日本経済

2019年1月28日

【三橋貴明】壮絶なるパワー

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
ポスト・トゥルース(前編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12435127962.html
ポスト・トゥルース(中編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12435341587.html
ポスト・トゥルース(後編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12435569218.html

ハルビン・トフラーは、
自著「パワーシフト」「第三の波」などにおいて、
パワーには三つの種類がある。

すなわち、
「暴力」「カネ」「情報」の
三つと書いていますが、
特に「情報」の持つ力は強烈です。

何しろ、我が国は
この「情報の力」により衰退し、
小国化の道を突き進んでいるのでございます。

三橋TVに出演された藤井聡先生は、
日本を衰退化させている
「いわゆる国の借金問題」の嘘について、
ポスト・トゥルースと表現していました。

つまりは、明らかな「間違い」である
「クニノシャッキンデハタンスル」なる
偽情報がパワーを持ち、世論を醸成し、
日本国に必須の財政拡大を妨害している。

それにも関わらず、
状況を是正できないのが現実の日本なのです。

情報の力は、日本ほどの大国を、
しかも世界で最も
古き時代から継続している国家を、
亡国に追いやろうとしています。

そもそも、日本政府の負債は
100%日本円建てです。

子会社の日本銀行に現金紙幣、
当座預金などのおカネを発行させ、
国債を買い取らせることが可能な日本政府が、

自国通貨建ての国債で
財政破綻(債務不履行)に陥るなどあり得ません。

ついでに書いておくと、
日本政府は「誰の負債にもならない」
純資産としてのおカネを発行することすらできます。

そんなことは、不可能だ! と、
思われた方は、百円玉や五百円玉などの
硬貨を使うのをやめて下さい。

硬貨は、日本政府が
「純資産」として発行したおカネです。

ちなみに、直近の硬貨
(法律用語では「貨幣」といいます)
発行残高は4.8兆円。
97年頃から、4兆円台を維持しています。

日本政府は、いざとなれば、
十兆円硬貨なり、百兆円硬貨なりを
発行することすら可能なのです。
(法律制定が必要ですが)

もっとも、
「ならば、日本政府が千兆円玉を発行し、
国の借金を全部返済してしまえばいいじゃないか!」

と言いたくなったとしたら、
あまりにも「経済」を理解していない
としか言いようがありません。

そもそも、銀行や保険会社が
国債を保有しているのは、なぜなのでしょうか。

もちろん、国債を保有し
「金利」を稼ぐことが目的です。

何しろ、日本国債は100%日本政府保証で、
返済や利払いが滞ることはありません。

その分、金利が低いのですが、
おカネを「長期で確実に運用したい」
ニーズを満たしたいならば、

国債保有がベストなのです。

金利が得られる国債と、
金利が支払われない現金紙幣や、硬貨。

国内の金融機関は、
どちらでおカネを持ちたがるでしょうか。
別に、答えを書く必要はないでしょう。

特に、生命保険会社は
「長期」でおカネを運用しなければならないため、

政府の「償還(返済)」には、
むしろ応じたがらず、
国債の償還期限が来ても「借り換え」を望むでしょう。

ちなみに、日本銀行は
量的緩和政策において、
日銀当座預金に0.1%の金利をつけていますが、
金利無しでは銀行側が国債売却に応じてくれないためです。

と書くと、
「政府は財政破綻しなくても、
日銀が利払いで破綻する!」

などと、頭がおかしい
破綻論を叫びだす連中(代表:藤巻健史)がいますが、

「おいおい、これまでの破綻論はどこに消えたんだよ」
という突っ込みは置いておいても、

日銀が当座預金の利払いで債務超過に陥る
(今のペースだと、百年以上先ですが)
のが確実になったならば、

政府が「純資産としてのおカネ」を資本投入すれば、
それで話は終わります。

本当に、ただ「その程度の話」に過ぎないのです。

それにも関わらず、我が国では相変わらず
「クニノシャッキンデハタンスル」という
間違った情報がパワーを持ち、
日本が小国化の道をひた走っています。

そういう意味で、
トフラーの定義は完全には正しくなく、
むしろ情報は他の二つ(暴力、カネ)を圧倒するほどの、
壮絶なるパワーを持つというのが真実なのでございます。

—発行者より—
総理「政権中にこれを破棄できなければ、日本はオシマイ」

三橋貴明と総理との会談時で明かされた真実。

●総理が、三橋との会食をオープンに
(世に公開)してまで国民に伝えたかった事とは…?

●この会食で明らかになった、
私たちの邪魔をする”3つの敵の正体”とは?

●2020年に訪れるかもしれない
日本の危機的状況とは一体何なのか?

日本が発端となり、
2008年のリーマンショックが再来する?

などなどメディアが決して報道しない
「安倍総理の告白」と「日本経済2020年危機」
について解説した書籍を出版致しました。

こちらから詳しい内容をご覧ください。
https://keieikagakupub.com/38JPEC/1980/
※メルマガのバックナンバーを以下で
ご覧いただけます。
https://38news.jp/

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【三橋貴明】壮絶なるパワーへの3件のコメント

  1. コメントに返信する

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  2. 日本晴れ より

    クニノシャッキンデハタンスル情報もそうですが
    そういうポストトゥルースの動きがある時は
    明らかに政治的な意図を感じます。そういう人達は真実がどうとかに興味はなくて政治的なマウントを取りたい、イデオロギー的に自分のイデオロギーこそ正しいんだ自分の世界観こそ正しいんだみたいにやって事実や現実なんてどうでもよくて、単なるイデオロギーを広めたいという一心でやってるだけだと思います。

    返信

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  3. たかゆき より

    朱に交われば赤くなる

    議員 閣僚 政府高官の朱さは お見事

    所詮 日本も 腐儒 朱子の

    chinkor思想に 首まで浸かってるって ことかと、、

    性即理

    主観的願望と客観的事実の区別も つかず

    脳味噌が 雲丹

    というわけで

    晩酌は 田酒でイチゴ煮で ございます ♪

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