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2014年6月9日

【三橋貴明】新・品確法

From 三橋貴明

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【今週のNewsピックアップ】
●新・品確法
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●国土強靭化基本計画、閣議決定!
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「公共工事の品質確保の促進に関する法律」(品確法)の改正案と「建設業法等の一部を改正する法律案」(業法)が、国会で「全会一致」で可決され、さらに国土強靭化基本計画、国土強靱化アクションプラン2014が閣議決定されました。

これで、アクションプラン2014に「予算」がついていけば、土木、建設業がある程度は安心して人材投資ができるようになるのですが。もっとも、先日、堀潤氏とお話ししたところ、少なくとも2020年の東京五輪までは、需要の拡大を想定したビジネスができそうとのことです。堀氏が土木、建設企業に取材した結果、聞いた話だそうでございます。

問題は、五輪後で、さすがに6年(実際には5年)で需要縮小が確実になってしまうとなると、人材登用に制限がかからざるを得ないでしょう。結果、「外国人労働者で〜」という話になってしまうわけです。

というわけで、政府が長期的、安定的な土木、建設プロジェクトを計画することで、現在の人材不足を「正しい形」で解消することができることになります。若い日本国民の土木、建設分野への雇用が進めば、懸案の技術継承の問題も解決できます。

長期プロジェクトと言えば、先日のTOKYO MXの「モーニングクロス」で、わたくしが「日本の建設業許可業者数」「公共投資の推移」などのパネルを使い、
「我が国はもはや土建大国ではないのです。土建小国です」
と、一席ぶった後に、東京五輪後の話になり、古歩道ベンジャミン氏(旧名:ベンジャミン・フルフォード)が、
「イタリアなどは数百年かけた国家プロジェクトとかやる。日本も長期のプロジェクトが必要だ」
と、仰ったので、おお!と思ったわけです。

ちなみに、ベンジャミン氏は以前は公共事業、土木・建設企業について批判を展開していました。が、わたくしがデータを示したためなのか、番組終了後に、
「以前は私も公共事業を批判していたけど、バランスが大事だよね」
と、言っていました。「あの」グラフを見て、「それでも公共事業は多すぎる」との主張を展開するのは、さすがに無理があります。

無論、三橋にしても「常に公共事業を拡大していくべき」などと言っているわけではなく、「バランス」を考えましょう、という話です。さすがに、60万社の建設業が47万社に減ってしまうというのは、異常です。橋本政権以降の我が国は、土木・建築行政や公共事業の分野で、明らかにバランスを喪失していたのでございます。
バランスを取り戻す一歩になる可能性がある品確法や業法が、国会において全会一致で成立したことは、まことに素晴らしい話でございます。

ところで、問題の日本の建設業許可業者数ですが、2013年度の統計が出ました。

日本の建設業許可業者数の推移(社)
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#kensetsu

2012年度が46.99万社、2013年度が47.06万社ですので、わずかながら回復しました。
一時は680万人いた建設関連労働者は、2012年度には500万人を割り込みました。こちらのデータが2013年度にどうなったか、興味深いところです。少しは回復していて欲しいものですが。
いずれにせよ、97年以降、15年間を費やし、虎の子の「土木・建設の供給能力を傷つけまくってきたのが我が国なのです。そう簡単に供給能力は回復しないでしょう。それでも、やらなければなりません。日本国民の生命と財産を守るために。

と、日本国民のマジョリティが考えたとき、我が国の再度の「土建大国」化は割とスムーズに進むような気がします。何しろ、日本は国民の安全保障のためにも、土木、建設の供給能力を維持しなければならない、というのは、普通の常識があれば納得できる話なのです。

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【三橋貴明】新・品確法への4件のコメント

  1. cheesetoast より

    今の若い子たちが建設業でちゃんと通用するまで育ててあげられるのかも大きな問題です。携帯電話でちょっといかれた頭で勉強についていけるのかな。悪い時には勉強しておこう、と考えるような若者がたくさんいたらいいのだけれど。根気よく見守って育てるだけの甲斐性があるのかが大人に問われています。社会で子供を育てているんだと考えられるようになれば競争とかいじめはもっと少なくなるのではないでしょうか。だってみんなのために勉強していただくのだから。パソナの会長みたいにやらしくて欲どおしい大人はもう見飽きました。

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  2. 神奈川県skatou より

    ところで土木建築関係の技術者を人口ピラミッドでプロットするとどうなるか興味深いですね。まさか東京五輪前後に定年が大量発生とか。産業界なり、会社内でもそうですが、継続的な雇用をしないで世代がいびつになると技術継承に困るのは、わりと誰でも理解しやすい話だと思えます。いびつといえば教師も団塊世代が大量にやめつつあり、現場は若手ばかりの中堅不足と聞きますが。

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  3. ぬこ より

    ベンジャミン氏の情報力と師匠の分析力のコラボが観たいのどす。保守が本当に批判しないといけない連中を、彼は教えてくれるのではないでせうか?彼と元公安調査庁の菅沼光弘先生の共著、非常にオモロどした。今後の展開に期待させて戴きマウス。

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  4. 不動産派遣営業マン より

    コスト高により現在不動産も高騰しており、購入可能な人間も限られてきています。マンションの供給戸数も減っており、新規の物件が減り、営業マンも特に派遣社員は今どんどん切られています。需要が減るため、仕方がないのでしょうが、やはり不安です。お客さまも買える方、買えない方、二極化していきそうです。そんななかで、中国人購入者は多いです。そこも不安ですが、仕事上やはり売らざるを得ないため複雑です。

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