日本経済

2016年1月11日

【三橋貴明】これは詭弁なのか?経済学の3つの「仮説」

FROM 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/

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【今週のNewsピックアップ】
トリクルダウンはあり得ない
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続 トリクルダウンはあり得ない
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経済関連の「詭弁」の一つに、仮説を「原則」であるかのごとく扱い、結論を断定するという手法があります。例を挙げますと、
「クラウディングアウトが起きるから、国債発行はダメ」
「マンデル・フレミング・モデルにより、変動相場制の国では財政政策が無効」
「トリクルダウン理論により、富裕層・法人減税は正しい」
などになります。

クラウディングアウトとは、政府の国債発行が「金利上昇」を招き、企業の投資が減少するため、経済成長が阻害される。というロジックなのですが、現実の日本(欧州でも)ではデフレで民間の資金需要が不足し、政府の国債金利はむしろ「下がって」います。

マンデル・フレミング・モデルはクラウディングアウトの延長で、政府の国債発行・財政政策の拡大が「金利上昇」と「通貨高」をもたらし、輸出減により財政政策によるGDP拡大分が相殺される。よって、変動相場制の国において財政政策は無効。というロジックなのですが、長期金利0.23(!)%の国で、何言っているの? という感じでございます。

しかも、第二次安倍政権発足以降、「通貨安」が大幅に進んだにも関わらず、日本の実質輸出は増えていません。純輸出で見ても、原発を稼働しないため、外国からの原油・LNGの輸入が増え、マイナス(純輸入)が拡大していきました。

さらに言えば、日本銀行が国債を買い入れている以上、「国債発行=金利上昇」などという単純なモデルが成立するはずがないのです。MFモデルにしても、財政出動が金利上昇、円高をもたらすのがそんなに怖いなら、金融政策を併用すれば済む話です。

要するに、クラウディングアウトにせよ、MFモデルにせよ、
「絶対に財政出動の拡大はダメ。国債発行もダメ」
という「結論」がまずあり、その結論に導くための詭弁として持ち出されているに過ぎないのです。

とはいえ、この種の詭弁が政界を支配し、財政政策による需要創出が実現しないため、我が国はいつまでたってもデフレ状況から抜けられないでいます。

トリクルダウンも同じです。ブログのエントリーでも解説した通り、トリクルダウンとは「富裕層減税や法人税減税により、国内の投資が拡大し、国民が豊かになる」というロジックになっています。

減税分を「国内の投資に必ず使う」ように政府が強制できるならばともかく(できません)、資本の国境を越えた移動が実現したグローバリズムの時代に、トリクルダウンなど成立するはずがないのです。しかも、法人税を減税し、企業の現預金を増やしたところで、デフレで投資利益が見込めない以上、国内の設備投資が拡大するはずがありません。

上記の理屈は、「常識」に基づき考えてみれば、誰でも理解できるはずです。特に、損益計算書やバランスシートに触れる機会が多い経営者であれば、一発で分かるでしょう。
ところが、現実にはトリクルダウンが成立するという「前提」に基づき、法人税減税をはじめとする構造改革が推進されています。

それどころか、もはや政府はトリクルダウンという「言い訳」をする必要すら感じていないのかも知れません。

竹中氏が今回、トリクルダウンを否定しましたが、これは別に、
「トリクルダウンがあると嘘ついていました。ごめんなさいね」
とう話ではなく、
「トリクルダウンなど、あるわけがない。政府に甘えず、各人が努力せよ。負けたら、自己責任」
と、責任を「国民」に丸投げしたに過ぎません。

それにしても、中国が改革開放を推進した際、_小平は「人民」に対する言い訳として、トリクルダウン仮説の一種である先富論を持ち出しました。中国のような共産党独裁国であっても、勝ち組に優しい政策をする場合は、トリクルダウン仮説で「言い訳」をする必要があるのです。

ところが、日本ではもはやトリクルダウンという「言い訳」すらなされず、格差を拡大することが明らかな構造改革が推進されていっています。

この状況を「怖い」と思うのは、三橋だけでしょうか。

—発行者より

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【三橋貴明】これは詭弁なのか?経済学の3つの「仮説」への6件のコメント

  1. ねこ より

    「でもね、個人と国家は違うんです。」「国家が競争原理を推進すれば歯止めがかからんようになるんですよ。」そうそう、そう思います!!すばらしい!私は自らのぞんで、競争原理の民間に住み込みましたが、そこでの修羅シュシュシュを「カッコイイ♪」と思う中途半端な公の人たちが、一番、タチが悪いようにおもいます、自分たちは安全域を確保しながら、スリルに憧れ後進を焚き付ける、御仁らこそ。・・アメリカの軍艦に乗って脱帽敬礼する安倍さんら閣僚の人たちの写真に、そのニオイ、プンップンします。

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  2. robin より

    会社とか市場競争の論理(枠組み)と家とか安全の論理は真逆でもどちらも大事。安定と進歩は真逆だけど両立させるのに必要なのが相互扶助が可能になる国民意識かな。現政権は自由民主主義の内自由競争だけ贔屓して自由主義の自由党になってないか。民主党より10倍マシだけど10倍に濃縮した毒よりマシという程度で同じ毒には変わりない。竹中氏が主張してるのが正に自由市場原理イデオロギーのみ取り出した完全自由平等な価値観によるコロニーの再形成かな。国民意識とか自分達が普段使ったり占有してる足場とか立場の重要性を思い出せば家とか共同体の作法の再評価も出来るようになるかな。

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  3. 拓三 より

    平蔵はホンマ傲慢な奴やな。平蔵に「ドヤ顔」で言われなくても国民のほとんどが競争原理で生きています。でもね、個人と国家は違うんです。国家が競争原理を推進すれば歯止めがかからん様になるんですよ。なぜ国と言う共同体が出来たかを根本的に理解して頂けないでしょうか平蔵さん。安定(国)があるから秩序ある競争が出来るんですよ。秩序は法では守れません。秩序は安定で成り立つのです。法で守れるならば戦争は起きません。ッて言うか法があるから戦争が起きるのです。(法はそもそも宗教)法に頼るのは混乱時であります。その混乱時に陥れるのが『新自由主義』であります。

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  4. たけちゃん より

    三橋先生 統一教会の教義に日本人の富は日本人のものではない。という教えがあるそうです。日本人はサタンで朝鮮半島に捧げなければならないそうです。キチガイかとお思いでしょうが、安倍晋三の回りに世耕 萩生田 稲田 恐らく 菅も、統一教会信者で官邸を支配しているとおぼしき情況証拠は十分です。日本はキチガイカルト信者安倍晋三に破壊 征服されるのです。

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  5. あまき より

    教条主義という意味では共産主義者も構造改革派も同じように見えます。ソ連崩壊の直後、左派連中は「思想に誤りはない。方法が間違っていたのだ」との理屈でますます強がった。対する構造改革の信奉者たちはどうか。中曽根政権以降30年経った今なお「日本が成長軌道に乗り切れていないのは各所で旧套の村人に改革が阻まれ不徹底だったからだ。改革を徹底すれば輝かしい未来を必ずこの手で掴むことができる」とやはりむきになっている。左翼の言説が聞く耳持たれてないと言うのなら、構造改革一辺倒だって厭きられているに違いないのだ。施さんが紹介された佐伯さんの言は真っ当です。むきになっている人たちが、構造改革に対する総括なくいま近年にない権限を掌握し「強いニッポン」を目指し航速を早めている。そのためには喫水線下に貼りついたフジツボなどを削ぎ落として抵抗を減らす必要がある。果たしてフジツボは断捨離の如く削ぎ落とされて大憤慨した。しかしフジツボもまた「党の中で最も保守といわれていた」「ぜんぶわかってやっている」「の他に誰がいる」式のろくに根拠も明示することなく思想の統一を迫った教条主義者ではないのか。その証拠に削がれてもなおダンコシジを訴えている。雌雄同体性の自己生殖を見る思いがする。しかも生殖によって生まれた真面目な狂気を番組で批判するという究極のナルシズム。今朝はいきなり一面でイトシゲはんのご尊顔つきご託宣読まされる。今年の日本経済は順調になるって見通しが多いだって。学者のあなたが見通しを伝えてどうする。新年だからおめでたい人を巻頭に持ってきたのかな。読者が完全にばかにされている感じです。

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  6. ぬこ より

    国際金融家極右であり郵政シティバンク化極右(笑)の、元米財務長官ルービンも、デフレ下の日本経済に緊縮財政のススメを説いておられた気がしましゅ。この辺がIMFやBISに大きな影響力があるんでせうか?バブル崩壊後の時価会計適用極右や、労働者派遣法改正極右や、TPP極右などとも発言や行動が被って見えるのは小生だけなのでしゃうか???

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