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2019年7月16日

【saya】TBS〝音楽の日〟〜歌は世につれ、世は歌につれ〜

「歌は世につれ、世は歌につれ」
使い古されていると思っていたこの言葉が、これほどまでに
真理を語ってくれるとは、、あらためて感じたのが
先日のTBSで放送された『音楽の日』という番組だった。

私が観たのは深夜帯のほんの一時間ほど、
◆ノンストップ灼熱うたリレー(1) というコーナーだったのだが、
これがなかなか感慨深く、
近年の『歌』というものをあらためて
考えさせられた時間になった。

番組のホームページには下記のような出演者一覧があった。

【コーナー出演者】
HY A.B.C-Z SHISHAMO CHEMISTRY  倖田來未
SEAMO  ジャニーズWEST D-51 nobodyknows+
AI. 家入レオ E-girls ウルフルズ 倉木麻衣 
KREVA CHEMISTRY ジャニーズWEST. ファンキー加藤

ここからは登場したアーティストたちが
歌っていた歌詞の中で
印象に残った歌詞について
独断と偏見で勝手な印象を述べさせて頂く。

まずEXILEの妹分として2011年にデビューした
ボーカルダンスユニット “E-girls”さん。
ストリート系ファッションに包まれた
20代中心のキラキラした11人の女の子たちが歌う
新曲「シンデレラフィット」というラブソングの歌詞に
、こんな言葉が出てきた。

「いいことばっかりあるわけじゃない 誰だってそう悩んでる」

「True True だから毎日 頑張るの」

非常にハッピーなラブソングに
急に現実的な歌詞が出てきてはっとする。

続いて登場した20代ガールズロックバンド
”SHISHAMO”さんの「明日も」の歌詞には

「月火水木金働いた」「ダメでも頑張るしかないからさ」

「良いことばかりじゃないからさ」「痛くて泣きたいときもある」

たった一時間のうちに2回も
「良いことばかりじゃない」
でも「頑張る」という歌詞を
聞くことになろうとは、、驚いた。

続いて上記のグルーブとは少し年代を隔て、
まさしく就職氷河期世代真っ只中の世代、
J-ヒップホップ界を牽引してきた
カリスマ Krevaさんの
『イッサイガッサイ 2019ver.』

彼女と一緒に夏休みを迎えた男性が、
ワクワクする気持ちを持ちつつも

「リゾート気分味わってるはずの理想の自分とは程遠い」

「もう普通が普通じゃない毎日だから」「痛感するんだよ」

「お前と居られるなら上出来」と語る。

そして日曜から土曜までの休暇の過ごし方が
その後の詞で語られるのだが、
これがまたインドア派。
設定は「夏」だが「夏」要素ゼロ。
 
どうやら彼女と出かけたのは
新宿へ買い物、インドマッサージ、
秋葉の電気屋さんのわずか三か所。

あとは自宅でダラダラと過ごし、
決して贅沢とは言えない夏休みを過ごす。

「お前と居られるなら上出来」
彼は恋人がいる事に感謝しつつもしかし、
彼は現状に納得しているわけではなさそうだ。
「何が俺らを惑わしてる イッサイガッサイのみこんで」いるのだから。

1993年森高千里さんの「私の夏」では
彼氏と別れたばかりの女の子同士が
当たり前のように「決めた、沖縄の海にしよう」と
ビーチリゾートに弾丸旅行ができた時代とは隔世の感。

Krevaさんは41歳、私の学生時代もそうだったが、
バブル華やかなりし時代の
大人を見て育った世代だ。
もしかしたら彼女をもっと特別な場所へ
連れて行くことが出来ない不甲斐なさのようなものを
飲み込んで過ごしている夏なんだろうか、、と想像する。

先に記した二組の女性ユニットの歌詞には
Krevaさんほど裏読みできるストーリーは
それほど感じられないのだが、ストレートすぎる分、
今の20代の諦観のようなものを感じて仕方なかった。

それをさらに感じたのはBLUE ENCOUNT(ブルー・エンカウント)、
通称ブルエンと呼ばれる2014年デビューの
ロックバンドの「もっと光を」の歌詞。
ロックの激しいビートに乗せて
「もっと光を」を繰り返し叫ぶのだが、
基本的には「もっと光を」君に届ける、僕が君に光を届ける、
という内容にも関わらず旋律と歌詞の相性で、
自分が光を欲してやまなくて連呼しているように感じた。

「光は誰もくれない」「だから進むんだ」「僕が君をてらすから」

極めて根拠の薄いこの言葉に
ついて行く女性はいないなぁ、、とぼんやり考えつつ、
自分自身も確固たるものがないのに、
女性を守らなきゃいけない思春期の男の子の
危うさとか線の細さが
皮肉にも現れていて胸が切なくなってしまった。

他の出演者の歌詞にも共通して感じたのは「ラブソング」であっても
主人公の生活の苦しさが現れていること。
登場したカップルのほどんどがどこにも出かけていない。
いかなるスポットも登場しない。おそらく部屋の中。
車はもちろんない。毎日働いている。

また登場する要素は必ず

「あなた」と「私」、(「君」と「僕」)
この二つのみ。

いやぁ、ほとんど恋愛の歌なんだから当然でしょう、、
と思われるかもしれないが、

例えば「あなた」と「私」は一体何歳くらいなのか、
「私」はどんな性格で、
今どういうシチュエーションで、
「あなた」は何をしていて、どういう関係性なのか、
という要素がさっぱり見えない。

まるで自己紹介せずに話ししてるみたいなイメージだ。

圧倒的にわかりやすいので昔の歌詞と比べてみる。
1976年 荒井由美さんの「まちぶせ」

〝夕暮れの街角 覗いた喫茶店 微笑み見つめ合う 見覚えある二人〟

〝あの子が急になぜか 綺麗になったのは あなたとこんなふうに 
会ってるからなのね〟

わずか二行、
「私」はいつ・どこにいて・何をして・何を思ったか、全てわかる。

「会ってるからなのね」部分の下がっていくメロディで、
少々嫉妬深い、または執念深い、主人公の性格まで想像させる。

オフコースさんの「Yes No」
「君を抱いていいの 好きになってもいいの 君を抱いていいの 心はどこにあるの」

こちらも短いフレーズの中に、好きな女性に踏み込んで行かれない、
ある種 繊細な、そしてある種 意気地無しな男性の姿が浮かんでくる。
それまでの男らしい男、強い男、からなんでも女性の同意を得て
始めようとする新しいタイプの男性像が浮かび上がってくる。

また稲垣潤一さんの『 A Glass of the Sorrow』(売野雅勇さん作詞)
冒頭の歌詞では

「水路で結ばれたホテルのAmerican Bar 金色で掠れた文字さえ変わらないね
君だけがいない 「別れる気ね、、」とコインでフォービート刻んだ」と
1986年ならではのラグジュアリーかつ
洗練されたスポットでの恋模様が描かれている。

昔の歌には短いフレーズに幾つもの要素が含まれていたことがわかる。

再び「音楽の日」に戻る。

登場した男性デュオChemistryの新曲
「Angel」の歌詞は突然

「愛する人がいれば強くなれる 本当さ」

というようなサビ(新曲なのでまだ歌詞が検索できず私の記憶に頼っていますのでお許しを)
からスタートし、なぜそう思ったかについては
最後まで全く触れずに歌詞が終わった。
とても普遍的で素敵なメッセージだが、
そこに至る過程が示されないままだと
ただお題目を唱える交通安全週間の標語のように
感じてしまう自分がいた。

他のファンキー加藤さんの新曲も、
ジャニーズWESTさんの新曲も
ほとんどの出演アーティストの歌詞にも
同じ傾向が見られた。

いつ頃からこういう傾向になったのか考えたが、
職業作詞家さんがあまり手がけなくなった頃からかな、、
ぐらいしか答えは出なかった。

ただこうなった原因を考えてみると、
昔は個別のエピソードを歌っても、
誰かしらに当てはまり共感を呼ぶだけの
リスナーの大きなパイがあったからそれが成立した。
量を打ち出せたから。
しかし音楽業界のパイ自体が縮んだ今、
より多くのリスナー獲得のため
誰にでも当てはまる普遍的な概念を歌わなければ
営業として成立しなくなったいう現実もあるのかもしれない。

しかしながら普遍的な概念を歌おうとすればするほど、
普遍性からは実は遠ざかっていると感じる。
普遍性とはそれぞれの細部に宿るものがあって
それを認め、感じあうことから始まり
そのそれぞれの細部に自分と共通するものをみつけ(それが共感であるが)
新しい考え方をそこで発見することで
みんな、なんだかんだ言って同じ時代に生きているだね、、と、エールを送り合う
というのがポップスの一義的な素晴らしさだと思ってきたけれど
今回のこのやるせない想い、皆さんは感じたことはないでしょうか。

もちろんこうじゃなくてはいけない、、は無いのだけど
いっぱい歌に夢を見てきた自分としては、
少し寂しい時間だったなという
思いです。また綴ります。

⭐️⭐️⭐️sayaライブ告知⭐️⭐️⭐️
生歌を是非聴きに来て下さい。

◆8月6日(火)
『saya スペシャルサマーライブ@馬車道パラダイスカフェ』
saya夏のスペシャルライブは、ブルースハープ界の大御所 八木のぶおさんを
スペシャルゲストにお招きし、いつも以上に熱くブルージーな一夜をお届けします。
夏の暑さを熱い音楽で吹き飛ばしましょう!!!
めったにないコラボレーション、選曲もお楽しみに!!

ご案内&予約のページ≫
出演:saya(vo)/塩入俊哉(pf) スペシャルゲスト 八木のぶお(Blues Harp)
at:馬車道パラダイスカフェ/横浜市中区住吉町6-72 シャンローゼ関内 B1 アクセス≫
Open 18:30/Start 19:30 2ステージ(途中休憩あり)
MC : ¥4,000 (税込・飲食代別)
ご予約 パラダイスカフェ TEL: 045-228-1668
※ 基本的に営業時間中はライブを行っておりますので、
ご連絡は下記メールフォームからお願い致します。
お問い合わせフォーム: http://www.paradisecafe2001.com/ https://tiget.net/events/

saya ライブツアー令和元年〜赤と白〜
『ミラクル』&『日本の心を唄うvol.2』発売記念スペシャルライブ
in 大阪 in 札幌 in 東京

今年3月に発売した珠玉のオリジナル集『ミラクル』からは情熱の歌声を、
たくさんのリクエストを受けて8月に完成する『日本の心を唄うvol.2』からは
大人も子どもも楽しめる瑞々しい唱歌を、
“赤と白”、“情熱とピュア”2つのカラーを楽しんで頂けるスペシャルライブです。
癒しの波動を含んだピアノは塩入俊哉、大地の鼓動を体現するパーカッション&
voiceに楯直己、透明感溢れる歌声はsaya。3人の織りなす日本の詩情は必聴です。
ご予約お待ちしています!

2019年9月24日(火)
会場: 大阪梅田 ソープオペラクラシックス http://soarsmusic-soc.jp
開場: 18:30 開演:19:30
ミュージックチャージ: ご予約 \\ 3,500 当日 \\4,000
お問い合わせ・ご予約: 06-6809-1703
メンバー saya(vo.)塩入俊哉(pf.)楯直己(perc.&voice)

2019年9月30日(月)
会場: 札幌 くう coo http://www.sapporo-coo.com
開場: 19:30 開演:20:00
ミュージックチャージ: ご予約 \\ 3,500 当日 \\4,000
お問い合わせ・ご予約:011-218-1656
メンバー saya(vo.)塩入俊哉(pf.)楯直己(perc.&voice)

2019年10月10日(木)
会場: 渋谷JZ Brat Sound of Tokyo http://www.jzbrat.com
開場: 18:30 開演: 19:30
ミュージックチャージ: ご予約 \\4000 当日\\4500
お問い合わせ・ご予約: 03-5728-0168
メンバー saya(vo.)塩入俊哉(pf.)楯直己(perc.&voice)+ゲスト

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【saya】TBS〝音楽の日〟〜歌は世につれ、世は歌につれ〜への7件のコメント

  1. たかゆき より

    歌は、、

    大瀧 詠一 山下達郎 竹内まりや

    (順不同 敬称略)

    彼らの世代が 曲も歌詞も すんなり きます

    最近の 歌は それこそ

    デフレのせいなのか 
    「貧すれば貪す」

    鬱々となるばかり、、、

    デフレ時代の普遍性って

    いったい 何なのでせうね。。。

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  2. 赤城 より

    ポップスの歌詞の話とても興味深く新鮮でした。
    ポップスに全く興味がなくつまらないと感じる人間には
    現代の歌詞に対する深い考察などできるわけもありませんから、
    金持ちと金儲けのための表面的な飾り言葉としか思えない
    人気ポップスの歌詞を考察してもらえることはありがたいです。

    歌詞の具体性の無さについては
    歌のますますの形骸化と日本人の足元の崩壊が
    あるように感じました。

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  3. 神奈川県skatou より

    観念に救いを求める。
    もはや現実にさえ向き合えない時代、なのですかね。。
    (そんな時代のオトナですみません。。。)

    卑近な話ですみませんが、自分が高校生のころは合唱部に所属していて、来る日も来る日もおんなじ曲を練習していて、旋律はともかく、歌詞がつまらないと、とても退屈に、またその逆だととても楽しくなるもので、歌詞、ひいては詩というものはとても興味がありました。
    (そのころは谷川俊太郎の作詞が好きでした)

    ポップスのこのみでいえば、歌詞がとても具体的で、抽象観念が無い、一切ない、とても分かりやすい、情景がありありとして、今を生きている、それがビビットに伝わる作詞の曲があります。

    引用にもある森高の曲がそうです。
    秀逸なオススメはコレです。

     地味な女
     ザルで水汲む恋心

    これ以外のどれをとっても、そのレベルは同じです。
    絵画以上の描写力だと自分は思ってます。
    そういう人が銀色の夢とかI wishを書くのですからね。
    宛先

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  4. 大和魂 より

    永田町にて、それなりの経験者が、恥を知りなさいと野党に責任転嫁する話題よりも、まだ無知な音楽の話が純粋に聴いてみたいと思います。それでまだお若いsayaたちには、年配層がだらしないばかりに、申し訳ない気持ちを感じてます。それは、火サスでお馴染みの、ごめんね。

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  5. リグス より

    私の若い頃は月火水木金働いたじゃなくて、月月火水木金金がまだ生きていたね。まさに隔世の感があります。

    歌は今でも好きで聞くけど、若い頃好きだった歌ばかり。最近の歌はほぼ好きになれない。これは自分が変わってしまったのだと思う。

    歌に込められた情感をもう理解出来なくなってしまったのだろう。しかし、昔の歌は今でも私の心を揺さぶる。

    中学生の頃、ニューミュージック好きの友人が従来の歌詞と弾き語りの違いを説明してくれた。そんなもんかいなと思ったが、やはり古い歌より新しい歌が良かった。

    若い頃は悩みや不安も多い、そんな時歌は私を慰めてくれた。もうその頃は遥か昔である、その意味では歌は私に必要なくなったのかもしれない。

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  6. a horse より

     変しい、変しい SAYA さまへ。

    いくつになっても、お子ちゃまっぽくて素敵ですよ。

     文体について。

    一般に、ですます、だ、である、という区分があります。

     あなたのイメージ、普段のノリに沿って、

    ですます調でいいのではないでしょうか。

     ですます、を多用することなく、表現することは、
     充分可能と思います。

     こなしてみてくださいますように。

           オン願い、奉り、、、、 m。

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  7. F-NAK より

    89年に発売された曲で印象的な2曲

    勇気のしるし
    「24時間戦えますか♪」は、今だったらとてもリリースできない歌詞。
    けど、あの頃は働けば働いただけ収入は増えたので、皆が働きたがっていた。

    大迷惑
    悲惨な目にあった男の歌。
    しかし、その悲惨な目というのが、仕事もあって、妻子もいて、家を買うお金もある男が転勤を命じられるというもの。
    今だったら贅沢な悩み。

    でも、こういう歌が流行る時代の方がいい気がする。

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