アーカイブス

2015年7月19日

[三橋実況中継]現実の経済は「経済学」とは違うのです

FROM 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/

——————————————————-

●●長崎の「軍艦島」は「日本のアウシュビッツ」にされてしまうのか?
月刊三橋の今月号のテーマは、「歴史認識問題」です。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv3.php

——————————————————-

毎日、欠かさず運動をするようになり、今は連続で5キロ走れるようになりました(以前は考えられなかった距離です)。

ちなみに、三橋の「毎日継続」とは、文字通り、「何があっても毎日走る」という話になります。というわけで、接待や懇親会で、あまりお酒を頂かないようになりました。帰宅後に、走らなくてはならないためです。最近の三橋は、ストイックなのですよ。

ところで、三橋は毎日の走り込みを、近所のジムのウォーキングマシーンで行っています。ウォーキングマシーンで5キロ走れるようになり、先日、試しに「外」でほぼ同じ距離を走ってみたのですが・・・。

無茶苦茶に疲れました。単調なウォーキングマシーンの走り込みと、風が吹き、人が行き交い、信号があり、自動車や自転車が走り、上り坂や下り坂があり、地面が一定ではなく、次の瞬間に何が起きるのかよくわからない「外」でのランニングは、同じであるはずがないという話でございます。

すなわち、ウォーキングマシーンと「外」のランニングは、環境が違うのです。

さて、「経済学」という学問があります。机上でクラウディングアウトやら、セイの法則やら、マンデル何とかやら、比較優位論やら、様々なモデルが「特定の環境に基づき」構築され、学者はノーベル経済学賞をもらいます。

とはいえ、現実の経済は「経済学」とは違うのです。「2年後に2%のインフレ率」を中央銀行がコミットし、量的緩和を拡大すれば、期待インフレ率が上昇し、消費や投資という需要が増えるというのは、机上では正しいのかも知れません。

結果は? 黒田日銀発足から二年超が経過した5月のインフレ率(コアCPI)は、対前年比0.1%だったのですが。

無論、消費税増税や政府の緊縮財政という「需要縮小策」の影響は大きいのでしょう。「期待インフレ率の理論イコール論理的な間違い」という話では、必ずしもないのかも知れません。

とはいえ、現実は学者が想定する「環境」ばかりが継続するわけではないのです。という、当たり前のことを、日本の政治家や官僚、国民は理解するべきなのでございます。

そんなことはない! 机上の理論は常に正しい。と主張する人は、たまには外に出て走ってみることをお勧めします。

◆三橋も決起人を務めさせて頂いております「全国ふるさと甲子園(8月7日)」のご案内です。三橋も参りますので、皆様、是非、お越しくださいませ。
http://furusato-koshien.jp/

◆徳間書店から「超・技術革命で世界最強となる日本」が刊行になりました!
http://www.amazon.co.jp/dp/4198639442/

◆週刊アサヒ芸能 連載「三橋貴明の列島丸わかり報告書」 第28回「構造改革は政治の無責任を助長し、国民に「自己責任」を負わせる」
http://www.asagei.com/

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第134回「ギリシャの真実」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆Klug連載 三橋貴明の「経済ニュースにはもうだまされない」 第314回 理不尽なレトリック
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2015/07/14/024128.php

◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 〜新世紀のビッグブラザーへ〜 週刊三橋貴明 Vol321 通貨発行権の意味
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
ギリシャは通貨発行権を失った結果、ドイツ帝国の植民地になってしまいました。というお話です。

◆メディア出演

7月21日(火) 17時55分 「チャンネル生回転TV Newsザップ!」に出演します。
http://www.bs-sptv.com/zap/

7月22日(水) 6時 文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/

◆三橋経済塾

第七回対面講義は本日、7月19日(日)開講です。ゲスト講師は岩本沙弓先生です。
http://members4.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1084
インターネット受講の方は、少々お待ちくださいませ。

◆チャンネルAJER

『ギリシャは何故破綻したのか1』三橋貴明 AJER2015.7.14(7)
https://youtu.be/BWbxtFwp-Cs

PS
強制徴用で騒ぐ韓国が仕掛けた罠とは?
月刊三橋の今月号のテーマは、「歴史認識問題」です。
https://www.youtube.com/watch?v=vGLmma-WA14&feature=youtu.be

関連記事

アーカイブス

【東田剛】東京五輪を素直に喜べない理由

アーカイブス

【平松禎史】霧につつまれたハリネズミのつぶやき:第六話

アーカイブス

【藤井聡】緊急事態宣言「延長」に対する批判が全く起きない今の日本の空気は、まさに「異常」である。

アーカイブス

【三橋貴明】日本民族の真相~第一地域の災害死史観国~

アーカイブス

【竹村公太郎】恐れる信長―なぜ、比叡山を焼き討ちにしたか―

[三橋実況中継]現実の経済は「経済学」とは違うのですへの4件のコメント

  1. ofu_1 より

     20年前、老人栄えて国滅ぶ、と言われ付加価値を生まない福祉費用が100兆円になりました。 現在、お役所仕事で大東亜戦争、と言われ一基、1兆円の原子力発電所、千基分以上の資本(リスクを負える現預金で、失敗しても借金が残らず再起動の早い1千兆円)が消滅(国債に化けた)してしまいました。金融戦争のお役所仕事で敗北です。 一万円を10万円に膨らませる銀行制度をバブル崩壊、リーマンショックなどの時点で、大きすぎて潰せない選択ではなく、大きすぎて将来に禍根を残しそうだから制度を整理整頓するのが正解のような? 150年前には一万円を10万円に膨らませた(金預かり偽造証書)事が発覚すると絞首刑でした。 工業化、高付加価値、大量雇用で需給の拡大の次に来る定量安定消費時代の国づくりの発想がなかった。 空気、水、食料、エネルギー、土地(山、海岸、適農地、不適農地、川地の最適利用と労働配置)、国防計画の分析が必要。 宇宙パイロットが浴びる放射線(太陽は核融合炉)?原子力空母や原子力潜水艦の乗員は全員被ばく? マスコミ業者や関連政治業者は石油、ガス(100年で枯渇)、太陽光発電業者から、相当な金銭が回っているかも? 青い目の金融制度は、お金の植民地版です。ドルを稼がなければ生きていけない社会と早く決別したほうがよい。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  2. 吉川豊志 より

    安保情勢に関して、野党はだらしなすぎる。安倍総理の本当の考えに迫る議論ができなくて、安倍総理の抽象論にのって安倍総理の土俵でしかも枝葉末節箇所で質問をしていたに過ぎない。今度の集団自衛権の問題に関していえば現在の3条件に本当に適合する条件ならば、「日本の存立に影響を与え、国民に危険が迫る」事態であれば、集団安保を持ち出さなくても十分対応できる。むしろ日米条約から、地域の範囲を外せば良いだけである。まずその論議をきちんとすべきであった。自民党も安倍総理の本音とアメリカから陰で要求されている問題を混ぜて、実態を明らかにしないで進めた事がこじれた原因である。その意味で自民党も論議の進め方がへたくそであり、自民党の議員もわかってなくて安倍総理にくっついているだけではないのか。安全を守る考え方が概念も含めて大方一致してそれが憲法に抵触するならば、それから憲法の話にすればよかった。むしろ今の条件は実際に安全の危険が迫った時に機能しないと考える。解釈論議ではなく、きちんと国の安全とは何かを話して、またその際に自衛隊を憲法の解釈で存在を認めるのではなく、憲法で保障しすることが隊員が命を懸けて日本を守る為の気概になるのではないか。今のやり方では、隊員は何のために命を懸けるのかその理由を見いだせないのではないか。平和国家は、誰しも望むところであるが、人が欲望を持つ動物である以上、絶対的な平和はあり得ない。社会主義国家(と称しているが私から言えば存在したこともっ存在していることも認められない)がつぶれた原因もここにある。憲法を守ることだけが左翼と言うのであれば(アメリカ、ロシア、中国を含めて各国に利用されるだけ)、或いは一般の国民の願いと言うのであれば淋しすぎる。他の国は為政者は笑っていると思う。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  3. 吉川豊志 より

    新国立競技場の問題について:お早う寺ちゃんを聞いて、批判のコメントが結構ありますが、そもそもの問題は、デザインの選定が予算と無関係になされたことです。政府のすることはそういうことが多いのですが..。今それを言っても仕方がないので、解決策を講じないといけないと思います。すべてをやり直すには時間がないです。今の2500億円が正しく試算されたか否かは私にはわかりませんが、公共事業として行うべきだと思います。安倍政権のデフレ脱却に希望を託した人はあまり文句は言えないのではないか。(私は反対でしたが)、理由はデフレ脱却の為に国債の発行は眼に見えていあ多はず。本件も建設国債で行えば良い。建設技術と技術者の温存の為に。無駄がないようにするきちんと管理するよう目を光らせることは大事です。又ある人が言うように企業ばかりが利益を得て溜め込み、実際の労働者の所得が上がらないのは問題ですので、縛りを入れる。縛りを得ないと結局は技術と技術者の温存が出来ないからです。そもそも何故建設業界がダメになったのかはアメリカが生き残りをかけて行ったアメリカの金融を主体とした新自由主義に乗っかった政策を日本が採用ひたことが(企業経営者も飛びついた)今の所得が減ったことと正規雇用者が減ったデフレの根本原因となっている。同時に日本の社会の良さも喪失していった。リーマンショックが起こる前に本当に新自由主義のやり方に反対した人は少数であった。私は都民ですが都の金を一部負担をしても国立競技場を早期に建設することは必要と思います。但し企業だけが利益を得ないように、無駄な分野に資金がいかないよう、技術と技術者(現場の作業者の技術レベルを含めて)の温存ができるようにすることは肝要です。尚、資本主義国が資本主義社会で生き延びるためには,GDPが一定程度増える為には所得の向上と雇用の増加が必要ですが、デフレ社会に(と言うよりも成熟社会に)生きる方策も考える必要があると思います。安倍政権のやり方は発展途上国が発展過程にある時の方法と思います。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

  4. とっしー より

    毎日楽しみに読ませていただいております。三橋さんの驚異の継続力には敬服しております。読むのでさえ一日抜けたりすることがあるのに!です。初めて外を走られたとのこと、それはもしかして夜ですか?東京の夜は街灯で明るいことでしょうが、それでもある年齢を超えると反射神経がどうしても鈍ります。意外と夜の足元は危険です。昼ならはっきり見える道路の窪みなどに足を取られて挫いてしまうことがあります。外を走られるときは是非とも日中にされることを強くお勧めします。継続してほしいからこそ、あえてコメントをいれさせていただきました。

    返信

    コメントに返信する

    メールアドレスが公開されることはありません。
    * が付いている欄は必須項目です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】減税の財源とは何なんだ?

  2. 日本経済

    【三橋貴明】黒字国債と改名しよう

  3. 日本経済

    【三橋貴明】パズルを解く選挙

  4. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】立民・維新の「食料品だけの消費減税」は,まっ...

  5. 日本経済

    【三橋貴明】日本人はどこから来たのか?

  6. 日本経済

    【三橋貴明】「低所得者 対 高所得者」のルサンチマン・...

  7. 日本経済

    【三橋貴明】付加価値税という世界的詐欺

  8. 日本経済

    【三橋貴明】鳥は三匹しかいないわけではない

  9. 日本経済

    【三橋貴明】混迷の政局

  10. アメリカ

    政治

    日本経済

    【藤井聡】小泉八雲『日本の面影』の読書ゼミを本日開催....

MORE

タグクラウド