From 佐藤健志
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●月刊三橋の最新号のテーマは、
「農協改革のカラクリ〜巨大利権をめぐるビジネス攻防戦なのか?」です。
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PS
なぜ、「農協改革」を議論するメンバーに、
そんな疑問をお持ちの方には、お役に立つかもしれません。
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本紙読者のみなさんならば、
三橋貴明さんは2月19日のブログ「ニュー・ノーマルの時代へ」
http://ameblo.jp/
拙著『愛国のパラドックス 「右か左か」の時代は終わった』と並んで、最近「これだ!」
まったく異論ありません。
『資本主義の預言者たち』は、
1)ハイマン・ミンスキー
2)ソースタイン・ヴェブレン
3)ルドルフ・ヒルファーディング
4)ジョン・メイナード・ケインズ
5)ジョセフ・シュンペーター
とはいえ同書は、決して「過去の学者の業績を要約している」
理由は次の二点。
1)これらの学者の理論や思想は、今でも古びていないどころか、
2)この5人の理論や思想を紹介したあと、
ちなみに『資本主義の預言者たち』は、2009年に刊行された『
このプロローグだけで読み直す価値は十分。
トマ・ピケティの『21世紀の資本』なども紹介しつつ、
むろん旧版から再録された箇所も、まったく古びていません。
それどころか、いっそう切実な意味合いを持つようになっている。
中野さんの先見性が実感されます。
さて。
同書で取り上げられた5人の経済学者、
1)経済とはもともと、
2)しかるに企業の所有と経営とが分離し、
3)しかもそのような資本主義は、本質的に不安定で、
これは重要な問題提起です。
ただし私が注目したいのは、「豊かで充実した人生」
本の結論部分にあたる「『産業』の理論」という章に出てきます。
いわく。
人間の行動は、何らかの目的を実現したいという動機をともなう。
しかし、人間にとって、目的の達成だけが重要なのではない。
建築家にとっては、建造物の完成が目的ではある。しかし、
(247ページ)
すなわち「豊かで充実した人生」の条件とは、
1)生きがいを感じるに足る目的を持ち、
2)かつ、目的の達成に向けて活発な行動を続けられること
となるでしょう。
そのために必要な物質的・金銭的裏付けを提供するのが、
ところが中野さんの議論、
福田さんの本『せりふと動き』(玉川大学出版会、1979年)
いわく。
芝居づくりは建築術に最も良く似ている。
台本は設計図である。それにしたがい、一つ一つの台詞、
芝居は造形美術であるが、
(243〜244ページ。原文旧かな。表記を一部変更。
つまり「すぐれた演劇」の条件とは、
1)観終わったあと、
2)かつ、その目的に向けて活発に展開される行動(=
となります。
ならば中野さんの考える「豊かで充実した人生」とは、「
建築のタトエが使われているところまで見事に同じ。
福田さんの代表作の一つに『人間・この劇的なるもの』
とはいえ経済はもともと、
「豊かで充実した人生」と「劇的な人生」がイコールなら、
豊かで充実した人生は、それ自体が「劇」となる。
経済はそのような人生を支えるべきもの。
しかるに演劇において、豊かで充実した舞台を支えるものは、
裏を返せば、すぐれた芝居をつくるためのテクニックは、
次回はこの点について、さらに考えてゆきましょう。
ではでは♪
<お知らせ>
1)イギリス出身の名演出家、ピーター・ブルックいわく。
「真の問題はしばしば逆説の中にあり、
ならば、逆説(パラドックス)を直視することから始めよう!
三橋貴明さんも「読んで『これだ!』と思った」と絶賛!
発売以来、
「愛国のパラドックス 『右か左か』の時代は終わった」(アスペクト)
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2)現実に対処できないまま、堂々めぐりを引き起こす「
KADOKAWAのメルマガ「踊る天下国家」第12回、
「恐怖の<ダブルお花畑>〜曽野綾子さんのコラムをめぐって」。
1時間の音声ファイルつきです。
http://ch.nicovideo.jp/k-
最近のバックナンバーもどうぞ。
どれも音声ファイルがついています。
「さらば、愛の行為よ〜日本で男女関係は成り立つか」
http://ch.nicovideo.jp/k-
「『テロに屈しない』という現実逃避〜政府と野党の欺瞞の構造」
http://ch.nicovideo.jp/k-
「日本よ、自己欺瞞をやめろ!〜
http://ch.nicovideo.jp/k-
「石原慎太郎から安倍晋三まで〜2015年はどんな年になるか」
http://ch.nicovideo.jp/k-
3)「ダブルお花畑」状況の背後には、「ファンタジーの戦後史」
これについては、この本をどうぞ。
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4)フランス革命を芝居にたとえると、どうなるか?
この本の116ページに出てきます。
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5)そして、ブログとツイッターはこちらです。
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