日本経済

2018年1月1日

【三橋貴明】小学生でもわかる話

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
デフレは人災
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PB黒字化目標が日本を滅ぼす
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明けましておめでとうございます。

現在の日本が抱えている
問題の解決は、別に難しくないのです。

中央政府は、通貨発行権を持っています。

通貨発行権には二種類あり、

● 政府自ら政府紙幣・政府硬貨を発行する
● 政府が中央銀行に国債を買い取らせ、当座預金というおカネを発行させる

という二パターンになります。

ちなみに、日本政府は政府紙幣は
発行していませんが、政府硬貨は発行しています。

皆さんが使用している五百円玉、百円玉、
五十円玉、十円玉、五円玉、一円玉は政府硬貨です。

中央銀行が国債を買い取り、
おカネを発行すると、現金紙幣もしくは
日銀当座預金という「負債」が増えます。

それに対し、政府紙幣や政府硬貨の場合は
「誰の負債」にもなりません。

政府が発行した硬貨は、税外収入として
一般会計予算に組み込まれます。

すなわち、政府は誰の負債にも
ならない形で、おカネを発行できる存在なのでです。

あるいは、中央銀行におカネを発行させ、
国債を買い取らせることで、過去の自らの
負債を実質的に「弁済不要」にしてしまうことが可能なのです。

無論、政府が無制限におカネを発行できる
という話ではありません。

当然ながら、モノやサービスの供給能力が
需要を下回ると、インフレ率が上昇していきます。

政府が国債発行や通貨発行でおカネを創出し、
支出(消費+投資)を拡大することは可能ですが、
最終的にはインフレ率がボトルネックとなります。

「政府がおカネを発行できるということは、
日本は無税国家になれるのか?」

などと、頭の悪い問いを頻繁に受けるわけですが、
インフレ率を無視するならば、日本は確かに無税国家になれます。

とはいえ、国内の供給能力を無視し、
日本政府が際限なく国債や通貨を発行し、
支出を拡大した場合、確実に
「総需要>供給能力」の状況が訪れます。

すなわち、インフレギャップです。

インフレギャップが拡大すると、
政府は支出を拡大することが不可能になります
(まともな政府ならば)。

すなわち、国債や通貨の発行に
制限がかからざるを得ないのです。

そんな話は、先入観無しで真面目に、
自分の頭で考えてみれば誰でも分かるはずです。

何しろ、本稿で三橋が書いているような
「ロジック」は、小学人先生程度の知能があれば
理解できる話なのですから。

現在の日本は、総需要の不足という
デフレーションに苦しめられています。

総需要が不足している以上、
政府が国債や通貨を発行し、
ケインズの言う有効需要(消費+投資)を
拡大すればいいのです。

何しろ、デフレーションである以上、
インフレ率の急騰というボトルネックは、
少なくともしばらくは訪れません。

日本の問題解決の道は明らかであるにも関わらず、
財務省が「プライマリーバランス黒字化目標」という
狂った目標に固執し、日本はデフレ脱却に必須の
政府支出拡大に踏み出せないでいます。

それどころか、デフレを深刻化させる消費税増税、
所得税増税、出国税導入、たばこ税引き上げ、
生活保護削減など、緊縮財政路線が次々に推進されます。

日本は、小学生でも理解できるような
ロジックに歯向かい、亡国に至るのです。

何て、情けないのかと思われたことでしょう。

そう思ったならば、何とかしましょ。

2018年こそは、日本が緊縮財政路線に
背を向ける、記念すべき年となりますように、
日本の神様に祈りを捧げると同時に、
自らができることは何なのか、考えたいと思います。

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【三橋貴明】小学生でもわかる話への2件のコメント

  1. 赤城 より

    お金の役割を全く理解できない人たちがエリートを騙っている政府では病み狂った国家自殺を止める事が出来ません。
    それこそ憲法に法律にインフレ率が適正な率に達するまで財政拡大をするというような明確な方針でも掲げなければならないでしょう。
    今はそれどころか憲法に永久緊縮財政を約束させる文を組み込もうとしている自殺願望丸出しの有様です。

    お金は社会を円滑に回すためのもの、市場にちょうど良い十分な量を循環させる必要のある道具でしかない。その十分な量を測るにはインフレ率という明確な基準がある。インフレ率が高くなり過ぎない限り国債やお金は政府が増発発行して使うことが出来る。お金は使わなければただの数字紙切れ同然であり、投資しなければ将来の可能性、未来の安全や富を守り得ることは出来ない。義務教育で教えるべきことでしょうが現在まで逆のことしか教えない報道宣伝しないでは日本の未来は隣国の思うままでしょうね。

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  2. たかゆき より

    盲点

    プロの将棋八段が何日考えても
    解けなかったという 詰将棋
    アホの小生(たぶん素人は)
    一目で解けた。。。

    プロのバイアスが掛かった知能
    その程度のもので ございませう。。
    (善意で解釈すれば)

    初手の俗手(彼等にとっての)を逃すと
    けっして 詰められない

    小学生のころから 「先生」を
    小馬鹿にしている 少 学生にとっては
    またか と おもえる しんねん なのだ ♪

    もっとも 最善手が解っているのに
    師匠の意思で その手を指さないのであれば
    それはそれで 阿呆でございます ♬

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