日本経済

2016年9月1日

【三橋貴明】台風10号と防災の日

From 三橋貴明aブログ

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 台風10号(ライオンロック)は8月19日に関東の南東海上で発生。南西に向かい、沖縄の南海上でUターン。再び、日本列島に上陸し、観測史上初めて東北太平洋岸に上陸し、巨大な爪痕を残し、温帯低気圧に変わりました。

 コースもさることながら、北緯30度より北で発生した台風としては、記録的な長寿だったようです。

『台風10号  死者11人、不明5人 岩手と北海道
http://mainichi.jp/articles/20160901/k00/00m/040/136000c
 大型の台風10号は30日に岩手県に上陸した後、日本海に抜け、31日午前0時に温帯低気圧に変わった。国土交通省の31日午後3時現在のまとめでは、北海道や岩手県など10水系20河川で家屋浸水などの被害が発生し、北海道の3水系3河川で堤防決壊が起きた。岩手県や県警によると、岩泉町の小本(おもと)川が氾濫し、同町乙茂地区にある高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で入所者の高齢者9人が意識不明の状態で見つかり、全員の死亡が確認された。さらに、小本川の川岸で男性1人、同町に隣接する久慈市でも女性1人が死亡。また、岩泉町内で2人が小本川の洪水で行方不明になっている。このほか、北海道では清水、大樹、新得各町でそれぞれ男性1人が行方不明になっている。(後略) 』

 本日は、防災の日です。

 防災の日とは、
「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」
 日のことですが、国民が自然災害に対する心構えをしようがしまいが、容赦なく自然災害はやってきます。

 我が国は防災の日があろうがなかろうが、常に「台風高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め」なければ、生きていけない国土なのです。
 今回の「ライオンロック」や先日の台風9号、台風11号と、立て続けに台風が襲来した日本ですが、非常に特徴的だと思ったのは、洪水被害にあった方が、、
「こんなことは初めてだ」
「こんな洪水が起きるとは思ってもみなかった」
 と、テレビのインタビューで一様に応えていたことです。

 これまで、氾濫したことがなかった、あるいは「氾濫するなどとは思ってもいなかった」河川に集中的な豪雨が降り、洪水が発生してしまったのです。結果、被害が拡大しました。
 今年4月の熊本地震の後に九州を訪れた際に、各地で、
「九州であんな地震が起きるとは思わなかった」
 と、経営者さんたちが口を揃えたようにボヤかれたのです。

 熊本の被災者の中には、マンションを購入する際に、
「熊本は地震が来ないから地震保険はかけなくても大丈夫です」
 と、言われた方もいらっしゃるようです。

 確かに、現代に生きるわたくしたちは、九州で大震災が起きたという記憶がありません。とはいえ、九州にも地震を引き起こす断層帯は多々あります。熊本地震を引き起こした布田川断層帯と日奈久断層帯も、地震発生の可能性は「高い方」とされていたのです。
 とはいえ、一般の九州の方々は知りませんでした。知らないで、「九州では大きな地震が起きない」と思い込み、熊本地震が発生しました。

 本日は、防災の日です。
 「ライオンロック」が引き起こした被害を目にし、誰もが「河川の堤防強化など、防災投資が必要だ」と思ったでしょう。問題は、忘れてしまうことです。

 被災地は別ですが、悲惨な災害被害をテレビで目にし、一時的に「防災」の重要性を思い出しても、わたくしたち日本国民の多くはすぐに忘れてしまいます。そして、しばらく経つと、
「国の借金で破綻する〜っ! 防災だろうが何だろうが、公共投資を削れ〜っ!」
 と、やり出すわけです。
 いい加減にしましょ。忘れないでください。

 我が国は、常に防災投資を蓄積していかなければ、国民が生き延びられない国なのです。防災の日に「防災」について考えるのは当然として、日常的に防災を意識し、「国民が安全に暮らせる日」が来るまで、ひたすら投資を蓄積する。

 そう考えたとき、我が国で需要(投資は「需要」の一部です)が不足するなどという事態は、本来は起こり得ないということが理解できるのです。防災という需要はあるにも関わらず、単に「見ていない」「目をそらしている」に過ぎないのです。

ーーー発行者よりーーー

はーやん様のレビュー: ★★★★★ 
「中国の本質が理解でき感謝です。」

特に印象に残ったのは以下3点となります。

1.グローバル経済の凄さ

確かに中国の経済規模は無視できないと思います。
冷戦前の1991年以前は鎖国していたので貧乏でしたが、
それ以降外資を導入して経済拡大したのはよく理解できました。

品質は悪いといわれていますが、新幹線も原子力も自国で
製造できるようになっているのは、経験の蓄積といえ、今後も脅威と思います。

2.中国共産党の意思決定の速さ

これは選挙で選ばれていないので民意を反映しないで
意思決定できる点がなるほどと思いました。
独裁国家であることを再認識しました。

3.尖閣の問題

日本として妥協してはいけないと思います。

領土問題は世界のどこでもありますが、
妥協すると相手の思うつぼっていうのは当たっていると思います。

いつ解決できるかはわかりませんが、
日本国として毅然とした対応が大切と感じます。

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【三橋貴明】台風10号と防災の日への2件のコメント

  1. きらきら より

    災害や防災ための冗長性は必要だと、よく説明して下さっていると思います。その理屈で、家でも、共働きで余裕がなくなると、何かあった時、全然回らなくなるのではないかなと思います。しかも、周りではそういう家ばかり。ギスギスの社会になりそうで、怖いものです。

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  2. robin より

    暑さ慣れた頃に夏が終わり寒さに慣れる前に冬が終わる、みたいな感が日本の四季にはあるが、日本人の忘れっぽい能力は自然災害の多さ、日本の国土に一因があるだろうか、災害の後に0からやり直すには今までのことは無かったことにする、水に流すことも必要になるだろう、忘れっぽさが日本人全体の特性だとすれば長所でも短所でも無いが、国家間で相対化すれば短所にもなりうる、しかし、安易に短所を矯正しようとすればそれを補う長所まで消えてしまわないか、日本語の特性である曖昧さ、厳密性の無さは日本国民同士では有益なもので、人同士の争いを避け、何れ来る自然災害に対して協力するのに役立つ、しかし、厳密性の無さ故に学際的研究には向かず、科学的な精神も身に付き難いのか、日本語を基礎として外国語の長所を取り入れるのが本来だと思うが、やり過ぎで短所を取り除こうとした結果、何物でもなくなってしまった、何の価値も蓄積出来なくなってしまわないか。テレビで宣伝される日替わりの宙に浮いた価値よりその国の歴史文化国土に根差した価値も重要では。

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