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2015年1月26日

【三橋貴明】現実はそうではないのです

From 三橋貴明 http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

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●月刊三橋最新号のテーマは「フランス経済」。

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三橋は、
「現在の日本で企業の設備投資が増えないのは、金融政策の「不足」ではなく、需要がないため。需要=仕事が増えない限り、企業は設備投資を増やさず、人材投資にも本腰を入れず、実質賃金は上昇しない」
と、主張していますが、これは経営者としての「今の自分」の経験があるためです。

おかげさまで、経世論研究所は講演の仕事が異様(異常ではなく、異様)に増えておりまして、一月中旬からの一か月間で、講演(及び長時間の収録)が「無い」日は、三日ほどしかありません。というわけで、チャンネル桜の討論など、長時間の番組に出演することができなくなってしまっています。何しろ、講演は半年前、下手をすると一年前にスケジュールが決まっているケースが多いので、番組出演等は「隙間を縫う」しかない状況になっています。

最近、隙間を縫うことすらできなくなっており、桜のキャスターや討論番組に出演できないケースが増えています。楽しみにして頂いている視聴者の皆様、まことに申し訳ありません。

講演のスケジュールがびっしり入っており、討論番組に出演できないということは、供給能力で需要を満たしきれず、いわゆる「機会損失」が発生しているということになります。経営者にとって、機会損失ほど歯噛みする状況はありません。何しろ、折角お客様がモノやサービスを「買う」意思表示をして下さっているにも関わらず、供給ができず、「儲け損なっている」という話になってしまうわけです。

皆様のおかげさまをもちまして、お仕事が多く、供給能力が少ない経世論研究所は、完全に「インフレギャップ」の状況にあります。この状況を改善し、機会損失を最小化できるのであれば、三橋は経営者として設備投資なり、人材投資なりの決断を下すことができます。

とはいえ、現実には三橋の仕事は設備投資や人材投資でインフレギャップを埋めることが困難なタイプのものでございます。「投資」をすることで話が終わるならば、喜んでしたいところでございますが。「投資」により、三橋貴明を二名に増やすことができるならば、嬉々として資金を投じたいところでございます。

というわけで、現在の日本の多くの経営者の気持ちがよく分かるのです。つまりは、
「仕事が十分すぎるほど存在し、投資をすれば機会損失を減らし、インフレギャップを埋める形で儲かる」
確信さえ持てれば、日本の経営者はアニマルスピリットを大いに発揮し、設備投資や人材投資を拡大し、民間主導で「実質賃金が上昇する」形の経済成長が実現します(断言します!)。

無論、仕事が十分に存在し、モノやサービスを購入したい人が多い時期、簡潔に書くと「セイの法則」が成り立っているならば、需要以外の要素が、投資判断に大きく影響を与えるでしょう。とはいえ、現実はそうではないのです。

企業の投資マインドの縮小、国債金利の「超」低迷。明らかに、政府による「需要創出」が求められているにもかかわらず、正しい方向に政策が向かわない。

政策の基となっている「考え方」が間違っているためです。「考え方」を変えるためには、「言論」で戦うしかありません。いわゆる「言論人」のみならず、日本国民が「主権者」として言論で戦っていかなければならない時期が訪れていると思うのです。

PS
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【三橋貴明】現実はそうではないのですへの2件のコメント

  1. 匿各希望 より

    またまた久しぶり三橋新聞を拝見しました。お得意の「現実」ですが、現実とは人それぞれで、現実に正しい・間違いは無いんだよね(笑)自分の現実を「正しい」と言って、誰かの現実を「間違い」というのは、その思考(思想)の根本に、ただいまお騒がせ中のテロリスト(IS)と似たような「怖い」ものを感じますね。どうせ言うなら「三橋理論で捉えると、ココが問題」と理性的に説けばいいのに。まあ、でもそんなヤワな姿勢じゃ多勢が向いてくれないから、極端な言葉遣いになっているんだよね。日本共産党や左翼、お騒がせ中のISなんかも、きっと多勢が振り向いてくれないから、いよいよ言葉が極端かつシンプルになるね。まあ、がむばってください(笑)

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  2. 神奈川県skatou より

    三橋先生のお話はいつも実感にあう、ビジネスマンにはとてもわかりやすく、なんでテレビ評論家諸先生方や、あるいは伝え聞く官僚の方々に通じないのか、むしろ不思議であります。(役人の言うビジネスは野球ファンの言う監督采配のように空想しますが・・)にしても、不況がこれほどまでに長いと、会社の全世代が「デフレしか知らない」という時代が遠からずやってきそうです。そのときこそ本当に日本の夕暮れでしょうか。自分は時代的に完全にポストバブル入社組で、仕事といえばいかに安く早く、無難にまとめるかの緊縮思考でして、アニマルスピリッツの正反対の空気のなかでン十年も過ごしてきました。そんな自分の得意は無論コスト&リスクカッターで、計画に基づき無駄作業の徹底排除、合理化、成果の足りない要員のカット、配置転換要求。顧客とのあやふやな未来ばなしは全部「いつか」。。。炎上プロジェクトにいくつも投入された結果身に着いたのは「仕事を遮二無二でも片づけること」。だから常に「次の仕事がない」。それはそうです。仕事を片付けちゃえば、次のドリームは開けないのです。でもそれしか身につかなかったのです。同時代の皆がそうでないならば幸せですが。4月からよくなる、という人もいらっしゃるようです。本当にそうならば何も文句はありません。でも、われら3、40代が冷えていく社会で見知らぬ明日を考えることに絶望すれば、つまらない過去をトレスするのも、簡単なことだと思ってしまうのです。自分は常に杞憂ぎみであると自認しています。アニマルスピリッツはアニマルゆえ根源的であり、インフレ再来とともに誰にでも復活、と、信じたいです。

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