From 佐藤健志
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さかき漣さんの原作・原案、
下記URLにアクセスしたうえ、
冒頭についているオープニング映像は、
http://animatorexpo.com/
平松さんは監督のほか、脚本・キャラクターデザイン・
題名の「イブセキヨルニ」は、「気分が晴れず、
さて。
本作品は、さかき漣さんの著書「顔のない独裁者」
恥ずかしながら私は「顔のない独裁者」
内容を簡単にご紹介しますと、
アニメは2010年代後半、日本が某国の核攻撃をきっかけに、
しかし十年後、駒ヶ根覚人、愛称「GK」(
主人公の若者・秋川進は、
とはいえその五年後、大エイジア連邦は崩壊、GK言うところの「
終わり良ければすべてよし、と喜びたいところですが。
自由革命のもと、
アメリカ型の新自由主義改革を進めた結果、
GKの政策に幻滅した進は、反体制のテロリストとなる・・・
この内容を短編で展開するのですから、密度は非常に濃い。
十分に味わうには、何度かご覧になることをお勧めします。
それはさておき。
「イブセキヨルニ」で印象的なのは、私もつねづね論じてきた「
大エイジア連邦への併合から自由革命へ、
両者はともに、天下国家の変革をめざして行動しますが、
GKの場合で言えば、少年時代に憧れた美少女「丹沢なお子」。
進の場合で言えば、謎めいた美女「涼月みらい」。
しかもGKも進も、こちらの目的には失敗する。
これが意味するところは重大です。
すでに述べたとおり、
ならば彼の分身たるGKも、自信たっぷりの外見とは裏腹に、
そして「性」が、
〈政治的な堂々めぐりの根底には、
となるでしょう。
後半、GKの政治に反対するデモ(というか暴動)
疑似的なオーガスム(絶頂感)というわけですね。
読み込みすぎではありませんよ。
反GKデモの場面の前には、
このとき窓の外では、夜空に照明弾が打ち上げられます。
進がインポである以上、照明弾が〈肉体的には得られない絶頂感〉
ならば花火は〈不特定多数の人々の、
(※)じつは劇中、インポでない日本人が一人だけ出てきますが、
だとしても、なぜ戦後日本はインポなのか?
作品の象徴的な文脈に基づけば、この問いにたいする答えは
〈戦後日本もまた、「ある特定の女性」
となります。
そして。
「イブセキヨルニ」には、
いえ、丹沢なお子でもなければ、涼月みらいでもありません。
名前は書かないでおきましょう。
ただしヒントはこれです。
大エイジア連邦に抵抗したGKすら、頭が上がらない、
〈この女性〉(および、彼女の背後にあるもの)
私に言わせれば、これこそ同作品の真のメッセージなのです。
最後に蛇足を。
「イブセキヨルニ」には、ベルナルド・ベルトルッチ監督(「
これ自体は偶然かも知れないのですが、じつは『暗殺の森』も、
比べてみると面白いと思いますよ。
ではでは♪
PS
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