From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表
皆様新年明けましておめでとうございます。本年も我が国経済社会が置かれた実情を的確に考えるヒントとなる情報を提供させていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、本日7日と言えば七草粥ですが、食べられた方はどのくらいでしょうか?(もちろん私は食べました。物心ついた時から、旅先でも欠かしたことはありません。)大手メディアなんかでは新春の風物詩として取り上げられることもあるようですが、その風習自体を知らない人、そもそも生まれてこの方食べたことがない人が増えているのではないでしょうか。そうした傾向が強まるようなことになれば、知らないし食べたことがない以上、次の世代に伝えることができず、着実にこうした伝統的、歴史的風習が忘れられ、廃れていくことは避けられなくなってしまいます。
これをかつては「進歩」や「近代化」、「近代的」という言葉で片付けてきたわけですが(そんな時代を象徴する映画「サラリーマンどんと節 気楽な稼業と来たもんだ」には、そんなシーンが出てきます。)、そんな進歩主義や近代主義、しかも浅薄な主義ですが、それらが日本を破壊してきました。この20年以上吹き荒れている構造改革、新自由主義改革の嵐は、その延長線上にあると考えていいでしょう。破壊されたものを日常的なものとして取り戻すのは極めて困難ですが、本年は少なくともこれ以上の破壊を阻止する転換点、ピヴォットとなる年にしたいもの。否、しなければいけません。
さて、破壊と言えばこうした価値の破壊もあれば、もっと直接的な破壊もあります。その一つが経済の破壊。日本経済を破壊する代表的元凶といえば、緊縮財政に消費税ですが、昨年10月に10%に引き上げられ、既に消費等の経済活動を大きく冷え込ませていることはご承知のとおり。年始に地元に帰省した際に一緒に飲んだ同級生、彼は服飾店を経営しているのですが、増税の影響で大幅に売上が落ちた、どうにかしないといけないと悩んでいました。同じ悩みを抱えている事業主は多いのではないでしょうか。やはり消費税率引下げを、まずは軽減税率を5%にし、その適用範囲を50万円以下のもの全てにという、藤井先生や安藤先生等が提唱されている消費税率の実質的引下げ策の実現が急務ですね。
また、米中貿易摩擦、その実は米中の東アジアにおける覇権争いですが、の影響もジワジワ浸透してきているようで、高度な部品製造企業を経営する別の同級生によれば、その煽りを受けて、フル稼働状態だった工場の稼働が落ちてきているとのことで、この先に不安を持っているようでした。この場合の日本破壊の原因は、経済の外需依存度を高めたこと。外需依存が高い経済は外部環境の変化に対して脆弱になるわけで、つまりは、安倍政権は日本経済を脆弱なものにしたに等しいと言うことです。その転換のためには、内需を強くすることであり、やはり消費税率の実質的引下げと積極財政への転換が求められますね。(加えて、資本の国際的移動の制限や株主資本主義等の是正も必要ですが、本稿の分量が増えすぎてしまうので、それらの話はまた別の機会に。)
また、電力会社の電設の整備・保守等を行う企業を経営している別の同級生から聞かれたのは、送電線等の電力供給施設の担い手が人手不足であるという話。てっきり賃金が低いことが原因で、それなら積極財政だと思ったのも束の間、給与は中小企業としてはむしろ高い方で、それでも人がなかなか集まらないのだとか。なぜそうした高待遇にも関わらず人が来ないのかと言えば、休日が不定期になることを嫌がる若者が多いことがあるようだとのこと。
電力といえば国の、地域の経済社会を支える基盤であり、その施設の維持管理は誇り高き仕事だと思うのですが、この数十年の教育破壊、やれ英語だグローバルだ、ITだ起業だと奇妙奇天烈で頓珍漢なことばかりを初等・中等教育でやってきた結果、若者を中心に、スポーツの試合でここぞとばかりに日本選手団を応援することはあっても、国や地域社会への帰属意識、愛国心や愛郷心が失われてしまってきていることが背景としてあるのでしょう。(無論、電力自由化、発送電分離が現場を大幅に混乱させているという、過剰な規制緩和による破壊という側面もありますが、その点についても本稿の分量が多くなりすぎてしまうので、また別の機会に。)
【室伏謙一】日本の伝統、文化、社会、経済の破壊から、守り、取り戻し、発展させる方向に転換する令和2年へへの1件のコメント
2020年1月7日 6:17 PM
次回の総選挙
小売業で 与党に投票する アホは
まず おらんでせう ね。。。
ちなみに 七草粥
あと三草
葱 若布 昆布を加えて
十草粥を いただきました
これが当地の風習です
(冗談です念のため) ♪
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