【今週のNewsピックアップ】
負債で資産を買う? かくも奥深き貨幣の世界よ
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12617938563.html
誰も抗えない法則
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12618185728.html
昨日の続きですが、
日本銀行は量的緩和政策の一環として、
上場投資信託(ETF)を買っています。
日銀がETFを買う資金が
「どこから調達されているのか?」といえば、
単に数字を動かしているだけです。
具体的には、
1.日本銀行が「自分の資産であり、
負債である日銀当座預金」を無から創出する
2.日銀がETFと引き換えに、
自らの資産としての日銀当座預金を、
証券会社の日銀当座預金口座に移す
となりますが、実際の作業としては、
帳簿の数字を増やしたり消したりするだけです。
最終的に、日銀と証券会社のバランスシートは、
【日銀のバランスシート】
借方 貸方
ETF 日銀当座預金
【証券会社のバランスシート】
借方 貸方
日銀当座預金 -
となります。
証券会社では、「ETF」が
「日銀当座預金」に入れ替わるので、
「証券会社が、ETFを日本銀行に売った」
と表現しても、差支えがないでしょう。
いわゆる売買とは、「資産と資産の交換」になります。
それに対し、日本銀行は、
「自らの負債である日銀当座預金
という貨幣を発行し、ETFを買った」
となり、「負債で資産を買っている」印象になります。
実際には日銀当座預金という
資産=負債を無から生み出し、
資産部分とETFを交換しているのですが、この、
「自らの負債を増やし、資産を手に入れる」
行為、要するに貨幣発行ですが、
このプロセスを端的に言い表す言葉が
見つからないのでございますよ。
よくよく考えてみると、
我々が銀行ローンを組む場合は、
「我々は自らの負債である借用証書で、
銀行預金を買った」
国債発行は、
「日本政府が自らの負債である国債を発行し、
日銀当座預金を買った」
と表現することも可能です。
我々はこれほどまでに日常的に
「貨幣」を使っているにも関わらず、
貨幣発行に関する語彙が不足している。
不思議です。
商品貨幣論という誤った貨幣観の蔓延により、
人類が「貨幣発行の方法」など気にせず
に歴史を積み重ねたためなのでしょうか。
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安倍政権の大嘘、
財政破綻が100%あり得ない理由 三橋貴明
https://youtu.be/u_SUxETlI1U
8月14日 チャンネル桜
「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】墓穴を掘った日本政府
~貨幣とPB黒字化目標の真実 /
戦後75年~戦中教科書に学ぶ、尚武の精神[桜R2/8/14]
https://youtu.be/hXAwpmMgDBg
【ch桜・別館】
ソロキャンプを奪われた三橋所長が○○オタクに![桜R2/8/14]
https://youtu.be/qRgO0WOgjeM
◆三橋経済塾
7月18日(土) 三橋経済塾第九期
第七回対面講義を開催いたしました。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師は、作家・古代史研究家
長浜浩明先生でした。
インターネット受講の皆様は少々お待ちくださいませ。
三橋経済塾ご入塾はこちらから。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
◆チャンネルAJER
「全ての歴史がイギリスから動く(前半)」三橋貴明 AJER2020.8.10
https://youtu.be/H4ADyJpYJek
【三橋貴明】続 語彙が足りないへの2件のコメント
2020年8月17日 5:49 PM
長年の商品貨幣論の悪弊のために、信用貨幣論による「貨幣発行→負債=資産創出のプロセス」を表す適切な語彙が見つからないのであれば、言葉を作ってしまう以外ないでしょうね。
どこまで人口に膾炙するかは、まさに商品貨幣論(≒金属主義)克服の言論努力にかかっているわけですが、同時に膾炙しやすい端的な熟語でなくてはなりませんね。
一つ考えてみたのですが、「創資」なんていかがですか。
・政府が創資した国債が市中に出回る。
・日銀が日銀当座預金によってETFを創資した。
・政府が国民一人当たりに10万円を給付するために、市中銀行に創資させた。
初めは誰もわからないでしょうが、とにかく意味を説明しながら、やたら使いまくる。そのうちひょっとして?
英語なら、たとえば【動】properiate 【名】properiation
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2020年8月19日 3:54 PM
「創資」!
素晴しい新語ですね。少なくとも小生は大賛成です。
三橋氏も言及されてましたが、新概念は、表意文字である漢字を駆使して、明治に行われたように、盛んに造語をすれば良いのです。
たまたま今回は、貨幣論に係る造語が問題になっていますが、小生は、以前より、コンピューター、インターネットなど、情報通信関係でも、横文字が蔓延って、サッパリ意味不明になっているのを苦々しく思ってきました。
最初にそれらの専門用語、技術用語を導入したのが理系の連中だったためか、ちゃんと日本語に転換せずに横文字をそのまま用語化したのではと憤ってました。
その後は「グローバルかぶれ」が傾向に拍車をかけて、高齢者は完全に置いてけぼり、行政用語にすら、こなれていない言語ママの表現が溢れ、国民に広く理解してもらおうという意図すら感じられません。
「停電」を「ブラックアウト」と呼ぶなど、最低と思います。最近の新型コロナ関係用語も酷いものです。
これは、教養と常識、同胞愛の衰退です。
正しい(現代)貨幣論を老弱男女、国民一般の基礎的教養とすべきならば、新語の創出は、誠に時宜の適った試みと賛同致します。
…ただ、細かい話ながら、
>・日銀が日銀当座預金によってETFを創資した。
は、精確には、
・日銀が日銀当座預金を創資してETFを購入した。
若しくは、
・日銀が日銀当座預金でETFに創資した。
となるのではないでしょうか。
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