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2014年10月31日

【施 光恒】ヘイトスピーチ問題、および佐藤さんの指摘への回答

From 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学

おっはようございま〜す(^_^)/

先日(10月21日(火曜日))の文化放送のラジオ番組「おはよう寺ちゃん活動中」に出演させていただいたときに、橋下徹・大阪市長と「在日特権を許さない市民の会」の桜井誠会長との面談(というか「罵り合い」)について短時間ですが触れる機会がありました。

「寺ちゃん」で話したことの繰り返しになりますが、「ヘイトスピーチ」問題について普段感じていることを少々書きたいと思います。

まず、マスコミは、「ヘイトスピーチ」というレッテル貼りをし、それを問題視したり、禁止すべきだと叫んだりするだけではなく、もっと中身に踏み込んだ報道をすべきだということです。

つまり、「本当に「在日特権」とされるものがあるのか否か」、「あるとすればそれは公平性の理念に照らして認められるべきものなのかどうか」、といったことを正面から論じるべきだと思うのです。

ネット言論では、「税制上の優遇措置があるはずだ」、「通名制度は不公平ではないか」、「生活保護受給の優遇措置があるのではないだろうか」、などの論議が絶えません。マスコミは、このあたりの正確な情報をきちんと提供すべきだと思います。

ここで留意すべきは、日本人一般と比べて優遇措置が事実としてあった場合でも、そのことが直接的に「公正さ」という理念に反するとは限らないという点です。

政治学でよく話題になる制度に「アファーマティヴ・アクション」があります。日本語では「逆差別制度」、または「積極的差別是正措置」などと称されるものです。差別などの過去の不利益の補償のために、あるいは社会の構造をより公正なものにするために、ある民族集団にのみ特別の権利や措置を認める制度です。

現在の日本に、在日朝鮮人・韓国人を対象とした優遇措置があるとすれば、それが正当な「アファーマティヴ・アクション」の一つとして認められるべきものであるのか否か、認められるべきだとしたらどの程度、どのようなかたちで認めるべきかを、これも正面から公明正大に議論すべきだと思います。もちろん、その際、対日本人だけではなく、在日台湾人や在日中国人などの他の特別永住者等との間の公正さもきちんと考慮に入れられるべきでしょう。

マスコミは、こうした率直かつオープンな議論が展開されるようにすべきだと思うのですが、実際のところは「ヘイトスピーチ」という言葉を前面に掲げ、単なるレッテル張りのみに終始し、結果的に議論の深まりを阻害しているように感じます。

加えて、下手をすると、「ヘイトスピーチ」という言葉を安易に使うことは、「ヘイトスピーチ」規制という話になり「言論の不自由」にもつながりかねません。

在特会についていえば、在特会はやはりもっと品位ある演説をすべきでしょう。演説に多分に恫喝的な言葉が含まれているので、あれでは「ヘイトスピーチ」と言われても仕方ない面は否定できません。愛国者を自認するなら、日本人らしい品位を保った演説をしてほしいものです。

ちなみに、朝日新聞は、恫喝的な演説を控えるように言う際に「日本人らしい品位を保つべきだ」と述べるのは気に入らないそうです。

少し前の朝日の社説「ヘイト規制 議論の土壌は大丈夫か」(平成26年9月6日付朝刊)で次のように書いていました。
http://www.asahi.com/articles/ASG953CM4G95USPT006.html

「『誇りある日本国民として恥ずかしい』『日本人としてやめなければならない』という物言いにも違和感を覚える。差別を受け、恐怖を感じている被害者への視点が抜け落ちてはいないか。安倍首相は国会でヘイトスピーチについて『他国の人々を誹謗(ひぼう)中傷し、まるでわれわれが優れているという認識を持つのは全く間違い』と述べた。『日本人の誇り』の強調は、そのような間違った認識を助長することにつながりかねない」。

この朝日社説の物言いは、まったく変だと思います。「日本人の誇り」を強調することと、「(他国の人々と比べ)われわれのほうが優れているという認識を持つこと」とは、当然ながら、まったく別のことです。

朝日新聞の社説子の頭のなかでは、「ある国の誇り」の強調は、必然的に「他国をくさすこと」につながるようです。そういう一風変わった愛国心観を抱いていることも、朝日新聞の言論が一般国民の常識から離れ、どんどん変な方向に向かってしまったことの一因だと思います…。

本来ならここで、いつものように、「失礼しますた…<(_ _)>」となるのですが、今回はもう少し続けます(^_^)

佐藤健志さんが、このメルマガで2回にわたって私の前回の記事について言及してくださっていますので、少し回答しようと思います。(華麗にスルー┏( ・_・)┛もありかなと思ったんですが、せっかく取り上げていただいたのですし)。

【佐藤健志】「憲法九条にノーベル賞を!」の賢
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/10/22/sato-16/

【佐藤健志】前号記事への疑問に答える
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/10/29/sato-17/

佐藤さんの有料メルマガ「憲法9条がノーベル平和賞をとる日」のほうも、大変面白く拝読しましたが、こちらには触れません。
http://chokumaga.com/magazine/free/152/4/

それよりも、佐藤さんが、「施さんの主張に疑念を呈する」とおっしゃっている点について、回答したいと思います。(「専守防衛」というわけです(^_^))。

一つは、私が、前回の記事「憲法9条にノーベル平和賞を!の愚」(10月17日付)で、「憲法9条にノーベル平和賞を」の運動が成功してしまえば、改憲が難しくなるだろうと書いた点です。

私は、やはり難しくなると思いますよ。そう判断するのが、現状においては常識的だと考えます。

佐藤さんは、私がこう判断することに「引っかかる」としています。

その主な理由として佐藤さんがあげるのは、「1974年に佐藤栄作氏が「非核三原則」を唱えたことなどを理由としてノーベル平和賞を受賞したのに、反核を叫ぶ左翼護憲派を活気づかせることにはならなかったこと」です。

確かに、佐藤栄作氏が「非核三原則」を受賞理由の一つとしてノーベル平和賞をとったのに、左翼護憲派が活気づかなかったというのは、事実です。

ただ、だからといって、「憲法9条にノーベル平和賞を!」の運動の成功が、今回も活気づかず、彼らに有利に働かないと判断することはおそらくできません。

40年前の1974年当時と、2014年の今回の運動を取り巻く言論の布置がかなり違うからです。

1974年の佐藤栄作氏のノーベル平和賞受賞時の『朝日新聞』の収縮版をめくって改めて確認してみたのですが、佐藤栄作氏の受賞は、当時の保守派にとっても革新派にとっても、晴天の霹靂だったようです。予想外の出来事だったのですね。

また、受賞の第一報を報じた1974年10月9日の朝日夕刊の第二面には、「革新陣営は強い疑問」「非核どころかカサ依存」という大きな見出しが躍っています。つまり、当時の革新派(左翼護憲派)は、非核三原則を主な理由の一つとした佐藤栄作氏の受賞をよろこぶどころか、かなり批判的に見ていたのです。

当時の革新陣営の雰囲気がよく表れていますので、この第二面の記事の冒頭を引用してみましょう。

「『佐藤さん個人の光栄にケチをつけたくはないが、ノーベル平和賞の選考基準に疑問を持たざるを得ない』──佐藤前首相のノーベル平和賞受賞に対して、社会党、総評を中心とした革新勢力は「当惑」どころか、強く「懐疑」の念を表明している。佐藤氏の業績としては、沖縄返還や非核三原則の設定があげられるが、これらの業績も「日本にも核兵器が持ち込まれている」というラロック証言に大きく揺さぶられている時だけに、革新側の反応には手きびしいものがある…」。

記事中のラロック証言とは、米退役海軍少将のラロック氏が「核武装した米艦船が日本に寄港する際、核兵器をその都度降ろすことはない」と米議会で述べたことを指します。ラロック証言が公表されたのは、佐藤栄作氏のノーベル平和賞受賞発表の数日前の1974年10月6日でした。

「核兵器は日本に持ち込まれていたではないか!」といって革新派の人々が怒っていたその渦中だったので、ますます革新陣営は佐藤氏の受賞にシラケたのです。

また、朝日をはじめとする左派マスコミも、佐藤栄作氏のノーベル賞受賞をあまり喜んでいません。受賞報道の翌日(1974年10月10日)の朝日の社説や「天声人語」にも、「佐藤氏がノーベル平和賞なんて冗談だろ」といわんばかりの当惑の念がまず現れています。佐藤栄作氏は、非核三原則を唱えたのと同時に、日本に米国の核の傘を引き込んだ張本人だという認識があったからです。

面白いことに、1974年10月10日の朝日の記事によれば、日本国際法律家連絡協会という共産党系の法曹団体などは、佐藤栄作氏にノーベル平和賞を与えたことは「日本国民に対する重大な侮辱」であり、決定を取り消すようノルウェーのノーベル委員会に電報を打ったそうです。

佐藤栄作氏のノーベル平和賞受賞時はそういう雰囲気でした。したがって、当時の左翼護憲派は、「非核三原則は、佐藤氏のノーベル平和賞受賞の主な理由だったわけだから、非核三原則を世界に誇るべきだ! 日本国民はこれを遵守すべきだ!」というふうには動かなかったわけです。

ちなみに自民党など保守陣営はどうだったかというと、受賞を報じた日の朝日記事によれば、「自民の反応も各派まちまち」(1974年10月9日夕刊第二面の見出し)だったようです。

要するに、佐藤栄作氏のノーベル平和賞受賞時は、左翼護憲派は、政党もマスコミも、そのことを「非核三原則」の権威づけや絶対化に結び付けようとはハナから運動しなかったんですね。

しかるに、2014年の「憲法9条にノーベル平和賞を」運動はどうでしょうか。

社民党、共産党、民主党などの左派陣営は、濃淡はあるようですが、ほぼこの運動に賛成です。特に、社民党、共産党は、大推進!といった感じで、ノーベル平和賞を受賞した暁には、大いに護憲運動に利用してやろうという意欲に満ち溢れています。

また朝日、毎日などの左派マスコミも、おおむねこの運動に好意的でした。左派知識人も、かなりの人々が賛成に回っています。

そういう状態ですので、1974年の佐藤栄作氏の時とは違って、今回は、ノーベル平和賞受賞は護憲運動のシンボルとして大いに利用されるでしょう。左派マスコミもその運動を盛り上げるはずです。(それに、最近の日本人は、悲しいかな、「世界遺産に登録」とか、「東京オリンピック開催」とか、そういう国際的な権威づけに弱いですから、ノーベル平和賞を受賞すれば、世論は9条護持にかなり傾くのではないでしょうか)
(_・ω・`)

以上のような理由から、ノーベル平和賞を受賞することになれば、現状よりも改憲論議は後退し、護憲派が少なくとも一定期間、息を吹き返すとみるのは、妥当な判断だと思います。

日本国民は賢明ですので、国際情勢の大きな変化があれば、ノーベル平和賞を受賞したところで、最終的には憲法改正が実現することは起こりうるでしょう。

しかしその場合でも、改憲に至るまでの期間は、ノーベル平和賞を受賞すればそうでないときよりも、5年、あるいは10年は長くなるのではないでしょうか。改憲作業の遅れは、たとえ5年でも、日本の安全保障にとって、あるいは日本政治のその他の局面にとって取り返しのつかないことになる可能性がありうると思います。

あと、佐藤健志さんは、私が前回のメルマガ記事で、本来は「憲法9条を保持する日本国民がノーベル平和賞を受賞する」と書くべきところを、「憲法9条にノーベル平和賞を!」と一貫して記している点も指摘し、批判なさっていますが、まあ、この点はそれほど重要ではないので、長々と回答する必要はないでしょう。

「憲法9条を保持する日本国民にノーベル平和賞を」のほうがもちろん正確ですが、この運動をしている人々は「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会と名乗っていますし、マスコミもこの運動をそのように報じているところが多いようでした。

私のメルマガ記事はただでさえ毎回長く、読者の皆さんがメルマガ記事としてスマホとかパソコンの画面を通して読むのに少々きついのではないかと感じています。

ですので、「憲法9条にノーベル平和賞を」という短めの名称を使ったわけです。そのことで、前回の私のメルマガ記事の論旨に何らかの大きな影響は特になかったと思います。

他の論点もまだあるのかもしれませんが、まさに長くなりましたので、この辺りでやめにしたいと思います。

長々とお付き合下さり、どうもありがとうございました<(_ _)>…

PS
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https://www.youtube.com/user/mitsuhashipress/videos

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【施 光恒】ヘイトスピーチ問題、および佐藤さんの指摘への回答への24件のコメント

  1. kanata より

    「誇り」とか「尊厳」とか「品位」とかが、「日本固有」のものであるなどと、誰が言ったのでしょう?施さんは、そんなことは仰っていませんよ。もちろん、どこの国にも「その国らしさ」というものがあるように、「日本人らしさ」というものは当然あります。文章の読解力が決定的に欠如している上に、何か根深いコンプレックスのようなものを感じますね。

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  2. 藤田昭仁 より

    「そういうものが「日本人固有」であるなどとは、ゆめ考えないこと。」一刀両断 本質はそこですね。 

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  3. kanata より

    あなたはなぜそれほど「日本人」にこだわるのでしょう。「日本人」は何を語るにせよ、それほど「日本人」であることを意識しているわけではありません。「人として」も、「日本人として」も、「日本人にとって」はそんなに変わらないものなのです。わかりますか?

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  4. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    >日本民族であろうと他民族であろうと品位は保つべ>きものです。もちろん それぞれの民族にはそれぞ拝読して私が首肯したのはこの点です。「誇り」とか「尊厳」とか「品位」とか、言いかたはどうでもいいが、そういうものが「日本人固有」であるなどとは、ゆめ考えないこと。

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  5. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    別にあなたと会話したいわけではない。まして、皮肉を言ったつもりもない。所感を述べてみた。ただ、それだけのこと。それが皮肉を試みたように聞こえたということは、それだけ、聞く者の心から疚しさをぬぐい切れないということなのではないですか。

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  6. 藤田昭仁 より

    「大切なことは、その言説がどのような意味でその言葉を使っているかを忖度することだと思います。」  同感です。 kanata さんのおっしゃられう 「誇り」は私の「尊厳」と同値だと感じます。

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  8. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    普段は「国民」という言葉が大好きなくせに都合が悪くなると、「(日本国民」にノーベル賞だなんてケシカランと叫ぶリフレ派と同じく保守派もご都合主義でツジツマが会ってないですね

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  9. さいとう より

    施さんの意見の方が素直に頷けます。佐藤さんのも意見としてはありですが、わざわざ施さんを引き合いに出すのが下品な印象を受けますね。施さんは紳士的な対応で素晴らしいです

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  10. 子芥子 より

    日本人の美しいき誇りは何といっても高い民度、素養だと思うのですヘイトは双方がエキサイトするばかりで根本的な問題解決の手段には思えない正直、「美しくないし、心に沁みない」←ここ重要最近思ったのですが、三島由紀夫先生が生きておられたならこのヘイトスピーチをどう捉えられただろうかと…やはり、愛国を口にして活動する者は「日本人としての美学(誇り)」という剛刀を示して戦い内外を問わず、多くの人たちを共感させる方が良いのかなぁと思います佐藤A作氏の受賞の裏話、トリビアが増えましたこれからも先生の為になる話、期待しています

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  12. kanata より

    ヘイトスピーチに関する施さんのご意見は、その通りだと思います。しかしながら、在特会に対して「品位ある演説をすべき」というところは、全面的には賛成できません。僕も最初に在特会の活動をYouTubeで見たときは驚きましたが、彼らの主張そのものは筋の通ったものでした。「過激な主張は、日本人らしくない」といえば、その通りかも知れませんが、過激に主張することにより、在日特権の問題がより早く拡散したことは事実です。在日問題は根深く、マスコミや政治家とも結びついて、その解決は容易ではありません。僕が心配するのは、多くの知識人が「在特会のやり方は間違い」と主張することで、彼らが果たした役割が否定されてしまうことです。国民に知られず、静かに拡大していた在日特権の問題を白日の下に晒すことに、在特会が果たした役割は小さくなかったと思うのです。

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  13. kanata より

    僕は「誇り」を持つことは最も大切なことのひとつだと思っています。それは「人として」であっても、「日本人として」であっても良いのですが、誇りを持つことで「馬鹿なこと」はできなくなります。「盗みや、弱いものを虐めることや、人を騙す」ことなどは、誇りがないからできることだと思うのです。僕は「誇り」という言葉をそのようにとらえていますが、あなたや朝日新聞のように、「誇り」という言葉を「他人への優越感」ととらえることも、またできるわけですね。このように言葉のとらえ方や価値観によって、他人の言説に対する批判は簡単にできます。大切なことは、その言説がどのような意味でその言葉を使っているかを忖度することだと思います。

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  14. 言起 より

    1.「憲法9条にノーベル平和賞を!」で意味は普通に感じ取れます。学術論文的なものならともかく、メール文でいちいち「憲法9条を保持する日本国民がノーベル平和賞を受賞する」ではうっとうしいです。2.そもそもノーベル平和賞自体の存在に”?”を感じています。日本国憲法自体も”?”なところが多いです(ex.前文と9条の論理矛盾)。こんな賞はいりません。そしてさっさと改憲しましょう。

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  15. 原幌平晴 より

    >改憲作業の遅れは、たとえ5年でも、日本の安全保障にとって、あるいは日本政治のその他の局面にとって取り返しのつかないことになる可能性がありうると思います。安全保障に関しては、むしろ個別自衛権の問題で、自衛隊法を改正してネガティブリストに変えることの方が重要です。これには改憲は必要ありません。改憲は、上記を直した後、ないしは並行して、じっくりと取り組めば良いことです。

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  16. 夏みかん より

    橋下徹と在特会の罵り合いとかあったんですか。最近、そういう話題に疎くて…橋下徹と在特会の口喧嘩とか、世界一見たくない「プロレス」ですねぇ。問題提起がまっとうだとしても、“アレ”は無理です。佐藤氏との論争のほうは、話が変な方向に拗れていったりしないかと、ソワソワしながら見守ってます…。こういうのって、両者が冷静に議論していても、周りが感情的なって煽ったりしますから…。

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  17. ミシガン より

    施さんの冷静極まりない反論により佐藤さんは再反論の機会を完全に失ってしまいました。やはり人倫を無視した言論は脆く壊れやすいということなのでしょうね。

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  18. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    >ちなみに、朝日新聞は、恫喝的な演説を控えるように言う際に>「日本人らしい品位を保つべきだ」と述べるのは気に入らないそ>うです。われわれは、「日本人」である前に「人」であらねばならない。人の道を説けば済むところを、何故、そこに「日本人としての誇り」という意味付けをわざわざしなくてはならないのか。そちらの方が理解に苦しむ。

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  19. 藤田昭仁 より

    「この朝日社説の物言いは、まったく変だと思います。「日本人の誇り」を強調することと、「(他国の人々と比べ)われわれのほうが優れているという認識を持つこと」とは、当然ながら、まったく別のことです。」に関してコメントさせていただきます。国語辞典で調べればすぐ解ることですが、「誇り」には「優越意識 尊大、 傲慢、 夜郎自大」などの意味が多分に含まれています。 つまり「日本人の誇り」を強調すること=我々の方が優れていると言う認識を持つことになります。まったく別のことではあり得ません。同様に「日本人らしい品位を保つべきだ」にさへ、 それを主張する人間によっては 「うちらは おまいらみたいな下衆の国ではない」というニュアンスが含まれ得ます。日本民族であろうと他民族であろうと品位は保つべきものです。もちろん それぞれの民族にはそれぞれの文化がありますから、品位の保ち方に日本らしさがあることまでも否定するものではありません。「品位を保つ」ために根拠のない優越感を含意する「誇り」という言葉を使わずに済ませるとすれば 「わが国の尊厳にかけて」などという言葉がいいのかな考えます。英語の dignity とか 仏語のdignit_ は それぞれの言語体系では 根拠のない優越感を含意せずに「品位を保つ」ことを意味するにぴったりなのですが。日本語で「尊厳」と訳すと意味が抽象的にすぎてしまうかもしれませんが これしかなさそうです。

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  20. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    >この運動をしている人々は「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委>員会と名乗っていますし、マスコミもこの運動をそのように報じ>ているところが多いようでした。「マスコミや鷹巣さんたちのことは関係ないだろう。あなたはどうなんだ」というのが佐藤先生の問いかけだと思うのですが。

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  21. 日本財布論、改め、日本連帯保証人論 より

    そうです、まずもって、「アファーマディブ・アクション」という言葉そのものをテレビでも普通に使えるようにしてもらわねば、話ははじまらない。その意味で、論議することは大歓迎です。

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  22. 普通の人 より

    やはり施先生のご指摘の方がストンと腑に落ちます。佐藤さんの主張も意見としてはアリだと思いますが、やりようが頂けない。内容も首肯できませんでした。それから、施先生のヘイトスピーチへの指摘についても全く同感です。レッテル張りばかりで本質から目を逸らさせているように思います。施先生、これからも頑張ってください!応援しています。

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  23. stars より

    普段は「国民」という言葉が嫌いなくせに都合のいい時だけ「9条を保持する日本国民」にノーベル賞をと叫ぶリフレ派と同じく護憲派もご都合主義でツジツマが合っていないですね

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  24. 勝元 より

    いつも楽しく拝見しております。施先生のメルマガは、実際の文章量に対して長さを感じないと思えます。論旨が明快で品位があるからでしょうか。これが、広告で水膨れした醜い文字列との違いかと…。

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