日本経済

2019年7月3日

【藤井聡】政府の「増税対策」なるものは、完璧なる「焼け石に水」である。

From 藤井聡@(京都大学大学院教授)

政府の「増税対策」なるものは、完璧なる「焼け石に水」である。

参議院選挙が近づき、
各政党の消費増税に対する態度が、
クッキリと明らかになりました。

消費税について、
与党は増税推進、
野党は増税凍結、です。

ただし、与党自民党・公明党とて、
消費増税が、破壊的な経済被害をもたらす
と言う認識を明らかにしています。

つまり、今、全ての政党は、
このタイミングでの消費増税の経済被害が
尋常ならざるものだということを
表明しているわけです。

ただし、与党と野党の公約が異なるのは
「消費増税による景気冷え込み対策」
の効果についての認識が異なるから
です。

政府は現在、
消費増税に伴って増える家計出費6・3兆円を、
上回る6・6兆円の対策を行うから、
消費増税ショックに対する対策は、

「万全だ」

と主張しています。

そしてもちろん、
与党はその政府対策を支持しています。

ですが、当方はこれまで何度もあらゆる場所で
解説してきましたように、
この対策は万全でも何でもなく、
完璧なる「焼け石に水」です。

第一に、金額が少なすぎます。

対策の内、半分以上が、
単なる(政府から直接オカネを給付する)「所得移転」ですが、
各世帯は、そのオカネの多くの部分を、
確実に「貯金」に回します。

貯金に回された部分の経済効果はもちろん「ゼロ」
だから、「家計負担より対策費の方が大きい」といっても、
トータルの経済効果は、確実にマイナスになります。

第二に、期間が短すぎる。

仮に、第一の問題がなく、
その規模が十分にあったとしても、
その対策期間はせいぜい一年。

期間が終われば、結局、
消費増税の破壊力が
「フルパワー」で日本経済に襲い掛かる
ことになります。

だから、今回の政府対策は、
問題をほんの少しだけ先延ばしするだけの
効果しかないのです。

そして第三に、今政府が対策すべきものは、
消費増税だけではない
のです。

だから、(ほとんどあり得ない前提ですが)
もし十分な規模、十分な期間で
政府対策を行い、
消費増税のショックを完璧に除去することができたとしても、
日本経済は最悪状況に突入していく状況にあります。

米中経済戦争は日米貿易交渉、英国EU離脱等で
これからの外需は確実に冷え込みます。

そして、20年以上続くデフレの中、
14年増税で消費は伸び悩み賃金は下落し、
五輪特需も終焉し、
働き方改革のために賃金もさらに下落し、
内需もさらに冷え込むことは必至です。

だから、これからの日本は、
消費増税が仮に無くとも、
10~15兆円規模の大型景気対策を、
2、3年間は継続しなければ
ならない状況
なのです。

それらを考えると、
今回の政府の消費増税対策は、
(これから追加されていくであろう対策を含めて考えても)
政府が公言する「万全」なものからはかけ離れた、
凄まじく不十分な
焼け石に「スポイトの水」のような
全く無意味なものにしか過ぎないのです。

したがって、この状況下で
「消費税を増税します」と宣言するのは、
「日本経済を破壊します」と宣言するに等しいと、

考えざるを得ない―――これが筆者の率直な認識であり、
確信なのです。

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【藤井聡】政府の「増税対策」なるものは、完璧なる「焼け石に水」である。への7件のコメント

  1. たかゆき より

    焼石に 水 

    という よりも

    メルトダウン に 小水

    増税爆発で 屋根が 飛ぶ ♪

    返信

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      1. たかゆき より

        F1に 対しての 放尿 もとい 放水

        政権が 代わっても
        やってることは

        おんなじ だ べ 。。。

        返信

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        1. たかゆき より

          天下 国家よりも 己が大切

          財務官僚にたいしての
          忖度 倍返し

          御身 お大切に 心臓死

          もとい 晋三氏 ♪

          返信

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  2. 斑存・フォード より

    >金額が少過ぎる。

    バブル崩壊の時も金融機関救済の為の政府に因る金融緩和(と言っていいのかわかりません)が少過ぎた・・・のが被害が拡大要因だったと聞いた記憶があります。

     昨日のメディア出演の首相、借金返済に回す分を減らして社会保障費に回すだの、年金問題でウチデノコヅチは無いだの、ありとあらゆる何の問題に関しても被害危機延長計画ばかり実施して外国に貢ぎスパイ天国延長ばかり。大胆な財政計画なんか触れもしない。実感無き政権交代でした。実感した政権後退でした。もう明らかに200%口八丁聞き飽きました。枝野は水害被害が怒っているであろうあんな時間に夫婦別姓の話題を出しやがった。たかがバラエティー番組で今提起するべき事でしょうか。お互いにフォローしあっているだけにしか見えず聞くに堪えず文字でしか見れなかった。

    バブル以前からずーっと考え方が少過ぎるばかりです。金融緩和だってデフレに成ってからやったって何の意味もなかった。やることがいつの時代も遅すぎる。何処がスピード菅だよっ!。甘利にもなにもかもズレっぱなしな自民党政権&野党ヤジでした。リーマン級以上の危機は既にマスト延長でしかありません。ほんに馬鹿馬鹿しい日本劣等政財官学メディア界のコント集大成。歴史は繰り返す。ヌハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ。もう笑うしか救われる道はありません。
    長長と失礼しました。

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      1. 斑存・フォード より

         もう自由過ぎる民主じゃあきまへん。集金Payならぬ、出金Payで行かなきゃあきまへん。共産民主じゃなきゃあきまへん。なのに共産頭も通貨発行権には触れず一番乗り?。アホを痔でイってまんねん。唯一菅房長官の低価格統制は共産道でっせ。しかも逆。なのかギャグなのか?。名前からして民主党総裁延長でっせ。弄りー岡田も。一体改革野田も。維新松井も。維新虎之助も。一番渋り安倍も。みーんなまとめて廃棄物扱いを受けるべきでっせ。
        この無茶苦茶な文も切り捨てて構へん。

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        1. 斑存・フォード より

          >一番乗り
          訂正。
          一番絞り

          「訂正してる場合かーっ!」

          (実感無き静かなる)帝政の道行ってる癖に・・・

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  3. 利根川 より

     とある政党が「税金で飯食ってる連中をまずどうにかせな」と言っているのをTVでみました。
     国民の中にも「公務員はわしらの税金で飯を食ってる」と思っている方も多いかと思います。
     

    我々国民が支払った税金から公務員の給料や公共事業の支払いが行われている

    と多くの人が考えているわけですね。
     ちょっと考えてみてください。
     日本政府が国民から日本円を税金として徴収しようとしたとき、日本に日本円が存在していなかったら日本円を徴収する事など不可能でしょう。

    存在しない物を徴収する事などできないのです

    では、いま我々日本国民が持っている日本円はどうやって我々の手にやってきたのでしょうか。
     詳しい事は 財政金融委員会 2019 5 23 西田昌司議員の質疑 をご覧いただきたいのですが

    現代で使われている貨幣の大半が信用創造というシステムに則って造られている

    つまり、誰かが借りて、それを誰か(金融機関の人)が「口座に書き込む」事で現代における貨幣は造られているわけです。
     日本円もそのシステムに則って造られています。
     

    1 政府が19年度に必要な予算額を政府短期証券(財務省証券)に書いて日銀に渡し、日銀に必要な額の「日銀当座預金」を”造らせる”
     
    2 新たに”造られた”日銀当座預金を担保に日本政府は請負企業に「政府小切手」で支払いをする

    3 政府小切手で支払いをうけた企業は小切手を市中銀行に持ち込む。
     
    4 市中銀行は政府小切手に書かれた金額を請負企業の銀行口座に「書き込む」←ここで「銀行預金」が新たに発生

    5 市中銀行は持ち込まれた政府小切手に書かれた金額分の「日銀当座預金」を政府から取り立てるように中央銀行=日銀に依頼する

    5”政府小切手を持ち込むことで銀行預金をゲットした請負企業は、その金で従業員に報酬を支払う←ここで我々国民の手に日本円がやってくる

    これを見てもらえば分かるように、なぜ我々が日本円(銀行預金)を持っているのかというと、元をたどると日本政府と中央銀行、つまりは統合政府が日銀当座預金を新たに創造し、公共事業という形で国民に届けたからなのですね。
     そして、(統合)政府が日本円を新たに創って国民に与えてくれたからこそ「翌年20年に」「翌年”20年”に」19年度の税金を支払う事ができるわけです。
     要するに、

    公務員の給料や公共事業の支払いは統合政府(日本政府と日銀)が新たに創造した日銀当座預金を担保に行われているのであって、我々日本国民が支払った税金から支払われているわけではない

    という事です。
     別冊クライテリオン2018年12月増刊号で立命館大学教授の松尾さんが言っていましたが

    「国は貨幣を作ることが出来るから(←実際作ってる)、本来他所から貨幣を集めて支出の財源にする必要はないはず」

    日本円発行の小難しい手順など説明されなくても、この一言に耳を傾けるだけで「我々国民が支払った税金から公務員の給料や公共事業の支払いが行われている」などという誤解は生まれないはず。しかし、なぜかこの誤解の方が国民に優勢な考え方なのです。
     では、なぜ多大な手間をかけてまで徴税なんてことをしているのかというと

    ・徴税しないと国民が買い物をしまくって(景気が良くなりすぎて)、物を作るのが追い付かなくなってしまうから

    ・逆に、不景気で国民が買い物をしなくなって物が売れなくなってしまった場合、減税して買い物をする余裕を持たせるため

    これらの為にやっているわけです。要は、徴税とは需要と供給のバランス、景気の調節をするためのシステムであって何かの財源を捻出するためのモノではないということです。
     一般個人は政府とは違って支出をするなら他所から貨幣を集めてきて財源にする必要がありますが、政府は違うという事です。
     個人と政府は別物、まずこの認識すらない「素人」に政治をやられてしまうと大変困ったことになると思うわけですが、いかがでしょうか。
     まあ、それを言ったら自民も公明も立憲も国民民主も維新も共産もほぼ全ての政党が「財源」を口にしているわけで…
     
     

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