From 藤井聡(京都大学大学院教授)
こんにちは、京都大学大学院教授の藤井聡です。
既に何度かご紹介しましたように、
当方が編集長を務めております
表現者クライテリオンにて、
『消費増税を凍結せよ』
を緊急出版しました。
https://the-criterion.jp/backnumber/s01_201812/
その趣旨はもちろん、
「庶民」の貧困化と格差拡大を導く
「消費税の増税」を凍結すべき、というもの。
そしてその特徴は、実に様々な論者が、
異口同音に「消費税の凍結」を求めているところ。
その典型が、自民党衆議院議員の
(そして現在は内閣府の政務官をお努めの)安藤裕氏と、
野党、自由党の衆議院議員の山本太郎氏との対談。
題して、
『党派を超えて「反緊縮」を拡大せよ!
消費税凍結・減税に向けた国会決議を』
(※ その対談の一部は、下記動画でもご覧頂けます。
https://www.youtube.com/watch?v=2diD4PaBxYI)
両者は、政治的には「右」と「左」であり、
原発や憲法等については、正反対。
ですが、こと、消費税については、
「凍結」ないしは「減税・廃止」が必要だ、
という意見で完全に一致しています。
つまり、消費税については、
左右の別なく、反対の意見をお持ちなのです。
その他、本誌が「保守」思想誌でもある一方で、
この度
『消費税は消費を減らすための税である』
を寄稿頂いた
松尾匡教授は、「左派」を代表する経済学者。
つまり、今回の別冊・クライテリオンは、
「左」「右」の別なく
「消費税の凍結」を主張するものなのです。
この構図は、まさに今、
フランス全土を席巻している
「黄色いベスト運動」
と完全に共通しています。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58845
そもそも「黄色いベスト運動」は、
多国籍企業の肩ばかりを持つ、
典型的グローバリストの「マクロン大統領」に対する、
「庶民」からの強烈な抗議運動です。
マクロン大統領は、
これまで高額所得者についての減税を行い、
ルノー等の自動車会社がビジネス上推進したい
「電気自動車」に補助金を支給する一方、
庶民の暮らしに直結する
ガソリン税を値上げしようとしていたのです。
そもそも、高額所得者は基本的に、
大企業の役員や株主などであることを踏まえると、
マクロン大統領は、
「大企業」関係者には、優しく減税し、
「庶民」からは、カネを巻き上げる政治
を展開していたわけです!
フランスの庶民はこうした政治に強く抗議し、
その抗議運動を右派と左派の論者・政治勢力が
大いに支持している格好となっています。
(例えば、今回の別冊に当方との対談で登壇いただいた、
元フランス大統領候補のアスリノ氏も
この運動を支持しておられます。
対弾はコチラ → https://youtu.be/qU6pb3Yi0AY)
こうした構図は、
現在の日本の状況とそっくり。
日本では現政権に限らず、
(自民党のみならず民主党も含めた)
過去30年間の政権は全て一貫して、
法人税を減税し続け、
高額所得者の税率を下げ続けてきました。
そして、そのための「代替財源」として
白羽の矢が立てられたのが「消費税」だったのです。
つまり、我が国の政府は過去30年間一貫して
「大企業」関係者には優しく減税し、
「庶民」からはカネを巻き上げる政治、
を展開してきたのです。
しかし、日本とフランスの決定的相違は
「庶民」の態度。
フランス国民たちは大いに憤り、
全国各地で反発するデモを始めたわけですが、
わが国民は、ほとんど反発していません・・・。
今の日本人はまるで、
「飼い慣らされた羊」のように、
何もかも諦めて、「権力者」に言いなりに
なっているように見えます。
しかし、増税は何も確定した話ではなく、
これからの状況次第で、
延期も凍結も、はては減税すらあり得るのです。
実際、フランスでは、
「黄色いベスト運動」の広がりを受け
燃料税の増税を延期したのです!
ただし・・・
そんな日仏の相違は、
自分たちが置かれている状況を、
ただ単に多くの日本人が理解していないから、
というだけのことなのかもしれません。
実際、「学者・言論人」においては、
フランスのみならず、日本においても、
左右の別なく、
「消費増税」に大いなる疑問を投げかけているのです。
つまり、「経済」を様々な角度から観察し、
分析してきた学者・評論家達にしてみれば、
10%消費税を今断行すれば、
国民も国家も企業もますます貧困化するのは
火を見るよりも明らかであり、
したがって、原発や改憲に賛成であろうがなかろうが、
「消費増税の凍結」が今の日本にとって必要なことは、
明々白々なわけです。
だとすれば後は、
今後の日本の未来は
「消費増税を凍結せよ」と主張する
学者や知識人の「真実」の声が、
どれだけ世論一般に広まるか、
という一点にかかっています。
日本人は決して、フランス人よりも愚かではない筈。
それを証明して見せるためにも是非、
一人でも多くの国民に、
「消費増税を凍結せよ」という学者達の声を、
皆さんの力で届けていただきたいと思います。
ついてはもしも、
別冊クライテリオン「消費増税を凍結せよ」を、
未だご覧になってない方は是非、ご購読ください。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07JHJV5XV
そして、既にご覧になった方は是非、
周りの方に徹底的に拡散ください。
https://the-criterion.jp/backnumber/s01_201812/
未来は僕らの手の中―――、
まだまだ、未来は、変えられるのです。
追伸1:
こうした「庶民の運動」を展開していくためにも是非、
表現者クライテリオンを、ご購読ください。
https://the-criterion.jp/subscription/
追伸2:
クライテリオンの無料メルマガ、
未登録の方は是非、この機会にご登録ください。
https://www.mag2.com/m/0001682353.html
【藤井聡】「消費増税を凍結せよ」運動は、日本の「黄色いベスト運動」である。への6件のコメント
2018年12月12日 8:30 AM
黄色いベスト と キクイタダキ
それが フランス人と日本人の
決定的な 違いかと、、
その構造を 詳らかにすると
「不敬」 の 誹りが、、、
ちなみに
戦後 アメリカの属国に甘んじ
続けている 日本人(小生も)が
お利口さん
ですか ??
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2018年12月12日 9:59 AM
消費税は消費罰。
消費の合計はGDP。
GDP縮小で税収減。
こんな単純な話も見えないのは
「消費税増税は決定済み」「増税しないと政権の信任に関わる」
とかいう虚構に隷属しているからでしょうか。
日本より己がプライドとは、くだらないですね。
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2018年12月12日 11:42 AM
藤井先生消費税はずっと増税された一方で法人税はずっと減税されてるって事を国民にもっと知らせるべきだと思います。
意外にこの事実を知らない人は多いです、日本が財政破綻するとかという嘘と同じように。それに消費税は国民に庶民に対する罰です
消費への罰です。消費税増税は道義的にも間違ってます
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2018年12月12日 1:08 PM
実態経済から税収を巻き上げるよりまず金融証券(株)から特に短期売買の証券から税収を取るのが筋でしょう。藤井氏が言っていた様に。
金融資本が実態経済より膨れ上がっている現状で何故そこをスルーするのでしょうか ? w 実態が無くバブルだから ?w ならば金融マーケットって意味ないじゃんw 何故金融政策をもっと効率的に活用しないの ? 金融緩和をすればマーケットに流れる事は予測出来ますよね。トリクルダウンを盾に実態経済に流れ込む理論を信じてるの ? あの竹中平蔵ですらトリクルダウンは無いと言ってますよw。トリクルダウンって金融資本から税収を取らないただの口実 ?w
法人税と金融証券の税率を上げればいいんじゃね ?
資本主義を導入した民主主義国家ならば !
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2018年12月12日 3:11 PM
本当に 使えない
ジ・エンド
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2018年12月21日 10:31 AM
大阪で小さな会社を経営しております。
消費税増税は私のような者にとっては死活問題です。
(今でもしんどいです。)
私だけではないと思います。
大多数の人にとって死活問題だと思います。
私のせまい交流の範囲で思うことですが、
大の大人が、新聞が書いていることはもとより、
お笑い芸人の言うことやテレビのキャスターや周りの多数派が
言っていることをまるで教科書の思っていることが問題なのではないかと思います。
「学ぼう」という姿勢があるのかないのか・・。そんな人多いと思います。
まさに、コンプライアンスが国を滅ぼすという状態に見えます。
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