From 三橋貴明
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先日、三橋経済動向塾(三橋経済塾ではありません)で岩本沙弓先生にご講話頂いたのですが、「元祖」消費税(あるいはVAT(付加価値税))について、
「フランスが自国の輸出企業である大手自動車メーカー「ルノー」に「輸出補助金」を堂々と渡すために導入された」
と、解説され、なるほどね、と思ったわけです。GATT体制下では、輸出企業に政府が助成金を出すことはできません。とはいえ、輸出振興を志向したフランス政府は、VATの仕組みを編み出し、ルノーに堂々と「事実上の補助金」を渡すべく、付加価値税を国民に課税したことが、現在は世界に広まった消費税(または付加価値税)の始まりとのことです。
日本の消費税法にも、以下の条文があります。
「(輸出免税等)
第7条 事業者(第9条第1項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、次に掲げるものに該当するものについては、消費税を免除する。
一 本邦からの輸出として行われる資産の譲渡又は貸付け(後略)」
上記は、GATTにより規定された消費地課税主義に基づいています。日本の消費税を、外国の消費者に負担させてはならない、という話です。すなわち、輸出製品は課税対象ではあるものの、消費税が免除されるのです。
たとえば、A社がB社から1080円の商品(税額80円)を仕入、付加価値を加えて外国に2000円で輸出したとします。すると、輸出製品自体が消費税免税ということになり、仕入金額1080円のうち80円がA社に還付されるのです。
上記のケースで、B社が普通に「1000円の製品に、8%の消費税を乗せてA社に販売した」場合はまだしも、A社がB社に、
「悪いんだけど、消費税分(80円)値下げしてもらえないだろうか」
と要請し、B社が飲み、仕入金額が1000円になった場合であっても、74円分が還付される仕組みなのでございます。
というわけで、消費税は「輸出企業への事実上の補助金」という考え方もできるわけですね。
消費税は、消費性向が低い高所得者層の税率が低く、消費性向が高い低所得者層の税率が高くなります。いわゆる逆進性が存在し、しかも企業は赤字であっても消費税を支払わなければなりません。
今回(14年4月)の消費税増税の影響が出てくるのは、来年の3月です。経営者は誰もが同意してくれると思いますが、消費税は「一年分の預り金」が決算後に一気に会社から流出するため、心理的なダメージが大きいのです。(むしろ毎月払いたいです)
さらに、大手輸出企業に対する事実上の輸出助成金ということになると、「社会保障の安定化」や「財政再建」といった消費税アップのお題目が、とことんむなしく聞こえるわけです。
いずれにせよ、いまどき「輸出企業に国民経済を牽引させる」など、少なくとも内需が巨大な日本にとっては無茶もいいところで、世界に対しても迷惑です。とはいえ、現実には労働規制の緩和、外国人労働者の導入による実質賃金の切り下げや、無条件の法人税減税、さらには「GNI(国民総所得)目標」など、大手輸出企業に有利な政策ばかりが推進されつつあります。
勿論、三橋は「輸出企業などどうでもいい」などと言いたいわけではありません。全てはバランスの問題であり、「内需も外需も共に拡大する」道を模索するべきなのだと思います。
人件費が高い日本の場合、輸出企業は、
「所得が高い日本国民を相手に高品質な製品やサービスに磨きをかけ、高付加価値な製品・サービスをグローバルに輸出する」
という、かつての日本企業の成功モデルを取り戻すべきだと確信しているわけですが、現実には「グローバル・スタンダードによるグローバル競争」の荒波の中に放り込まれています。
所得水準が高い日本の企業が、グローバル・スタンダードで低価格競争を繰り広げる限り、国民に「底辺への競争」を強いるのみならず、当の輸出企業すらジリ貧になっていくでしょう。
結局のところ、国民経済を、
「内需拡大中心で成長させるか」
あるいは
「グローバル市場における競争での勝利を目指す」
かが、決定的な差を生み出してしまうのという話です。
PS
この日本人「貧民化」政策も補助金? 三橋貴明の無料動画を公開中
http://youtu.be/IsJZZaD-rPQ
【三橋貴明】消費増税の目的は某業界への補助金?への1件のコメント
2017年3月4日 8:15 AM
輸出大企業による税金横領のイカサマは以下の二点。
まず、課税とは法の下で納税義務者に租税を課し、税負担とは義務者に対して国家権力を行使して強制徴収すること。
商取引上での代金や料金の負担とは異なる。
問題の本質は「税金と代金」の違いを混同したり、両者のすり替えや履き違えにあります。
(1)消費税の納税義務者は事業者。
付加価値税相当を事業者に課税します。
(2)消費者は(商取引上での)負担者であり、消費者に課税していません。
販売価格に任意で消費料金分のコストを上乗せして、消費者は商取引上で代金支払いの一部として消費料を負担する構図です。
別に消費者に取引を義務付けて強制徴収する訳ではありません。
よって、余分な取引コストが上がるほど商取引全体が減速し、売上の落ち込んだ事業者は事業課税で自腹を切らされて経営体力を奪われ雇用の切り下げにも繋がります。
■外国の消費者に負担させてはならない
←これはただの租税逃れの言い訳です。
国内外問わず日本の法で消費者に課税する税制ではありません。
あくまでも消費税は国内事業課税ですので輸出事業者だけ国内事業者と差別して租税を逃れる正当性はありません。
例えば、新聞社の「活字文化が衰退するから消費者から税を取れない」と言い訳にして自分だけ租税を逃れようとする卑怯な詭弁と同じです。
■仕入れの際に消費税を払う…は嘘。
←代金払いの一部として消費チップをオマケしたとは言えても、税を払ったとは言えません。
義務を課さず減額して払わなくても法で取り締まらないチップ紛いを税とは言えません。
下請け事業者の場合は商取引相手の輸出事業者が消費者に相当し、下請けは輸出に課税している訳ではありません。
課税されてもいないのに「税を払う」とは矛盾甚だしく理屈が通りません。
つまり、下請けから課税されたことにして輸出へ不当に税還付されています。
■以上により、国税庁は経団連に飼われた卑屈な犬に成り下がって輸出大企業の租税逃れを援助し、
輸出大企業の支配下で課税権力を不当に乱用し、下請け中小企業側から事業課税で利益を強制徴収し、輸出大企業側へ利益を還流させる税金横領に加担していると言えます。
このような嘘と詭弁と屁理屈を並べた不公正なイカサマ税制は健全な経済活動と国民生活の為にも廃止すべきです。
また、不公正で癒着している経団連、財務省、国税庁も解体すべきでしょう。
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