ずつ3箇所で働きました」と、だから働きたい人間は他人がどうとか病気を発症させず、自分が不眠不休で働けばいいと思うんだよね。偉そうに他人をチェックして国力がどうとかそこまで言って自己保身やる必要ないでしょう。

    他人が働いているかどうかが気になって仕方がない、それは自分の自信の無さの表れではないだろうか?

    恐らく雇用の流動性が悪いのではなくて、セーフティネットが不自由なのと必要以上に既得権益や無能な社員を守り過ぎなのがいけないんですよ。あとシルバー民主主義。

    老人に詐取されて老人が引退したら、社会保険料で詐取でしょう?で、口を出し働け働けでしょう?コイツら老人を政官財、民主主義から退場させないといけません。

    先ずは自分の父親からそれぞれが退場させましょう。私はそうしてますよ、家族で一番強いのは私。戦後生まれの父親など怒鳴り威圧すれば言うことを聞きます。

    家族内なら出来ますよね?各々がそうしましょう。

    大体ね、氷河期世代以外はクソジジィ共にシバかれ詐取されたんですよ、何故にいつまでも従ってるのかが不思議。クソジジィなんか全く怖くないですよね?クソジジィが怖かったらシナとかと戦えませんよ。

    いつまでも既得権益にしがみついているクソジジィなんか怒鳴り散らして退かせばいいんですよ。黙らせればいいだけ。結果出してないんだし、売国奴で敵なんだから。

    宮台氏の言う様な対処法しかないでしょう。違う世界に住む住人にいくら言っても同じ事であり、コロナやポリコレに対するふるまいも同じですよ。

    西部氏と議論していた宮台氏さんはさすがだなと思いましたね。

    それとやはり私が見た経験と同じく、先にインフラではなく後からインフラですわな。ニセコがいい例みたいです。

    勝田のルネサスの元日立もそうだし、街が発展してからインフラがついてくるというのが現実ですね。先にインフラでも企業は工場誘致など投資はしないんです。

    あとネトウヨは既得権益かB層でしょう。愛国商売は相手にしないことですね。愛国謳っても害しかない奴等ですわ。

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  5. この世は既にあの世 より

    財務省はどうも出来ませんが、コロナでメディアが暴走しています。感染者ではなくて陽性者です。

    何故に既得権益はこういった見え透いた誤魔化しをずっと続けるのか?既得権益者は宮台氏のいうところの「檻の中のクズ」だからである。

    クズは自分で自分の首を絞め我が子を間接的に殺す。

    ワクチンを何回も打たせようとする狂気の沙汰。打つ打たないは個人の自由です。

    水島は「西部さんあなた日本が足らない」とかほざいているが、水島は米国に抱きつき、安倍に抱きついて、自民に抱きつき、終いには俺たちに抱きつこうとしているホモ野郎である。水島は西田問題に蓋をして飯盛衆のおばさんを胸部骨折にまで追い込んだ悪党そのものである。

    水島のその日本が足るとか足らないとかどうでもいいんだよ。お前が日本以外の色々なものに抱きつくヘタレだからだろうに。

    あのな、水島、お前らにシバかれた俺はお前ら以上に悪党なんだよ。だからお前の戯言は一切通用せんのよ。すぐに企みが見えちゃう。

    日本がどうしたって?また「俺が日本だ、安倍が日本だ!」か?もういいってのうるさいのう、日本歴史上始まって以来の失敗者世代、落伍者世代共がいつまでもさ。

    日本は俺も前から言っていたけど宮台氏のいうように、憲法や法を変えてもその場、その場の空気によってひたすら同じことを繰り返す劣等民族なんだよ。

    だからまた安倍を持って来ようと同じ事を繰り返そうとする奴らがいる。

    水島は失敗した、安倍も失敗した、既得権益のメディアは誤魔化しを続けている、経団連も失敗した、だから要らないんだよね。それらはあっさりと捨てること、それが同じ事を繰り返さない秘訣。

    親は自分達の意思で勝手に子供を産んだだけ、だから子供を育てあげれば用済み。いつまでも生きられると大迷惑。死ねば3日で忘れるからコロナでも何でもいいから早よ死ねが正解。

    落伍者、失敗者世代が死なないだけならまだしも、日本が足らないだの、精神論、根性論ばかり言っていつまでも首を突っ込んできやがって大変迷惑この上ない。

    ダメ世代の高齢者は潔く身をひくべき。

    日本が足るとか足らないとかは、コイツらが大好きなウイグルか台湾か中国の老人ホームで好きなだけやってくれ、という感じだね。

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  6. この世は既にあの世 より

    やはり財政については、俺のいう通り、国民は気にしていないのでは?

    10代20代はもとより、40代50代で財政を気にしているのは5人に1人である。

    「全体では22.4%…「財政健全化」は実際にどれほど望まれているのか」

    問題は60代70代のクソ世代、ゴミ世代、非人間世代である。ここが気にしてる割合が4人に1人で高い。

    だから言ったでしょう、老人は頭がかたいから考えを変えないから老人を殺してしまえと。

    水島という似非保守を見ればよく分かるでしょう、利用出来るものなら誤魔化したり若者、女性、何でも利用するゴミみたいな精神性があるんよ。

    飯盛衆におばさん達を引き込んで、男の争いの中に女性を入れて怪我をさせる。危うく命まで奪うとこだったが、水島は必ず責任転嫁する。団塊は人を利用してなんとも思わないクズなんだよね。

    だから言ったじゃないですか、政治闘争の場に女性を引っ張りだしてくんなって。

    戻りますが、高齢者を除いて財政なんか気にしてない国民が多数なのに、何の運動をしてるの?

    何度も言ったじゃないですか、国民は国の借金とか気にしてない気にしてないと。

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  7. 利根川 より

     年末年始は政治系の番組は避けていたので大変心穏やかに過ごせました。あけましておめでとうございます。
     元日から藤井教授が朝まで生TVに出演していたそうで、流石に元旦から竹中さんや藻谷さんはきつすぎたので見ませんでしたが、相変わらず孤軍奮闘されているご様子。
     森永康平さんもこの間TVに出演して投資に解説をされているのを見かけました。最近はTVにも反緊縮派がでられるようになってきたんですね。
     反緊縮的意見を言うと仕事を干されるなんて言われている中、リスクを背負ってTVで発言してくれた田原総一朗さんや森永卓郎さん、森永康平さんのおかげかと思います。
     さて、

    「やる前から諦めたらダメだろ」

    とエールをいただいたので、わたしも諦めずに書いていこうかなと。
     

    「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」

    「日本の没落は国民が政府への依存心を強め自堕落な甘ったれになったせい」

    「日本の古い経営体質が悪い」

    「飲食店が悪い」←いまココ

     そろそろパターンが読めてきた人も増えてきたのではないかと思うので、この話をしてみようと思います。
     政治家・官僚、その事実上の下部機関であるTVメディアがこういったこと(「民間のやり方が悪い」というようなこと)を言い始めた時は、だいたい政府が何かしら”やらかしている”時です。
     
    「人のせいにするな、言い訳するな」

    こういったことを言われて育ってきた人も多いかと思うので何かうまくいかないことがあっても、その原因を他人のせいにするというのはカッコ悪く思えるかと思いますが、日本に限っては「だいたい政府のせい」です。”日本国民に限っては”何かあったら真っ先に政治家・官僚を疑う癖をつけた方がいいと思います。
     大東亜戦争(第二次世界大戦)の末期、日本の高官たちは国民に対して

    「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」

    とげきを飛ばしていたそうです。要は「勝てないのは国民のせいだ」と喚いていたわけですが、ご存知のように当時の国民は物資が足りない中、最大限工夫も努力もしていました。それなのになぜ負けてしまったのか。

    岸信介「ともかくもアメリカの資源および工業力のとてつもないスケールからいって、日本がこれと戦争するということは、国力の上から考えられないという気持ちでしたね」(岸信介証言録)

    そうですね、絶対勝てない作戦を押し付けられたら岸信介がどれだけ優秀でも現場がどれだけ努力と工夫を重ねても無理なものは無理なんですよ。
     詳しくは「日米開戦 陸軍の勝算ー秋丸機関の最終報告書 林千勝 祥伝社新書」を読んでいただきたいのですが、当時、日本とその同盟国であるドイツやイタリアは自前で戦闘機や戦艦を作るくらいの技術力はあったわけですが、そろいもそろって資源がありませんでした。特にガソリン(石油)がなかった。
     ドイツがどうしてソ連とバチバチやりあっていたのかというと、ソ連の油田が欲しかったというのも理由の一つにあったわけです。
     日本も欧米から禁輸措置をとられて深刻な石油不足に悩まされていました。
     現代と違ってEV車なんてない時代ですし、原発や液化天然ガス・水素エネルギー、そういった代替エネルギーもない時代でしたから石油が不足すると言うことは戦争どうこう以前に国民が飢えて死ぬことを意味していました。なので、どうにかして石油を手に入れる必要があったわけです。
     そこで、ドイツと共にソ連を東西から挟撃し、ドイツに油田をゲットしてもらって、ドイツにイギリスを攻めてもらえば日本に禁輸措置を課している国々の包囲を崩せるのではないかという作戦がでていました。この作戦に関しては、当時のイギリスの首相であるウィンストン・チャーチル首相が自身の手記に

    チャーチル首相「その作戦が実行されたら枢軸側が勝利するだろう」

    と書き残しているのだとか。ドイツは日本にこの作戦をやってほしかったようですが、ソ連の油田は日本側にはないので、これだと勝ったとしても石油が手に入るのは日本ではなくドイツだけということになります。
     そして、もう一つ提案されていた作戦が、東南アジアの油田をゲットしに行こうと言うものでした。これについては天皇陛下も「アメリカと戦争にならないのであればOK」と認め印もでていたそうです。
     ところが、日本が向かった先は西でも南でもなく東でした。太平洋に向かって爆進してしまったわけです。ハワイ方面に向かっていったところで、あちらには資源も油もないわけで、アメリカを怒らせるというリスクしかなかったわけですが、なぜかこれをやってしまった。わけワカメである。

    山本五十六連合艦隊司令長官
    「米国海軍及米国民をして救う可からざる程度に其の士気を喪失せしむること是なり」
    (昭和16年1月7日付け及川海相宛書簡「戦備に関する意見」より抜粋)

    要は「アメリカの連中なんぞ一発かましてやれば戦意喪失すっから」などと甘い考えで戦争が開始された可能性があるということですね。当時の陸軍情報機関である「秋丸機関」の調べによると

    秋丸機関「日本の経済力(生産能力)を1とすると英米合わせて向こうの経済力は20」

    五分五分とは言わないまでも4対6くらいであるならまだ工夫や努力が生きる余地もあったかもしれませんが1対20て…それ努力とか工夫でどうにかなるレベルの差じゃないでしょ。
     というわけで、どうして第二次大戦で日本が勝てなかったのかというと、国民の努力が足りなかったのではなく、当時の日本政府が絶対勝てない作戦を実行していたからです。つまり、政府のせい。
     しいて言うなら、国民がしていたのは努力のための努力であって、勝利のための努力ではなかったということでしょうか。勝利のための努力というのは大本営に対して「勝てる作戦をよこせ」と突き上げをくらわすことですが、おおむね保身に走ったといったところでしょうね。

     次、オイルショック。以前、佐藤健志さんがお話していた内容の紹介になります。
     
    ”消費税増税の原点は1975年にまでさかのぼってみる必要あり”

     当時、高度経済成長期で日本経済はめざましい成長をとげていましたが、第一次石油危機によってその経済成長にも陰りが見られるようになっていました。1974年のGNPは戦後初のマイナスを記録しています。そんな中、グループ1984という学者集団が「日本の自殺」という論文を発表しました。この論文は、

    1)戦後日本の平等志向
    2)それに起因する福祉国家志向
    3)高度成長による豊かさ

    が、日本社会に悪影響を与えていると断じました。要は、彼ら学者達は日本国民が甘ったれだから日本はダメになったんだと言っていたわけです。だから、そんな甘ったれな国民を躾けしてやるべく消費税を導入しろという話になっわたけですね。因みに、このグループ1984のメンバーは大平内閣・中曽根内閣のブレーンとして名を連ねることになります。
     まあ、今更いうまでもありませんが、オイルショックの原因は日本政府のエネルギー政策の失敗によるものです。
     当たり前ですが、基幹エネルギーを石油だけに頼ってたら石油が入ってこなくなっただけで即アウトになってしまいますから、そりゃあマズイですよね。
     まあ、当時の官僚や政治家もマズいと思ったから原発をはじめとする他の発電方式も取り入れるべきだという話になったんでしょうし、石油にしてもどこか一国から買い付けるのではなく、色んな所から仕入れるようにしてリスクを分散するようにすべきという話も出ていました。
     安倍内閣も日本のエネルギー政策について「ベストミックス」を目指すと発言していたので期待していたのですが…

    ベストミックスって中国企業含めた外資も発電事業に参加させようって、そういうミックスだったの?

    ということでしてね、保守とはいったい何なのかと。
     話はそれましたが、オイルショックによる経済被害は別に国民が甘ったれだったからではなくエネルギー政策の脆弱性が招いたことでした。要は政府のせい。
     
     更に、バブル崩壊。
     バブル崩壊後、橋本龍太郎内閣が六大改革などと言ってインフレ対策をした結果、みごとにデフレ化したわけですが、当時のTVメディアの論調は

    TV「日本式の古い経営体質が招いたことだ」

    と、まるで民間企業の経営者が無能だったから日本経済はダメになったんだという論調でした。
     まず、バブルが発生したのもバブルが崩壊したのも民間企業のせいではなく、アメリカの要求にしたがって日銀が金融引き締めをすべきときにしなかったせいです。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <バブル発生~崩壊の経緯>

    1、大韓航空撃墜事件発生

    2、ソ連の軍事的脅威にさらされた日本はアメリカに守って頂くことを決意

    3、アメリカにまもってもらうかわりにアメリカの経済的要求を丸吞み。プラザ合意。これにより円高不況に陥る

    4、1986年1月~1987年2月までの間、日銀は公定歩合を計五回、2.5%までに引き下げて景気対策をした

    5、1987年春ごろから景気が回復し”資産価値の上昇”が顕著になったため金融引き締めを計画

    6、1987年5月の日米首脳会談でアメリカは日本に金利の引き下げを要求。日銀は金融引き締めをどころか短期市場金利はさらに引き下げられた

    7、日銀は1987年8月から短期市場金利を高くしようと画策するもアメリカの株価暴落(ブラックマンデー)で中断を余儀なくされる

    8、1988年1月の日米首脳会談においてもアメリカから「短期金利低めにせよ」とのお達しがくる。金融引き締めができない状況が続く

    9、日銀はアメリカからの圧力で金融引き締めの機会を再三失う

    10、金融引き締めが行われずに金を借りやすい状況が続いたため、金が”実体経済ではなく”土地や株といった金融商品に向かい資産バブルが起きる

    11、1989年5月まで約2年3ヶ月にわたって続いた「歴史的低金利」による「資産バブル」がついに崩壊する

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
     
    バブル崩壊後、収入が減ってしまった国民は財布の紐が固くなりました。国民はお金を使えなくなってしまった。そこに、橋本龍太郎総理が六大改革といって「政府も節約しよう(インフレ対策)」とやったわけです。

    一般家庭「バブル崩壊で収入減ったのでお金使えません」

    企業「バブル崩壊で借金返さんといかんのでお金使えません」

    政府「構造改革です。お金使いません」

    そして(お金を使う人間が)誰もいなくなった。そりゃあ、景気も悪くなるってもんですよ。だって誰もお金を使わない社会って、それもう資本主義じゃなくなっちゃってるじゃないですか(爆笑)
     もうお分かりだと思いますが、あの時やるべきだったのは政府が大々的に財政出動をして民間が減らしてしまった消費を穴埋めすることでした。しかし、政府は支出を増やすどころか減らそうとしたという。
     1998年から日本の経済はまったく成長しなくなってしまいましたが、その間、企業側は社内改革だとかイノベーションだとか懸命に自己改革を進めてきました。しかし、ご存知のようにやればやるほど酷いことになっていくと(資本金10億円以上の上場企業の売り上げはここ10年横ばいである)
     当たり前ですよ、悪いのは企業経営ではなく政治ですから。
     日本が経済成長しない主たる理由が政治(緊縮増税政策)にあるのに、そこを変えないで企業側ばっかりコチョコチョいじくった所で悪化こそすれ改善なんてするわけがない。企業経営者はここ20年、努力のための努力を続けてきたということです。
     悪いのは政治なのに「民間の努力が足りん」と御用学者をTVにだしては言っていたわけですね。
     もし、勝利のための努力を目指すのであれば、いますぐ財務官僚を吊るし上げないといけないわけですが、財務官僚に逆らうとやばいネタをリークされて政治家生命を絶たれてしまうので政治家は保身に走る、と。
     安倍総理は、当時、内閣官房長官参与であった藤井聡教授から「絶対に消費税はあげるなよ」と口を酸っぱくして言われていたので2回、消費税増税を延期しましたが

    ・森友問題をリークされる(口利きをした相手

    それでも消費税増税に消極的だったので

    ・嘉慶問題もリークされる(親友のネタ

    さらに、なお財務省に非協力的だったので

    ・桜を見る会の話もリークされる(安倍事務所本丸のネタ

    そして、戦後初、ひとつの政権で二度も増税を達成してしまったわけですね。わたしも安倍総理の立場なら保身に走ったかと思います。失業は嫌ですもんね。
     
    「俺は保身に走ったりしない」

    とイキってる人もいるかもしれませんが、それはそういった経験をしたことがないから言えるんだと思いますよ。普通の人、ましてや家族がいる人なら自分を優先するのが普通だと思います。だから、民営化された簡保職員は痴ほう症の老人に二重三重に要らない保険の契約とかさせちゃうんでしょうしね。普通の人(凡人)を政治家の椅子に座らせたらダメってことです。
     因みに、本当に保身に走らないすごい政治家もいることは居ます。
     前衆議院議員の安藤裕さんがソレですね。
     安藤裕さんといえば、一昨年の3月、すぐにでも粗利保障を出す準備をすべきだと自民党本部に提言書を提出した人物です。まあ、自民党はこの提言書を受け取ってすぐにゴミ箱に放り投げたようですが…
     それならばと、せめて減税をやってくれと甘利議員に突撃するも

    甘利議員「俺が消費税増税のためにどれだけ苦労したか分かってんのか」

    と恫喝され、取り付く島もないありさまだったという。
     そして、2021年の衆議院選挙。安藤裕議員は公認を貰えないことになり、失職。一方で甘利議員は比例当選を果たしている。
     まあ、安藤裕さんは当時、対人トラブルを抱えていたそうですが、オリンピック・パラリンピックで障害者いじめをしていた関係者を起用し、本人が辞職を申し出るまで続投させようとしていた政党が対人トラブル程度で公認を取り消すものなのでしょうか。
     安藤裕さんは最後までデフレ下で緊縮増税はすべきではないという意見を翻さなかったし、今でも反緊縮派の論客として活躍されています。こういう人っているんだなと政治家を見る目が少しだけ和らいだ瞬間でした。
     よく、したり顔で

    「何もせぬ人、正しい人」

    などと言っている人を見かけますが、正しいことをやったり言ったりすると「何もできない状況に追い込まれちゃうんですよね(苦笑い)」センメルヴェイスしかり赤城さんしかり(赤城ファイル参照)
     話はそれましたが、バブルが発生したのもバブルが崩壊したのも、その後、長いことまったく経済成長していないのも「日本型の古い経営体質」とやらのせいではなく、政治家と財務官僚がアホなことやってる(デフレの時にデフレ促進策をやる)からです。
     
     ラスト、コロナ禍。
     このコロナ禍で、当初、TVは飲食店叩きを一生懸命やっていました。

    小池百合子都知事「都の要請に従わない店舗は名前を公表してマスメディアに曝し上げます」

    覚えている人も多いのではないでしょうか。まあ、当たり前ですが、(事業規模に見合った)補償は出さんけど休業要請には従えなどと無茶苦茶いわれても普通は従えないでしょう。ことは自分の店だけの話ではありませんしね。自分の店舗が休業してしまえば従業員の生活もままならなくなるし、店に素材を卸している一次産業の業者にも迷惑がかかる。簡単な決断ではなかったと思います。
     今回は、TV関係者も困窮している人が多かったらしく、TV報道のやり方に対して身内からも批判が出たそうで飲食店叩きも徐々に和らいでいったようですが…
     要は、

    政治家「俺たちの政策が悪いんじゃねえ、勝手に営業をする飲食店が悪いんだ」

    という話にもっていって批判をかわしたかったんでしょうけども、今回はそれがうまくいかなかったケースになりますね。
     そもそも、鈴木内閣のころから「増税なき財政再建」をうたって「日本の医師数は多すぎる」と嘘までついて医師数を低く抑えようとしたり、国公立病院の数を減らしてみたり

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    <日本の公立病院(国・公的医療機関)の推移 出典:統計局>

           国    公的医療機関       
    1999年 370   1368

    2002年 336   1377

    2005年 294   1362

    2008年 276   1320

    2011年 274   1258

    2014年 329   1231

    2017年 327   1211

    2018年 324   1207

    2019年 322   1202
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    感染症病床の数を無駄削減といって削ってみたり

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    1998年には9060床あった感染症病床が、コロナ禍が起きる直近では1869床にまで減らされていた。

    日本医療労働組合連合会の森田進書記長
    「本来なら、感染症病床というのは国がきちんと整備しておくべきだと我々は言い続けてきた。ベッドが減少したところでこういう事態になった」
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    保健所の数を減らしてみたり

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    日本国内の保健所数(合計 情報ソース:全国保健所長会)

    1996年 全国に800以上存在

    1997年 全国に700に削減

    2019年 全国に500以下
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    これだけオウンゴールをぶち込んでおいて、いざ緊急事態がおきて対応できなくなると「飲食店が悪い」「補償は出さんが休業しろ」とバンザイ特攻を押し付けてくるわけだ。
     当たり前ですが、このコロナ禍が終息したとしても今後永遠にパンデミックが起きないわけではありません。というか、サーズ・マーズもそうでしたが、10年に1回くらいはパンデミックの危機は起こるなどと言われているのだから常に備えを怠らないことは国防の意味でも重要なことです。中国がワクチンを先に開発して日本やアメリカの兵隊がまだゴホゴホやってたら話にならんでしょ。
     備えるためには緊縮政策なんぞやっている場合ではないんですよね。
     こんなことを言うと

    「そうは言っても財政出動って俺たちの税金から出るんでしょ」

    と、お決まりのセリフを言う人がかならず出てくるわけですが、俺達の税金って何税のことですか?消費税?法人税?所得税?どれのこと言ってるの?
     

    税収には種類がある(バーン!)

    ・一般会計
    ・特別会計

    一般会計というのは消費税とか法人税とか所得税のことですね。これらは財務省の管轄で

    財務省「消費税を10%に増税したら、その増収分は100%社会保障に使います」

    などと言って増税しますが、実際には増収分の2割程度しか社会保障には使われませんでした。山本太郎議員の『伝説の質疑』でこのことが暴露されています。TVは全チャンネルがこの国会中継をスルーしました(苦笑い)
    つまり、「参考書買うからお金ちょ~だい♡」などと言ってお金を貰っておいてカラオケに使っちゃう悪い子ちゃんと何も変わらんことができてしまうのが一般会計。
     特別会計というのは昔で言う所の「ガソリン税」ですね。ガソリン税は昔は国土交通省の管轄で、ガソリン税で徴収した分の予算は道路や橋などのインフラ整備関連のみにしか使えない、特定の目的にしか使えない税になります。
     なので、「この道路は俺たちの税金で出来てる」というのは昔であれば「そ~ですね」と言えたわけですが、いまはガソリン税は一般会計に変更されて管轄も財務省になったので違うと言うことですね。
     政治家が

    政治家「〇〇のために増税は必要なんです」

    とか言いだしたら、是非とも「じゃあ、その税は特別会計扱いの税に変更して財務省の管轄から離してください」と言ってやってください(ニタニタ
     因みに、日本政府は年度初め…というかその年の12月までにお金の支払いを済ませています(予算の執行を済ませている)そして、税金を徴収するのは翌年の3月末ですね。お分かりいただけるだろうか。お金を集金する前にお金の支払いをやっているわけですよ。

    「集金前に支払いって…その支払ったお金はどっから持ってきたんだ?」

    そんな疑問がわいた方もいらっしゃると思います。一般個人であれば働いてお金を得てからじゃないと支払いはできませんからね。お金を得る前に支払いってどんな錬金術だよって話です。実は、日本政府とその子会社の日銀は日本円を作っている張本人なんですね~、知ってました?日本円(国債)を発行して支払いを済ませているってことです。そうすると、

    「税収なんて無くても日本政府は支払いが可能だというのなら、どうして我々は税金とられてるんだ」

    ってなりますよね。当たり前の疑問だと思います。どうして我々が税金をとられているのかというと大きなところでは

    ”日本円に価値を持たせるため”

    なんですよ。 日本で収入を得ている限り日本政府に税金を納めなくてはならない。日本政府はドルでもポンドでもなく円でしか税金を受け取ってくれないから日本円を手に入れる必要が出てくる。だから日本円に価値が出る、というわけですね。税金って何かの財源にするために徴収しているわけじゃないんですよ。
     もう一つは「減らしたいものに税をかけている」というのがあります。
     たばこ税はタバコを吸う人を減らしたいからかけている税、炭素税はCO2排出を減らすための税、所得税・法人税は格差を少なくするための税。特に所得税・法人税は重要で格差が拡大してしまうとアメリカのように連邦議会の窓をカチ割られてあわや民主主義の危機なんてことになりかねませんので、沢山稼ぐ奴からは沢山税金を取るというのは民主制を維持するための人工呼吸器として重要な制度だと思います。
     
    「沢山稼いだ奴は他の奴より努力して稼いでいるのに、他の奴より沢山税金をとられてしまうのは不公平だ」

    そういう意見もあるかもしれませんが、ぶっちゃけ、稼ぎの大小に努力は関係ありませんよ。
     例えば、薄口評論家として名をはせている杉村太蔵先生ですが、彼は年収数千万を稼ぎ出すほどの売れっ子タレントなのだそうです。じゃあ、何千万も稼ぎ出す彼が自衛隊員のような超絶な努力を毎日毎日しているのかというとそうではないと思います。
     自衛隊も軍隊なので厳しいのは仕方がないところはあると思いますが、自衛隊員も上の方ならともかく、ほとんどは年収600万は超えないそうですし、定年も54~からと早く、ある程度まとまった退職金を貰ってもそのくらいの年だとまだお子さんが学生だったりするケースもあり、再就職しないと生活が厳しいのだそうで…。腹ペコ軍隊とかなかなか笑えない話ですね~。
     杉村太蔵先生が努力をしていないとは言いませんが、じゃあ、自衛隊員ほど努力してるのかと問えばご本人も「努力の種類は違うけど、そこまでの努力はしてないかな」と答えると思いますよ。
     稼ぎの大小に努力は関係ない。無論、努力して稼いでいるって人もいるんでしょうけど、努力しないで稼いでいる人もいるのです。
     で、お金を持ってる人の意見だけが政治に反映されるようになると連邦議会の窓がカチ割られちゃうわけだ(苦笑い

    ウィリアム・ラゾニック「株式市場が企業に資金を供給しているのではなく、企業が株式市場に資金を供給しているのだ。株式市場は『価値の抜き取り』制度である」

     どうして「価値の抜き取り」ができちゃうのかというと、お金を持っている人の意見だけが政治に反映されるようになっちゃったからですね。格差の是正、大事よ。
     話が飛びましたが、今回のコロナ禍でバンザイ特攻をやらされたのは飲食店をはじめとする対人サービス業の方達でしたが、次にやらされるのは自分かもしれないということは考えておいた方がいいと思います。
     自分がバンザイ特攻をやらされる段になってから「嫌だ」といってもどっちにしろそんな状況では「囲んで棒で叩かれて」殺されるのがオチですから、今の内から選挙にはしっかり行っておいた方がいいと思いますよ。普通の人を政治家の椅子に座らせてはいけない。
     ここまでの話で分かったと思いますが、日本の苦境はだいたいが「民間の努力が足りないせい」ではなく「政治」のせいなんですね。
     政治家や評論家、TV関係者、そういった椅子に座ってる輩が「努力が足りない」とか「日本式のやりかたが悪い」とか「日本企業の経営者はアニマルスピリットがない」とかそういったアホっぽいことを言い始めたら、それは連中がなにかしらやらかした時です。気まずくなると威張りだすのは麻生太郎に限った話じゃないんですよ。是非ともそれだけは覚えておいてもらいたい。
     
     日本人は政治の話が嫌いです。私が蛇蝎のごとく嫌われているのは私がクズだからですが、クズなど世の中にはいて捨てるほどいます。そのクズの中でも特別嫌われているのは私が日本人の大嫌いな政治の話をするクズだからですね。
     なぜ政治の話が嫌いなのか。

    政治の話と野球の話はうかつにすると喧嘩になるから

    日本人は好き好んでトラブルに巻き込まれたいと思うような人は少ないようで、なるべく良好な人間関係を心掛ける傾向にあるようです。詳しくは「本当に日本人は流されやすいのか 施晃恒 角川新書」をご覧ください。
     相手がどういった政治ポリシーを持っているのか、どこのチームのファンなのか、そういった事前知識かない状態でうかつに話をすると喧嘩になりますからね(苦笑い
     
    「民主制の国で政治の話がタブーって…それ民主制できなくない?」

    そう思った方も居るかもしれませんが、実際、政治の話なんておおっぴらにするような場所なんてありませんしね。「話す機会が無い」そういった方も多いのではないでしょうか。私もその口です。
     私もこの書き込みが新年初の書き込みですが、ツイッターやSNSもやってないので政治の話に触れる機会はここだけですね。スマホやらタブレットやら世は色々便利になっていきますが、使う方が追い付いていけないという(苦笑い
     渋沢栄一というと近代資本主義の父というイメージが強くあると思いますが、

    「『真の個人主義』とは、あらゆる中間組織(漁協・農協などの職業組合のこと)の制約から解放されることではなく、その反対に、中間組織に帰属することでかえって実現できるのだ」

    として中間組織を非常に重要なものだととらえていたそうです。詳しくは「日本経済学新論 中野剛志 ちくま新書」をご覧ください。
     まあ、ぶっちゃけ、同じ職業だと同じようなところでつまずいたり、同じような要望を抱えたりしているので、全然知らない人と政治や野球の話をするよりは喧嘩せずに話ができるって具合ですね。農協漁協のおっちゃんが酒飲んでくだ巻いてるのも全く意味のないことではなかったわけだ。(個人的には超苦手ですが)
     政治家にしても、たかだか700人程度しか居ない国会議員で1億2000万人の国民の声を一人一人聞けと言われたら

    政治家「無茶いうな」

    って話になりますし、広く国民の要望を聞こうと思ったら中間組織で意見をまとめて政治家の耳に入れるってやり方が賢いのかもしれません。
     ところがどっこい、渋沢栄一ら先人たちが大事にしてきた中間組織を「既得権益の打破」とか言ってボロボロにしたおバカ達が居ましてね。

    「政治家は国民の声を聞いていない」

    とかTVのコメンテーター達が言っていますが、国民の声を届けるための中間組織をボロボロにする手助けをしたのはどこのどいつなのかと。ウーバーイーツとかウォルトとか個人事業主あつかいの低賃金労働者ばかりにして、みんなバラバラにしちまいやがって…。政治の話をするような場所が無いって、政治の話をする場である中間組織をボロボロにしちゃったんだから、そりゃあないだろうね。
     それでも最近は「これではいかん」と外食産業組合なんかもできたそうですし、少しは持ち直してきた感じはあります。
     最近、ダイズゴーン(PS4ソフト)やラストオブアス(PS4ソフト)といった終末世界を題材にしたゲームや絵を好んでみるようになってきました。
     まあ、だいたいがそういった終末世界は「未知のウイルスで人間がクリーチャーに」とか「未知の菌で人間がキノコ人間に」といった感じで、なにか特別な事件があった結果、社会が崩壊して徐々に原野に帰っていく世界を描いているわけですが、日本の場合は別段特別な事件もないのに徐々に原野に帰っていってますからね(苦笑い
     アジアの他の国々は道路がなかった所に道路ができて、鉄道がなかった所に鉄道がとおり、小さな民家しかなかった所にビルが立ち並ぶようになっているわけです。
     
    日本ですか?

    道路があった所は徐々に原野に帰り、鉄道が敷かれていたところは廃線になる。橋は落ち、バスも通らなくなり、徐々に原野に帰っていっている。日本の政治家・官僚の質の低さがうかがえる。
     上がアレだと下がどれだけ努力してもジリ貧になるといういい例たと思いますよ。
     努力のための努力ではなく、勝利のための努力をしようというのであれば、変えるべきは個人でも企業でもなく政治ということになります。

    「言葉で人を変えようとするのカッコ悪い」

    わかるよ、カッコ悪い。でも、そのカッコ悪いことをやらないとダメなんですよね。じゃないと、アメリカよろしく国会議事堂の窓をカチ割るしかなくなっちゃうからね。
     私も香港人であれば、こんな回りくどいことせずに中国当局が送り込んでくる制圧部隊に発煙筒でも投げ込んでいることと思いますが、香港人にしてもやりたくてやってたわけじゃないでしょう。まともな選挙が行われない国だから仕方なくああいった手段に出るしかなかったわけでね。
     日本はきちんとした選挙が行われる国なのだから、言葉で何とかしないとダメなんですよ。
     そんなこと無理だとやる前から諦めてしまう人もいるのかもしれませんが、アメリカはバイデン政権になって急速に政策転換がはかられています。
     アメリカの歴代政権は金融屋達の言いなりでした。財務長官は全てウォール街の人間を選んできました。「癒着!」

    ・クリントン政権はゴールドマンサックスのロバート・ルービン

    ・ブッシュ政権はゴールドマンサックスのヘンリー・ポールソン

    ・オバマ政権はシティグループのジェイコブ・ルー

    ・トランプ政権はゴールドマンサックスのスティーヴ・ムニューシン

    アメリカの財政政策はウォール街に乗っ取られていました。しかし、バイデン大統領が財務長官に任命したのは労働経済学者のジャネット・イエレンでした。他にも、ウォール街の権力に批判的な人物が要職についています。

    ・民主社会主義者を自認するバーニーサンダースは上院予算委員会の委員長に

    ・左派のエリザベス・ウォーレンは上院銀行委員会に

    ・ウォーレンの盟友であるゲーリー・ゲンスラーは証券取引委員会の委員長

    になっている。
     アメリカは変わることができた。日本もできるはずです。というか、金融階級の政治的支配を打破しなければ金融化を是正することはできないし、金融化を是正できなければ長期停滞から脱出することはできない。長期停滞から脱することができなければ我々は専制国家である中国に飲み込まれるしかないってことです。
     日本もアダム・トゥーズさんに「民主的勝利」って言ってもらいたいですね。詳しくは「変異する資本主義 中野剛志 ダイヤモンド社」をご覧ください。
     

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