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2015年1月19日

【三橋貴明】スイスの教訓

From 三橋貴明 http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

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「ユーロという罠」に落ちた大国の選択とは?
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【今週のNewsピックアップ】
●凍り付くマネー
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●スイスフラン暴騰
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現在、日本は「デフレ」という資金需要不足に加え、日本銀行が量的緩和を実施しているため、国債金利が異常な水準に低迷しています。十年物国債金利が0.24%、五年物がゼロ、短期国債がマイナス金利。
金融市場は、完全に「国債不足」に陥っているのです。

国債とは、政府の支出の財源です。お金を借りて、そのまま預金しておく政府は存在しませんので、国債不足とは「政府の国債新発と、財政出動が足りない」という意味でもあるわけです。

それにも関わらず、政府は「プライマリーバランス目標」に囚われ、新規国債の発行は抑制。公共事業は「誤差」程度の増加。介護報酬は2%強の削減と、「国債新発と財政出動拡大」の真逆の路線を突っ走っています。

一般会計予算は96.3兆円で、「史上最大」などとマスコミが煽っていますが、実は補正予算分を含めると、前年比マイナスなのです。すなわち、緊縮財政です。

話は変わりますが、スイス国立銀行(スイスの中央銀行)が「1ユーロ=1.2スイスフラン」の為替防衛線をいきなり撤廃。スイスフランが、一時は何と40%以上も暴騰しました。

スイス国立銀行は、スイスフランの上昇を抑えるため、無制限のフラン介入(スイスフランを発行し、外貨を買う)を非不胎化でやってきました。非不胎化とは、為替介入時に、
「自国通貨の量の増加を相殺する金融調節」
を「実施しない」形の為替介入です。すなわち、スイスが為替防衛ラインを守るために為替介入した際に、外貨購入のために発行されたスイスフランがそのまま「マネタリーベースの拡大」になっていたわけでございます。

結果、スイスは日本の数倍のペースでマネタリーベースを膨張させたのですが、「物価」は上昇しませんでした。

そして、あまりにもスイスフランMBの発行額が増え、スイス国立銀行が怯えて(恐らく)防衛ラインを破棄した途端、超スイスフラン高が発生。さらに、スイスの十年物国債金利は「マイナス0.03%」になってしまいました。

信じがたいことですが、スイスの長期金利は「マイナス」になってしまったのです。もちろん、人類史上最低です。

人類史上初めて「長期金利が1%を割った」のは日本ですが、「人類史上初めて長期金利が0%を割った」国はスイスとなりました。いや、別に超低金利を競っているわけではありませんが。

スイスの事例は、日本に貴重な示唆を与えてくれました。すなわち、金融政策「のみ」で物価上昇や通貨安を目指すことは、「危険」であるという事実です。

日本政府は、金融政策に「合わせた」需要拡大策を講じ、需要牽引型の物価上昇、所得上昇を目指さなければなりません。需要牽引型の物価上昇が起きれば、物価の上昇率を賃金上昇率が上回り、実質賃金は上昇に転じます。

現状のまま、政府が緊縮財政路線を進むと、スイス同様に「金融政策のミス」が発生する可能性が濃厚なのです。

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【三橋貴明】スイスの教訓への1件のコメント

  1. タロー より

    低金利のまま景気が良くなると、バブルにならないか心配です。国債をもっと発行して金利が上がるようにして、国民の所得を上げて欲しいものです。

    返信

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