日本経済

2020年4月27日

【三橋貴明】財政破綻論者を駆逐せよ(後編)

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】

国民を選別してはならない
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12591725881.html

土居丈朗と政府貨幣発行残高
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12591952917.html

昨日の続きです。

疫病と恐慌がダブルで
襲来したことを受け、
財政破綻論者は三派にわかれました。

1.とりあえず頭を低くし、
  将来のコロナ増税の実現を図る。

2.財政破綻論を理由に、
  国民の選別を言い出し、
  ルサンチマン・プロパガンダで
  自らの政治力強化を図る

3.財務省への忠誠心を示すため、
  現時点から財政破綻論を煽る。

  但し、過去のツイッターを消し、
  フォローのツイートをするなど、
  情報工作は忘れない。

2の代表は、こちら。

『橋下徹氏「公務員も議員も
 10万円給付受け取り禁止に」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200421-00000030-tospoweb-ent

 元大阪府知事で弁護士の
 橋下徹氏(50)が21日、
 自身のツイッターで、
 政府の10万円一律給付について
 怒りをあらわにした。

 橋下氏は
 「給料がびた一文減らない国会議員、
  地方議員、公務員は受け取り禁止!
  となぜルール化しないのか」と訴え、
 その上で「それでも受け取ったら
 詐欺にあたる、懲戒処分になると
 宣言すればいいだけなのに、
 これも各自に任せるという
 いつもの無責任政治。

 国会議員でも
 絶対受け取る奴はいるよ」

 と政府の方針に疑問を呈した。(後略)』

橋下氏のレトリックは、

「優遇された者からカネを奪い、
 恵まれない者に分配する」

となっているため、
一見、評判がいいのです(だから厄介)。

それはまあ、
「お前は格差拡大を推進するのか?」
と言われれば、
反発できない人が多数派でしょう。

とはいえ、橋下氏のレトリックは、

1.そもそも、国家は国民に
  ユニバーサルに接するべきで、
  属性によって選別してはならない
  (国民国家の原則です)

2.「優遇されている者、
  そうでない者」の線引きは、
  必ず神学論争になる
  (そもそも、公務員では無くても
  給料が一円も減っていない人は、
  他にも山ほどいますよ)

3.選別することで、
  「受け取れる層」と
  「受け取れない層」に国民が分断され、
  格差縮小政策に対する支持が失せる

特に「1」は重要で、
国家による国民の選別を認めることは、
「次の機会で、自分は選ばれず、
排除される側に回る」ことを
覚悟しなければなりません。

まさに、ナチスへの道です。

そもそも、
「政府に財政的な予算制約はない」
という事実を理解すれば、
この種のルサンチマン・プロパガンダは
効力を失います。

さて、3の代表。

正直、「人間の屑度」でいえば、
この人物が最高というか最悪。

『10万円一律給付の補正予算で、
 ワニの口は崩壊した
https://news.yahoo.co.jp/byline/takerodoi/20200421-00174484/

 4月20日に、
 1人当たり一律10万円の給付を
 盛り込んだ2020年度補正予算案が
 閣議決定された。

 4月7日に一度
 閣議決定していた予算案を、
 組み替えて閣議決定を
 し直すというのは
 極めて異例なことである。

 結局、4月7日の補正予算案で
 盛り込んでいた4兆0206億円もの
 生活支援臨時給付金(仮称)をやめて、
 特別定額給付金を
 12兆8803億円盛り込んだ。

 その結果、
 差し引きで8兆8597億円給付が増えた。

 それも合わせて補正予算の財源は、
 25.7兆円の国債増発で賄われた。 (後略)』

土居氏の記事の内容は、
いつもの財政破綻論なので
どうでもいいですが、
彼は今回、問題になっている
「病床の削減」という
緊縮財政を推進した人物なのです。

昨年の12月13日、
土居氏は読売新聞
「適正病床で医療費抑制
 ◇慶応大教授 土居丈朗氏」という、
病床削減を礼賛する
インタビュー記事に登場。

ツイッターで、
『土居丈朗 @takero_doi 12月13日
https://twitter.com/takero_doi/status/12056379967598100482019/12/13

読売新聞昨日の朝刊の
[論点スペシャル]公立・公的病院の
再編・統合に、
「適正病床で医療費抑制
 ◇慶応大教授 土居丈朗氏」
として、私のインタビュー記事が
掲載されました。

財政学の立場から、
地域医療構想とその後について言及。』

と、自らの緊縮路線を
誇っておきながら、
今回の事態を受け、
慌てて上記のツイートを削除。

それのみならず、
『土居丈朗 @takero_doi 4月9日
https://twitter.com/takero_doi/status/1247974947302989824

読売新聞昨年12月13日朝刊の
[論点スペシャル]「適正病床で医療費抑制
 ◇慶応大教授 土居丈朗氏」
の私のインタビュー記事。

誤読に注意。
削減だけでなく東京など都市部で
増床と再編を求めた
地域医療構想の推進を主張。

地域医療構想には
感染症病床は含まない
#医療従事者に感謝 https://bit.ly/TYK200406

と、「自分のせいで病床が
減っているわけではないんだよ」
という言い訳を、
しかも「 #医療従事者に感謝」という
ハッシュタグと共にツイート。

土居氏に限らず、
ここまで屑なのですよ。
彼らは。

今回の疫病と第二次世界恐慌を受け、
この種の「屑」たちを言論、
政治の世界から駆逐しなければなりません。

我が国には「言論の自由」がありますが、
別に「言論の責任を取らなくてもいい」
という話ではないのです。

◆「貨幣観」が正しい与野党の代表と
三橋が鼎談をしました。
是非とも、拡散してください。

【与野党緊急コラボ】
政府は自らの過ちを認めよ!
"全部コロナのせい"は真っ赤なウソ【第1回】
https://youtu.be/uA4SnZP6MY0

【与野党緊急コラボ】
10万円給付では不十分!
国民を守る「裏ワザ」とは【第2回】
https://youtu.be/sN2kAyzq3AU

【与野党緊急コラボ】
民放NG 財務省タブー
「財源がない」という大嘘【第3回】
https://youtu.be/jwBnBsSmAA4

◆週刊実話 連載
「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第367回 国民の敵と化した安倍内閣(前編)
なお、週刊実話の連載は、
以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol570 疫病と生産性
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
実は、疫病と生産性の向上、
実質賃金の上昇、
さらには技術発展は密接に関係があります。
誰も語らない「疫病と経済」
の関係について知って下さい。

◆メディア出演

三橋TV 続々とアップされています。

三橋TV第225回
【疫病と恐慌による日本文化の破壊 
 抗え!解決方法はある!】
https://youtu.be/1ERPJdTIHjE

三橋TV第226回
【疫病の人類史 
 日本国民が感染症に勝利するためには・・・】
https://youtu.be/2KzCkPX4vG0

三橋TV第227回
【なぜ安倍総理・
 麻生財相は国民の敵と化したのか?】
https://youtu.be/4OFZ2hRQC8A

新型コロナウイルス感染症関連の動画も、
続々とアップしています。

国の借金1100兆円の大嘘
|山本太郎×三橋貴明【総集編】
https://youtu.be/SdQ8ATGRtHw

政府は日銀が刷ったオカネで
徹底的に「休業補償」せよ!~今こそMMTを!
https://youtu.be/7ubWCyoeejw

「財政破綻するー!」を完全論破
 政府の赤字は国民の黒字
|MMT国際シンポジウム特別講演|三橋貴明
https://youtu.be/kFz1AWzwMsU

MMT(現代貨幣理論)が暴露した不都合な真実 
「財政破綻論」の社会科学|中野剛志
https://youtu.be/zKkUkdOFTdc

4月20日(月) 
チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。

1/2【Front Japan 桜】
政府の財政赤字が国民の財産を増やす /
気づいたら、パックス・チャイナ?[桜R2/4/20] https://youtu.be/PT5FQP3d3IA

5月1日(土)チャンネル桜
「日本よ、今…「闘論!倒論!討論!」」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1655

◆三橋経済塾

4月18日(土)
三橋経済塾第九期第四回
対面講義を配信いたしました。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1068
ゲスト講師は室伏謙一先生でした。
インターネット受講の皆様の皆様、
お待たせいたしました。

◆チャンネルAJER 
今週の更新はありません。

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【三橋貴明】財政破綻論者を駆逐せよ(後編)への3件のコメント

  1. 大和魂 より

    その最たる自治体が大阪。それで、とにかく京に敵意を剥き出しにしているから、どうしょうもないカス!なぜなら国内の犯罪はワーストで、小中学校の偏差値も然りだから、アホそのもの。それで非常識の維新の会が存在出来るわけですから、論じる価値もありません。さらにメディアや出版業界などが、維新と共謀してグローバリズムを展開していますから、常識に反する大阪はカスでしかないんです!

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  2. けんけん より

     土居丈朗という文字列を見たら、「居丈高」という文字を咄嗟に想起しました。
     それにしても、こういう土居氏の言説は無責任ですよね。平和主義者ぶって自衛隊の規模縮小の旗振りをして、いざ首都直下大地震等が起きたら、「自衛隊の高価な装備を減らすよう言っただけで、災害派遣のためのマンパワーを減らせとは言っていない」とか言うようなものでしょうか…。

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  3. 利根川 より

    安藤 玉木 対談を視聴しました。

    安藤裕議員 玉木雄一郎議員対談

    玉木代表「ツライ、シンドイ、率直に声を上げてもらいたい。政治が何とかしてくれと言うことを国民が声を上げてほしい。これは国民の権利です」

    玉木代表「普段なら、政府が予算案を作ったらそれが変わることなどありえなかった。それが基準を決めてもどんどん基準も変わるし、予算の組み換えまで起こっている」

    玉木代表「ありえないことが今起こっているので、国民の皆さんは諦めないで声を上げてほしい。与党の議員でも野党の議員でもいいです。その声が集まって政治は変わっていきます。それが民主主義です」

    安藤裕議員「苦しいことを自分で何とかしようと思わないで(というか個人じゃどうにもならん)いまこそ国に頼っていただきたいと思います。国には少なくとも皆さんを経済的な危機から救う力はあります。財政の問題も全くありません」

    安藤裕議員「自分で借金抱えて頑張ろうとか、あとで借金返済頑張ろうとか、そんなこと言わずに今、我々の生活を救うことができるのは国だろう、国がしっかり動いてほしいという要求を是非、国会に議員に」

    安藤裕議員「それによって、我々が出している提言、100%粗利補償、消費税0、そういったものが通る可能性もでてくる」

    安藤裕議員「皆さんやったことはないかもしれませんが、今だったらSNSとかメールで直接声を伝えることはできる。ぜひ、この提言に賛同してください、国民を救ってくださいという声をあげてください」

    安藤裕議員「国民が声を上げないと国は動きません」

     以前、安藤裕議員と藤井聡教授との対談で聞いた話ですが、与党議員は非常に危機感が薄く、最近になってようやく「じゃあ、次は家賃保証を」とか対策を小出しにやっているとのこと。
     思い返せば、

    国「休業要請いたします。皆さんはお仕事を休んで出歩かないように協力してください。命令ではなく、要請なので粗利補償とかはしません。でも、したがわなかったらTVで報道して社会的に抹殺します」

    国民「そんなんじゃ困るよ、お店つぶれちゃうだろ」

    国「じゃあ、マスク2枚配ります」

    国民「いや、たった2枚マスク配られたって…」

    国「じゃあ、一人30万配ります」

    国民「あれ、この条件だと、ほとんどの人がもらえないんじゃね?」

    国「じゃあ、全員に10万円やんよ」

    国民「テナント料とかは?」

    国「じゃあ、家賃保証もするよ」

    こんなことになってすら財政出動をできるだけ少なくしたいという強力な意志が見え隠れしているというね。
     安藤裕議員の話によると、貸し切りバス会社の社長さんが「是非安藤先生の時間を貰いたい」とやってきたのだそうな。
     彼の持ってきた要望書には

    ・雇用調整助成金を充実させてほしい

    ・社会保険料の支払いを猶予してもらいたい

    といった内容の要望が書かれていたのだそう。
     あまりにも遠慮がちに書かれているもので、これで本当に会社はもつのですかと聞いたところ

    社長「リース料とかいろいろあるのでもちません」

    と言ったという。なぜそれを言わないのか。

    安藤裕議員「せっかくわざわざ要望書を持ってくるのだから本気の要望をぶつけてもらいたい。本気でなければ国会議員には伝わりませんよ」

    そういって書き直してもらったのだそうです。
     業者の皆さんがすごく遠慮しているのがわかる。そういった遠慮が結局は皆を苦しめてしまうことにつながる。
     安藤裕議員はそのように話をしていました。
     現在のマスク不足でもお分かりの様に、たとえお金持ちであっても、そもそも物資自体がなければ、自分が調子が悪くなったとしてもマスクの着用などできないわけです。
     そうですね、大切なのは電子データでしかないお金ではなく、物を作る生産能力、つまりは工場や工場で作られたものを運ぶための道路・鉄道・港といったインフラ、つまりは資本です。
     資本(工場・道路など)の蓄積がどれだけあるかがその国の強さというわけですね。(資本主義)
     もし、コロナ騒動が落ち着いたとしても、その時に

    国民A「飯でも食いに行こうか」

    国民B「外食できるような店は軒並み潰れたから無理だよ」

    国民A「じゃあ、バスに乗ってちょっと遠出しようか」

    国民B「バス会社潰れたからバス走ってないよ」

    国民A「じゃあ、電車で」

    国民B「JR東海は倒壊したじゃあありませんか」

    国民A「マジか、なら飛行機だ」

    国民B「JALもつぶれた」

    国民A「金ならある、金ならあるぞ、誰か俺達を運べ」

    国民B「だから交通機関全滅してんだから金なんていくらあってもさ。諦めて徒れ」

    飲食店や交通機関に限ったことではありません、ほかの生産業やサービス業にしても、廃業されてしまってはお金だけが残っていても我々は商品もサービスも購入できません。
     

    国に保証を求めることは自分自身を守ることでもありますが、将来のお客様を守ることにもつながります。

    どうか、変な遠慮をしないで、しっかり政府に生き残るのに必要なことを訴えていただきたい。玉木代表もそれが民主主義だとおっしゃっています。
     こうして非常事態になってみて思いますが、佐藤健志さんが「非常事態においては民主主義国家より独裁国家の方がよほど強い」と言っていました。今、実感しました。
     とはいえ、中国や南北朝鮮、ロシアといった独裁国家は死んでもごめんなので、民主主義でできることをやるしかないわけです。
     非常事態なのに時間がかかるというのはもどかしいものですが、”皆が”変えようと思わなければ変わらないというのが民主主義なのだから、それで頑張るしかないのです。
     嘘か本当か真偽を確かめるのも怖いのでやりませんが、色々な著名人が「ワンチームで頑張ろう」と呼び掛けている中、国による支援を求める声に対し

    「クレクレ乞食」

    などと罵声を浴びせる正義の味方がいるそうです。
     先ほども言いましたが、国による支援を求めることは自分を守ることでもありますが、将来のお客さんを守ることでもあります。
     あなたが廃業すれば、お客さんは未来永劫、あなたの提供する商品やサービスを受けられなくなってしまいます。
     正義の味方の罵声にひるむことなく、必要だと思われる支援を国会議員に訴えていただきたい。(まあ、与党の上の方が聞く耳を持つかどうかは別ですけどね…

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