日本経済

2019年1月1日

【三橋貴明】財政拡大元年に!

From三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
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長期的な政府投資のために「計画」が必要だ
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明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

さて、昨年は
グローバリズムのトリニティに基づく
「規制緩和」「自由貿易」が一気に進んだ一年でした。

コンセッション方式の水道民営化、
カジノ法(IR推進法)、
漁業法改正、そして移民法(改正出入国管理法)と、
「特定の誰か」のために

多数派の国民に犠牲を強いる法律が、
次々に成立したのです。

また、4月には種子法が廃止され、
コメという日本の中心たる農産物までもが
「市場競争」に委ねられることになりました。

カネ、カネ、カネ。カネのために、
しかも外国人や外国企業を含む
特定の誰かのカネのための政策ばかりが推進されたのが2018年です。

堤未果さんではないですが、
「日本が売られた」という印象です。

そして、
2019年は4月に残業規制開始、
10月には消費税率10%への引き上げと、
国民の所得を減らすイベントが目白押しになっています。

しかも、アメリカが
「アンフェアなチャイナ・グローバリズム」に対し、
明確なNOを突き付けているため、

14年のように
「消費税増税のダメージを
輸出増で補う」ことは不可能です。

さらに言えば、
3月29日のイギリスのブレグジットは、
このままでは英欧間の合意なしで突っ込むことになります。
結果的に、世界経済の混乱は避けられないでしょう。

需要縮小を積み上げるだけで、
消費税増税を強行した場合、

我が国の経済成長率は
マイナス5%前後に落ち込むことが明らかです。

タイミングが悪いことに、
2020年は東京五輪です。
五輪のインフラ整備は19年には終了します。

別に日本に限らず、
五輪を開催した国は
「その年」の経済成長率が大きく落ち込むのです。

ということは、
日本は19年のマイナス成長を引きずったまま
「マイナス成長が確実」な20年を迎えることになります。
まさしく、日本国存亡の危機です。

皮肉な話ですが、2019年は御代替わり。

このままでは、新たな御代を
「最悪の経済状況」で迎えることになるのが確実なのです。

この種の「確実視可能」な最悪の未来を避けるために、
日本国は今年こそ「財政拡大路線」に転じなければなりません。

10月の消費税増税は凍結。

さらには、国土強靭化以外にも
交通インフラの整備(整備新幹線、
高速道路の暫定二車線やミッシングリンク解消)、
技術投資(ILC、大学の研究予算など)、
防衛、教育など、
長期的な政府の投資が必要な分野が目白押しです。

国土強靭化のみは、
何とか長期(とはいっても三年ですが)の
計画が決定し、予算措置が取られるでしょう。

国土強靭化を皮切りに、
日本政府が長期的な投資を「計画的」に
推進する「普通の国」に戻らない限り、
我が国に明るい未来はありません。

2019年を、我が国の財政拡大元年に!

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【三橋貴明】財政拡大元年に!への3件のコメント

  1. 神奈川県skatou より

    明けましておめでとうございます
    本年もよろしくお願いいたします

    新しい御代となり、何をするのかではなく、なぜ、なんのためにを皆で語れる世の中となることを願っております。

    政治では国家国民のため、など言いますが、具体的政策とは結びつかず、その説明はたとえなされても抽象的で意味不明な自己弁護にしかみえず、結局は過去の記憶な、よさそうな記号のために今頃活動していないか。

    今後さらに時代が早く流れるとしたら、そのようなものに頼るわけにもいかないわけで、自分達が少しずつ動くしかないのかもしれません。
    今年も三橋先生のご活躍を熱く熱く応援いたします。

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  2. ぬこ より

    欧米の左右問わず反体制派と一緒に行動しないと、日本の政治家や官僚使って日本から富を吸い上げる欧米1%とは戦え無いですよね。
    中国を軍事強国化させてきたのも奴らですからね。

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