日本経済

2017年7月3日

【三橋貴明】国家存亡の危機

From 三橋貴明

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続々 プライマリーバランス黒字教徒の狂気
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フランスを縛る二つの鎖
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現在、財務省の緊縮財政の影響で、
どれほど我が国が小国化したのか(過去形)について書いているわけですが(仮タイトルは「財務省亡国論」)、
財政均衡主義者たちの「妄念」には、本当に恐るべきものがあります。

PB黒字化目標という「狂気」に固執し、
挙句の果てに財務省や緊縮財政派の一部は、財政均衡を「憲法」に書き込もうと図っています。

実際、自民党が作成した「自民党憲法草案」には、
「財政の健全性は、法律の定めるところにより、確保されなければならない」

という、嫌な予感しかしない文章が盛り込まれています。

「財政の健全」が何を意味するのかは不明ですが、
例えば「PB黒字化」と法律で定義されてしまうと、
事実上「憲法で財政均衡を定める」という話になってしまうわけです。

安倍政権が閣議決定した骨太の方針2017には、
日本経済の喉元に刺さった毒矢とでもいうべき「プライマリーバランス黒字化目標」が残っています。

もっとも、日本のPB黒字化目標は、内閣が判断すれば、抜き取ることができます。
閣議決定は、確かに重いですが、「閣議」決定であるため、内閣が変更することは可能です。

例えば、PB黒字化が「憲法」で定められたら、
あるいは「国際協定」で決まっていたら、どうなるでしょうか。
毒矢を抜き取ることは、限りなく不可能に近くなります。喉に毒矢を突き刺し、
ガムテープで抜けないように固定するようなものですね。

実際、ドイツは財政均衡主義を「憲法」で定めています。ドイツ基本法(憲法)には、
「連邦および州の財政は、原則として、借入による収入なしに、これを均衡させなければならない」
と、書かれているのです。

ドイツはリーマンショック後の2009年、
基本法に「債務ブレーキ条項」を盛り込みました。
結果、ドイツは赤字国債を発行することは(原則)禁止となっています。

また、EU(欧州連合)のマーストリヒト条約では、
単年度の財政赤字を対GDP比で3%以内に収めなければならない「ルール」になっています。
国際法は国内法の上に立つわけです。

マーストリヒト条約を批准したEU加盟国は、国内状況がどうであれ、
財政赤字を対GDP比3%以内とすることを「要請」されてしまいます。

憲法にせよ、国際協定にせよ、
財政均衡主義が固定化されてしまった場合、
日本のデフレ超長期化と「小国化」「後進国化」は決定的になります。

何といいますか、財務省の緊縮財政至上主義により、
既に現在の日本国は「国家存亡の危機」に瀕しているというのが、
「財務省亡国論」を書いている三橋の印象です。

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【三橋貴明】国家存亡の危機への4件のコメント

  1. 拓三 より

    未来を諦めれば今しか残りません。
    今しか生きれない動物は何をするか?
    他者から奪うしかありません。

    食うか食われるかの世界であります。
    道徳や秩序は足手まといになります。
    つまり人間社会、文明の否定。
    こう言う世界を日本は求めているのですか?

    特に女性の皆さん。
    男が道徳、秩序を捨て、歴史、文明を否定すればどうなるか想像してみてください。男は女性と違い長期的未来を作る事は出来ません。男は短期的な未来を積み重ね、それが歴史となりその歴史から学ぶ事によって秩序を辛うじて保持している生き物です。男の秩序は歴史と短期的ながら未来を作る事で守られているのです。教育だけでは守れません。

    国家の赤字とは未来です。赤字を失くすとは未来を失くす意味でもあるのです。

    ボンクラ政治家! 頼むからカネを理解してくれ!

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  2. 通りすがり より

    アメーバブログに書き込めないのでここで。
    ————————————————————–
    7月3日の記事「もはやヒトを安く買える時代は終わった」には、悪文というか誤分析が混じっていると思いますので書かせていただきます。

    >日本の少子高齢化の主因の一つは、間違いなく東京一極集中です。

    今の日本経済において、少子高齢化はあんまり重要ではないかなあ…。
    デフレの方が1万倍も重要です。
    こんな感じではないでしょうか。

    デフレ→保育所の不足、賃金の低さ
    一極集中→保育所の不足
    賃金の低さ→保育所の不足

    なお一極集中に関しては、「東京に対する妙なあこがれ」「地方民同士の人的交流の煩わしさ」「地方の娯楽の少なさ」「大阪府の凋落」が原因としてあると思います。
    しかしより大きな原因と言うと、「地方にまともな仕事がない」ということではないでしょうか?
    労働者は「まともな仕事がない」と言い、企業は「人が居ない」と言う。これが正しいとしたら、
    この状況をどう解釈するのでしょうか。

    >経営者はいい加減に、「もはやヒトを安く買える日々は終わった」 ことを理解しなければなりません。

    三橋さんは人手不足を生産性向上のための投資によって補え、と仰っています。
    確か投資には公共投資、設備投資、人的投資、技術開発投資の4つがあったと思います。
    ですが、この記事では設備投資に関しての記述がすっぽり抜けているのが気になります。
    うちは設備投資をするから人的投資はしないよ、と思っているような企業も少なからずあると思うのですが、その辺りはいかがお考えなのでしょうか。
    例えばドローンで打音検査が出来るとしても、それはドローンが偉いのであって、人が偉いということにはならないでしょう。

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  3. 通りすがり より

    経済は投資によって成長します(消費よりも)。
    すると三橋さんは、今の経営者世代に「投資をしろ」と促さなければならないと思います。

    しかし、多くの50代以上?が行っていることは、「今まで努力してきた分の回収」なのではないでしょうか。
    つまり投資をするのではなく、今までの投資の回収。真逆を行っているのだろうと思います。
    何故こうなのかと言えば、当然バブルの発生と崩壊があると思うのです。
    しかし非論理的なことを言えば「人生楽ありゃ苦もあるさ」なのであり、
    バブル期に浮かれていれば、その分どこかでツケを払わされるというのが世の常だと思います。
    しかし、バブルに浮かれた日本人は、今もそのバブルがどこかにないか、またジュリアナ東京が起きないかと思いながら、将来への投資を怠り、
    将来の日本人にツケを払わせているのではないでしょうか。
    ツケは自分だけに押しとどめておいて欲しいですね。

    そして肝心の政治家自体も、数少ない財政拡張派以外はそんな調子で、「将来にツケを残すなと言いながら」、将来にツケを払わせようとしているわけです。

    恐らく、三橋さんが講演を行うなら、この辺りを論点にした方がよいと思うのですが、いかがでしょうか。

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  4. 赤城 より

    この国は戦前から憲法改正する事が出来なかった。
    悪い意味で硬く怠惰な甘さの強い保守の性質。
    フランスはEUだろうがイギリスみたくいざとなれば即離脱する事が出来る国だろう。
    日本は主権放棄憲法さえ改正できず、それどころか国家国民を苦しめ続ける内閣の決定すら修正できない国なのだ。
    祖国の最も大事な部分を必死に守るエリートや国家諜報があって最後の亡国への道を避けることが出来るのが民主主義国家の現実だろう。日本にはそのいずれも無い上に主権を守る国軍も無いのだ。
    財務省の首魁や歴代のデフレを死守した政治家たちを贖い得ない大罪の刑に処すことが出来る世の中なんてありえない。
    それでも緊縮財政のために存在する緊縮財務省によってデフレが維持され日本のGDPが20年間停滞したことが世の中に知れ渡ることを願わずにはいられない。

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