政治

日本経済

2020年10月19日

【三橋貴明】経済政策ゆえに亡ぶ

【今週のNewsピックアップ】

もちろん、次は、あなたの番ですよ
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12631400104.html

構造改革の「大三元」内閣
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12631604412.html

自民党の城内実衆議院議員が、
三橋TVに出演して下さいました。

城内先生といえば、かの郵政民営化の際に、
「国民の郵便サービス」を守るために
小泉首相や党中央に逆らい、
除名勧告という形で自民党から
(事実上)追放された国会議員です。

郵政選挙の際には、
片山さつきという「刺客」を送られ、落選。

その後、不死鳥のごとく復活。

皮肉なことに、次第に選挙に
「強く」なっていき、
現在は自民党に復党され、

「日本の印章制度・文化を守る議員連盟」
の会長代理に就任されています。

改めて考えてみると、
そもそも郵政民営化の目的は何だったのでしょうか。

無論、グローバリズムにとって
様々なメリットがあったのでしょうが、
一つ「これは絶対に確実」という
スキームを紹介しておきます。

2007年10月1日に
日本郵政公社が解散され、
持ち株会社の「日本郵政」の下に
「日本郵便」「かんぽ生命」「ゆうちょ銀行」
という子会社がぶら下がる形になりました。

三つの子会社のうち、
日本郵便は「絶対に赤字になる」事業です。

というか、黒字になられると、我々が困る。

日本の隅々にまで、あまねく郵便サービスを
「安価」に提供しようとすると、
赤字にならざるを得ません。

強引に黒字化を目指すならば、
「郵便料金を大幅に引き上げる」
「僻地への配達を停止する」
といった措置を採る必要があります。

いずれにせよ、国民の利便性は
大いに損なわれる。

(※日本郵便は国内でユニバーサルに
 郵便サービスを提供することを
 法律で義務付けられています)

もともと、三つの子会社が一体だった時期には、
「郵便事業の赤字を、簡保や郵便貯金の
 利益でカバーする」構造になっていました。

思い出すのが、国鉄の分割民営化です。

現在のJR北海道やJR四国で
鉄道サービスを提供すると、
まず赤字になります。

だからこそ、国鉄は「全国ネットワーク」で
鉄道サービスを提供し、儲かる路線
(東海道線、山手線など)からの収益で、
赤字地域をカバーしていたわけです。

農協もそうです。

多くの農協は、販売・購買事業が赤字です。

販売・購買事業で黒字を目指されると、
「農家は農産物を買い叩かれ、
 肥料や農薬を高く買わされる」
ことになり、肝心の組合員である農家が困ります。

というわけで、農協は販売・購買事業の赤字を、
JA共済や農林中金の事業の利益で
カバーする構造になっているのです。

郵政、国鉄、農協。

これらの公共サービスに対する
グローバリズムの攻撃は、
全てスキームが同じです。

公共・公益事業であることを無視し、
「利益の出る事業から、
 利益が出ない事業を切り離し、
 最終的には利益が出る事業に出資した株主たちが儲かる」

構造に持ち込む。

もっとも、この手のスキームは地域の衰退と、
東京一極集中を加速します。

何しろ、鉄道が廃線になり、
郵便局や農協が無くなった地域からは、
住民は逃げ出さざるを得ません。

つまりは、緊縮財政や公共投資の
「選択と集中」のみならず、
グローバリズムによる各種の
「構造改革」もまた、必然的に
東京一極集中を推進するのです。

そして、東京一極集中は
日本人の婚姻率を引き下げ、
少子化の背中を押す。

菅アトキンソン内閣も、
間違いなく同じ路線を突き進むでしょう。

緊縮財政も、各種の構造改革も、
全ては「日本人消滅」というゴールへ向かっている。

この恐るべき現実に、
日本国民はいい加減に気が付かなければなりません。

このままでは、我々は経済政策ゆえに亡びます。

◆一般参加可能な講演会のお知らせ

 令和2年10月25日(日) 
 saya x ハーモニカ 配信ライブ
 https://in.saya-ohgi.jp/sy201025live_38tv

 令和2年11月12日(木)
 「今こそ奮起の時!豊かになるために
 一人ひとりがやるべきこと」(※オンライン講演会)
 http://fc92840520172604.web1.blks.jp/

◆「日本をダメにした財務省と
 経団連の欺瞞(小学館)」が刊行になりました。
 https://amzn.to/38q1LPW

◆「自民党の消滅(ベストセラーズ)」
 (書籍版)が刊行になりました。
 https://amzn.to/3dEIFqS

◆週刊実話 連載
 「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 
 第389回 デフレ期にはデフレ対策を

◆メルマガ 週刊三橋貴明
 Vol595 内閣府と日銀の需給ギャップは
 なぜ乖離したのか
 http://www.mag2.com/m/P0007991.html
 
 恐ろしくマニアックですが、
 内閣府と日銀のデフレギャップ
 (需給ギャップのマイナス)に
 開きがあるのはなぜなのか、について解説しました。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

我々は福沢諭吉を愛しすぎている 
世界で最もマニアックな貨幣の話
[三橋TV第300回] 三橋貴明・saya
https://youtu.be/ieQdiBChV-M

300回超えたので、
とんでもないゲストをお呼びしたよ!
[三橋TV第301回] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/edK2aACm3FU

伊原剛志さんと、貨幣、財政破綻論、
財務省についてトークした
[三橋TV第302回] 三橋貴明・伊原剛志・高家望愛
https://youtu.be/-6dx9gRJ8TM

特別コンテンツ、続々配信。

【緊急配信】
今、話題の「ハンコ利権、ハンコ族議員」
城内実議員、登場!
[三橋TV特別編] 三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/1nc6Q45aZfk

大阪が東京都のようになるという幻想
(藤井聡×室伏謙一)
https://youtu.be/qSmnQGZvAKU

二重行政を解消で三重行政になるカラクリ
(藤井聡×室伏謙一)
https://youtu.be/6P-0EcftIrI

二重行政解消で大阪市が滅ぶワケ
(藤井聡×室伏謙一)
https://youtu.be/7SFAONnhMXg

10月19日(月) 
チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651

◆三橋経済塾

10月17日(土) 
三橋経済塾第九期 
第十回対面講義を大阪で開催しました。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75

ゲスト講師は佐藤健志先生でした。
インターネット受講の皆様は、しばらくお待ちください。

※ご入塾は以下から。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません

関連記事

政治

日本経済

【佐藤健志】前衛の最大の危機とは

政治

日本経済

【三橋貴明】移民問題の「目的」

政治

日本経済

【saya】竹中平蔵氏の最先端都市スーパーシティ~企業が国家を経営する日

政治

日本経済

【三橋貴明】移民政策のトリレンマ

政治

日本経済

【施 光恒】グローバル化は中世化

【三橋貴明】経済政策ゆえに亡ぶへの2件のコメント

  1. コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  2. 大和魂 より

    先日の三橋TVで初めて城内実先生のお人柄を拝見した感想は、とにかく実直な方のオーラが放たれていて淡々とお話をされる姿は実に知的さを感じ受けました。ちなみにわたくしの地元の愚かな議員連中が束になっても足下にも及ばない素敵な先生だと実感しました。さて本題については経済政策は元より日本社会のさまざまな諸問題に於いてもその基本は同じで【学力】なのです。それで特に話題の大阪市廃止構想も全国最低の学力を示しているわけで、その状況で選挙を行う自体が自殺行為のナンセンスだと気づくべきなのです。そうすれば大阪府民がかかえる東京に抱くコンプレックスが解消されればルサンチマンが減少され東京とのライバル意識がやがて変化し社会問題も落ち着きます。そう考えると維新の会が画策した【改革】と称した都構想を十年かけてやったプロパガンダが如何にバカげていた茶番かと気づきますよね!ならば大阪市民の住民投票は反対しかあり得ない結論に辿りつきます。そして大阪府民の皆さんには維新の会の連中とその背後にいる竹中平蔵やら上山信一などを追放して希望の持てる明るい社会を実現してください!!

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

最新記事

  1. 日本経済

    【室伏謙一】「金融緩和悪玉論」を信じると自分達の首を絞...

  2. 日本経済

    【三橋貴明】聖徳太子の英雄物語

  3. 日本経済

    【三橋貴明】政府債務対GDP比率と財政破綻は関係がない

  4. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】『2023年度 国土強靱化定量的脆弱性評価・...

  5. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】【3月14日に土木学会で記者会見】首都直下地...

  6. 日本経済

    【三橋貴明】無知で間違っている働き者は度し難い

  7. 日本経済

    【三橋貴明】PBと財政破綻は何の関係もない

  8. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】【岸田総裁の政倫審出席はむしろ有害】岸田氏の...

  9. 未分類

    【竹村公太郎】流域共同体の誕生、崩壊そして再生 ―新...

  10. 日本経済

    【室伏謙一】財務省が金融引締め、そして緊縮増税へ向けた...

MORE

タグクラウド