From 三橋貴明@ブログ
さて、2017年の実質消費の数字が出ました。
対前年比▲0.3%。
統計的に確認できる二十一世紀に
入って以降、実質消費が四年連続で
下落したのは初めてです。
消費税増税のインパクトは、
本当に長引きます。
『家計消費、4年連続で実質減少 「収入増が貯蓄に回る」
https://www.asahi.com/articles/ASL2J5J0SL2JULFA02K.html
総務省が16日発表した
2017年の家計調査(速報)は、
2人以上の世帯の消費支出が
月平均で28万3027円と、
物価変動の影響を除いた実質で
前年より0・3%減った。
マイナス幅は前年の1・7%より縮まったが、
4年連続の減少。(後略)』
朝日新聞は「収入増が貯蓄に回る」と、
妙な見出しを付けていますが、これは総務省が、
「若い世代を中心に貯蓄に回っている」
と、説明したためです。
そもそも、実質消費の低迷が
続いている以上、貯蓄性向と関係なく、
実質消費は下がるでしょうに・・・。
しかも、本当に貯蓄性向が上昇し、
実質消費が減っているとすると、
それは実質賃金の低迷と
間違いなく関係しています。
実質賃金が継続的に低迷している以上、
国民が「貯蓄ではなく、消費を増やそう」
などと思うことはあり得ないのです。
2001年以降の実質消費の
対前年比をグラフ化しました。
【日本の実質消費の推移(対前年比%) 】
http://mtdata.jp/data_59.html#Jsyouhi
消費税増税の2014年以降、
四年連続で実質消費は
下落していますが、率は
▲2.9、▲2.3、▲1.7、▲0.3です。
すなわち、我々日本国民は
2013年と比較し、実質消費を7%強
減らしたということになります。
「実質」であり、「名目」ではありません。
分かりやすい表現を使うと、
「2013年にパンを100個買っていた
日本国民が、2017年は93個しか買えなかった」
となるわけです。
年で見た実質消費は、
グラフの通り変動が激しいです。
とはいえ、実質消費が三年以上連続で
下落したのは、今回が初めてです。
しかも、今回の下落は▲2.9%(2014年)と、
過去にない下落幅から始まりました。
その後は、次第に下落幅が
縮まってはいるものの、四年連続の
下落という結果になりました。
この状況で、安倍政権は(恐ろしいことに)
来年、さらに消費税を増税する
予定になっているわけです。
次の消費増税は「10%」への引き上げです。
税金の計算が誰でも簡単にできてしまうため、
少なくとも「5%→8%」引き上げ並の
インパクトを日本経済にもたらすでしょう。
具体的な数字を書いておくと、
実質の民間最終消費支出8兆円のマイナスです。
加えて、2020年以降も
実質消費のマイナスが続く。
同じペースで実質消費の下落が
続くとなると、2022年には、
日本国民は2013年比で14%超の
消費「量」の減少という
惨状に至ることになります。
消費税増税後、四年連続で、
実質消費が下がった。
消費税増税前と比較し、我々は
7%も「パンを買う個数を減らした」。
安倍政権ほど、国民の実質消費を
減らした政権は、過去に存在したことがない。
この「事実」を理解すれば、
さらなる消費税増税など絶対に
できないということが、
誰にでも理解できるはずです。
日本に必要なのは、
消費税に限って言えば、
増税ではなく減税なのです。
【三橋貴明】実質消費の四年連続減少が意味するものへの1件のコメント
2018年2月21日 11:00 AM
エントロピーとデフレと開放系に関する考察
1:デフレ下ではエントロピーが 限りなく増大する
2:エントロピーを減少させるには 開放系を利用するしか方法はない
3:市場は閉鎖系であり 民間にエントロピーを減少させる能力はない
よって
デフレを解消させるためには
財政出動という開放系を利用出来る政府のみが その能力を有する
ちなみに
消費税やら財政均衡政策は エントロピー(デフレ)を増大させるだけの 愚策というのが 小生の認識
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