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2015年4月13日

【三橋貴明】おカネの話

From 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/

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●●憲法9条は日本の誇りなのか? 国家の危機の原因か?
月刊三橋最新号のテーマは「激論!憲法9条〜国家の危機に備えるために」

http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv2.php

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【今週のNewsピックアップ】
●おカネの話(前編)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12010409092.html

●おカネの話(後編)
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12010865109.html

そもそも「経済」の目的は、おカネを稼ぐことではありません。おカネを稼ぐとは、ビジネスあるいは経営の目的なのです。
別に「おカネを稼ぐ」ことを否定しているわけではありません。単に、経済の目的ではないと言っているだけです。
経済の目的とは、「経世済民」つまりは「国民が豊かになること」になります。

「豊かになる」とは「おカネが多いこと」ではないのか? と、誤解しないでください。「おカネが多い=豊か」という定義になるならば、日銀に頼んで(実際に印刷するのは国立印刷局ですが)一万円紙幣を一京円分刷らせ、各家庭に配ればいいのです。それで皆さんが「豊かになれる」と思いますか。
なれません。某メガヒット作品に「単価18万円のシスターズ」が出てきますが、一万円札は実際には「単価19円の紙切れ」なのです。

豊かになる、とは、国民が働き、稼ぐ所得で買えるモノやサービスが増えていく、という意味になります。つまりは、実質賃金の上昇です。

そして、国民の労働により生産されたモノやサービスは、他の国民が稼いだ所得で購入されることになります。結果、働いた国民に所得が生まれます。

生産、購入(支出)、そして所得とは、要するにGDPの話です。GDPとは非常によくできた統計で、所得創出のプロセスを明確に定義する上に、「豊かさ」の指針になります。マクロ的な意味の「豊かになる」とは、国民一人当たりのGDPが増えていくことであると理解して構いません。

無論、GDPは「おカネ」で換算されるわけですが、それは他に適切なメトリクス(物差し)がないためです。おカネ自体に価値があるわけではありません。価値があるのは、あくまで「所得」です。

つまりは、国民が働き、必要なモノやサービスをきちんと生産、供給できるのか否か。これが本来、「豊かさ」の指標なのでございます。

発展途上国が「豊かではない」のは、別におカネがないためではありません。国民の需要を満たす供給能力が足りないためなのです。インフラ等の資産が不十分では、国民がどれだけ懸命に働いても、需要を満たすだけの供給能力を得ることはできません。

具体的な例を出しておくと、
「橋を架けることができなければ、川の向こうに農産物を届けることができない」
のです。もちろん、橋を架けられないならば、船で届ければいいわけですが、当たり前の話として、
「橋の上をトラックが次々に駆け抜け、農産物を届ける」
のに比べ、小舟でえっちら、おっちらと運ぶのでは、「一定時間に運べる農産物の量」は、文字通り桁が違います。つまりは、橋とトラックを使う方が、小舟で運ぶよりも「生産性が高い」のです。

生産性とは、生産者一人当たりの「生産」です。ということは、GDP三面等価の原則により、生産性が高い国には「生産者一人当たりの所得が多い」という話になります。要するに、豊かなのです。

経済成長は、生産性の向上で達成されます。そして、生産性の向上のためには、上記の「橋とトラック v.s. 小舟」の例からも分かる通り、インフラや設備が決定的な役割を果たします。小舟で運ぶしかないままでは、国民がどれだけ懸命に働いても、「生産」の規模は限られてしまうのです。

それにも関わらず、日本には本来的には重要ではない「おカネ」をあまりにも重視し、「豊かさ」をもたらすインフラ投資に背を向ける人が少なくありません。政治家にしても、ほとんどがそうでしょう。

重要なのは「おカネ」ではなく、「所得」である。この一点を理解してもらうだけで、相当な「思考のブレイクスルー」が起きると思うのですが、いかがでしょうか。

PS
もしあなたが、あなたの大切なお子さんやお孫さんに
「豊かで格差のない日本」を残したいなら、、、

月刊三橋を毎月聞くことで「闘うための武器」を手に入れられます。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv2.php

PPS
4月号のテーマは、憲法9条。もうすぐ憲法記念日。そして、今年は戦後70周年。
いま改めて「戦後日本とは何か」を問い直せます。

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【三橋貴明】おカネの話への2件のコメント

  1. 神奈川県skatou より

    さいきんアメリカのIT業界はDeepLearningがらみで随分活況と聞いてますが、日本はさっぱりのようです。制御という意味でITが産業を包含しうる昨今なのに、技術立国、科学立国の危機でしょうか。AIがらみの大学レベルの基礎研究は今それほど差はなくとも、ビジネスと結び付け大きな動きにするのは研究者や企業がバラバラではダメで、その点アメリカのベンチャー体制は一日の長以上のものがあると聞きます。今後自動翻訳など言語の壁が低くなれば、日本の旧態依然とした情報産業なぞ霧散してしまうかもしれません。ただ、ベンチャー制度もさることながら、日本の場合は長年にわたる「デフレマインド」が強烈で、そもそも新しいチャレンジ、アニマルスピリッツ自体が霧散してしまったようで、常に今日明日のかせぎ、今日明日の技術ばかり。やんぬるかな、というところでしょうか。デフレは貨幣減少、なんて遊んでる暇ないはずですが。そういや某スパ○ンも結局ハードが売れず開発体制は合理化、そんな狭苦しい職場に若い次世代が芽吹くはずもなく、老兵のフル回転では技術継・・・(以下自粛)

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  2. 赤城 より

    お金と所得の違いがあまり分からない人が多いのでなかなか理解が出来ないのではないかと思います。本質的には個人的な利益、目先手元のお金と社会皆のための公益、将来的、共同体的、子孫へつなぐ長期的なお金の違いだと思います。最近は公共心が失われていく一方の社会風潮であり、利己的な拝金主義が当然である状況になっていると思います。目先の利益やお金のために長期的に自分を含む子孫まで貧困化させていくということをしっかり認識することが重要だと思います。情けは人のためならずという言葉に近い感じだと思います。実際何もかもがおかしくなっている原因の多くは特に政治家と官僚のエリートが公共心を無くしたことにあり、または外国勢力の力が及んだり、頭が悪くなって逆効果な政策ばかりやってふんぞり返っていられる状況にあります。それを止められる、止めなきゃいけなくなった国民はなかなかそこまで皆賢くはなれません。それでも止められるのは民意だけになってしまうのだから正しい情報を伝えることが重要になり、どんなに遅くなっても公共心を強める教育も必要になるでしょう。

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