政治

日本経済

2020年9月21日

【三橋貴明】「改革」というアイコン

【今週のNewsピックアップ】

菅・アトキンソン内閣が始まった
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12625501330.html

この手の話をおかしいと思わない空気がおかしい
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12625752219.html

90年代後半に始まった「改革熱」は、
とにかく凄まじく、

「改革は善であり、
 改革に反対する連中は既得権益で悪」

といった単純なストーリーで拡散され、
日本国の「構造」を破壊する改革に
異を唱えることが「悪である」という
空気が醸成されました。

とはいえ、「改革」とは何なのでしょうか。

三橋は、別に「改革」といった
アイコンそのものに反対しているわけではなく、
「中身が間違っている」と主張していいるわけです。

中身が「国民が豊かになり、
安全保障が強化される」改革であれば、
諸手を挙げて賛成しますよ。

とはいえ、三橋らの
「改革の中見が間違っている」という主張も、
「改革に反対するのか」といった単純な
レトリックで潰されてきた。

「改革」という言葉で
全てが決するような政治は、
疑いようもなく幼稚であり、愚民化です。

それにも関わらず、「改革の中身」に
反対する勢力を押しつぶし、
議論を封じる「空気」は、
明らかに全体主義化の道だと思うのです。

いかなる組織であろうとも、
共同体であろうとも、あるいは国家であろうとも、
既存の制度が「現実」に対応不可能に
なっているといった問題は、それはあります。

あるいは、既存の制度故に不祥事などが
生じているケースも、それはあるでしょう。

ならば、問題を真摯に見つめ、
「どうすれば解決できるのか?」について、
言葉の定義やデータ、データの比較等を
机上に載せ、大いに議論するべきなのです。

とはいえ、90年代以降の「改革」の多くは、
「とにかく、既存の制度はダメ。
 抜本的な改革が必要だ」
といったレトリックにより、
特定の「誰か」のビジネスが拡大することが目的でした。

結果は、明らかでしょう。

構造改革が本格的に始まった97年以降、
日本国民の実質賃金は14%も下がり、
非正規雇用が増え、すでに40%に
達しようとしています。

恐ろしいことに、30代前半の男性の
正規雇用の婚姻率が59%であるのに対し、
非正規雇用は22%。
パート・アルバイトは15.7%。

日本は、雇用形態により
「結婚できるか否か」が決まる、
階級社会になっている。

そして、結婚できない
非正規雇用が増え続けている。

少子化になって、当たり前です。

というよりも、緊縮財政や労働規制の緩和、
自由貿易といった「グローバリズム」に基づく
「改革」により、「政策的に少子化が進められてきた」
というのが日本の現実なのです。

菅内閣においても、
「改革」という言葉だけが先行し、
インバウンドや中小企業改革、
地方銀行再編といった「改革」が
容赦なく進むことになるでしょう。

やはり、言葉の定義が問題です。

国民一人一人が、「改革」と
いったアイコンに対し、
言葉に振り回されるのではなく、
中身を正しく検証し、

「自分たちを豊かにするのか? 
 安全保障を強化するのか?」
と自らの頭で考え、判断を下さなければならない。

思考停止から脱し、
問題解決の際には「当たり前」である、
「言葉の定義を考える」
「中身を理解する」
「データを相対化(比較)する」

といった基本姿勢を取り戻さない限り、
我が国の再興はなしえません。

言葉の「定義」を考えましょう。

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 経団連の欺瞞(小学館)」が刊行になりました。
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 (書籍版)が刊行になりました。
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◆週刊実話 連載「三橋貴明の
 『マスコミに騙されるな!』」 
 第385回 安倍政権のレガシー(後編) 

 なお、週刊実話の連載は、
 以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
 https://npn.co.jp/category/society

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol591 
 日銀当座預金は「通貨」ではない
 http://www.mag2.com/m/P0007991.html

 マネーストック(通貨供給量)に、
 なぜ日銀当座預金が含まれていないのか? 

 実は、日銀当座預金は「貨幣」
 ではあるものの、「通貨」ではないという
 真実を知って下さい。

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

緊縮財政と潜在成長率 
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[三橋TV第288回]
https://youtu.be/jNrhLb1wPeU

主権者と権力を繋ぐ諸団体・国会議員・政党、
そして「派閥政治」の真実
[三橋TV第289回] https://youtu.be/MdvXC2SGTpA

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政治の腐敗とは政治家が嘘をつくことではなくて・・・
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1/2【Front Japan 桜】
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米中はなぜ対立するのか[桜R2/9/14] https://youtu.be/_za4CFTsi_g

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中国の誇り3部作とは?
~映画『フライト・キャプテン』[桜R2/9/14] https://youtu.be/qt5eQZaJ1LI

【RE:明るい経済教室 #10】
資本主義で価格競争に勝ち抜くための正解は?
[R2/9/18] https://youtu.be/_F11XS25adI

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9月19日(土)開催 
三橋経済塾第九期第九回対面講義が開催されました。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75

ゲスト講師は河添恵子先生
(ノンフィクション作家)でした。

インターネット受講の皆様、
しばらくお待ちください。

※ご入塾は以下から。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

◆チャンネルAJER 

「安倍政権のレガシー(後編):前半)」
三橋貴明 AJER2020.9.14
https://youtu.be/BSj-sf9f5Kk

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【三橋貴明】「改革」というアイコンへの2件のコメント

  1. 利根川 より

    <戦時中>

    政府「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ。下々の努力が足らんのだ」

    岸信介「ちげーし、国民の努力が足りないんじゃなくて、資源が足りないんだし。鉄もアルミも無くて何をどうしろと?」

    <現代>

    政府「日本の企業は生産性が低い怠け者だ。中小企業の新陳代謝が必要だ。この程度の賃金も払えない中小企業は、潰れろ!」

    三橋貴明「ちげーし、日本の企業の生産性が低いのは怠け者だからじゃなくて生産性向上のための投資に踏み切れるだけの、安定的、継続的な需要の拡大がないからだし」

     今も昔も日本のエリート層は根性論で何も変わっていないようです。どうしてなのですか、安西先生…

    中野剛志「そもそもグローバル化自体が、賃金のデフレ圧力になります。金融化もグローバル化も含め、結果的にあらゆる方法で実質賃金を下げる方向の改革をやっているわけです」

     どうしてグローバル化が賃金の低下を招くのかというと、他国企業より安く製品を作るためにコスト(人件費や設備投資費)をカットせねばならなくなるからです。
     さらに、政治屋に法人税を下げさせて(逆に消費税は上がる)法人税が下がって浮いたお金は株主配当金にして株価をつり上げる。これによって海外のライバル企業に買収されるのを防ぐ。
     法人税が高かった時代は、人件費や設備投資費を増やして必要経費ということで税金逃れ(税金対策)をしていたが、法人税が下がった現代では、企業側に賃上げをするメリットは薄くなっている。
     増税・雇用の不安定化・実質賃金の低下、そんなことを続けていくうちにGDPの6割を占めるといわれる個人消費が伸び悩むようになった(つまり、貧乏人ばかりになって商品が売れなくなった)
     最新の機器を導入してより沢山の商品を作れるようにしたところで買い手がいないので最新機器など入れるだけ無駄。
     最新機器を導入しないから生産性は上がらない。

    ※日本をダメにした財務省と経団連の欺瞞P137図20参照

     そして今、日本にこうしたグローバル化を推進させてきたゴールドマンの人間にまで生産性が低いと言われるようになってしまったという。
     岸信介さん曰く

    「一度火を落としますると再びそれに火を入れる場合は非常に困難であり非常に能率を低下することになる」

    とのことで、日本の生産能力を支える本体である中小企業を簡単に潰すなどという輩はどうにも信用ならないと思う次第でございます。
     施光恒さんの言う「日本型資本主義2.0」の姿は勉強不足なため未だ見えてきませんが、さしあたり、貨幣のプール論に基づいた

    消費税増税と法人税減税のセット

    の無限ループはどこかで止める必要があると思います。

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  2. 天鳥船 より

    三年前の衆院選の時、地元の自民党候補者のタウンミーティングに参加する機会がありました。その候補者が「規制緩和を全力で進め、景気を回復させる」と息巻いたので、私は問いました。「規制緩和を進めると競争が激化し、人件費を中心に更にコストカットが進み、結果デフレが加速し、今以上に景気が後退すると思います。規制緩和を進めて景気を回復させるとは、先生はどのような魔法をお使いになるのでしょうか。是非、教えてください。」周りの支持者達は、みんな「こいつ、何言ってんだ」的な目でこちらを見ていました。その候補者は「規制を緩和することで新規参入や健全な競争を促し、イノベーションを起こして生産効率を上げる。」と、まるで答えになっていないトンチンカンな回答をしました。
    好景気で需要がどんどん増えている中であれば、それに応えるためにイノベーションがおこることはあるでしょうが、総需要が不足し、企業が投資をしたがらない状況で、どうして新たなイノベーションがおこるのでしょうか。恐らく、言った本人も基本的な経済成長の仕組みを理解しないまま、イノベーションだの生産効率だの、それっぽい言葉を並べてみただけに違いありません。そう思った私は、これ以上この馬鹿に突っ込んだところで時間の無駄だと思い、質問をやめました(論破して公衆の面前で恥をかかせることが目的ではありませんので)。その候補者は予定通りというか、当選しました。
    私の地元の選挙区には、まともな経済の知識をもった候補者がいません。近い内に解散総選挙があるかどうか分かりませんが、白紙を投じるために投票所にいくのも馬鹿らしくなります。

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